有価証券報告書-第65期(2025/03/01-2026/02/28)
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年5月26日)現在において当社グループが判断したものです。なお、2024年8月1日付で実施した株式会社西友の食品スーパー事業に係る吸収分割について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っていましたが、2026年2月期中間連結会計期間に確定したため、前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、当該確定後の金額を用いています。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、米国の通商政策の動向により原材料調達や物流コストへ影響が残る中、賃金上昇や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇率は鈍化しつつも、食料品を中心とした生活必需品の価格は依然として高い水準を維持しています。小売業界においては消費二極化が進む状況の下、生活必需品を中心とした低価格対応に加え、より高い付加価値を訴求する取り組みが求められるなど、競争環境は一段と厳しさを増しています。
このような状況の下、当社グループは、経営理念「社員が誇りと喜びを感じ、地域とお客さまの生活に貢献し続ける」に基づき、「暮らしやすく、人口が増えるまちづくり」に長期的視点で取り組むことを掲げ、第二次中期経営計画にて定めた戦略を推進してきました。しかしながら、2024年2月15日に発生したランサムウェア感染被害に伴うシステム障害からの復旧後は、客数回復を最優先に取り組んだ結果、長期化するインフレへの対応が後手に回ったことに加え、新店・活性化(リニューアル)が計画どおりに遂行できなかったことなどから計画数値を修正しました。今後は外部環境の変化への柔軟な対応とともに、2024年8月に株式会社西友より承継したサニー事業の店舗網(70店舗)を加えた九州におけるドミナンスをより一層強化し、グループ全体のさらなる成長につなげていきます。
成長戦略では、当社グループは、サニー事業が有するノウハウを既存店舗へ展開することで、収益力の高い「新規SM(スーパーマーケット)事業」を創造し、将来的にはGMS(総合スーパー)と並ぶ収益の柱へと育成することを目指しています。この取り組みを推進するため、「食品本部」に「新規SM事業商品部」を新設しました。
4月には、代表取締役社長に町田繁樹が就任しました。新たな経営体制の下、店舗を「街の核」として位置づけ、単なる小売の枠を超えた多機能な拠点としての役割を強化しています。自治体との協働や店舗の個性を生かしたサービスの提供を通じて変化する顧客ニーズに対応し、地域の皆さまとともに持続的な成長と企業価値向上を図ります。
また、7月には、ハンドボールチーム「イズミメイプルレッズ広島」の運営を目的として、新会社「株式会社メイプルレッズ」を設立しました。これまで以上にホームタウンと密接に連携し、ハンドボールを通じて地域に“夢”と“活力”を与え、社会の活性化に貢献することを目指します。
商品戦略では、9月に当社の新しいPB(プライベートブランド)「ゆめイチ」を発売しました。また、「ゆめイチ」をSM300店舗体制に向けた成長戦略の一翼を担う重要なエンジンと位置づけ、「PB事業企画部」を新設することで、商品開発のスピードおよび質の向上に取り組んでいます。地域の食文化に精通したバイヤーが地域密着型の商品開発を推進し、地域特性や変化するニーズを反映した当社ならではの地域密着ブランドを育成していきます。
さらに、「サステナビリティ基本方針」に基づき、環境KPI達成に向けた取り組みを着実に推進しています。4月には、経営戦略と連動したサステナビリティ推進体制の更なる強化を目的として、「広報課」と「サステナビリティ推進課」を経営企画部に統合し、対外的な発信力をより高める組織体制を整備しました。サステナビリティの状況等の詳細につきましては当社サステナビリティサイトをご参照ください。
サステナビリティサイト
https://www.izumi.co.jp/sustainability/
主力の小売事業において、第1四半期に、2024年2月に発生したランサムウェア感染によるシステム障害の影響が一巡しました。前年同期において商品供給やシステムの停止による店舗運営体制への様々な影響を受けた直営売場では、客数が回復し販売は堅調に推移しました。第2四半期以降は、米をはじめとする食料品や日用品は価格の高止まりする中で、生活必需品への支出の見直しが進みました。
これらの結果、当期の経営成績は以下のとおりとなりました。
経営成績の主な増減要因
a.営業収益及び営業総利益
営業収益は前期比45,169百万円(8.6%)増加し、569,312百万円となりました。これは、主にサニー事業の承継による店舗数増加と、前年のシステム障害からの回復による販売増が寄与したこと等によるものです。
営業総利益は、222,409百万円(前期比14,807百万円増)となりました。営業収益対比では39.1%となり前期に比べて0.5ポイント低下しました。
b.販売費及び一般管理費並びに営業利益
販売費及び一般管理費については、主にサニー事業の承継に伴う人件費、賃借料及びのれん償却費の増加に加え、前年のシステム障害の影響により抑制された広告宣伝費の増加等により、前期比13,306百万円(7.3%)増加の195,172百万円となりました。営業収益対比では34.3%となり、前期に比べて0.4ポイント低下しました。
これらの結果、営業利益は前期比1,500百万円(5.8%)増加の27,236百万円となり、営業収益対比では4.8%と前期に比べて0.1ポイント低下しました。
c.営業外損益及び経常利益
営業外収益は、前期比265百万円(20.8%)増加の1,537百万円となりました。一方、営業外費用は、シンジケートローンの組成に伴う支払利息の増加を主因として、前期比413百万円(41.4%)増加の1,412百万円となりました。
これらの結果、経常利益は前期比1,352百万円(5.2%)増加の27,361百万円となりました。営業収益対比は4.8%と前期に比べて0.2ポイント低下しました。
d.特別損益、法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、受取補償金1,342百万円等を計上し1,519百万円となりました(前期比1,509百万円の減少)。一方、特別損失は、減損損失1,717百万円等を計上し2,351百万円となりました(前期比5,886百万円の減少)。
法人税等は9,428百万円となりました(前期比1,765百万円の増加)。
非支配株主に帰属する当期純利益は、連結子会社における受取補償金の計上等により266百万円となりました(前期比567百万円の減少)。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比4,530百万円(36.8%)増加の16,834百万円となりました。営業収益対比は3.0%と前期に比べて0.7ポイント上昇しました。
各セグメントの業績
■営業収益
■営業利益
a.小売事業
主力の小売事業において、第1四半期に、2024年2月に発生したランサムウェア感染によるシステム障害の影響が一巡しました。前年同期において商品供給やシステムの停止による店舗運営体制への様々な影響を受けた直営売場では、客数が回復し販売は堅調に推移しました。第2四半期以降は、米をはじめとする食料品や日用品は価格の高止まりする中で、生活必需品への支出の見直しが進みました。
商品面では、強まる節約志向に対応すべく、3月から、毎日の食卓や暮らしに欠かせない食料品や日用品を低価格で提供する「全力応援値下げ」の品目数を60品目から100品目へ拡大しました。また、お客さまの多様なニーズに対応しつつ、店舗付加価値を高めるため、惣菜・生鮮加工品の自社製造ブランド「zehi(ぜひ)」においては、新商品の開発及び既存商品のリニューアルを推進しました。さらに、お客さまがお買い求めやすい値ごろ感の訴求と適量サイズの品ぞろえを強化しました。
一方、連結子会社の株式会社ゆめマート熊本が運営するサニー70店舗においては、システムの切り替えに伴い株式会社西友(東京都武蔵野市)のPB商品の取り扱いを3月より順次終了し、2024年2月に加盟したニチリウグループ(大阪市福島区)のPBである「くらしモア」を導入しました。11月には「くらしモア」の取り扱いを800品目まで拡大し、インフレの長期化により高まる低価格ニーズへの対応力を強化しました。これまでお客さまにご愛顧いただいた商品に代わり、さらに魅力的な商品やサービスの充実に取り組んでいます。さらに7月には、中四国地方及び九州地方のSMとして初めて、水産エコラベル「MEL認証」を取得したかつおとぶりを使用した商品を販売開始しました。今後も、環境・社会・経済に配慮した商品を調達することにより、資源・生態系を守り、持続可能な水産業の発展に貢献するとともに、エシカル消費の推進に取り組みます。
また、同月に当社オリジナルブランド「SHUCA(シュカ)」において、新たに雑貨ラインの販売を開始しました。今夏の猛暑に対応し、接触冷感や抗菌防臭などの機能性を付加した生活関連商品を展開しています。
9月には、当社グループ各店において、毎日の食卓に欠かせない食料品90品目と日用品10品目を対象に、「強烈特価」厳選100を販売開始するとともに、新たなPB「ゆめイチ」を発売し、イズミグループ全店で取り扱いを開始しました。「ゆめイチ」は、「イチバンも。イチオシも。」をコンセプトに掲げ、商品ラインには毎日食べるものをよりお安くお求めいただけるよう、低価格にこだわった「プライス」、品質(原料、製法、味わい)と価格のバランスを重視したスタンダードラインの「レギュラー」、さらには圧倒的な品質にこだわり高付加価値、高品質を追求した最上位ラインの「プレミアム」の3つのラインで構成しています。お客さまの価格感度が高まる中、まずは低価格帯の「プライス」から順次展開し、2025年度はプライス140品目、レギュラー22品目、プレミアム1品目の合計163品目を発売しました。なお、価格訴求力が向上したこともあり販売は好調に推移しており、今後は、2035年までに累計800アイテムを開発するとともに、PB事業による食品内構成比についても、2030年には10%を目指して拡大していく方針です。
また、これらに加えて高付加価値商品の販売にも注力しています。ライフスタイル売場では、高気温の影響により一部シーズン商品の販売が苦戦する中、健康意識やトレンド感度の高いお客さまのニーズを踏まえ、人気のリカバリーウェア等のコーナー化やECで支持を集める下着ブランドの販売に取り組みました。これらの施策により、関連商品の販売は好調に推移しました。さらに、自社ブランド「SHUCA」のターゲット層の見直しを進めるとともに、人気キャラクターとのコラボ商品の展開などを通じて、強まる消費の二極化へ対応していきます。
店舗面では、3月に広島新駅ビル「minamoa」に当社初のバラエティコスメショップ単独店「En Fleur Petit(ア・フルール プティ) minamoa広島店(広島市南区)」をオープンしました。同店では、「日常のささやかなご褒美~Petitrécompense(プティ レコンパーンス)~」をコンセプトに、国内外のオーガニックコスメやバラエティコスメを幅広いラインナップで展開しています。また、「日常+高質」をキーワードとした、「アバンセminamoa広島店(広島市南区)」をオープンしました。地元食材を使ったこだわりの商品や全国の銘品などの高付加価値商品を中心に展開し、地域のお客さまや旅行者など、多様なライフスタイルのニーズに対応しています。
6月には、「ゆめタウン山陽(岡山県赤磐市)」を建て替え、岡山県内では初の「近隣型ショッピングセンター(NSC:Neighborhood Shopping Center)」となる「ゆめモール山陽(同上)」をオープンしました。「通う場所」「出会う場所」「憩う場所」をキーワードに、地域の生活拠点として、環境にやさしく、便利で快適、健康な暮らしを提供する地域密着型モールを目指し、当社が運営する食品スーパー「ゆめマート」を核テナントとして“毎日通う楽しみ”を提供いたします。また、今までになかった新しい出会いや人と人をつなぐ地元交流の場を創出し、地域の健康的なライフスタイルの実現をサポートしてまいります。
9月には、「ゆめマート曽根(北九州市小倉南区)」を開業しました。同店は、「安全・安心・おいしさ」をキーワードに日々の便利で快適な暮らしを応援する24時間営業の食品SMとして、地域の皆さまに新しい“食”の価値を提案するとともに、産直野菜・産直活魚を取り扱い、産直ならではの“鮮度”を提供します。 また持続可能な社会の実現に向けた地域貢献・SDGsの取組みとして、運営する「株式会社ゆめマート北九州」の店舗では初の全使用電力を再生可能エネルギー由来で運営しています。
10月には、「ゆめタウン呉(広島県呉市)」において、 「ゆめタウン呉レクレ館」 を開業しました。同施設は2005年10月の開業以来、長きにわたり地域の皆さまから愛されてきた商業施設であり、2026年夏に向けて、新規専門店の導入や既存専門店の改装を進め、段階的なリニューアルを行っていく予定です。
既存店においては、大規模リニューアルを実施しました。3月には「ゆめタウン大竹(広島県大竹市)」に「無印良品」をテナントとして導入し、若い世代の新規顧客の来店促進を図りました。また、食品売場では、什器の入れ替えや、冷凍食品売場の拡充、地元銘菓の導入などを行い、地域のお客さまニーズに合わせた品ぞろえの強化と買物環境の向上などを図りました。4月には、「ゆめタウン丸亀(香川県丸亀市)」において、「ヒマラヤスポーツ」の導入に加え、ライフスタイル売場の回遊性向上を目的とした改装を実施しました。
さらに、「ゆめタウン久留米(福岡県久留米市)」では、「リトルプラネット」を当社フランチャイズ第1号店として導入し、遊び場や子供服売場を集約することでキッズゾーンの再構築を行い、若い子育て世代の来店促進に取り組みました。
6月には、「ゆめタウン中津(大分県中津市)」において、1998年5月の開業以来、過去最大規模のリニューアルを実施しました。新規専門店の導入や既存専門店の改装、直営食料品及びライフスタイル売場の刷新に加え、サービス機能の充実を目的として、無料遊び場やお客さま用トイレ、授乳室も改装し、快適に過ごせる空間を提供しています。また、後方環境においても、食堂や休憩室、トイレ、更衣室の改装を行い、労働環境の改善による従業員エンゲージメントの向上にも取り組みました。
9月には、「ゆめタウン福山(広島県福山市)」において、ビューティー&ヘルスケアゾーンの構築を中心として、地元のコスメショップ「LOOK」や、お客さまの要望が高かった「SUBWAY」などを導入しました。今後も「街の核」として地域ニーズへの対応と来店価値の向上に取り組んでいきます。
以上の取り組みに対して、当期における当社の既存店売上高(テナント専門店を含む)は前年同期比で2.0%増(「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」等を適用前の数値)、同様にテナント専門店を除く直営ベースでは1.7%増(同)となりました。
これらの結果、営業収益は551,029百万円(前期比8.7%増)、営業利益は20,782百万円(前期比4.0%増)となりました。
b.小売周辺事業
小売周辺事業では、ランサムウェア感染被害の影響が一巡し、小売事業の営業が正常化したこと等により、増収増益となりました。
金融事業の株式会社ゆめカードにおいては、クレジット・電子マネー「ゆめか」取扱高等の増加により手数料収入が増加しました。「ゆめか」の累計発行枚数は前期末における1,067万枚から当期末には1,117万枚へと増加しました。また、7月には、ローン専用カード「youme club yell(ゆめクラブエール)」のサービスを開始し、8月には、当社グループ店舗以外の加盟店でも「ゆめアプリ」を通じて「ゆめか」によるコード決済が可能となる「ゆめかPay(ゆめかペイ)」のサービスを開始しました。今後は加盟店の拡大を通じて、お客さまの利便性向上に取り組むとともに、地域のデジタルインフラ構築に取り組む方針です。
施設管理事業の株式会社イズミテクノにおいては、指定管理施設の増加に加え、工事の受注が好調に推移し、増収増益となりました。
飲食事業のイズミ・フード・サービス株式会社においては、主力業態のミスタードーナツ及びサーティワンアイスクリーム等が好調に推移した一方、時給上昇に伴う人件費の増加等により増収減益となりました。
これらの結果、営業収益は53,922百万円(前期比12.5%増)、営業利益は5,997百万円(前期比8.8%増)となりました。
c.その他
卸売事業では、販売が堅調に推移するとともに、為替相場が前期に対し円高傾向であったことで輸入原価の低減が利益改善に寄与しました。また、不動産賃貸事業では安定的な賃料収入を計上しました。
これらの結果、営業収益は4,951百万円(前期比0.3%減)、営業利益は703百万円(前期比22.5%増)となりました。
財政状態の分析
当期末における総資産、負債及び純資産の残高、前期末対比の増減額及び主な増減理由は以下のとおりです。
総 資 産
・現金及び預金は、期末日が銀行休業日であったことから、仕入債務等の資金決済が翌月初に持ち越されたことなどにより12,370百万円増加しました
・受取手形、売掛金及び契約資産は、クレジット取扱高の増加等により2,534百万円増加しました。
・当期の設備投資額は21,771百万円であり、主に店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資によるもので、有形固定資産は、減価償却実施後で5,330百万円増加しました。
・のれんは、暫定的な会計処理の確定を行い、前期末の金額は見直し後の金額を用いています。詳細は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。
負 債
・支払手形及び買掛金は、期末日が銀行休業日であったため、資金決済が翌月初に持ち越されたこと等により28,265百万円増加しました。
・未払金は、設備未払金の増加に加え、当期末日が銀行休業日であったことにより、資金決済が翌期に持ち越されたこと等により2,092百万円増加しました。
・短期借入金及び長期借入金は、20,931百万円減少しました。
純 資 産
・利益剰余金は、内部留保の上積みにより10,431百万円増加しました。
・これらの結果、自己資本比率は49.4%となり、前期末の49.6%に比べて0.2ポイント低下しました。
② キャッシュ・フローの状況
当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、税金等調整前当期純利益26,529百万円、仕入債務の増加額28,265百万円及び減価償却費19,167百万円です。
・主な支出項目は、法人税等の支払額8,751百万円並びに売上債権及び契約資産の増加額2,534百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フロー
・主な支出項目は、有形固定資産の取得による支出19,518百万円です。有形固定資産の取得については、主に店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、長期借入れによる収入10,000百万円です。
・主な支出項目は、長期借入金の返済による支出18,711百万円、短期借入金の返済による支出12,220百万円、配当金の支払6,398百万円及び自己株式の取得4,996百万円です。
以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末対比12,370百万円増加し、28,088百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
b.仕入実績
当期における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
(注)1.各指標の算出方法は以下のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローから営業活動による債権債務の増減額を除いたものを使用しています。利息の支払額は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要は、主に商品・原材料仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、投資資金需要は、企業買収に係る投資、店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。これらに対しては、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れ等により充当しており、当連結会計年度における有利子負債残高は123,225百万円です。
なお、当社グループは第三次中期経営計画(2027年2月期から2031年2月期)に基づき、経営環境の激変リスクに備えつつ、5年間の総投資1,650億円を予定しており、その投資資金には自己資金及び有利子負債を活用します。
また、当社は日本格付研究所(JCR)から信用格付を取得しています。本報告書提出時点において、「長期発行体格付:A+(見通し:安定的)」となっており、水準の維持を目安とします。
③ 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかに回復していくことが期待されます。一方で、地政学リスクを背景としたエネルギー価格高騰に起因する建設・物流・調達コスト等の上昇により、企業活動におけるさらなるコストマネジメントの必要性に加え、生活防衛意識の一層の高まりなど個人消費への影響も懸念され、先行きの不透明な経営環境が継続することが見込まれます。
このような状況の下、当社グループは2026年4月に「第三次中期経営計画(2027年2月期から2031年2月期)」を公表しました。長期ビジョン「私たちは西日本エリアにおいて、最も地域に寄り添い、地域のお客さまに頼りにされる『地域の総合生活産業』を目指します」に基づき、暮らしやすく、活気あふれる街づくりに貢献します。本中期計画の5か年を長期ビジョン達成に向けた重要な投資期間と位置付け、戦略の着実な遂行とともに持続的な成長に向けた基盤づくりを推し進めてまいります。また、小売業界を取り巻く環境が厳しさを増す時代においても、原材料価格や人件費の動向を注視しつつ変化への柔軟な対応を通じて地域のお客さまに寄り添い、地域とともに成長してまいります。
これらにより、お客さまの満足を実現するとともに、地域ドミナントの更なる拡大・深耕を図っていくことで、経営効率を高め、より一層の企業成長に繋げてまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、米国の通商政策の動向により原材料調達や物流コストへ影響が残る中、賃金上昇や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇率は鈍化しつつも、食料品を中心とした生活必需品の価格は依然として高い水準を維持しています。小売業界においては消費二極化が進む状況の下、生活必需品を中心とした低価格対応に加え、より高い付加価値を訴求する取り組みが求められるなど、競争環境は一段と厳しさを増しています。
このような状況の下、当社グループは、経営理念「社員が誇りと喜びを感じ、地域とお客さまの生活に貢献し続ける」に基づき、「暮らしやすく、人口が増えるまちづくり」に長期的視点で取り組むことを掲げ、第二次中期経営計画にて定めた戦略を推進してきました。しかしながら、2024年2月15日に発生したランサムウェア感染被害に伴うシステム障害からの復旧後は、客数回復を最優先に取り組んだ結果、長期化するインフレへの対応が後手に回ったことに加え、新店・活性化(リニューアル)が計画どおりに遂行できなかったことなどから計画数値を修正しました。今後は外部環境の変化への柔軟な対応とともに、2024年8月に株式会社西友より承継したサニー事業の店舗網(70店舗)を加えた九州におけるドミナンスをより一層強化し、グループ全体のさらなる成長につなげていきます。
成長戦略では、当社グループは、サニー事業が有するノウハウを既存店舗へ展開することで、収益力の高い「新規SM(スーパーマーケット)事業」を創造し、将来的にはGMS(総合スーパー)と並ぶ収益の柱へと育成することを目指しています。この取り組みを推進するため、「食品本部」に「新規SM事業商品部」を新設しました。
4月には、代表取締役社長に町田繁樹が就任しました。新たな経営体制の下、店舗を「街の核」として位置づけ、単なる小売の枠を超えた多機能な拠点としての役割を強化しています。自治体との協働や店舗の個性を生かしたサービスの提供を通じて変化する顧客ニーズに対応し、地域の皆さまとともに持続的な成長と企業価値向上を図ります。
また、7月には、ハンドボールチーム「イズミメイプルレッズ広島」の運営を目的として、新会社「株式会社メイプルレッズ」を設立しました。これまで以上にホームタウンと密接に連携し、ハンドボールを通じて地域に“夢”と“活力”を与え、社会の活性化に貢献することを目指します。
商品戦略では、9月に当社の新しいPB(プライベートブランド)「ゆめイチ」を発売しました。また、「ゆめイチ」をSM300店舗体制に向けた成長戦略の一翼を担う重要なエンジンと位置づけ、「PB事業企画部」を新設することで、商品開発のスピードおよび質の向上に取り組んでいます。地域の食文化に精通したバイヤーが地域密着型の商品開発を推進し、地域特性や変化するニーズを反映した当社ならではの地域密着ブランドを育成していきます。
さらに、「サステナビリティ基本方針」に基づき、環境KPI達成に向けた取り組みを着実に推進しています。4月には、経営戦略と連動したサステナビリティ推進体制の更なる強化を目的として、「広報課」と「サステナビリティ推進課」を経営企画部に統合し、対外的な発信力をより高める組織体制を整備しました。サステナビリティの状況等の詳細につきましては当社サステナビリティサイトをご参照ください。
サステナビリティサイト
https://www.izumi.co.jp/sustainability/
主力の小売事業において、第1四半期に、2024年2月に発生したランサムウェア感染によるシステム障害の影響が一巡しました。前年同期において商品供給やシステムの停止による店舗運営体制への様々な影響を受けた直営売場では、客数が回復し販売は堅調に推移しました。第2四半期以降は、米をはじめとする食料品や日用品は価格の高止まりする中で、生活必需品への支出の見直しが進みました。
これらの結果、当期の経営成績は以下のとおりとなりました。
| 金額 | 前期比 | ||
| 営業収益 | 569,312百万円 | 8.6%増 | |
| (内 売上高) | (510,942百万円) | 9.3%増 | |
| (内 営業収入) | (58,369百万円) | 2.8%増 | |
| 営業利益 | 27,236百万円 | 5.8%増 | |
| 経常利益 | 27,361百万円 | 5.2%増 | |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 16,834百万円 | 36.8%増 | |
経営成績の主な増減要因
a.営業収益及び営業総利益
営業収益は前期比45,169百万円(8.6%)増加し、569,312百万円となりました。これは、主にサニー事業の承継による店舗数増加と、前年のシステム障害からの回復による販売増が寄与したこと等によるものです。
営業総利益は、222,409百万円(前期比14,807百万円増)となりました。営業収益対比では39.1%となり前期に比べて0.5ポイント低下しました。
b.販売費及び一般管理費並びに営業利益
販売費及び一般管理費については、主にサニー事業の承継に伴う人件費、賃借料及びのれん償却費の増加に加え、前年のシステム障害の影響により抑制された広告宣伝費の増加等により、前期比13,306百万円(7.3%)増加の195,172百万円となりました。営業収益対比では34.3%となり、前期に比べて0.4ポイント低下しました。
これらの結果、営業利益は前期比1,500百万円(5.8%)増加の27,236百万円となり、営業収益対比では4.8%と前期に比べて0.1ポイント低下しました。
c.営業外損益及び経常利益
営業外収益は、前期比265百万円(20.8%)増加の1,537百万円となりました。一方、営業外費用は、シンジケートローンの組成に伴う支払利息の増加を主因として、前期比413百万円(41.4%)増加の1,412百万円となりました。
これらの結果、経常利益は前期比1,352百万円(5.2%)増加の27,361百万円となりました。営業収益対比は4.8%と前期に比べて0.2ポイント低下しました。
d.特別損益、法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、受取補償金1,342百万円等を計上し1,519百万円となりました(前期比1,509百万円の減少)。一方、特別損失は、減損損失1,717百万円等を計上し2,351百万円となりました(前期比5,886百万円の減少)。
法人税等は9,428百万円となりました(前期比1,765百万円の増加)。
非支配株主に帰属する当期純利益は、連結子会社における受取補償金の計上等により266百万円となりました(前期比567百万円の減少)。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比4,530百万円(36.8%)増加の16,834百万円となりました。営業収益対比は3.0%と前期に比べて0.7ポイント上昇しました。
各セグメントの業績
■営業収益
| 前期 (2024年3月~2025年2月) | 当期 (2025年3月~2026年2月) | 増減(金額) | 増減(率) | |
| 小売事業 | 506,985百万円 | 551,029百万円 | 44,044百万円 | 8.7% |
| 小売周辺事業 | 47,927百万円 | 53,922百万円 | 5,995百万円 | 12.5% |
| その他 | 4,968百万円 | 4,951百万円 | △17百万円 | △0.3% |
| 調整額 | △35,738百万円 | △40,591百万円 | △4,853百万円 | ― |
| 合計 | 524,142百万円 | 569,312百万円 | 45,169百万円 | 8.6% |
■営業利益
| 前期 (2024年3月~2025年2月) | 当期 (2025年3月~2026年2月) | 増減(金額) | 増減(率) | |
| 小売事業 | 19,982百万円 | 20,782百万円 | 800百万円 | 4.0% |
| 小売周辺事業 | 5,510百万円 | 5,997百万円 | 486百万円 | 8.8% |
| その他 | 574百万円 | 703百万円 | 129百万円 | 22.5% |
| 調整額 | △331百万円 | △246百万円 | 85百万円 | ― |
| 合計 | 25,735百万円 | 27,236百万円 | 1,500百万円 | 5.8% |
a.小売事業
主力の小売事業において、第1四半期に、2024年2月に発生したランサムウェア感染によるシステム障害の影響が一巡しました。前年同期において商品供給やシステムの停止による店舗運営体制への様々な影響を受けた直営売場では、客数が回復し販売は堅調に推移しました。第2四半期以降は、米をはじめとする食料品や日用品は価格の高止まりする中で、生活必需品への支出の見直しが進みました。
商品面では、強まる節約志向に対応すべく、3月から、毎日の食卓や暮らしに欠かせない食料品や日用品を低価格で提供する「全力応援値下げ」の品目数を60品目から100品目へ拡大しました。また、お客さまの多様なニーズに対応しつつ、店舗付加価値を高めるため、惣菜・生鮮加工品の自社製造ブランド「zehi(ぜひ)」においては、新商品の開発及び既存商品のリニューアルを推進しました。さらに、お客さまがお買い求めやすい値ごろ感の訴求と適量サイズの品ぞろえを強化しました。
一方、連結子会社の株式会社ゆめマート熊本が運営するサニー70店舗においては、システムの切り替えに伴い株式会社西友(東京都武蔵野市)のPB商品の取り扱いを3月より順次終了し、2024年2月に加盟したニチリウグループ(大阪市福島区)のPBである「くらしモア」を導入しました。11月には「くらしモア」の取り扱いを800品目まで拡大し、インフレの長期化により高まる低価格ニーズへの対応力を強化しました。これまでお客さまにご愛顧いただいた商品に代わり、さらに魅力的な商品やサービスの充実に取り組んでいます。さらに7月には、中四国地方及び九州地方のSMとして初めて、水産エコラベル「MEL認証」を取得したかつおとぶりを使用した商品を販売開始しました。今後も、環境・社会・経済に配慮した商品を調達することにより、資源・生態系を守り、持続可能な水産業の発展に貢献するとともに、エシカル消費の推進に取り組みます。
また、同月に当社オリジナルブランド「SHUCA(シュカ)」において、新たに雑貨ラインの販売を開始しました。今夏の猛暑に対応し、接触冷感や抗菌防臭などの機能性を付加した生活関連商品を展開しています。
9月には、当社グループ各店において、毎日の食卓に欠かせない食料品90品目と日用品10品目を対象に、「強烈特価」厳選100を販売開始するとともに、新たなPB「ゆめイチ」を発売し、イズミグループ全店で取り扱いを開始しました。「ゆめイチ」は、「イチバンも。イチオシも。」をコンセプトに掲げ、商品ラインには毎日食べるものをよりお安くお求めいただけるよう、低価格にこだわった「プライス」、品質(原料、製法、味わい)と価格のバランスを重視したスタンダードラインの「レギュラー」、さらには圧倒的な品質にこだわり高付加価値、高品質を追求した最上位ラインの「プレミアム」の3つのラインで構成しています。お客さまの価格感度が高まる中、まずは低価格帯の「プライス」から順次展開し、2025年度はプライス140品目、レギュラー22品目、プレミアム1品目の合計163品目を発売しました。なお、価格訴求力が向上したこともあり販売は好調に推移しており、今後は、2035年までに累計800アイテムを開発するとともに、PB事業による食品内構成比についても、2030年には10%を目指して拡大していく方針です。
また、これらに加えて高付加価値商品の販売にも注力しています。ライフスタイル売場では、高気温の影響により一部シーズン商品の販売が苦戦する中、健康意識やトレンド感度の高いお客さまのニーズを踏まえ、人気のリカバリーウェア等のコーナー化やECで支持を集める下着ブランドの販売に取り組みました。これらの施策により、関連商品の販売は好調に推移しました。さらに、自社ブランド「SHUCA」のターゲット層の見直しを進めるとともに、人気キャラクターとのコラボ商品の展開などを通じて、強まる消費の二極化へ対応していきます。
店舗面では、3月に広島新駅ビル「minamoa」に当社初のバラエティコスメショップ単独店「En Fleur Petit(ア・フルール プティ) minamoa広島店(広島市南区)」をオープンしました。同店では、「日常のささやかなご褒美~Petitrécompense(プティ レコンパーンス)~」をコンセプトに、国内外のオーガニックコスメやバラエティコスメを幅広いラインナップで展開しています。また、「日常+高質」をキーワードとした、「アバンセminamoa広島店(広島市南区)」をオープンしました。地元食材を使ったこだわりの商品や全国の銘品などの高付加価値商品を中心に展開し、地域のお客さまや旅行者など、多様なライフスタイルのニーズに対応しています。
6月には、「ゆめタウン山陽(岡山県赤磐市)」を建て替え、岡山県内では初の「近隣型ショッピングセンター(NSC:Neighborhood Shopping Center)」となる「ゆめモール山陽(同上)」をオープンしました。「通う場所」「出会う場所」「憩う場所」をキーワードに、地域の生活拠点として、環境にやさしく、便利で快適、健康な暮らしを提供する地域密着型モールを目指し、当社が運営する食品スーパー「ゆめマート」を核テナントとして“毎日通う楽しみ”を提供いたします。また、今までになかった新しい出会いや人と人をつなぐ地元交流の場を創出し、地域の健康的なライフスタイルの実現をサポートしてまいります。
9月には、「ゆめマート曽根(北九州市小倉南区)」を開業しました。同店は、「安全・安心・おいしさ」をキーワードに日々の便利で快適な暮らしを応援する24時間営業の食品SMとして、地域の皆さまに新しい“食”の価値を提案するとともに、産直野菜・産直活魚を取り扱い、産直ならではの“鮮度”を提供します。 また持続可能な社会の実現に向けた地域貢献・SDGsの取組みとして、運営する「株式会社ゆめマート北九州」の店舗では初の全使用電力を再生可能エネルギー由来で運営しています。
10月には、「ゆめタウン呉(広島県呉市)」において、 「ゆめタウン呉レクレ館」 を開業しました。同施設は2005年10月の開業以来、長きにわたり地域の皆さまから愛されてきた商業施設であり、2026年夏に向けて、新規専門店の導入や既存専門店の改装を進め、段階的なリニューアルを行っていく予定です。
既存店においては、大規模リニューアルを実施しました。3月には「ゆめタウン大竹(広島県大竹市)」に「無印良品」をテナントとして導入し、若い世代の新規顧客の来店促進を図りました。また、食品売場では、什器の入れ替えや、冷凍食品売場の拡充、地元銘菓の導入などを行い、地域のお客さまニーズに合わせた品ぞろえの強化と買物環境の向上などを図りました。4月には、「ゆめタウン丸亀(香川県丸亀市)」において、「ヒマラヤスポーツ」の導入に加え、ライフスタイル売場の回遊性向上を目的とした改装を実施しました。
さらに、「ゆめタウン久留米(福岡県久留米市)」では、「リトルプラネット」を当社フランチャイズ第1号店として導入し、遊び場や子供服売場を集約することでキッズゾーンの再構築を行い、若い子育て世代の来店促進に取り組みました。
6月には、「ゆめタウン中津(大分県中津市)」において、1998年5月の開業以来、過去最大規模のリニューアルを実施しました。新規専門店の導入や既存専門店の改装、直営食料品及びライフスタイル売場の刷新に加え、サービス機能の充実を目的として、無料遊び場やお客さま用トイレ、授乳室も改装し、快適に過ごせる空間を提供しています。また、後方環境においても、食堂や休憩室、トイレ、更衣室の改装を行い、労働環境の改善による従業員エンゲージメントの向上にも取り組みました。
9月には、「ゆめタウン福山(広島県福山市)」において、ビューティー&ヘルスケアゾーンの構築を中心として、地元のコスメショップ「LOOK」や、お客さまの要望が高かった「SUBWAY」などを導入しました。今後も「街の核」として地域ニーズへの対応と来店価値の向上に取り組んでいきます。
以上の取り組みに対して、当期における当社の既存店売上高(テナント専門店を含む)は前年同期比で2.0%増(「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」等を適用前の数値)、同様にテナント専門店を除く直営ベースでは1.7%増(同)となりました。
これらの結果、営業収益は551,029百万円(前期比8.7%増)、営業利益は20,782百万円(前期比4.0%増)となりました。
b.小売周辺事業
小売周辺事業では、ランサムウェア感染被害の影響が一巡し、小売事業の営業が正常化したこと等により、増収増益となりました。
金融事業の株式会社ゆめカードにおいては、クレジット・電子マネー「ゆめか」取扱高等の増加により手数料収入が増加しました。「ゆめか」の累計発行枚数は前期末における1,067万枚から当期末には1,117万枚へと増加しました。また、7月には、ローン専用カード「youme club yell(ゆめクラブエール)」のサービスを開始し、8月には、当社グループ店舗以外の加盟店でも「ゆめアプリ」を通じて「ゆめか」によるコード決済が可能となる「ゆめかPay(ゆめかペイ)」のサービスを開始しました。今後は加盟店の拡大を通じて、お客さまの利便性向上に取り組むとともに、地域のデジタルインフラ構築に取り組む方針です。
施設管理事業の株式会社イズミテクノにおいては、指定管理施設の増加に加え、工事の受注が好調に推移し、増収増益となりました。
飲食事業のイズミ・フード・サービス株式会社においては、主力業態のミスタードーナツ及びサーティワンアイスクリーム等が好調に推移した一方、時給上昇に伴う人件費の増加等により増収減益となりました。
これらの結果、営業収益は53,922百万円(前期比12.5%増)、営業利益は5,997百万円(前期比8.8%増)となりました。
c.その他
卸売事業では、販売が堅調に推移するとともに、為替相場が前期に対し円高傾向であったことで輸入原価の低減が利益改善に寄与しました。また、不動産賃貸事業では安定的な賃料収入を計上しました。
これらの結果、営業収益は4,951百万円(前期比0.3%減)、営業利益は703百万円(前期比22.5%増)となりました。
財政状態の分析
当期末における総資産、負債及び純資産の残高、前期末対比の増減額及び主な増減理由は以下のとおりです。
| 前期末 (2025年2月28日) | 当期末 (2026年2月28日) | 増減 | |
| 総資産 | 575,963百万円 | 595,383百万円 | 19,420百万円 |
| 負債 | 276,359百万円 | 287,444百万円 | 11,084百万円 |
| 純資産 | 299,603百万円 | 307,939百万円 | 8,335百万円 |
総 資 産
・現金及び預金は、期末日が銀行休業日であったことから、仕入債務等の資金決済が翌月初に持ち越されたことなどにより12,370百万円増加しました
・受取手形、売掛金及び契約資産は、クレジット取扱高の増加等により2,534百万円増加しました。
・当期の設備投資額は21,771百万円であり、主に店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資によるもので、有形固定資産は、減価償却実施後で5,330百万円増加しました。
・のれんは、暫定的な会計処理の確定を行い、前期末の金額は見直し後の金額を用いています。詳細は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。
負 債
・支払手形及び買掛金は、期末日が銀行休業日であったため、資金決済が翌月初に持ち越されたこと等により28,265百万円増加しました。
・未払金は、設備未払金の増加に加え、当期末日が銀行休業日であったことにより、資金決済が翌期に持ち越されたこと等により2,092百万円増加しました。
・短期借入金及び長期借入金は、20,931百万円減少しました。
純 資 産
・利益剰余金は、内部留保の上積みにより10,431百万円増加しました。
・これらの結果、自己資本比率は49.4%となり、前期末の49.6%に比べて0.2ポイント低下しました。
② キャッシュ・フローの状況
当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
| 前期 (2024年3月~2025年2月) | 当期 (2025年3月~2026年2月) | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 40,323百万円 | 64,515百万円 | 24,191百万円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △91,636百万円 | △19,613百万円 | 72,022百万円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 55,032百万円 | △32,531百万円 | △87,564百万円 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、税金等調整前当期純利益26,529百万円、仕入債務の増加額28,265百万円及び減価償却費19,167百万円です。
・主な支出項目は、法人税等の支払額8,751百万円並びに売上債権及び契約資産の増加額2,534百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フロー
・主な支出項目は、有形固定資産の取得による支出19,518百万円です。有形固定資産の取得については、主に店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
・主な収入項目は、長期借入れによる収入10,000百万円です。
・主な支出項目は、長期借入金の返済による支出18,711百万円、短期借入金の返済による支出12,220百万円、配当金の支払6,398百万円及び自己株式の取得4,996百万円です。
以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末対比12,370百万円増加し、28,088百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 営業収益(百万円) | 対前期増減(%) |
| 小売事業 | 551,029 | 8.7 |
| 小売周辺事業 | 53,922 | 12.5 |
| その他 | 4,951 | △0.3 |
| 小計 | 609,903 | 8.9 |
| 調整額 | △40,591 | - |
| 合計 | 569,312 | 8.6 |
b.仕入実績
当期における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 対前期増減(%) |
| 小売事業 | 338,578 | 9.5 |
| 小売周辺事業 | 12,352 | 21.8 |
| その他 | 2,614 | △6.9 |
| 小計 | 353,544 | 9.7 |
| 調整額 | △15,225 | - |
| 合計 | 338,319 | 9.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
| 2022年 2月期 | 2023年 2月期 | 2024年 2月期 | 2025年 2月期 | 2026年 2月期 | |
| 自己資本比率 | 53.0% | 55.4% | 57.3% | 49.6% | 49.4% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 49.0% | 44.5% | 50.7% | 38.1% | 36.6% |
| 債務償還年数 | 2.5年 | 1.9年 | 2.0年 | 3.9年 | 3.0年 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 63.1倍 | 86.8倍 | 117.5倍 | 116.2倍 | 33.9倍 |
(注)1.各指標の算出方法は以下のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローから営業活動による債権債務の増減額を除いたものを使用しています。利息の支払額は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要は、主に商品・原材料仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、投資資金需要は、企業買収に係る投資、店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。これらに対しては、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れ等により充当しており、当連結会計年度における有利子負債残高は123,225百万円です。
なお、当社グループは第三次中期経営計画(2027年2月期から2031年2月期)に基づき、経営環境の激変リスクに備えつつ、5年間の総投資1,650億円を予定しており、その投資資金には自己資金及び有利子負債を活用します。
また、当社は日本格付研究所(JCR)から信用格付を取得しています。本報告書提出時点において、「長期発行体格付:A+(見通し:安定的)」となっており、水準の維持を目安とします。
③ 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかに回復していくことが期待されます。一方で、地政学リスクを背景としたエネルギー価格高騰に起因する建設・物流・調達コスト等の上昇により、企業活動におけるさらなるコストマネジメントの必要性に加え、生活防衛意識の一層の高まりなど個人消費への影響も懸念され、先行きの不透明な経営環境が継続することが見込まれます。
このような状況の下、当社グループは2026年4月に「第三次中期経営計画(2027年2月期から2031年2月期)」を公表しました。長期ビジョン「私たちは西日本エリアにおいて、最も地域に寄り添い、地域のお客さまに頼りにされる『地域の総合生活産業』を目指します」に基づき、暮らしやすく、活気あふれる街づくりに貢献します。本中期計画の5か年を長期ビジョン達成に向けた重要な投資期間と位置付け、戦略の着実な遂行とともに持続的な成長に向けた基盤づくりを推し進めてまいります。また、小売業界を取り巻く環境が厳しさを増す時代においても、原材料価格や人件費の動向を注視しつつ変化への柔軟な対応を通じて地域のお客さまに寄り添い、地域とともに成長してまいります。
これらにより、お客さまの満足を実現するとともに、地域ドミナントの更なる拡大・深耕を図っていくことで、経営効率を高め、より一層の企業成長に繋げてまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。