有価証券報告書-第87期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/27 15:24
【資料】
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【項目】
155項目
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
(役員に対する報酬制度について)
1.基本方針
当社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するよう株主利益と連動した報酬体系とします。
具体的には、当社の取締役(社外取締役および国内非居住者を除く。)の報酬は、定額の基本報酬のほかに、短期インセンティブとしての事業年度ごとの会社業績に基づく業績連動型の賞与制度と、中長期インセンティブとしての中長期的な会社業績に基づく業績連動型の株式報酬制度で構成します。
報酬水準およびその報酬構成比率については、外部調査機関の役員報酬調査データより、同規模程度の企業の役員報酬水準および報酬構成比率をベンチマークとして設定し、毎年報酬水準および報酬構成比率の確認を行います。
社外取締役については、その役割と独立性の観点から基本報酬のみとします。
2.個人別報酬の固定報酬(基本報酬)の額の決定方針(報酬付与の時期・条件の決定方針を含む。)
当社の取締役の基本報酬は、月例の固定報酬とし、上記1記載の基本方針に照らし、指名・報酬委員会が定めた役位等に基づく支給条件に応じて支給します。
3.個人別報酬の変動報酬(賞与および株式報酬)の内容および額又は数の算定方法の決定方針(業績指標の内容および当該業績指標の額又は数の算定方法の決定方針、並びに報酬付与の時期・条件の決定方針を含む。)
・業績連動賞与
各取締役の職責に基づき、事業年度ごとの会社業績向上に対する意識を高めるため、単年度の業績指標の目標に対する達成度合いに応じて業績連動係数を決定し、これを役位別の基準額に乗じて業績連動賞与支給額を決定します。
・業績連動型株式報酬
役員報酬BIP信託の仕組みを活用し、当社が金銭を拠出した信託(以下「本信託」という。)を用いて、各取締役に当社の株式等を交付します。
具体的には、中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を高めるため、中期経営計画と整合するよう複数年の事業年度を定め、その最終事業年度の会社業績指数の目標達成度等の業績指標に応じて業績連動係数を決定し、これを各取締役の役位に応じて事業年度ごとに付与したポイントの累計ポイント数を乗じて、各取締役に交付する株式等を決定します。
なお、各取締役は当該ポイントの一定割合に相当する当社株式の交付を受け、残りの当社株式については本信託で換価したうえで、換価処分相当額の金銭の給付を受けることとします。ただし、当初の対象期間である2020年3月31日で終了する事業年度および2021年3月31日で終了する事業年度について交付する株式には、交付時から1年間の譲渡制限期間を設けます。
また、対象期間を延長し本信託を継続させる場合においては、その時点の中期的な計画に対応する年数とし、新たな対象期間を2年間とする時は、当該対象期間について交付する株式にも、同様の株式交付時から1年間の譲渡制限期間を設けます。
・業績指標
業績連動賞与および業績連動型株式報酬の業績指標は、中期経営計画と整合するよう計画策定時に設定し、適宜、環境の変化に応じて取締役会で決定します。
・業績連動賞与の交付時期
毎事業年度終了後、翌事業年度中の一定の時期に支給します。
・業績連動型株式報酬の交付時期
受益者要件を充足する取締役には、原則として対象期間の最終事業年度の直後の6月以降に、算出された累計ポイント数に応じた株式等の交付を行います。
4.個人別報酬の報酬割合の決定方針
報酬構成比率については、 上記1記載の基本方針に照らし、指名・報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決定します。
5.個人別報酬の内容の決定方法
取締役の個人別の報酬については、報酬に関する審議プロセスの透明性と客観性を高めることを目的として取締役会の委任に基づき指名・報酬委員会で決定します。
指名・報酬委員会は委員3名以上で組織し、原則として2名以上を社外取締役で構成し、委員は取締役会の決議により選任します。
また、指名・報酬委員会では、株主総会で決議された報酬制度および報酬限度額の範囲内で、グループ経営に対する責任度合い、中期経営計画の進捗度合い等を総合的に考慮したうえ、次の事項を審議・決定します。
・取締役の個別報酬に関する事項
・取締役の報酬制度の変更に関する事項
・上記のほか、取締役会からの諮問・委任があった事項
2023年3月期においては指名・報酬委員会は3回開催し、2023年3月に役員の報酬について審議・決定しました。
6.個人別報酬のその他の重要な事項
業績連動型株式報酬については、対象取締役等に重大な不正・違反行為が発生した場合、当該対象取締役等に対し、交付予定株式の受益権の没収(マルス)、交付した株式等相当の金銭の返還請求(クローバック)ができる制度を設けています。
7.取締役の個人別の報酬等の内容が当該方針に沿うものであると判断した理由
取締役会は、取締役の個人別の報酬等を決定する権限が指名・報酬委員会によって適切に行使されるよう、上記のとおり同委員会の構成員の過半数を社外取締役とする措置を講じており、また、当期における取締役の個人別の報酬等の決定に際しては、同委員会において上記の決定方針と同様の観点から多角的検討を行っているため、取締役会としても、当該報酬等の内容は上記の決定方針に沿うものであると判断しています。
(報酬の決定に関する取締役会の活動内容)
2021年3月の取締役会で「役員報酬の決定方針」について審議・決定しました。また2021年4月に役員報酬の見直しについて議論し、同年5月に業績連動型株式報酬の制度延長を審議・決定しました。
(業績連動報酬について)
報酬水準と報酬構成比率については、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高め、株主との利害関係の一致と株主視点での経営強化を図ることを目的として、基本報酬以外の業績連動報酬の割合を高めるため見直しています。
2019年3月期以前 基本報酬:業績連動賞与:業績連動型株式報酬 = 8:1:1
2020年3月期以降 基本報酬:業績連動賞与:業績連動型株式報酬 = 6:1:3
(ⅰ)業績連動賞与
各取締役の職責に基づき、事業年度ごとの会社業績向上に対する意識を高めるため、単年度の業績指標の目標に対する達成度合いに応じて業績連動係数を決定し、これを役位別の基準額に乗じて業績連動賞与の支給額を決定します。2023年3月期は、株主との一層の価値共有を図り会社業績に連動させるため業績指標をEPS(公表計画)とし、目標達成度合いに応じて業績連動係数の変動幅を0~200%の範囲としています。
□ 業績連動賞与の算定式
業績連動賞与 = 役位別の基準額 × 業績連動係数
・目標とする業績指標と業績連動係数
目標とする指標目標値実績業績連動係数
2022年3月期EPS79.57円85.81円107%
2023年3月期109.11円109.37円100%
2024年3月期140.00円-0~200%

□ 業績連動賞与の報酬限度額
・取締役(社外取締役を除く。)に支給する業績連動賞与の報酬限度額は年額100百万円(使用人兼務取締役に対する使用人賞与を除く。)(株主総会決議の日 2016年6月29日)。
(ⅱ)業績連動型株式報酬
当社グループの中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を高めることを目的として、2017年3月期より業績連動型株式報酬制度(BIP信託)を導入しています。本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定した信託(以下「本信託」という。)を用いて、取締役に当社株式の交付等を行う制度です。
・2022年3月末日で終了する事業年度から2024年3月末日で終了する事業年度の3事業年度は、各取締役の役位に応じて毎年一定の時期にポイントを付与します。最終事業年度の会社業績指数の目標達成度等の業績指標(会社業績指数EPS、ROE、ROICに加え、当社の共創サステナビリティ経営を推進するためのESG評価指標等を使用)に応じて0~110%の範囲で業績連動係数を決定し、これを累積ポイント数に乗じて各取締役に交付する株式数を算出します。
□ 交付する株式報酬の算定式
交付する株式数 = 役位別の累積ポイント数 ×(財務指標の業績連動係数 + 非財務指標の業績連動係数)
・目標とする業績指標と業績連動係数
目標とする指標目標値実績業績連動係数
2024年3月期財務指標EPS140円以上-0%~110%
3指標の平均
達成度により決定
ROE10.0%以上
ROIC3.8%以上
非財務指標ESG
評価指標
DJSI Worldの構成銘柄への選定有無0%・5%
CO2排出削減量35万tの達成0%・5%

(注)1 Dow Jones Sustainability World Index:長期的な株主価値向上への観点から、企業を経済・環境・社会の3つの側面で統合的に評価・選定するESGインデックス
2 2017年3月期対比の削減量
□ 業績連動型株式の限度額
当社が拠出する金員の上限
・2020年3月末日で終了する事業年度以降は、1事業年度当たり200百万円に対象期間の年数を乗じた金額とし、2022年3月末日で終了する事業年度から2024年3月末日で終了する事業年度の3事業年度に対しては600百万円(株主総会決議の日 2019年6月20日)。
取締役が取得する当社株式等の数の上限
・2020年3月末日で終了する事業年度以降は、1事業年度当たり10万ポイント(10万株相当)に対象期間の年数を乗じたポイント数とし、2022年3月末日で終了する事業年度から2024年3月末日で終了する事業年度の3事業年度に対しては30万ポイント(株主総会決議の日 2019年6月20日)。
□ 取締役に対する株式等の交付等
・受益者要件を充足する取締役には、原則として対象期間の最終事業年度の直後の6月以降に、算出されたポイント数に応じた当社株式等の交付等を受けるものとします。この時、当該取締役は、当該ポイントの一定の割合に相当する当社株式の交付を受け、残りの当社株式については本信託で換価したうえで、換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。ただし、当初の対象期間について交付する株式には、交付時から1年間の譲渡制限期間(譲渡、担保権設定その他の処分をしてはならない期間)を設けることとしています。
・対象期間を延長し本信託を継続させる場合においては、その時点で当社経営の中期的な計画に対応する年数とします。また、中長期のインセンティブとしての効果を発揮するため、新たな対象期間を2年間とする時は、当該対象期間について交付する株式にも、同様の株式交付時から1年間の譲渡制限期間を設けることとしています。
□ その他報酬の限度額
・取締役の基本報酬の限度額については年額300百万円(使用人兼務取締役に対する使用人分給与を除く。)(株主総会決議の日 2012年6月27日)。
・監査役の報酬限度額については月額6百万円(株主総会決議の日 1987年4月28日)。監査役個々の報酬は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で監査役会での協議により決定しています。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数(2023年3月期)
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる
役員の員数
(人)
基本報酬業績連動賞与業績連動型
株式報酬
取締役
(社外取締役を除く)
18410120633
監査役
(社外監査役を除く)
3636--3
社外役員7171--6

(注)1 当期末時点における在籍人員は、取締役(社外取締役を除く。)3名、監査役(社外監査役を除く。)2名、社外役員5名ですが、上記報酬には2022年6月28日開催の定時株主総会終結の時をもって任期満了により退任した監査役2名分を含んでいます。
2 業績連動賞与および業績連動型株式報酬は、当事業年度に係る費用計上額を記載しています。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等(2023年3月期)
氏名連結報酬等の総額
(百万円)
役員区分会社区分連結報酬等の種類別の額(百万円)
基本報酬業績連動報酬業績連動型
株式報酬
青井 浩130取締役提出会社751341

(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。