有価証券報告書-第154期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
○グループ経営理念「いつも、人から。」
当社グループは、「いつも、人から。」を経営理念として掲げております。この経営理念には、従業員一人ひとりが「人」としての思いやりや誠実さをもち、自主性・創造性を発揮して行動すること、そしてグループを取り巻くすべての「人」(ステークホルダー)との信頼を深め、ともにこころ豊かな暮らしを築いていきたいという強い思いが込められています。
お客様の豊かな暮らしの実現に奉仕すること、革新的な経営を推進すること、公正で透明な企業活動や社会貢献により社会的責任を果たしていくことなど、企業が成長・発展していくための原動力はすべて「人」に集約されます。企業に対し、より強い倫理観が求められる社会潮流の中で、当社グループはこれからも経営の原点を「人」におき、すべてのステークホルダーの皆様の期待に応えるための取り組みを進めてまいります。
○企業メッセージ「`変わらない´のに、あたらしい」
心のこもったおもてなしなど「変えてはならないもの」と、お客様にもっと喜んでいただくため「変えるべきもの」を明確にし、全員が一丸となって、お客様を起点に進化し続ける企業グループを目指します。
(2)百貨店収益力強化に向けたコスト構造改革
当社グループでは、毎期5年後をターゲットとした「髙島屋グループ長期プラン」を策定しております。しかし、国内百貨店の市場縮小や販売管理費の高止まりなど、外部環境の変化や構造的要因に起因する課題があります。そのような環境下でも、当社が持続的成長を実現していくためには、企業ブランド価値の源泉である国内百貨店の収益力強化に向けたコスト構造改革に、短期的かつ集中的に取り組んでいく必要があります。
そこで、これまでの5カ年の長期プランについては一旦中止し、新たに3カ年の緊急的経営計画を策定してまいります。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、政府より発出された緊急事態宣言を受け、国内のグループ商業施設では臨時休業や営業時間短縮を実施しており、海外の百貨店子会社の一部においても臨時休業を続けております。こうした営業状況を踏まえ、現時点では業績に与える不確定要素が多く、新しい経営計画につきましては、未定でございます。
(3)経営戦略等
当社グループは、グループ総合戦略である「まちづくり」の深耕・拡大に加え、コスト構造改革の断行により百貨店業、商業開発業、金融業、建装業、EC(電子商取引)等その他の事業のグループ総合力を結集させ、安定的成長を実現してまいります。
「まちづくり」の深耕・拡大には二つの考え方があります。
一つは、地域と共生し、街のアンカー機能としての吸引力をさらに高めることです。もう一つは、お客様の多様なニーズに応えるべくグループの総合力を結集させ、館の魅力を最大化することです。
成長領域への事業拡大として、海外でのアジア市場への経営資源の投資、金融業の領域拡大、ECの拡大によるネットとリアル店舗のシナジー効果発揮等を推進してまいります。また、集客の要であるフードビジネスの再構築や、高い利益率のファッション・アパレル事業の再生にも取り組んでまいります。
さらには、持続可能な社会の実現に向け、SDGsを経営戦略に組み入れ、事業活動を通じてESG(環境・社会貢献・企業統治)での成果も実現できる企業として変革し続けてまいります。
一方、コスト構造改革の断行については、すべての販売管理費をゼロベースで見直し、一層の業務効率化と生産性向上に取り組みます。
○百貨店業
国内・海外百貨店とも、新型コロナウイルス感染症の影響が非常に大きく、業績への影響は見通せない状況にありますが、当社ができることを着実に取り組んでまいります。
国内店舗は、まちづくり戦略を軸とした営業力強化と、すべての販売管理費をゼロベースで見直し、業務の効率化と生産性向上を図るコスト構造改革の両輪で施策を推進してまいります。
海外店舗は、アジア市場における成長基盤を築いてまいります。サイアム髙島屋はお客様ニーズに即した品揃えの継続的な見直しなどによる早期黒字化の実現、上海高島屋は引き続きローコスト経営を推進し、営業利益黒字化の維持に努めてまいります。
○商業開発業
商業開発業では、東神開発株式会社がまちづくり戦略をもとに、国内・海外における百貨店業とのシナジー効果を発揮する商業施設づくりへの取り組みを一層推進してまいります。
とりわけ、海外では、市場拡大が見込めるベトナム事業へ経営資源を投下してまいります。
○金融業
髙島屋クレジット株式会社と髙島屋保険株式会社を合併し、新たに髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社としてスタートさせ、金融業の強化を図ってまいります。
ファイナンシャルカウンターを起点とした営業活動の開始に加え、信託・投資信託サービスメニューなどの具現化に努めてまいります。
○建装業
建装業では、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が施工受注件数の増加による収益力向上に向け、企画・デザイン力を高め、提案型営業のさらなる推進を図ってまいります。
○その他の事業
通信販売業のなかでも成長領域としてのECは、ライフステージ型ギフトや自家需要商材を中心に品揃えを強化するとともに、集荷・出荷業務をシステムの最大活用により、さらに効率化を図ってまいります。通販カタログにおいては、新規顧客の獲得に向け、百貨店店頭顧客の取り込みに努めてまいります。また、品揃えのさらなる魅力化に向け、低価格帯ファッションやこれまで取り扱いしていない商品提案に努めてまいります。
広告宣伝業では媒体・デザインの発信機能をもつ株式会社エー・ティ・エーが、これまで以上にクリエーティブ力を発揮し、デザインの企画・構想力の向上により企業価値を高めてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
米中貿易摩擦や世界各地で頻発する異常気象など国際情勢が不透明さを増す中、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は観光産業にとどまらず、サプライチェーンの分断によって製造業にも波及し、世界経済全体にマイナス影響が拡大しています。
国内においては、超高齢化社会を迎え少子化による人口減少が加速し、消費増税後の消費減退も続く中、終息の目途が立たない新型コロナウイルスの影響による社会不安の拡大もあり、国内景気は減速・悪化傾向が強まっています。一方で、今回の危機がきっかけとなり、デジタルトランスフォーメーションによる人々の生活やビジネスの在り方、働き方の変革が生まれるほか、ECの一層の成長が想定されます。
また、循環型や脱炭素といった環境負荷削減を実現する経済活動がグローバルかつ急速に広がるなど、企業には持続可能な社会の実現に向けた取り組みの必要性が高まっております。
こうした中、当社グループは、「グループ総合戦略『まちづくり』の深耕・拡大と『百貨店収益力強化に向けたコスト構造改革』の断行」を本年度の経営課題に掲げ、各事業の成長を目指してまいります。
とりわけ、消費者のニーズが多様化する中、業態を越えた競合が激化し、国内の人手不足などからくるコスト上昇もあり、低下している百貨店業の収益力を改善させるべく、将来の成長の礎となる構造改革の具体的施策をスタートさせます。
百貨店業におきましては、新型コロナウイルスの感染者数増加に伴い、感染拡大防止に向けた政府の緊急事態宣言を受け、国内百貨店・SCにおける臨時休業、営業時間短縮を実施してまいりました。その影響により売上高・営業利益は前年から大幅に減少する見通しであり、まちづくり戦略を軸とした営業力強化と、収益力強化に向けたコスト構造改革の両輪で施策を実行してまいります。営業力強化に向けて、百貨店業だけではなく、東神開発株式会社、株式会社アール・ティー・コーポレーションをはじめとするグループ力を結集し、集客の要であるフードビジネスや高い利益率のファッション事業を再構築してまいります。
フードビジネスにおいては、フォション等のプライベートブランドや、味百選などの自主編集売場における新規ブランド・商材の発掘・開拓や、出来立てを提供するライブ感、エンターテインメント性の高い売り方変革に取り組み、百貨店・SCの集客力を高めてまいります。
また、ファッション・アパレル事業の再生においては、自ら仕入れ自ら販売する自主編集売場・特徴化ショップを当社の強みとして、ディレクション機能を強化し、高感度でお客様の期待を上回る品揃えを実現するなど、専門店との差異化・特徴化を進めます。また、大手お取引先と協同で、商品カテゴリーを越えた売場開発に取り組んでまいります。
さらに、商品利益率の低下に歯止めをかけるMDの再構築に取り組みます。店頭マネジメント体制を見直し、販売と仕入れ双方の権限を有するマネジャーを配置、地域のお客様ニーズを先取りした話題性の高い品揃えを具現化することに加え、お取引先とともに売場運営コストを効率化し、双方の利益に寄与する売場開発にも取り組んでまいります。
コスト構造改革に向けては、組織・運営体制の見直しによる業務効率化と生産性向上に取り組みます。全ての販売管理費をゼロベースで見直し、業務のスクラップや合理化、システム化によるコストダウンを図ってまいります。また、売場運営体制の見直しや、百貨店とグループ会社間の重複業務の解消により、少人数で高い生産性を生み出す体制を構築してまいります。
持続可能な社会の実現につきましては、環境負荷削減に向けた取り組みとして、レジ袋および紙製食料品用手提袋の素材切り替え・有料化を本年4月に実施するなど、品揃え、サービス、環境面におけるユニバーサル化も進めてまいります。
海外店舗につきましては、各国ともに新型コロナウイルスによる影響が非常に大きく、業績への影響が不透明な状況にありますが、当社グループができることを着実に取り組み、アジアにおける成長の基盤を築いてまいります。とりわけ、周辺地域のインフラ整備の遅れなどの課題を抱える「サイアム髙島屋」におきましては、お客様ニーズに即した品揃えの継続的な見直しに努め、「上海高島屋」は、営業体制の再構築によるローコスト経営を推進し、収益改善を進めます。
商業開発業では、東神開発株式会社が百貨店と連携し、「玉川髙島屋S・C」を「過ごし・集い・共感を育む、玉川流ライフスタイルセンター」としてリニューアルさせ、「流山おおたかの森S・C」では人々が豊かに過ごせる街のコミュニティー空間の提供に向け、周辺開発をさらに推進します。海外では、市場拡大が見込めるベトナムに経営資源を集中投下してまいります。ハノイ市の不動産開発事業「スターレイク・プロジェクト」に参画し、2021年前半にバイリンガルスクールを開校するとともに、2022年以降には商業を中心とする複合施設の事業を開始する予定です。
金融業では、当社グループにおけるプラットフォームの統一を図るべく、髙島屋クレジット株式会社(カード事業)と髙島屋保険株式会社(保険代理業)を合併し、本年3月新たに「髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社」をスタートいたしました。クレジットカード事業を起点に、お客様に寄り添った資産形成や資産保全等のファイナンシャルサービスを展開し、事業の強化・拡大を図ってまいります。
建装業では、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、東京オリンピック・パラリンピックによる需要拡大後の反動減に対応すべく、企画、デザインなどのソフト機能を高め、提案型営業による競争力・収益力向上を図ってまいります。
まちづくり戦略の中でも第三のまちとして位置づけられるECは、ライフステージ型ギフトや自家需要商材を中心に、品揃えを強化するとともに、集荷・出荷業務をシステムの最大活用により、さらに効率化させてまいります。さらに、ECサイトの機能やサービスを向上させ、ネットとリアル店舗の一層のシナジー発揮を目指してまいります。
内部統制システムにつきましては、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化し、豪雨や地震など、自然災害時の事業継続や災害対策プランの構築等に取り組んでまいります。また、コーポレートガバナンス・コードへの対応を含め、取締役会のさらなる機能強化に取り組み、継続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
昨年、当社はECサイト「髙島屋オンラインストア」における化粧品の原産国誤表記事案において、消費者庁から業務改善を含めた措置命令を受けました。当社は、このような事態を厳粛かつ真摯に受け止め、コンプライアンス体制のさらなる強化・徹底に努めてまいります。
(1)経営方針
○グループ経営理念「いつも、人から。」
当社グループは、「いつも、人から。」を経営理念として掲げております。この経営理念には、従業員一人ひとりが「人」としての思いやりや誠実さをもち、自主性・創造性を発揮して行動すること、そしてグループを取り巻くすべての「人」(ステークホルダー)との信頼を深め、ともにこころ豊かな暮らしを築いていきたいという強い思いが込められています。
お客様の豊かな暮らしの実現に奉仕すること、革新的な経営を推進すること、公正で透明な企業活動や社会貢献により社会的責任を果たしていくことなど、企業が成長・発展していくための原動力はすべて「人」に集約されます。企業に対し、より強い倫理観が求められる社会潮流の中で、当社グループはこれからも経営の原点を「人」におき、すべてのステークホルダーの皆様の期待に応えるための取り組みを進めてまいります。
○企業メッセージ「`変わらない´のに、あたらしい」
心のこもったおもてなしなど「変えてはならないもの」と、お客様にもっと喜んでいただくため「変えるべきもの」を明確にし、全員が一丸となって、お客様を起点に進化し続ける企業グループを目指します。
(2)百貨店収益力強化に向けたコスト構造改革
当社グループでは、毎期5年後をターゲットとした「髙島屋グループ長期プラン」を策定しております。しかし、国内百貨店の市場縮小や販売管理費の高止まりなど、外部環境の変化や構造的要因に起因する課題があります。そのような環境下でも、当社が持続的成長を実現していくためには、企業ブランド価値の源泉である国内百貨店の収益力強化に向けたコスト構造改革に、短期的かつ集中的に取り組んでいく必要があります。
そこで、これまでの5カ年の長期プランについては一旦中止し、新たに3カ年の緊急的経営計画を策定してまいります。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、政府より発出された緊急事態宣言を受け、国内のグループ商業施設では臨時休業や営業時間短縮を実施しており、海外の百貨店子会社の一部においても臨時休業を続けております。こうした営業状況を踏まえ、現時点では業績に与える不確定要素が多く、新しい経営計画につきましては、未定でございます。
(3)経営戦略等
当社グループは、グループ総合戦略である「まちづくり」の深耕・拡大に加え、コスト構造改革の断行により百貨店業、商業開発業、金融業、建装業、EC(電子商取引)等その他の事業のグループ総合力を結集させ、安定的成長を実現してまいります。
「まちづくり」の深耕・拡大には二つの考え方があります。
一つは、地域と共生し、街のアンカー機能としての吸引力をさらに高めることです。もう一つは、お客様の多様なニーズに応えるべくグループの総合力を結集させ、館の魅力を最大化することです。
成長領域への事業拡大として、海外でのアジア市場への経営資源の投資、金融業の領域拡大、ECの拡大によるネットとリアル店舗のシナジー効果発揮等を推進してまいります。また、集客の要であるフードビジネスの再構築や、高い利益率のファッション・アパレル事業の再生にも取り組んでまいります。
さらには、持続可能な社会の実現に向け、SDGsを経営戦略に組み入れ、事業活動を通じてESG(環境・社会貢献・企業統治)での成果も実現できる企業として変革し続けてまいります。
一方、コスト構造改革の断行については、すべての販売管理費をゼロベースで見直し、一層の業務効率化と生産性向上に取り組みます。
○百貨店業
国内・海外百貨店とも、新型コロナウイルス感染症の影響が非常に大きく、業績への影響は見通せない状況にありますが、当社ができることを着実に取り組んでまいります。
国内店舗は、まちづくり戦略を軸とした営業力強化と、すべての販売管理費をゼロベースで見直し、業務の効率化と生産性向上を図るコスト構造改革の両輪で施策を推進してまいります。
海外店舗は、アジア市場における成長基盤を築いてまいります。サイアム髙島屋はお客様ニーズに即した品揃えの継続的な見直しなどによる早期黒字化の実現、上海高島屋は引き続きローコスト経営を推進し、営業利益黒字化の維持に努めてまいります。
○商業開発業
商業開発業では、東神開発株式会社がまちづくり戦略をもとに、国内・海外における百貨店業とのシナジー効果を発揮する商業施設づくりへの取り組みを一層推進してまいります。
とりわけ、海外では、市場拡大が見込めるベトナム事業へ経営資源を投下してまいります。
○金融業
髙島屋クレジット株式会社と髙島屋保険株式会社を合併し、新たに髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社としてスタートさせ、金融業の強化を図ってまいります。
ファイナンシャルカウンターを起点とした営業活動の開始に加え、信託・投資信託サービスメニューなどの具現化に努めてまいります。
○建装業
建装業では、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が施工受注件数の増加による収益力向上に向け、企画・デザイン力を高め、提案型営業のさらなる推進を図ってまいります。
○その他の事業
通信販売業のなかでも成長領域としてのECは、ライフステージ型ギフトや自家需要商材を中心に品揃えを強化するとともに、集荷・出荷業務をシステムの最大活用により、さらに効率化を図ってまいります。通販カタログにおいては、新規顧客の獲得に向け、百貨店店頭顧客の取り込みに努めてまいります。また、品揃えのさらなる魅力化に向け、低価格帯ファッションやこれまで取り扱いしていない商品提案に努めてまいります。
広告宣伝業では媒体・デザインの発信機能をもつ株式会社エー・ティ・エーが、これまで以上にクリエーティブ力を発揮し、デザインの企画・構想力の向上により企業価値を高めてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
米中貿易摩擦や世界各地で頻発する異常気象など国際情勢が不透明さを増す中、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は観光産業にとどまらず、サプライチェーンの分断によって製造業にも波及し、世界経済全体にマイナス影響が拡大しています。
国内においては、超高齢化社会を迎え少子化による人口減少が加速し、消費増税後の消費減退も続く中、終息の目途が立たない新型コロナウイルスの影響による社会不安の拡大もあり、国内景気は減速・悪化傾向が強まっています。一方で、今回の危機がきっかけとなり、デジタルトランスフォーメーションによる人々の生活やビジネスの在り方、働き方の変革が生まれるほか、ECの一層の成長が想定されます。
また、循環型や脱炭素といった環境負荷削減を実現する経済活動がグローバルかつ急速に広がるなど、企業には持続可能な社会の実現に向けた取り組みの必要性が高まっております。
こうした中、当社グループは、「グループ総合戦略『まちづくり』の深耕・拡大と『百貨店収益力強化に向けたコスト構造改革』の断行」を本年度の経営課題に掲げ、各事業の成長を目指してまいります。
とりわけ、消費者のニーズが多様化する中、業態を越えた競合が激化し、国内の人手不足などからくるコスト上昇もあり、低下している百貨店業の収益力を改善させるべく、将来の成長の礎となる構造改革の具体的施策をスタートさせます。
百貨店業におきましては、新型コロナウイルスの感染者数増加に伴い、感染拡大防止に向けた政府の緊急事態宣言を受け、国内百貨店・SCにおける臨時休業、営業時間短縮を実施してまいりました。その影響により売上高・営業利益は前年から大幅に減少する見通しであり、まちづくり戦略を軸とした営業力強化と、収益力強化に向けたコスト構造改革の両輪で施策を実行してまいります。営業力強化に向けて、百貨店業だけではなく、東神開発株式会社、株式会社アール・ティー・コーポレーションをはじめとするグループ力を結集し、集客の要であるフードビジネスや高い利益率のファッション事業を再構築してまいります。
フードビジネスにおいては、フォション等のプライベートブランドや、味百選などの自主編集売場における新規ブランド・商材の発掘・開拓や、出来立てを提供するライブ感、エンターテインメント性の高い売り方変革に取り組み、百貨店・SCの集客力を高めてまいります。
また、ファッション・アパレル事業の再生においては、自ら仕入れ自ら販売する自主編集売場・特徴化ショップを当社の強みとして、ディレクション機能を強化し、高感度でお客様の期待を上回る品揃えを実現するなど、専門店との差異化・特徴化を進めます。また、大手お取引先と協同で、商品カテゴリーを越えた売場開発に取り組んでまいります。
さらに、商品利益率の低下に歯止めをかけるMDの再構築に取り組みます。店頭マネジメント体制を見直し、販売と仕入れ双方の権限を有するマネジャーを配置、地域のお客様ニーズを先取りした話題性の高い品揃えを具現化することに加え、お取引先とともに売場運営コストを効率化し、双方の利益に寄与する売場開発にも取り組んでまいります。
コスト構造改革に向けては、組織・運営体制の見直しによる業務効率化と生産性向上に取り組みます。全ての販売管理費をゼロベースで見直し、業務のスクラップや合理化、システム化によるコストダウンを図ってまいります。また、売場運営体制の見直しや、百貨店とグループ会社間の重複業務の解消により、少人数で高い生産性を生み出す体制を構築してまいります。
持続可能な社会の実現につきましては、環境負荷削減に向けた取り組みとして、レジ袋および紙製食料品用手提袋の素材切り替え・有料化を本年4月に実施するなど、品揃え、サービス、環境面におけるユニバーサル化も進めてまいります。
海外店舗につきましては、各国ともに新型コロナウイルスによる影響が非常に大きく、業績への影響が不透明な状況にありますが、当社グループができることを着実に取り組み、アジアにおける成長の基盤を築いてまいります。とりわけ、周辺地域のインフラ整備の遅れなどの課題を抱える「サイアム髙島屋」におきましては、お客様ニーズに即した品揃えの継続的な見直しに努め、「上海高島屋」は、営業体制の再構築によるローコスト経営を推進し、収益改善を進めます。
商業開発業では、東神開発株式会社が百貨店と連携し、「玉川髙島屋S・C」を「過ごし・集い・共感を育む、玉川流ライフスタイルセンター」としてリニューアルさせ、「流山おおたかの森S・C」では人々が豊かに過ごせる街のコミュニティー空間の提供に向け、周辺開発をさらに推進します。海外では、市場拡大が見込めるベトナムに経営資源を集中投下してまいります。ハノイ市の不動産開発事業「スターレイク・プロジェクト」に参画し、2021年前半にバイリンガルスクールを開校するとともに、2022年以降には商業を中心とする複合施設の事業を開始する予定です。
金融業では、当社グループにおけるプラットフォームの統一を図るべく、髙島屋クレジット株式会社(カード事業)と髙島屋保険株式会社(保険代理業)を合併し、本年3月新たに「髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社」をスタートいたしました。クレジットカード事業を起点に、お客様に寄り添った資産形成や資産保全等のファイナンシャルサービスを展開し、事業の強化・拡大を図ってまいります。
建装業では、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、東京オリンピック・パラリンピックによる需要拡大後の反動減に対応すべく、企画、デザインなどのソフト機能を高め、提案型営業による競争力・収益力向上を図ってまいります。
まちづくり戦略の中でも第三のまちとして位置づけられるECは、ライフステージ型ギフトや自家需要商材を中心に、品揃えを強化するとともに、集荷・出荷業務をシステムの最大活用により、さらに効率化させてまいります。さらに、ECサイトの機能やサービスを向上させ、ネットとリアル店舗の一層のシナジー発揮を目指してまいります。
内部統制システムにつきましては、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化し、豪雨や地震など、自然災害時の事業継続や災害対策プランの構築等に取り組んでまいります。また、コーポレートガバナンス・コードへの対応を含め、取締役会のさらなる機能強化に取り組み、継続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
昨年、当社はECサイト「髙島屋オンラインストア」における化粧品の原産国誤表記事案において、消費者庁から業務改善を含めた措置命令を受けました。当社は、このような事態を厳粛かつ真摯に受け止め、コンプライアンス体制のさらなる強化・徹底に努めてまいります。