有価証券報告書-第96期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

【提出】
2021/05/27 15:43
【資料】
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【項目】
173項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大により、お客さまの行動・意識・価値観は大きく変容し、さらに、人口動態の変化、気候変動に伴うお客さまの行動変化、デジタル技術のあらゆる生活への浸透、環境・健康意識の高まりや、競争環境の構造的変化等、従来から起きていた社会変化のスピードが、コロナ下においてより一層加速し、当社を取り巻く経営環境にも大きな影響を与えています。中長期的な視野で今後10年を見据えると、過去に経験した変化とは異なる環境変化に直面すると認識しています。当社は、こうした環境変化をグループの飛躍的成長を遂げるための好機と捉え、2030年に向けた持続的成長への移行を目指し、イオングループ中期経営計画(2021~2025年度)(以下、新中期経営計画)を策定しました。
(1) グループの持続的な成長
新中期経営計画では、これまで取り組んできたリージョナル、デジタル、アジアとそれらを支える投資の4つのシフトをさらに加速するとともに、2025年以降の持続可能な成長を実現する事業基盤の構築に向け、グループ共通戦略として以下に記載する「5つの変革」を掲げました。グループ各事業は既存の事業モデルの革新をはかり、新たな成長モデルを確立するとともに、収益性を高め、生み出した経営資源を新たな成長領域へ集中的に投下することで、グループ一体で新しい成長機会を獲得してまいります。
① デジタルシフトの加速と進化
社会や生活におけるデジタル化が加速度的に進展し、リアルとデジタルの融合による利便性の追求やデータの重要性がより高まることが想定されます。
マルチフォーマットによる店舗網、商品、顧客データ、決算、インフラ等の強みとデジタルの融合を進めることにより、お客さまへ利便性と満足度の高い体験価値を提供してまいります。会員基盤のグループ共通化、スマートフォンアプリの開発、さらにはDX推進に向けたシステム開発を加速するため、イオンスマートテクノロジー㈱を設立しました。また、中国においてはAeon Digital Management Centerによる最新鋭のシステムの開発、さらにはアジア各国で展開するグループ各社へのデジタルサービス提供やノウハウ移転を進め、デジタルを活用した新たな顧客体験の提供や、業務生産性の向上、デジタル人材の育成を押し進めてまいります。
デジタル事業の強化に向けては、既に出資・提携関係にある米国Boxed、ドイツSIGNA Sports United GmbH、英国Ocadoと連携した取り組みが始動しており、グループの新たな成長の柱とすべく、B2CのみならずB2B領域も含めた事業成長スピードを加速してまいります。
② サプライチェーン発想での独自価値の創造
リアルでの業態の垣根を超えた競争に加え、ネット企業、さらにはメーカー・生産者が直接販売するD2C(Direct to Consumer)の流れ等ボーダレスな競争が激化しているなか、独自性のある商品・サービスの提供が企業競争力の源泉であると認識しています。
グループ共通プライベートブランド(PB)商品であるトップバリュのみならず、グループの専門業態が開発を担う専門性の高いPB商品、地域事業会社による生鮮・デリカを中心としたローカルPB商品の開発に向けて、サプライチェーンの川上から川下までをトータルで管理・効率化するモデルを志向し、他社とは差別化された独自価値を積極的に提供してまいります。
地域事業会社は地域密着による強みを最大限発揮するとともに、グローバル調達、ナショナルブランド商品については、グループのスケールメリットを活用した需要集約を加速してまいります。また、外食と同等の提供価値の実現に向け、次世代型プロセスセンターのモデル構築に着手いたします。
③ 新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化
ヘルスケアに関するお客様ニーズは、これまでの疾病予防や治療に加え、健康意識や免疫力強化の意識の高まりにより、未病等新たな領域へ拡大しています。
予防・治療・未病等の健康意識の高まりに対応するため、商品の販売だけでなく、様々な角度からお客さまのニーズを満たす提案を行い、新たなヘルス&ウエルネス市場を開拓するリーディング企業となることを目指してまいります。
④ イオン生活圏の創造
これまで進めていたリージョナルシフトの次のステップとして、自社の強みであるマルチフォーマットの店舗網や事業とデジタルを融合し、それぞれの地域に根ざした「イオン生活圏」の構築を目指します。
生活をさらに便利で豊かなものにしたいというお客さまのニーズに応えるため、あらゆる事業が一体となり、商品・サービスのみならず、生活圏の“核”となる拠点をシームレスに提供してまいります。事業活動を通じて「消費者」と「地域生活者」としてのお客さま、及び地域社会に対して絶えず貢献し、それぞれの地域No.1の企業の集合体となることを目指します。
⑤ アジアシフトの更なる加速
アジアの中間所得層は今後も増加が見込まれ、新たな顧客セグメントの取り込みがグループの成長に不可欠と認識しています。これまでもアジアシフトを推進すべくグループの出店スピードの向上とエリア拡大をはかってまいりましたが、アジア小売市場では、デジタル成長がリアルと同程度、または上回ることから、アジアではリアル・デジタルを同時並行で推進し事業成長を加速してまいります。
アジア全体を1つの市場と捉え、グループ経営資源の投下先を明確にし、グループ総力を挙げてアジアシフトを加速し、今後も拡大し続ける成長市場を取り込んでまいります。
(2) 人材の活躍・ダイバーシティの推進
ダイバーシティの推進は社会的課題への対応だけではなく、経営戦略の一つとしてとらえています。国籍・性別・年齢・心身の障がいの有無・性的指向と性自認等による差別を排し、能力と成果に貫かれた人事を基本的な考え方としています。多様な人材の能力を十分に活かし、劇的な環境変化にも果敢に対応し、常にお客さまのニーズに柔軟に応じ革新し続ける組織の実現を目指しています。ダイバーシティ推進が生み出す、従業員とその家族、お客さま、会社の3者の満足を“ダイ満足”と名付け、グループ全体で様々な活動に取り組んでいます。地域に根ざし、事業特性を活かしたグループ企業のダイバーシティ推進の好事例を共有されるようになりました。また、女性階層別研修をはじめ障がい者活躍、LGBT等をテーマにした研修“ダイ満足”カレッジをオンラインで開催し、全国各地の拠点からの参加が容易になり、グループ横断的な繋がりを通じ多様な知見やロールモデルと接点を持つことができる等、グループならではの強みを発揮しています。こうした取り組みが評価され、2021年3月にイオン㈱は4年連続、イオンモール㈱は5年連続で、女性活躍推進に優れた上場企業として「なでしこ銘柄」に選定されました。

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