四半期報告書-第63期第2四半期(平成27年6月1日-平成27年8月31日)

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2015/10/15 10:31
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、円安による輸出企業の好調な業績や株式市場の堅調な推移を背景として、国内景気は緩やかではありますが回復基調となりました。個人消費については、雇用・所得環境の改善に伴い、消費マインドに持ち直しの動きが見られましたが、物価の上昇や、消費の基盤となる個人所得の水準は小幅な改善に留まっていることや、中国経済をはじめとした海外景気の下振れ懸念等から先行きは不透明な状況となっております。
国内の家電小売業界におきましては、昨年3月の消費税増税前特需の反動により当年3月は前年を下回ったものの、4月以降は好調に推移しました。主力商品の販売状況は、パソコンは、「WindowsXP」のサポート終了に伴う買い換え特需の反動による減少がありましたが、テレビ、冷蔵庫・洗濯機・エアコンの白物商品、掃除機や調理家電等は、高機能商品への買い換えによって、平均単価が再び上昇トレンドへ転換し、販売台数の伸長と合わせ、堅調に推移しました。また、インバウンド需要については、訪日客の増加に伴い、好調に推移しております。
このような状況の中、当社におきましては、AV商品が、4K対応テレビや大画面テレビの販売構成比の上昇により前年より伸長しました。白物商品では、冷蔵庫が省エネ、省スペース大容量タイプ、エアコンは省エネ、高機能タイプが好調に推移する等、製品単価が上昇したことに加え、梅雨明け以降の猛暑到来により販売台数が大きく伸長しましたが、3月の落ち込みをカバーするには至りませんでした。
また、掃除機がロボット掃除機やスティック型タイプの品揃えの充実により、買い換えや2台目需要が旺盛となり、販売台数と共に売上高は好調に伸長しました。調理家電や理美容商品はインバウンド需要の効果もあり、堅調に推移しました。
OA商品では、パソコンが昨年3月の消費税増税前特需から4月にかけての「WindowsXP」サポート終了前の駆け込み需要による影響が大きく、販売金額は前年同期を下回りました。
通信商品では、「iPhone6」は各キャリアともに引き続き好調に推移しましたが、9月末の「iPhone6s」発売を控え、買い控えが見られました。その他、「格安SIM」「SIMフリー」の需要が拡大しています。
店舗戦略につきましては、積極的な既存店舗の活性化を推進しており、当第2四半期累計期間は、12店舗で実施しました。また、キッチン・バス・トイレ・洗面化粧台等を中心としたリフォームコーナーを13店舗で新たに導入し、8月末までに延べ52店舗にリフォームコーナーを展開した効果により、住宅リフォーム事業の売上高は大幅に伸長しました。
海外事業につきましては、PT.BESTDENKI INDONESIAの全株式を合弁先である現地企業に譲渡し、6月より、当社のフランチャイズチェーンとしての事業展開に切り替えたことが減収の要因となりましたが、シンガポールとマレーシアは増収となり、また、利益面も利益率改善もあり総じて好調に推移しました。
当第2四半期連結会計期間末における店舗数は、直営店161店(うち海外17店含む)、フランチャイズ店238店(うち海外59店含む)の総店舗数399店となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①家電小売業は、昨年3月の消費税増税前特需の反動により、売上高は731億13百万円(前年同期比4.1%減)と減収となりましたが、売上総利益率の改善により、営業利益は17億98百万円(前年同期比3.6%増)と増益となりました。
②家電卸売業は、売上高は139億71百万円(前年同期比2.7%増)と増収となりましたが、販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は2億49百万円(前年同期比23.5%減)と減益となりました。
③クレジット事業は、平成19年に信販会社との契約内容を変更し営業貸付金が減少したため、営業収益は18百万円(前年同期比24.6%減)となり、営業利益は14百万円(前年同期比10.5%減)と減収減益となりました。
④サービス事業は、昨年3月の消費税増税前特需による配達設置件数増加の反動により、売上高は14億71百万円(前年同期比23.6%減)となり、営業利益は61百万円(前年同期比7.6%減)と減収減益となりました。
⑤その他は、主に建築工事の請負業における売上高の減少により、売上高は8億67百万円(前年同期比8.7%減)と減収となりましたが、人材派遣業における新規業務受託等により、営業利益は27百万円(前年同期比30.1%増)と増益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は894億43百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は8億79百万円(前年同期比14.3%減)、経常利益は13億68百万円(前年同期比7.6%減)および四半期純利益は13億30百万円(前年同期比5.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7億38百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末残高は68億64百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で得られた資金は54百万円(前年同期は62億48百万円の獲得)となりました。これは主にたな卸資産の減少による増加18億88百万円、税金等調整前四半期純利益15億42百万円等の増加と、売上債権の増加による減少9億92百万円、関係会社株式売却益7億52百万円および仕入債務の減少5億30百万円等の減少によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で得られた資金は8億59百万円(前年同期は1億52百万円の使用)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入9億68百万円、敷金及び保証金の回収による収入5億47百万円および定期預金の払戻による収入4億円等の収入と、固定資産の取得による支出7億64百万円、事業譲受による支出1億83百万円等の支出によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は97百万円(前年同期は28億34百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出23億86百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出19億52百万円等の支出と、長期借入れによる収入37億20百万円等の収入によります。
(3) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は株式会社の支配に関する基本方針について定めており、その内容は次のとおりであります。
(会社の支配に関する基本方針)
①基本方針の内容
当社の株式は譲渡自由が原則であり、当社の株主は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決まるものです。したがって、当社の経営の支配権の移転を伴うような買付提案等に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の自由な意思に基づき行われるべきものと考えております。
一方、当社グループは、家電製品の小売業において、長年にわたって培ってきたノウハウにより顧客の支持を獲得して参りました。それを実現するうえで当社グループが有する人材が重要な経営資源として位置づけられることは勿論のこと、取引先との長期にわたる信頼関係が当社グループの事業活動の重要な基盤をなしております。当社といたしましては、これからの経営基盤を長期的に継続していくことが、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものと認識しております。
そのため、当社が後記②で述べるような様々な取組みを実行し、企業価値・株主共同の利益の確保・向上のために努めている中で、当社株式の買付け等の提案を受けた場合、当社といたしましては、それが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであるか否かを当社株主の皆様に適切に判断していただくために、当該買付けが当社の経営基盤やこれまでの経営上の取組みに与える影響、当社株式の買付け等の提案をした者による買付け後の当社の企業価値・株主共同の利益の向上に向けた取組み等について、当社株主の皆様に十分に把握していただく必要があると考えております。
しかしながら、当社株式の買付け等の提案の中には、当社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付目的や買付け後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれのあるものも想定されます。このような企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配するものとしては適切ではないと考えております。
②基本方針の実現に資する取組み
当社では、以下のとおり、あらかじめ定めた経営計画に基づく具体的施策とコーポレートガバナンスの強化の両面から、当社の企業価値・株主共同の利益の向上に取り組んでおります。
イ 経営計画に基づく具体的施策による企業価値・株主共同の利益の向上の取組み
当社は、これまでに当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上のための様々な取組みを行って参りました。その一例として、平成24年7月13日に締結した株式会社ヤマダ電機との資本・業務提携契約に基づき、相乗効果を最大限に発揮するべく、相互密接に連携し、競争力の向上、収益力の拡大など共同実施の各種施策に全力で取り組んでおります。
当社は、前期に以下の取組みを実践して参りました。決めたことをやり遂げる「強い会社」を目指して、「人材」:使命感を持ち、自発的、能動的に行動する。「組織」:目標を共有し、一致団結した集団となる。「利益」:結果を追求し、成長を継続させる。以上のキーワードとベスト電器が目指すべき姿としての「ベスト電器がそこに存在する意義」を追求することにより、引き続き企業価値・株主共同の利益の確保・向上のために努めて参りました。
また、店舗戦略においては、平成26年5月の宇土店(熊本県宇土市)を始め前年に引き続き積極的な既存店舗の活性化を実施し、また新規事業の強化のため35店舗にリフォームコーナーを新たに導入しました。新規出店におきましては、平成26年9月にテックランド隠岐店(島根県隠岐郡隠岐の島町)、平成27年1月にベスト電器荒尾店(熊本県荒尾市)をオープンしました。
さらに、太陽光事業におきましては、消費税増税前の駆け込み需要後の反動、および電力会社の太陽光発電の買い取り中断報道後の買い控えにより、前年同期を下回りましたが、リフォーム事業については、店舗にキッチン・バス・トイレ・洗面化粧台等のリフォームコーナーを拡充したことにより好調に推移しました。
当社といたしましては、上記のとおり、様々な取組みを着実に実行するとともに、当期は引き続き決めたことをやり遂げる「強い会社」を目指して、「お客様へ」⇒お客様のニーズに応え、家電製品を通じて豊かな生活をサポートする。「従業員へ」⇒仕事を通じて成長できる、自己実現ができるステージを提供する。「社会へ」⇒安心できる存在、信頼できる存在となる。以上の存在する意義を追求することにより、引き続き企業価値・株主共同の利益の確保・向上のために努めて参ります。
ロ コーポレートガバナンスの強化による企業価値・株主共同の利益の向上の取組み
当社では、株主総会の下に取締役会と監査役会、内部監査室を置くとともに、経営会議を設けることにより、経営課題を十分に議論し、迅速なる意思決定を行う体制づくりをしております。
また、当社は業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役が、当社の意思決定の客観性および合理性を担保することにより、コーポレートガバナンスの強化を図り、当社の企業価値・株主共同の利益の向上のために取り組んで参ります。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 従業員数
連結会社の状況
当第2四半期連結累計期間において、主に連結子会社PT.BESTDENKI INDONESIAの株式譲渡に伴う連結の範囲の変更により、家電小売業において729名減少しております。
なお、従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。