有価証券報告書-第96期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2020年3月1日~2021年2月28日)の連結業績は、営業収益が8兆6,039億10百万円(前期比100.0%)、営業利益が1,505億86百万円(同69.9%)、経常利益が1,388億1百万円(同67.4%)となり、12月に公表した連結業績予想を上回りました。親会社株主に帰属する当期純損失は710億24百万円(前期より978億63百万円の減益)となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗の一時休業や営業時間短縮、重要な事業パートナーであるテナント専門店企業に対する賃料減免、経営効率改善のための在庫削減等、一過性或いは今後の収益性改善に資する施策によるものであり、翌連結会計年度(2021年3月1日~2022年2月28日)は黒字に回復する見込みです。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限や自粛が続く中で、地域の暮らしを支えるライフラインとして食品・生活必需品の販売を通年で継続したSM(スーパーマーケット)事業とヘルス&ウエルネス事業は大幅な増益となりました。GMS(総合スーパー)事業は4月に発令された緊急事態宣言に伴う外出自粛やテナントゾーンの営業休止の影響を受けましたが、体質改善策として在庫の削減に取り組み、売上総利益率は改善基調にあります。加えて経費削減も推進し、収益性向上に注力しました。総合金融事業、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業、国際事業は国内外の緊急事態宣言、ロックダウン等に伴う営業休止や営業時間短縮の影響を受けましたが、防疫の徹底、ニューノーマルへの確実な対応、収益改善への取り組みにより回復基調にあります。
(グループ共通戦略)
・ 当社は、6月に制定した防疫対策の基準等を示した「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」を11月に改定しました。この改定では、施設内での飛沫感染防止の観点から施設内換気と空気浄化の設備導入に関する対策を加えるとともに、従業員からの施設内感染を撲滅する仕組み、また発生後の二次感染の防止策に関する項目等を追加しました。本プロトコルは、防疫対策を一時的な取り組みではなく継続的に実行していくことで、防疫が生活の一部となる社会を実現し、お客さま及び従業員の健康と生活を守り、お客さまとともに地域社会の安全・安心な生活を守ることを目的にしています。今後もさまざまな防疫の取り組みを組み合わせることで、感染リスクの削減をはかり、安全・安心な売場環境や職場環境の構築を進めます。
・ 2018年に締結した国内6地域におけるSM事業の経営統合に関する基本合意に基づき、2019年度は中国・四国地域と東海・中部地域で経営統合を実施し、2020年度は北海道地域、東北地域、近畿地域、九州地域で実施することで、全ての地域での経営統合が完了しました。具体的には、3月に北海道地域でイオン北海道㈱とマックスバリュ北海道㈱が、東北地域でマックスバリュ東北㈱とイオンリテール㈱東北カンパニーの食品事業が経営統合しました。近畿地域では㈱ダイエーが㈱光洋を子会社化し、9月には九州地域でイオン九州㈱、マックスバリュ九州㈱、イオンストア九州㈱が経営統合しました。なお、中国・四国地域においては、マックスバリュ西日本㈱が2019年3月に子会社化した㈱マルナカ及び㈱山陽マルナカを2021年3月に合併する契約を10月に締結し、さらなる再編を推し進めました。各地域の統合会社は、ローカル志向、低価格志向、健康志向等の食の多様化やさらなる安全・安心意識の高まり、Eコマースやコンビニエンスストア等との食の市場を巡る競争の激化、労働環境の変化等に対応し、最も地域に貢献する企業を目指します。
・ 10月、当社はディスカウントストア事業を担う㈱ビッグ・エーとアコレ㈱を2021年3月に経営統合することを発表しました。両社の経営統合は、新型コロナウイルスの感染拡大による新しい生活様式の常態化と働き方の変化、節約志向の高まり、価格競争の激化等、経営環境の変化に対応するために、首都圏における小型ディスカウントストア事業のドミナンスを加速し、新たな成長戦略を築くことを目的にしています。お客さまに支持される圧倒的な価格を実現するために、商品仕入の集約、物流の統合、物流と連動したローコストオペレーションの水平展開、本部機能の集約等、ローコスト経営の実現に取り組みます。
・ 当社はグループ事業構造の改革を方針に掲げ、グループ企業の戦略的整理・統廃合を推進しています。その一環として、4月に当社が保有する㈱ツヴァイの株式全てを売却した他、5月にはタルボットジャパン㈱が運営する事業を終了しました。また、10月にはクレアーズ日本㈱が運営する事業を終了し、同じく10月に「ザ・ボディショップ」を国内で展開する㈱イオンフォレストの保有全株式を売却しました。
・ 2021年2月、イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、Boxedを展開する米国企業Giddy Inc.のグループ企業とデジタル事業に関する契約を締結しました。イオンマレーシアは、高度に自動化された物流システムやAIを活用したアルゴリズムによる高い顧客提案力を有した、オンラインに特化したホールセールビジネスを展開するBoxedの高いテクノロジーに支えられたプラットフォームを活用し、機能的な画面設計やパーソナライズ機能等を通じて、多くのお客さまにオンラインでの便利なお買い物体験を提供していきます。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
① GMS事業
GMS事業は、営業収益3兆695億10百万円(前期比100.0%)、営業損失156億89百万円(前期より229億13百万円の減益)となりました。
イオンリテール㈱は、コロナ下で生まれた需要の取り込みを継続して推進しました。商品面の取り組みでは、生活防衛意識の高まりに応え、11月初旬より食品や日用消耗品等の生活必需品、最大約700品目を「生活応援特価!」として展開しました。加えて、コロナ下において需要が高まったウォーキングやおうちフィットネス関連商品を提供するショップ「スポージアム」を352店舗に拡大し、当カテゴリーの既存店売上高前期比は3割強伸長しました。また、新しい生活様式にあわせ、テレワークやイエナカ需要に対応した「ホームコーディ」の秋冬シリーズの売上が好調に推移しました。サービス面では、需要が急増したネットスーパーにおいて、店舗での受け取りサービス「ピックアップ!」の実施店舗を当連結会計年度末で200店舗に拡大し、受け取り方法の多様化を進めた他、クリスマス、おせち、節分等、催事でのネット予約販売を強化し、ネットスーパーの売上が大きく伸長しました。同じくコロナ下において高まった非対面・非接触のニーズに対応した、お客さま自身がスマートフォン型端末で商品をスキャンして専用レジで会計する「どこでもレジ レジゴー」の導入店舗は、当連結会計年度末で22店舗になりました。これらの取り組みに加え、経営効率改善の施策として在庫削減を積極的に推進し、期首比で約2割の削減となり売上総利益率も期を追うごとに改善傾向となりました。また、11月に「心もカラダも健康に。豊かな暮らしに密着したお店」をコンセプトとし、新しい生活様式に対応したイオンスタイルふじみ野(埼玉県)をグランドオープンする等、当連結会計年度において12店舗を新規出店しました。
イオン北海道㈱は3月にマックスバリュ北海道㈱と経営統合し新生イオン北海道としてスタートしました。食のSPA化を推進するため設置した食品商品開発部による産地開発や商品開発に取り組み、北海道産の原料を使用した地域ならではの商品を、当連結会計年度で約760品目開発しました。「イオン道産デー」では、感染拡大の影響でさまざまな困難に直面している飲食店や生産者を応援すべく、メディアや売場のデジタルサイネージを通じて生産者の声をお客さまに届ける取り組みを行う等、地元の「食」を応援しました。また、SMで実施していた旬の食材をおすすめし、メニュー提案する取り組み「楽はやっ!クッキング」をGMS全40店舗に拡大しました。GMSの強い商品群である花の品揃えをSM30店舗へ導入拡大し、好調に推移しております。そのほかネットスーパーの需要の高まりに対応し、システム機能改善等による受注件数拡大に努め、売上高は前期比132.3%となりました。インターネットショップ「eショップ」では、ギフトが堅調であったことに加え、「イオンのおもちゃ」等のWeb専用サイト6企画を立ち上げ、売上高は前期比265.6%となりました。これらの取り組みと経営統合により、同社の業績は増収増益となりました。
② SM事業
SM事業は、営業収益3兆2,656億69百万円(前期比101.3%)、営業利益506億87百万円(同235.7%)となりました。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスグループにおいては、店舗における感染防止対策を最優先し、地域の生活インフラとしての責務を果たしました。デジタル化の取り組みとしては、お客さまが会計の際にレジに並ぶことなく、ご自身のスマートフォンで簡単で安心、スムーズなお買い物が可能となる決済機能「スキャン&ゴー」を㈱カスミで先行導入・拡大したのを皮切りに、㈱マルエツとマックスバリュ関東㈱にも導入しました。加えて、スマートフォンでご注文いただいた商品を店頭の無人ピックアップルームやエリア内の指定配送先でお受け取りいただける「オンラインデリバリー」を開始しました。また、AIデジタルサイネージを活用した広告配信・マーケティングサービスの展開を拡大しました。さらに、店舗の改装を積極的に実施し、生鮮とデリカの強化、品揃えの拡充に努め、食の専門店としての利便性を高めました。また、フルセルフレジ・セミセルフレジの導入や作業標準化といった生産性向上の取り組み等を推し進めました。
マックスバリュ東海㈱は、コロナ下における内食需要と節約志向の高まりに対応すべく、生鮮食品や購買頻度の高い商品の展開強化、価格訴求力の向上に加え、個包装による小容量商品の品揃えの徹底をはかるとともに、均一セールの曜日市やお客さま感謝デーといった得意日や週末における売場展開の整備をはかり、お客さまへの安定した商品提供に取り組みました。また、地域で親しまれるじもの商品の展開拡大と地域との連携のさらなる強化をはかるべく、「三重県ありがとう」「愛知県ありがとう」キャンペーンを展開しました。サービス面では、お客さまの購買行動の変化に対応して、ネットスーパーの配送拠点を増やし配送エリアを拡大しました。また、11月に試験的に導入したフードデリバリープラットフォーム「Uber Eats」を利用した商品配達サービスに加え、2021年2月には人気レシピ動画サービス「クラシル」内でネットスーパーサービスの提携を開始する等、新たな試みを開始しました。
③ ヘルス&ウエルネス事業
ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益9,565億96百万円(前期比108.9%)、営業利益415億32百万円(同116.6%)となりました。
ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けつつ、感染防止策や衛生管理を講じながら営業を継続し商品供給及びサービスの提供に努めました。外出自粛やテレワーク等による化粧品メイク需要の減少等の影響がありましたが、感染症予防対策商品や食品等の需要増により物販の売上高は好調に推移しました。調剤については、コロナ下の外出自粛等により受診抑制による処方箋枚数の減少、長期処方の増加による処方箋単価の上昇等の影響がありましたが、調剤併設店舗の増加(当連結会計年度末で前期末より201店舗純増の1,643店舗)により売上が堅調に推移しました。販売費及び一般管理費については、人時コントロールによる店舗人時数管理の徹底や自動発注の推進による店舗業務の効率化等、人件費を中心に適正化に努めました。また、積極的な出店とM&Aにより、当連結会計年度末の同社グループの店舗数は2,217店舗となり、これらの取り組みの結果、同社グループの連結業績は増収増益となりました。
④ 総合金融事業
総合金融事業は、営業収益4,875億72百万円(前期比100.6%)、営業利益426億48百万円(同60.5%)となりました。
イオンフィナンシャルサービス㈱(以下、AFS)は、食品や日用品等生活必需品を取り扱うイオングループの小売業やECチャネル、公共交通機関等の大手優良企業との提携を強みとする同社ならではの顧客基盤を活用し、審査の高度化やマーケティング手段の多様化に取り組み、さらには従前から取り組んできたデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速や事業の効率化、テレワーク等による従業員の働き方改革を推進し、コロナ下においても事業継続を可能とする体制を構築しました。
㈱イオン銀行においては、非対面・非接触及び店舗滞在時間の最小化の取り組みとして、テレビ相談・手続き窓口の増設や、Webの事前予約システム、オンラインでの金融相談サービスの拡充をはかりました。また、住宅ローンについては、Webからの申込みや電話や郵送を活用してお客さまが自宅で契約まで完結できる取り組みを推進しました。さらに、土日祝日を含めた審査対応や営業強化により、コロナ下においても申込み件数及び貸出金残高が増加しました。
本年はイオンカード発行開始から20周年を迎え、11月からイオンカード20周年キャンペーンを実施し、顧客基盤並びに取扱高の拡大に注力しました。カードショッピングについては、ガソリンやETC等の自動車関連、公共交通機関、旅行代理店等の利用に引き続き影響が残るものの、取扱高全体に占める構成比の高いイオングループを始めとする食品スーパーやドラッグストア等に加えて、ホームセンターや家電量販店等での取扱高が好調に推移し、当連結会計年度の取扱高は前期とほぼ同水準まで回復しました。
AFSの国際事業では、タイにおいても、活動規制の影響により百貨店や旅行代理店におけるカードショッピング取扱高が低調なものの、食品や日用品等生活必需品における取扱高が伸長しました。カードキャッシングや個人ローンについては、返済余力のあるお客さまの与信枠の拡大や休眠会員向けの利用促進キャンペーンを推進しました。マレーシアではバイク割賦販売市場の約5割のシェアを有するバイクローンにおいて厳格化していた審査基準を前期と同水準に戻したこと等により、バイクローンの営業債権残高は前期を上回りました。
⑤ ディベロッパー事業
ディベロッパー事業は、営業収益3,270億17百万円(前期比87.9%)、営業利益357億38百万円(同56.5%)となりました。
イオンモール㈱の国内事業においては、4月に緊急事態宣言下で全国164施設全てを臨時休業しましたが、5月末には全施設の営業を再開しました。営業再開にあたっては、出入口へのAIによる検温器設置、外気取り込み量増加によるモール館内の換気機能強化等、感染拡大防止と安全・安心のための対策を実施しました。また、新しい生活様式に合致したエンターテイメントとして、ドライブインシアターやドライブインパブリックビューイング等を実施した他、6月にイオンモールアプリを全面リニューアルし、来店時間のピーク分散等、お客さまの行動変容にあわせたサービスを提供することで専門店事業をサポートしました。また、11月に行った「イオンモール ブラックフライデー」では、ライブコマースやイオンモールアプリで参加いただける抽選会等、リアル・オンラインの両チャネルを活用した企画を実施しました。12月にオープンしたイオンモール上尾(埼玉県)においては、来訪者や従業員の健康と安全に配慮し、館内全ての吹き抜けへのサーキュレーター設置や吹き抜け上部のハイサイドライト窓の開放等、換気機能の強化をはかりました。リニューアルについては、8モールで実施した他、2モールの増床リニューアルを実施しました。
中国では、2020年2月中旬に全21モール中、最大11モールを臨時休業しましたが、段階的に営業を再開し、4月には全てのモールの専門店営業を再開しました。3月から動画配信とネット通販を融合した新たな販売手法であるライブコマースのプラットフォームを立ち上げ、オンライン販売や飲食専門店に対するデリバリーキャンペーンの実施、大型平面駐車場を活用した夜市開催等、消費行動の変容や政府による景気刺激策に対応した施策を推進しました。また政府指示により休業を継続していたシネマについても、8月初旬には全てのモールで営業を再開しました。これらの取り組みの結果、同社の中国事業における当第4四半期連結会計期間(2020年10月1日~2020年12月31日)の既存モールの専門店売上高は前年同期を上回る水準となりました。ベトナムにおいては、政府の規制により3月下旬から4モールの専門店営業を臨時休業しましたが、4月下旬には全てのモールでの営業を再開しました。7月より感染が再拡大し一時的に影響を受けましたが、厳格なウイルス封じ込め対策により、当第4四半期連結会計期間(2020年10月1日~2020年12月31日)の既存モールの専門店売上は前年同期を上回りました。新規モールとしては、10月にインドネシア3号店となるイオンモール セントゥールシティ(西ジャワ区)、12月にベトナム6号店となるイオンモール ハイフォンレチャン(ハイフォン市)の計2モールをオープンしました。
⑥ サービス・専門店事業
サービス・専門店事業は、営業収益6,423億23百万円(前期比86.3%)、営業損失176億90百万円(前期より222億11百万円の減益)となりました。
イオンディライト㈱は、事業を展開する日本、中国、アセアンを跨いだ新型コロナウイルスの対策本部を2020年2月初旬に立ち上げ、各地でさまざまな防疫対策を講じることによって、ウィズコロナ時代に対応した施設づくりに貢献してきました。また、防疫対策を組み入れたファシリティマネジメントの新たな基準づくりの一環として、接触感染防止や施設内の換気を強化するための施策の検証を行うとともに、科学的根拠に基づき衛生的な環境を実現する新たな清掃手法「ニュースタンダードクリーニング」を確立し、9月より同サービスの提供を開始しました。同サービスの提供にあたり、これまで病院向けに提供してきた衛生清掃サービスにより培ってきた知見や最新の研究動向を踏まえた独自の教育プログラムを作成し、サービス提供の基盤拡大に努めました。加えて、人手不足の解消と持続的成長を目的に巡回型施設管理を基本としたエリア管理への移行をはじめ、業務やサービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じた事業構造の変革に取り組みました。
衣料・雑貨専門店の㈱コックスは、マスクをつける生活の日常化に対応し、マスクをファッションの一部と捉え、9月にはファッションマスク専門店を東京駅八重洲地下街に期間限定で出店し、その後、主要都市ターミナル立地や百貨店を中心に期間限定出店にて計13店舗を出店しました。また、マスク販売を通じて認知度が大きく向上した同社の公式オンラインストアを10月にリニューアルし、今まで以上に見やすく、買いやすく、便利なサイトになった結果、ネット通販の売上は前期比180.5%と大きく伸長しました。また、巣ごもり需要への対応として、リラクシングウェアやルームウェアを新たに展開し、加えてライフスタイル雑貨の取り扱いを拡大する等お客さまの変化に対応しました。
⑦ 国際事業 (連結対象期間は主として1月から12月)
国際事業は、営業収益4,144億13百万円(前期比94.4%)、営業利益60億68百万円(同56.3%)となりました。
イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、春節商戦を早期に取り組んだことが功を奏し、1月の売上は前年同期を大きく上回りましたが、その後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い事業活動に影響を受けました。そのような状況下において、お客さまがオンラインで注文した商品を店舗駐車場でお渡しするドライブスルー型の受け渡しサービスや、お客さまのお買い物を代行するパーソナルショッパー、シニアのお客さまを対象に注文商品を配達するバイク便等、新たな取り組みを推進しました。また、まとめ買いや内食需要を取り込んだ食品部門の売上は前期を上回りました。
イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)は、社会行事への対応を継続的に強化しており、年間最大商戦のひとつであるテト(ベトナム旧正月)商戦では重点商品の売込みに取り組み、特に衣料ではアオザイ、食品ではギフト及び生鮮食品を中心とした旧正月関連商材の売上が好調に推移しました。新型コロナウイルスの感染拡大によりロックダウンが敷かれた4月は最も売上に影響が出ましたが、その後、消費喚起施策として実施した「生活サポートセール」では大型ディスカウント企画等が好調に推移し、7月の売上は前年同期を上回る水準まで回復しました。8月には新型コロナウイルスの感染再拡大の影響を受けましたが、その後、中秋の名月、ブラックフライデー、クリスマス等の社会行事に対する取り組みを強化し、売上は回復基調にあります。新店としては、12月にGMS6号店となるレチャン店(ハイフォン市)をオープンしました。
中国においては、1年で最も売上規模の大きい春節のピークに合わせた販促を実施したこと等により、春節期間の売上高は前年同期比105.0%と好調に推移しました。春節後は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で衣料、住居余暇商品の売上が減少しましたが、家庭での食事機会が増えたことやグロサリー商品のまとめ買い等により、食品の売上が大きく伸長しました。その後感染が抑えられたことで4月、5月の売上は前年度を上回りましたが、ネット通販へのさらなるシフトや、まとめ買いの急速な拡大等、お客さまの買物行動の変化や、6月に入っての一部地域での感染再拡大等の影響を受けました。お客さまのそれらの行動変容に対応し、イオンアプリのサービスを中国全店で導入し、リアル店舗を持つ強みを生かした情報提供やサービス提供を推進した他、セルフレジの導入を大幅に拡大しました。
なお、上記の金額及びこれ以降に記載している営業収益、仕入高等には消費税等は含まれておりません。
(販売の状況)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) SM事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計年度381,636百万円)は含んでおりません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前期末より4,185億82百万円増加し、11兆4,812億68百万円(前期比103.8%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、銀行業における貸出金が2,683億69百万円、有価証券が1,580億33百万円、現金及び預金が655億72百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
負債は、前期末より5,120億83百万円増加し、9兆7,254億91百万円(前期比105.6%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、銀行業における預金が2,257億70百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が1,208億92百万円、短期借入金が1,070億85百万円、新規連結会社の影響等により保険契約準備金が866億39百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産は、前期末より935億1百万円減少し、1兆7,557億76百万円(前期比94.9%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末より758億83百万円増加し、1兆2,170億54百万円(前期比106.6%)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は3,964億61百万円(前期比63.5%)となりました。前期に比べ2,281億98百万円減少した主な要因は、売上債権の増減額が1,928億69百万円減少し資金が増加した一方で、銀行業における貸出金の増減額が1,842億46百万円増加、仕入債務の増減額が1,550億3百万円減少し資金が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は3,418億14百万円(前期比100.1%)となりました。前期に比べ3億21百万円支出が増加した主な要因は、固定資産の取得による支出が1,165億7百万円減少した一方で、銀行業における有価証券の取得による支出が458億99百万円増加、固定資産の売却による収入が521億31百万円減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は242億90百万円(前期比47.5%)となりました。前期に比べ268億73百万円収入が減少した主な要因は、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が902億24百万円増加し資金が増加した一方で、社債の発行による収入が1,698億24百万円減少したこと等によるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入の他、人件費、地代家賃等の販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資にかかる資金需要の主なものは、新規出店に伴う有形固定資産の取得等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動に必要な資金については、営業キャッシュ・フローによることを基本とし、金融機関からの借入れ、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等、資金調達の多様化をはかっております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断のもと、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす一定の前提条件に基づく見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく数値は、過去の実績、現在の状況、今後の見通し等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、見積り特有の不確実性により、財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性があると考えられるものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報) 2.新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り」に記載の通りであります。
(固定資産の減損)
固定資産の減損の検討にあたっては、減損損失の認識及び使用価値の算定において、将来キャッシュ・フローの見積りを行っております。将来キャッシュ・フローの見積りについては、主として経営者により承認された中長期計画の前提となった数値を基礎とし、現在の使用状況及び合理的な使用計画、追加投資計画等を考慮することとしております。中長期計画の前提となった数値は、経営者の判断を伴う主要な仮定の影響を受けますが、これらの主要な仮定として、将来の売上収益の成長予測、人件費や家賃等の販売管理費の変動予測等を織り込んでおります。使用価値については、見積られた将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定しておりますが、その際に用いられる税引前の割引率は、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローがその見積り値から乖離するリスクの両方を反映したものとして、負債資本コストと株主資本コストを加重平均した資本コストを使用しております。
これらの主要な見積り及び仮定について、事業戦略の変更や経済的な外部環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの見積りの見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
なお、資産のグルーピングの方法及び回収可能価額の算定方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係) ※7 減損損失」に記載の通りであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の税負担額を軽減する効果を有するかどうかで回収可能性を判断しております。この判断については、収益力に基づく一時差異加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかで判断しておりますが、その過程において、将来の一時差異加減算前課税所得の見積り、一時差異の解消時期の見積り等の一定の見積りを行っております。これらの見積りについては、主として経営者により承認された中長期計画の前提となった数値を基礎とし、当社グループ内で用いている予算、過去の実績、将来の経営環境等を考慮して算定しております。
これらの主要な見積り及び仮定について、事業戦略の変更や経済的な外部環境の変化等により、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額が発生する可能性があります。
(退職給付)
退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計上にあたっては、確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用について、簡便法を適用している一部子会社を除き、数理計算上で設定される仮定に基づき退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率、予想昇給率、一時金選択率等の計算基礎が含まれます。特に重要な仮定のひとつである割引率については、主として優良社債の利回りをもとに、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。
これらの主要な見積り及び仮定について、実際の結果と異なる場合、前提条件に大きな変更が生じた場合、あるいは退職給付制度に変更があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債、退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当社グループの退職給付制度の概要や主要な数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係)」に記載の通りであります。
(資産除去債務)
資産除去債務の計上にあたっては、不動産賃借契約に付されている土地の更地返還義務及び建物原状回復義務に基づき、借地物件における自社建物の解体費用、建物賃借物件における原状回復費用等を一定の仮定をおいて見積り、割り引くことにより算定しております。将来の除去費用の見積りについては、主として過去の実績、施工業者による見積りを基礎とし、個別の契約内容等を考慮して算定しております。
これらの主要な見積り及び仮定について、実際の除去費用が見積り金額と異なる場合、新たな事実の発生により使用見込期間や原状回復費用の見積り額等に影響を与えることとなった場合、資産除去債務の金額に影響を与える可能性があります。
なお、資産除去債務の概要や金額の算定方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (資産除去債務関係)」に記載の通りであります。
当連結会計年度(2020年3月1日~2021年2月28日)の連結業績は、営業収益が8兆6,039億10百万円(前期比100.0%)、営業利益が1,505億86百万円(同69.9%)、経常利益が1,388億1百万円(同67.4%)となり、12月に公表した連結業績予想を上回りました。親会社株主に帰属する当期純損失は710億24百万円(前期より978億63百万円の減益)となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗の一時休業や営業時間短縮、重要な事業パートナーであるテナント専門店企業に対する賃料減免、経営効率改善のための在庫削減等、一過性或いは今後の収益性改善に資する施策によるものであり、翌連結会計年度(2021年3月1日~2022年2月28日)は黒字に回復する見込みです。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限や自粛が続く中で、地域の暮らしを支えるライフラインとして食品・生活必需品の販売を通年で継続したSM(スーパーマーケット)事業とヘルス&ウエルネス事業は大幅な増益となりました。GMS(総合スーパー)事業は4月に発令された緊急事態宣言に伴う外出自粛やテナントゾーンの営業休止の影響を受けましたが、体質改善策として在庫の削減に取り組み、売上総利益率は改善基調にあります。加えて経費削減も推進し、収益性向上に注力しました。総合金融事業、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業、国際事業は国内外の緊急事態宣言、ロックダウン等に伴う営業休止や営業時間短縮の影響を受けましたが、防疫の徹底、ニューノーマルへの確実な対応、収益改善への取り組みにより回復基調にあります。
(グループ共通戦略)
・ 当社は、6月に制定した防疫対策の基準等を示した「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」を11月に改定しました。この改定では、施設内での飛沫感染防止の観点から施設内換気と空気浄化の設備導入に関する対策を加えるとともに、従業員からの施設内感染を撲滅する仕組み、また発生後の二次感染の防止策に関する項目等を追加しました。本プロトコルは、防疫対策を一時的な取り組みではなく継続的に実行していくことで、防疫が生活の一部となる社会を実現し、お客さま及び従業員の健康と生活を守り、お客さまとともに地域社会の安全・安心な生活を守ることを目的にしています。今後もさまざまな防疫の取り組みを組み合わせることで、感染リスクの削減をはかり、安全・安心な売場環境や職場環境の構築を進めます。
・ 2018年に締結した国内6地域におけるSM事業の経営統合に関する基本合意に基づき、2019年度は中国・四国地域と東海・中部地域で経営統合を実施し、2020年度は北海道地域、東北地域、近畿地域、九州地域で実施することで、全ての地域での経営統合が完了しました。具体的には、3月に北海道地域でイオン北海道㈱とマックスバリュ北海道㈱が、東北地域でマックスバリュ東北㈱とイオンリテール㈱東北カンパニーの食品事業が経営統合しました。近畿地域では㈱ダイエーが㈱光洋を子会社化し、9月には九州地域でイオン九州㈱、マックスバリュ九州㈱、イオンストア九州㈱が経営統合しました。なお、中国・四国地域においては、マックスバリュ西日本㈱が2019年3月に子会社化した㈱マルナカ及び㈱山陽マルナカを2021年3月に合併する契約を10月に締結し、さらなる再編を推し進めました。各地域の統合会社は、ローカル志向、低価格志向、健康志向等の食の多様化やさらなる安全・安心意識の高まり、Eコマースやコンビニエンスストア等との食の市場を巡る競争の激化、労働環境の変化等に対応し、最も地域に貢献する企業を目指します。
・ 10月、当社はディスカウントストア事業を担う㈱ビッグ・エーとアコレ㈱を2021年3月に経営統合することを発表しました。両社の経営統合は、新型コロナウイルスの感染拡大による新しい生活様式の常態化と働き方の変化、節約志向の高まり、価格競争の激化等、経営環境の変化に対応するために、首都圏における小型ディスカウントストア事業のドミナンスを加速し、新たな成長戦略を築くことを目的にしています。お客さまに支持される圧倒的な価格を実現するために、商品仕入の集約、物流の統合、物流と連動したローコストオペレーションの水平展開、本部機能の集約等、ローコスト経営の実現に取り組みます。
・ 当社はグループ事業構造の改革を方針に掲げ、グループ企業の戦略的整理・統廃合を推進しています。その一環として、4月に当社が保有する㈱ツヴァイの株式全てを売却した他、5月にはタルボットジャパン㈱が運営する事業を終了しました。また、10月にはクレアーズ日本㈱が運営する事業を終了し、同じく10月に「ザ・ボディショップ」を国内で展開する㈱イオンフォレストの保有全株式を売却しました。
・ 2021年2月、イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、Boxedを展開する米国企業Giddy Inc.のグループ企業とデジタル事業に関する契約を締結しました。イオンマレーシアは、高度に自動化された物流システムやAIを活用したアルゴリズムによる高い顧客提案力を有した、オンラインに特化したホールセールビジネスを展開するBoxedの高いテクノロジーに支えられたプラットフォームを活用し、機能的な画面設計やパーソナライズ機能等を通じて、多くのお客さまにオンラインでの便利なお買い物体験を提供していきます。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
① GMS事業
GMS事業は、営業収益3兆695億10百万円(前期比100.0%)、営業損失156億89百万円(前期より229億13百万円の減益)となりました。
イオンリテール㈱は、コロナ下で生まれた需要の取り込みを継続して推進しました。商品面の取り組みでは、生活防衛意識の高まりに応え、11月初旬より食品や日用消耗品等の生活必需品、最大約700品目を「生活応援特価!」として展開しました。加えて、コロナ下において需要が高まったウォーキングやおうちフィットネス関連商品を提供するショップ「スポージアム」を352店舗に拡大し、当カテゴリーの既存店売上高前期比は3割強伸長しました。また、新しい生活様式にあわせ、テレワークやイエナカ需要に対応した「ホームコーディ」の秋冬シリーズの売上が好調に推移しました。サービス面では、需要が急増したネットスーパーにおいて、店舗での受け取りサービス「ピックアップ!」の実施店舗を当連結会計年度末で200店舗に拡大し、受け取り方法の多様化を進めた他、クリスマス、おせち、節分等、催事でのネット予約販売を強化し、ネットスーパーの売上が大きく伸長しました。同じくコロナ下において高まった非対面・非接触のニーズに対応した、お客さま自身がスマートフォン型端末で商品をスキャンして専用レジで会計する「どこでもレジ レジゴー」の導入店舗は、当連結会計年度末で22店舗になりました。これらの取り組みに加え、経営効率改善の施策として在庫削減を積極的に推進し、期首比で約2割の削減となり売上総利益率も期を追うごとに改善傾向となりました。また、11月に「心もカラダも健康に。豊かな暮らしに密着したお店」をコンセプトとし、新しい生活様式に対応したイオンスタイルふじみ野(埼玉県)をグランドオープンする等、当連結会計年度において12店舗を新規出店しました。
イオン北海道㈱は3月にマックスバリュ北海道㈱と経営統合し新生イオン北海道としてスタートしました。食のSPA化を推進するため設置した食品商品開発部による産地開発や商品開発に取り組み、北海道産の原料を使用した地域ならではの商品を、当連結会計年度で約760品目開発しました。「イオン道産デー」では、感染拡大の影響でさまざまな困難に直面している飲食店や生産者を応援すべく、メディアや売場のデジタルサイネージを通じて生産者の声をお客さまに届ける取り組みを行う等、地元の「食」を応援しました。また、SMで実施していた旬の食材をおすすめし、メニュー提案する取り組み「楽はやっ!クッキング」をGMS全40店舗に拡大しました。GMSの強い商品群である花の品揃えをSM30店舗へ導入拡大し、好調に推移しております。そのほかネットスーパーの需要の高まりに対応し、システム機能改善等による受注件数拡大に努め、売上高は前期比132.3%となりました。インターネットショップ「eショップ」では、ギフトが堅調であったことに加え、「イオンのおもちゃ」等のWeb専用サイト6企画を立ち上げ、売上高は前期比265.6%となりました。これらの取り組みと経営統合により、同社の業績は増収増益となりました。
② SM事業
SM事業は、営業収益3兆2,656億69百万円(前期比101.3%)、営業利益506億87百万円(同235.7%)となりました。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスグループにおいては、店舗における感染防止対策を最優先し、地域の生活インフラとしての責務を果たしました。デジタル化の取り組みとしては、お客さまが会計の際にレジに並ぶことなく、ご自身のスマートフォンで簡単で安心、スムーズなお買い物が可能となる決済機能「スキャン&ゴー」を㈱カスミで先行導入・拡大したのを皮切りに、㈱マルエツとマックスバリュ関東㈱にも導入しました。加えて、スマートフォンでご注文いただいた商品を店頭の無人ピックアップルームやエリア内の指定配送先でお受け取りいただける「オンラインデリバリー」を開始しました。また、AIデジタルサイネージを活用した広告配信・マーケティングサービスの展開を拡大しました。さらに、店舗の改装を積極的に実施し、生鮮とデリカの強化、品揃えの拡充に努め、食の専門店としての利便性を高めました。また、フルセルフレジ・セミセルフレジの導入や作業標準化といった生産性向上の取り組み等を推し進めました。
マックスバリュ東海㈱は、コロナ下における内食需要と節約志向の高まりに対応すべく、生鮮食品や購買頻度の高い商品の展開強化、価格訴求力の向上に加え、個包装による小容量商品の品揃えの徹底をはかるとともに、均一セールの曜日市やお客さま感謝デーといった得意日や週末における売場展開の整備をはかり、お客さまへの安定した商品提供に取り組みました。また、地域で親しまれるじもの商品の展開拡大と地域との連携のさらなる強化をはかるべく、「三重県ありがとう」「愛知県ありがとう」キャンペーンを展開しました。サービス面では、お客さまの購買行動の変化に対応して、ネットスーパーの配送拠点を増やし配送エリアを拡大しました。また、11月に試験的に導入したフードデリバリープラットフォーム「Uber Eats」を利用した商品配達サービスに加え、2021年2月には人気レシピ動画サービス「クラシル」内でネットスーパーサービスの提携を開始する等、新たな試みを開始しました。
③ ヘルス&ウエルネス事業
ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益9,565億96百万円(前期比108.9%)、営業利益415億32百万円(同116.6%)となりました。
ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けつつ、感染防止策や衛生管理を講じながら営業を継続し商品供給及びサービスの提供に努めました。外出自粛やテレワーク等による化粧品メイク需要の減少等の影響がありましたが、感染症予防対策商品や食品等の需要増により物販の売上高は好調に推移しました。調剤については、コロナ下の外出自粛等により受診抑制による処方箋枚数の減少、長期処方の増加による処方箋単価の上昇等の影響がありましたが、調剤併設店舗の増加(当連結会計年度末で前期末より201店舗純増の1,643店舗)により売上が堅調に推移しました。販売費及び一般管理費については、人時コントロールによる店舗人時数管理の徹底や自動発注の推進による店舗業務の効率化等、人件費を中心に適正化に努めました。また、積極的な出店とM&Aにより、当連結会計年度末の同社グループの店舗数は2,217店舗となり、これらの取り組みの結果、同社グループの連結業績は増収増益となりました。
④ 総合金融事業
総合金融事業は、営業収益4,875億72百万円(前期比100.6%)、営業利益426億48百万円(同60.5%)となりました。
イオンフィナンシャルサービス㈱(以下、AFS)は、食品や日用品等生活必需品を取り扱うイオングループの小売業やECチャネル、公共交通機関等の大手優良企業との提携を強みとする同社ならではの顧客基盤を活用し、審査の高度化やマーケティング手段の多様化に取り組み、さらには従前から取り組んできたデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速や事業の効率化、テレワーク等による従業員の働き方改革を推進し、コロナ下においても事業継続を可能とする体制を構築しました。
㈱イオン銀行においては、非対面・非接触及び店舗滞在時間の最小化の取り組みとして、テレビ相談・手続き窓口の増設や、Webの事前予約システム、オンラインでの金融相談サービスの拡充をはかりました。また、住宅ローンについては、Webからの申込みや電話や郵送を活用してお客さまが自宅で契約まで完結できる取り組みを推進しました。さらに、土日祝日を含めた審査対応や営業強化により、コロナ下においても申込み件数及び貸出金残高が増加しました。
本年はイオンカード発行開始から20周年を迎え、11月からイオンカード20周年キャンペーンを実施し、顧客基盤並びに取扱高の拡大に注力しました。カードショッピングについては、ガソリンやETC等の自動車関連、公共交通機関、旅行代理店等の利用に引き続き影響が残るものの、取扱高全体に占める構成比の高いイオングループを始めとする食品スーパーやドラッグストア等に加えて、ホームセンターや家電量販店等での取扱高が好調に推移し、当連結会計年度の取扱高は前期とほぼ同水準まで回復しました。
AFSの国際事業では、タイにおいても、活動規制の影響により百貨店や旅行代理店におけるカードショッピング取扱高が低調なものの、食品や日用品等生活必需品における取扱高が伸長しました。カードキャッシングや個人ローンについては、返済余力のあるお客さまの与信枠の拡大や休眠会員向けの利用促進キャンペーンを推進しました。マレーシアではバイク割賦販売市場の約5割のシェアを有するバイクローンにおいて厳格化していた審査基準を前期と同水準に戻したこと等により、バイクローンの営業債権残高は前期を上回りました。
⑤ ディベロッパー事業
ディベロッパー事業は、営業収益3,270億17百万円(前期比87.9%)、営業利益357億38百万円(同56.5%)となりました。
イオンモール㈱の国内事業においては、4月に緊急事態宣言下で全国164施設全てを臨時休業しましたが、5月末には全施設の営業を再開しました。営業再開にあたっては、出入口へのAIによる検温器設置、外気取り込み量増加によるモール館内の換気機能強化等、感染拡大防止と安全・安心のための対策を実施しました。また、新しい生活様式に合致したエンターテイメントとして、ドライブインシアターやドライブインパブリックビューイング等を実施した他、6月にイオンモールアプリを全面リニューアルし、来店時間のピーク分散等、お客さまの行動変容にあわせたサービスを提供することで専門店事業をサポートしました。また、11月に行った「イオンモール ブラックフライデー」では、ライブコマースやイオンモールアプリで参加いただける抽選会等、リアル・オンラインの両チャネルを活用した企画を実施しました。12月にオープンしたイオンモール上尾(埼玉県)においては、来訪者や従業員の健康と安全に配慮し、館内全ての吹き抜けへのサーキュレーター設置や吹き抜け上部のハイサイドライト窓の開放等、換気機能の強化をはかりました。リニューアルについては、8モールで実施した他、2モールの増床リニューアルを実施しました。
中国では、2020年2月中旬に全21モール中、最大11モールを臨時休業しましたが、段階的に営業を再開し、4月には全てのモールの専門店営業を再開しました。3月から動画配信とネット通販を融合した新たな販売手法であるライブコマースのプラットフォームを立ち上げ、オンライン販売や飲食専門店に対するデリバリーキャンペーンの実施、大型平面駐車場を活用した夜市開催等、消費行動の変容や政府による景気刺激策に対応した施策を推進しました。また政府指示により休業を継続していたシネマについても、8月初旬には全てのモールで営業を再開しました。これらの取り組みの結果、同社の中国事業における当第4四半期連結会計期間(2020年10月1日~2020年12月31日)の既存モールの専門店売上高は前年同期を上回る水準となりました。ベトナムにおいては、政府の規制により3月下旬から4モールの専門店営業を臨時休業しましたが、4月下旬には全てのモールでの営業を再開しました。7月より感染が再拡大し一時的に影響を受けましたが、厳格なウイルス封じ込め対策により、当第4四半期連結会計期間(2020年10月1日~2020年12月31日)の既存モールの専門店売上は前年同期を上回りました。新規モールとしては、10月にインドネシア3号店となるイオンモール セントゥールシティ(西ジャワ区)、12月にベトナム6号店となるイオンモール ハイフォンレチャン(ハイフォン市)の計2モールをオープンしました。
⑥ サービス・専門店事業
サービス・専門店事業は、営業収益6,423億23百万円(前期比86.3%)、営業損失176億90百万円(前期より222億11百万円の減益)となりました。
イオンディライト㈱は、事業を展開する日本、中国、アセアンを跨いだ新型コロナウイルスの対策本部を2020年2月初旬に立ち上げ、各地でさまざまな防疫対策を講じることによって、ウィズコロナ時代に対応した施設づくりに貢献してきました。また、防疫対策を組み入れたファシリティマネジメントの新たな基準づくりの一環として、接触感染防止や施設内の換気を強化するための施策の検証を行うとともに、科学的根拠に基づき衛生的な環境を実現する新たな清掃手法「ニュースタンダードクリーニング」を確立し、9月より同サービスの提供を開始しました。同サービスの提供にあたり、これまで病院向けに提供してきた衛生清掃サービスにより培ってきた知見や最新の研究動向を踏まえた独自の教育プログラムを作成し、サービス提供の基盤拡大に努めました。加えて、人手不足の解消と持続的成長を目的に巡回型施設管理を基本としたエリア管理への移行をはじめ、業務やサービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じた事業構造の変革に取り組みました。
衣料・雑貨専門店の㈱コックスは、マスクをつける生活の日常化に対応し、マスクをファッションの一部と捉え、9月にはファッションマスク専門店を東京駅八重洲地下街に期間限定で出店し、その後、主要都市ターミナル立地や百貨店を中心に期間限定出店にて計13店舗を出店しました。また、マスク販売を通じて認知度が大きく向上した同社の公式オンラインストアを10月にリニューアルし、今まで以上に見やすく、買いやすく、便利なサイトになった結果、ネット通販の売上は前期比180.5%と大きく伸長しました。また、巣ごもり需要への対応として、リラクシングウェアやルームウェアを新たに展開し、加えてライフスタイル雑貨の取り扱いを拡大する等お客さまの変化に対応しました。
⑦ 国際事業 (連結対象期間は主として1月から12月)
国際事業は、営業収益4,144億13百万円(前期比94.4%)、営業利益60億68百万円(同56.3%)となりました。
イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、春節商戦を早期に取り組んだことが功を奏し、1月の売上は前年同期を大きく上回りましたが、その後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い事業活動に影響を受けました。そのような状況下において、お客さまがオンラインで注文した商品を店舗駐車場でお渡しするドライブスルー型の受け渡しサービスや、お客さまのお買い物を代行するパーソナルショッパー、シニアのお客さまを対象に注文商品を配達するバイク便等、新たな取り組みを推進しました。また、まとめ買いや内食需要を取り込んだ食品部門の売上は前期を上回りました。
イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)は、社会行事への対応を継続的に強化しており、年間最大商戦のひとつであるテト(ベトナム旧正月)商戦では重点商品の売込みに取り組み、特に衣料ではアオザイ、食品ではギフト及び生鮮食品を中心とした旧正月関連商材の売上が好調に推移しました。新型コロナウイルスの感染拡大によりロックダウンが敷かれた4月は最も売上に影響が出ましたが、その後、消費喚起施策として実施した「生活サポートセール」では大型ディスカウント企画等が好調に推移し、7月の売上は前年同期を上回る水準まで回復しました。8月には新型コロナウイルスの感染再拡大の影響を受けましたが、その後、中秋の名月、ブラックフライデー、クリスマス等の社会行事に対する取り組みを強化し、売上は回復基調にあります。新店としては、12月にGMS6号店となるレチャン店(ハイフォン市)をオープンしました。
中国においては、1年で最も売上規模の大きい春節のピークに合わせた販促を実施したこと等により、春節期間の売上高は前年同期比105.0%と好調に推移しました。春節後は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で衣料、住居余暇商品の売上が減少しましたが、家庭での食事機会が増えたことやグロサリー商品のまとめ買い等により、食品の売上が大きく伸長しました。その後感染が抑えられたことで4月、5月の売上は前年度を上回りましたが、ネット通販へのさらなるシフトや、まとめ買いの急速な拡大等、お客さまの買物行動の変化や、6月に入っての一部地域での感染再拡大等の影響を受けました。お客さまのそれらの行動変容に対応し、イオンアプリのサービスを中国全店で導入し、リアル店舗を持つ強みを生かした情報提供やサービス提供を推進した他、セルフレジの導入を大幅に拡大しました。
なお、上記の金額及びこれ以降に記載している営業収益、仕入高等には消費税等は含まれておりません。
(販売の状況)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| GMS事業 | 3,069,510 | 100.0 |
| SM事業 | 3,265,669 | 101.3 |
| ヘルス&ウエルネス事業 | 956,596 | 108.9 |
| 総合金融事業 | 487,572 | 100.6 |
| ディベロッパー事業 | 327,017 | 87.9 |
| サービス・専門店事業 | 642,323 | 86.3 |
| 国際事業 | 414,413 | 94.4 |
| その他事業 | 54,333 | 102.1 |
| 調整額 | △613,528 | ― |
| 合計 | 8,603,910 | 100.0 |
(注) SM事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計年度381,636百万円)は含んでおりません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前期末より4,185億82百万円増加し、11兆4,812億68百万円(前期比103.8%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、銀行業における貸出金が2,683億69百万円、有価証券が1,580億33百万円、現金及び預金が655億72百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| GMS事業 | 1,381,170 | 96.7 |
| SM事業 | 1,212,252 | 101.9 |
| ヘルス&ウエルネス事業 | 476,186 | 109.4 |
| 総合金融事業 | 6,159,161 | 105.9 |
| ディベロッパー事業 | 1,616,667 | 101.5 |
| サービス・専門店事業 | 386,244 | 97.8 |
| 国際事業 | 408,612 | 92.3 |
| その他事業 | 65,206 | 109.4 |
| 調整額 | △224,233 | ― |
| 合計 | 11,481,268 | 103.8 |
負債は、前期末より5,120億83百万円増加し、9兆7,254億91百万円(前期比105.6%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、銀行業における預金が2,257億70百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)が1,208億92百万円、短期借入金が1,070億85百万円、新規連結会社の影響等により保険契約準備金が866億39百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産は、前期末より935億1百万円減少し、1兆7,557億76百万円(前期比94.9%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末より758億83百万円増加し、1兆2,170億54百万円(前期比106.6%)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は3,964億61百万円(前期比63.5%)となりました。前期に比べ2,281億98百万円減少した主な要因は、売上債権の増減額が1,928億69百万円減少し資金が増加した一方で、銀行業における貸出金の増減額が1,842億46百万円増加、仕入債務の増減額が1,550億3百万円減少し資金が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は3,418億14百万円(前期比100.1%)となりました。前期に比べ3億21百万円支出が増加した主な要因は、固定資産の取得による支出が1,165億7百万円減少した一方で、銀行業における有価証券の取得による支出が458億99百万円増加、固定資産の売却による収入が521億31百万円減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は242億90百万円(前期比47.5%)となりました。前期に比べ268億73百万円収入が減少した主な要因は、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が902億24百万円増加し資金が増加した一方で、社債の発行による収入が1,698億24百万円減少したこと等によるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入の他、人件費、地代家賃等の販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資にかかる資金需要の主なものは、新規出店に伴う有形固定資産の取得等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動に必要な資金については、営業キャッシュ・フローによることを基本とし、金融機関からの借入れ、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等、資金調達の多様化をはかっております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断のもと、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす一定の前提条件に基づく見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく数値は、過去の実績、現在の状況、今後の見通し等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、見積り特有の不確実性により、財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性があると考えられるものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報) 2.新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り」に記載の通りであります。
(固定資産の減損)
固定資産の減損の検討にあたっては、減損損失の認識及び使用価値の算定において、将来キャッシュ・フローの見積りを行っております。将来キャッシュ・フローの見積りについては、主として経営者により承認された中長期計画の前提となった数値を基礎とし、現在の使用状況及び合理的な使用計画、追加投資計画等を考慮することとしております。中長期計画の前提となった数値は、経営者の判断を伴う主要な仮定の影響を受けますが、これらの主要な仮定として、将来の売上収益の成長予測、人件費や家賃等の販売管理費の変動予測等を織り込んでおります。使用価値については、見積られた将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定しておりますが、その際に用いられる税引前の割引率は、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローがその見積り値から乖離するリスクの両方を反映したものとして、負債資本コストと株主資本コストを加重平均した資本コストを使用しております。
これらの主要な見積り及び仮定について、事業戦略の変更や経済的な外部環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの見積りの見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
なお、資産のグルーピングの方法及び回収可能価額の算定方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係) ※7 減損損失」に記載の通りであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の税負担額を軽減する効果を有するかどうかで回収可能性を判断しております。この判断については、収益力に基づく一時差異加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかで判断しておりますが、その過程において、将来の一時差異加減算前課税所得の見積り、一時差異の解消時期の見積り等の一定の見積りを行っております。これらの見積りについては、主として経営者により承認された中長期計画の前提となった数値を基礎とし、当社グループ内で用いている予算、過去の実績、将来の経営環境等を考慮して算定しております。
これらの主要な見積り及び仮定について、事業戦略の変更や経済的な外部環境の変化等により、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額が発生する可能性があります。
(退職給付)
退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計上にあたっては、確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用について、簡便法を適用している一部子会社を除き、数理計算上で設定される仮定に基づき退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率、予想昇給率、一時金選択率等の計算基礎が含まれます。特に重要な仮定のひとつである割引率については、主として優良社債の利回りをもとに、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。
これらの主要な見積り及び仮定について、実際の結果と異なる場合、前提条件に大きな変更が生じた場合、あるいは退職給付制度に変更があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債、退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当社グループの退職給付制度の概要や主要な数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係)」に記載の通りであります。
(資産除去債務)
資産除去債務の計上にあたっては、不動産賃借契約に付されている土地の更地返還義務及び建物原状回復義務に基づき、借地物件における自社建物の解体費用、建物賃借物件における原状回復費用等を一定の仮定をおいて見積り、割り引くことにより算定しております。将来の除去費用の見積りについては、主として過去の実績、施工業者による見積りを基礎とし、個別の契約内容等を考慮して算定しております。
これらの主要な見積り及び仮定について、実際の除去費用が見積り金額と異なる場合、新たな事実の発生により使用見込期間や原状回復費用の見積り額等に影響を与えることとなった場合、資産除去債務の金額に影響を与える可能性があります。
なお、資産除去債務の概要や金額の算定方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (資産除去債務関係)」に記載の通りであります。