有価証券報告書-第73期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、すべての人にとって、クルマが便利に快適に、安全にそして楽しく利用できるように、一人ひとりのお客様に最適なカーライフを提案・提供することを目指し、豊かで健全な車社会の創造に寄与し続けます。それが、当社およびフランチャイズチェン加盟法人を含むオートバックスチェンの使命であります。この考えを「オートバックスチェン経営理念」としてまとめ、お客様、フランチャイズチェン加盟法人、従業員、取引先、株主、社会などのステークホルダーに対して、継続的な価値の提供に努めております。
また、当社は2018年1月に、長期ビジョンとして「2050未来共創」を掲げました。当社は創業から70余年、常に車社会の発展とお客様のカーライフを豊かにするために活動してまいりました。これから先も、社会や自動車技術の進展、人びとの価値観の変化を捉え、人の暮らしに寄り添い、時流に合わせた価値を提案し続けます。そこにグループ全員が力を合わせて尽力し、2050年を目指し、引き続き豊かで健全な車社会の創造に貢献していきたいという願いが、このビジョンには込められております。
(2) 経営環境
消費全般を取り巻く環境は、業界を超えた競争の激化や、節約志向による消費マインドの低下および、新型コロナウイルス感染拡大の影響などから、先行きは依然として不透明な状況が続くと想定できます。
当社グループは国内外における自動車用品の販売や取付・整備などのサービス、中古車・新車の販売を行っております。国内の自動車用品市場(カーアフター市場)の規模は、1990年代後半をピークとして、近年でも緩やかに市場規模が縮小する傾向にあります。その要因は、自動車の性能向上に伴うメンテナンス用品の交換サイクルの長期化や、カーナビゲーションからスマートフォンアプリなどへの代替、新車販売時におけるカー用品の標準装備の拡充などが挙げられます。
なお、自動車用品小売業協会(APARA)発表の2019年4月から2020年3月までの協会加盟企業4社の店舗売上高合計は、4,006億41百万円で、前年比0.2%減少いたしました。また、同期間の中古車登録台数(普通乗用車・小型乗用車)※1は、約333万台(前年比0.9%減)となりました。2019年1月から12月までの自動車整備に関わる総売上(市場)※2は、5兆6,216億円(前年比1.7%増加)であり、堅調に推移しております。
※1 日本自動車販売協会連合会 発表 ※2 日本自動車整備振興会連合会 発表
今後は、運転支援機能や自動運転の技術開発、電気自動車の普及といった大きなトレンドと、それに伴い施行される整備制度への対応が必須となります。また、シェアリングサービスやサブスクリプションなど、新たなサービスの急速な拡大とそれに伴うITプラットフォームの整備が求められます。さらに、同業他社やディーラー、ネット販売関連企業など異業種との競争が激化するだけでなく、個人間売買といった取引形態の領域も拡大してまいります。他にも、少子高齢化による顧客構成の変化、ニーズの多様化など、市場は今後も大きく、急速に変化するものと予想されます。
2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染拡大が経済に与える影響は甚大であり、収束の見通しは不透明で、長期化すれば消費が減退する可能性は想定できます。一方、当社グループのサプライチェーンに対する影響については軽微であり、会計年度を通しての影響においては限定的であると考えております。
クルマは生活するうえで重要なインフラであり、お客様の安心・安全な生活を守るためにもクルマのメンテナンスは必要なものと考えております。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営環境を踏まえ、当社は持続的な成長を図り、株主価値の最大化を達成するため、新しいカーライフ文化を創造し続けることを使命に、以下の課題に取り組んでまいります。
① 事業基盤の整備
日本国内における新型コロナウイルスの感染状況は、未だ深刻な状況が続いておりますが、このような状況においてクルマという移動手段を支え、安心・安全を提供していくことは当社の使命と考えております。この使命を果たしつつ、何よりもお客様への感染を予防するために、先ずは店舗従業員が感染しないことを第一として、店舗の衛生管理の強化を徹底し、必要に応じて、対面接触などお客様との接点を減らす対応や提供メニューの限定など、あらゆる対策を講じてまいります。
国内オートバックス事業におきましては、事業環境の変化に適応し、お客様を増やし続けるために、「クルマを快適に使いたい」というニーズに対する安心・安全という価値の提供、「クルマで出かけて楽しみたい」というニーズに対する体験・発見という価値の提供、「好きなクルマでもっと自分らしく」というニーズに対する自己表現という価値を提供するために、新商品開発、新業態開発に取り組むとともに、引き続き、お客様にご利用いただきやすい店舗への改装や運営オペレーションの改善、整備士を始めとした人材育成に注力することで、市場における競争力を高めてまいります。
また、国内オートバックス事業を軸として派生し独立した事業については、お客様を変えたBtoB事業、販売手法を変えたネット事業、エリアを変えた海外事業、そして商品を変えたディーラー事業として、いずれも、お客様に提供する「安心・安全」、「体験・発見」、「自己表現」という3つの価値は共通しております。
BtoB事業におきましては、新規取引先の開拓を推進しカー用品卸事業の収益を拡大するとともに、新たなサービスの開拓を推進いたします。
ネット事業におきましては、既存のEC事業を強化するとともに、外部のネット販売事業者とも連携し、拡大し続けるネット市場に対する参入スピードを高めてまいります。
海外事業におきましては、不採算の小売事業を縮小して収益性の高い卸売事業を拡大し、現地企業とのパートナーシップにより収益性を向上させてまいります。
ディーラー事業におきましては、サービス構成比を拡大するとともに、各拠点間の連携により資産効率を向上させ、更なる収益の拡大を図ってまいります。
そして、今後はオートバックス事業を軸として新たに生み出されるライフスタイル事業などの新規事業の創出を目指してまいります。
これらの事業において、社会・クルマ・人の暮らしの変化を捉え、適応することで市場競争力を高めるため今後の当社グループの方向性を示す「5ヵ年ローリングプラン2019」に基づき、カー用品およびサービスのアフター業界におけるプラットフォーマーとなることを目指し、引き続き6つのネットワークの確立と連携を図ってまいります。
「マルチディーラーネットワーク」におきましては、カーライフの入り口である自動車の購入シーンの中で、お客様と繋がるチャネルとして、自らがディーラー事業に取り組むだけでなく、他のブランドを運営するディーラー事業者とも連携することで、メーカーから発信される業界全体の動向、車両やメンテナンス情報・ノウハウを取得いたします。
また、「サービスピットネットワーク」におきましては、カー用品のネット販売市場の拡大などにより高まる取付需要に対する受け皿として、市中の整備事業者、ガソリンスタンドや他のカー用品販売店とも連携を図ってまいります。
「次世代整備ネットワーク」におきましては、サポートカーなどの次世代技術を備えたクルマの整備に対応した整備事業者と連携することで、技術革新の変革期において、安定的な整備とサービスの提供に努めてまいります。
「オートバックスチェンネットワーク」におきましては、オートバックスチェンの更なる強化に努めながら、ホームセンター、ガソリンスタンド、他のカー用品販売店を含め、カー用品を販売するあらゆる事業者と連携し、それぞれが有するリソースを相互に活用することにより、市場競争力を高めてまいります。
「海外アライアンスネットワーク」におきましては、国際市場において競争力を有する企業や、独自の革新技術を有する海外スタートアップ企業との連携により、新たなビジネスモデルを構築するとともに、国内外のサプライチェーンとも連携させることにより収益の拡大を図ってまいります。
これらのネットワークを通じて、事業者間の垣根を越えて、車両やメンテナンス情報、お客様のニーズの変化、そして法令や環境といった社会の変化に関する情報を統合し、各事業の競争力強化の源泉となる情報を整備する「オンラインネットワーク」の構築を目指してまいります。
これら6つのネットワークの確立およびネットワーク間の連携に注力する一方、事業基盤の整備にも努めてまいります。国内オートバックス事業における経営資源の最適化や小売収益の拡大、実験業態店舗の見直しやEC事業の再整備、海外小売事業の縮小、IT基盤や物流基盤の再構築、育成を中心とした人材基盤の強化を図ってまいります。
また、推進体制の整備とモニタリングの強化など、戦略推進の実効性とスピードを高める仕組みの導入や体制の構築にも引き続き努めてまいります。
② 財務上の課題
財務戦略として、成長戦略の推進による営業キャッシュ・フローを拡大し、積極的な事業投資および株主還元を実施するとしており、5年間の累計総還元性向を100%とし、安定的かつ機動的な株主還元を図ることとしております。
本財務戦略下において昨今の急激な環境の変化に伴う営業キャッシュ・フローの減少リスクを考慮しつつ事業投資、資金調達、株主還元のバランスをとることが財務上の課題と認識しております。
(1) 経営方針
当社は、すべての人にとって、クルマが便利に快適に、安全にそして楽しく利用できるように、一人ひとりのお客様に最適なカーライフを提案・提供することを目指し、豊かで健全な車社会の創造に寄与し続けます。それが、当社およびフランチャイズチェン加盟法人を含むオートバックスチェンの使命であります。この考えを「オートバックスチェン経営理念」としてまとめ、お客様、フランチャイズチェン加盟法人、従業員、取引先、株主、社会などのステークホルダーに対して、継続的な価値の提供に努めております。
| オートバックスチェン経営理念 オートバックスは、常にお客様に最適なカーライフを提案し 豊かで健全な車社会を創造することを使命とします。 |
また、当社は2018年1月に、長期ビジョンとして「2050未来共創」を掲げました。当社は創業から70余年、常に車社会の発展とお客様のカーライフを豊かにするために活動してまいりました。これから先も、社会や自動車技術の進展、人びとの価値観の変化を捉え、人の暮らしに寄り添い、時流に合わせた価値を提案し続けます。そこにグループ全員が力を合わせて尽力し、2050年を目指し、引き続き豊かで健全な車社会の創造に貢献していきたいという願いが、このビジョンには込められております。
| オートバックスセブン ビジョン 2050未来共創 社会・クルマ・人のくらしと向き合い、明るく元気な未来をつくります。 私たちの元気の源泉は、お客様の声。 一日一日を積み重ね、個人も企業も成長し、輝きつづけます。 |
(2) 経営環境
消費全般を取り巻く環境は、業界を超えた競争の激化や、節約志向による消費マインドの低下および、新型コロナウイルス感染拡大の影響などから、先行きは依然として不透明な状況が続くと想定できます。
当社グループは国内外における自動車用品の販売や取付・整備などのサービス、中古車・新車の販売を行っております。国内の自動車用品市場(カーアフター市場)の規模は、1990年代後半をピークとして、近年でも緩やかに市場規模が縮小する傾向にあります。その要因は、自動車の性能向上に伴うメンテナンス用品の交換サイクルの長期化や、カーナビゲーションからスマートフォンアプリなどへの代替、新車販売時におけるカー用品の標準装備の拡充などが挙げられます。
なお、自動車用品小売業協会(APARA)発表の2019年4月から2020年3月までの協会加盟企業4社の店舗売上高合計は、4,006億41百万円で、前年比0.2%減少いたしました。また、同期間の中古車登録台数(普通乗用車・小型乗用車)※1は、約333万台(前年比0.9%減)となりました。2019年1月から12月までの自動車整備に関わる総売上(市場)※2は、5兆6,216億円(前年比1.7%増加)であり、堅調に推移しております。
※1 日本自動車販売協会連合会 発表 ※2 日本自動車整備振興会連合会 発表
今後は、運転支援機能や自動運転の技術開発、電気自動車の普及といった大きなトレンドと、それに伴い施行される整備制度への対応が必須となります。また、シェアリングサービスやサブスクリプションなど、新たなサービスの急速な拡大とそれに伴うITプラットフォームの整備が求められます。さらに、同業他社やディーラー、ネット販売関連企業など異業種との競争が激化するだけでなく、個人間売買といった取引形態の領域も拡大してまいります。他にも、少子高齢化による顧客構成の変化、ニーズの多様化など、市場は今後も大きく、急速に変化するものと予想されます。
2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染拡大が経済に与える影響は甚大であり、収束の見通しは不透明で、長期化すれば消費が減退する可能性は想定できます。一方、当社グループのサプライチェーンに対する影響については軽微であり、会計年度を通しての影響においては限定的であると考えております。
クルマは生活するうえで重要なインフラであり、お客様の安心・安全な生活を守るためにもクルマのメンテナンスは必要なものと考えております。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営環境を踏まえ、当社は持続的な成長を図り、株主価値の最大化を達成するため、新しいカーライフ文化を創造し続けることを使命に、以下の課題に取り組んでまいります。
① 事業基盤の整備
日本国内における新型コロナウイルスの感染状況は、未だ深刻な状況が続いておりますが、このような状況においてクルマという移動手段を支え、安心・安全を提供していくことは当社の使命と考えております。この使命を果たしつつ、何よりもお客様への感染を予防するために、先ずは店舗従業員が感染しないことを第一として、店舗の衛生管理の強化を徹底し、必要に応じて、対面接触などお客様との接点を減らす対応や提供メニューの限定など、あらゆる対策を講じてまいります。
国内オートバックス事業におきましては、事業環境の変化に適応し、お客様を増やし続けるために、「クルマを快適に使いたい」というニーズに対する安心・安全という価値の提供、「クルマで出かけて楽しみたい」というニーズに対する体験・発見という価値の提供、「好きなクルマでもっと自分らしく」というニーズに対する自己表現という価値を提供するために、新商品開発、新業態開発に取り組むとともに、引き続き、お客様にご利用いただきやすい店舗への改装や運営オペレーションの改善、整備士を始めとした人材育成に注力することで、市場における競争力を高めてまいります。
また、国内オートバックス事業を軸として派生し独立した事業については、お客様を変えたBtoB事業、販売手法を変えたネット事業、エリアを変えた海外事業、そして商品を変えたディーラー事業として、いずれも、お客様に提供する「安心・安全」、「体験・発見」、「自己表現」という3つの価値は共通しております。
BtoB事業におきましては、新規取引先の開拓を推進しカー用品卸事業の収益を拡大するとともに、新たなサービスの開拓を推進いたします。ネット事業におきましては、既存のEC事業を強化するとともに、外部のネット販売事業者とも連携し、拡大し続けるネット市場に対する参入スピードを高めてまいります。
海外事業におきましては、不採算の小売事業を縮小して収益性の高い卸売事業を拡大し、現地企業とのパートナーシップにより収益性を向上させてまいります。
ディーラー事業におきましては、サービス構成比を拡大するとともに、各拠点間の連携により資産効率を向上させ、更なる収益の拡大を図ってまいります。
そして、今後はオートバックス事業を軸として新たに生み出されるライフスタイル事業などの新規事業の創出を目指してまいります。
これらの事業において、社会・クルマ・人の暮らしの変化を捉え、適応することで市場競争力を高めるため今後の当社グループの方向性を示す「5ヵ年ローリングプラン2019」に基づき、カー用品およびサービスのアフター業界におけるプラットフォーマーとなることを目指し、引き続き6つのネットワークの確立と連携を図ってまいります。
「マルチディーラーネットワーク」におきましては、カーライフの入り口である自動車の購入シーンの中で、お客様と繋がるチャネルとして、自らがディーラー事業に取り組むだけでなく、他のブランドを運営するディーラー事業者とも連携することで、メーカーから発信される業界全体の動向、車両やメンテナンス情報・ノウハウを取得いたします。また、「サービスピットネットワーク」におきましては、カー用品のネット販売市場の拡大などにより高まる取付需要に対する受け皿として、市中の整備事業者、ガソリンスタンドや他のカー用品販売店とも連携を図ってまいります。
「次世代整備ネットワーク」におきましては、サポートカーなどの次世代技術を備えたクルマの整備に対応した整備事業者と連携することで、技術革新の変革期において、安定的な整備とサービスの提供に努めてまいります。
「オートバックスチェンネットワーク」におきましては、オートバックスチェンの更なる強化に努めながら、ホームセンター、ガソリンスタンド、他のカー用品販売店を含め、カー用品を販売するあらゆる事業者と連携し、それぞれが有するリソースを相互に活用することにより、市場競争力を高めてまいります。
「海外アライアンスネットワーク」におきましては、国際市場において競争力を有する企業や、独自の革新技術を有する海外スタートアップ企業との連携により、新たなビジネスモデルを構築するとともに、国内外のサプライチェーンとも連携させることにより収益の拡大を図ってまいります。
これらのネットワークを通じて、事業者間の垣根を越えて、車両やメンテナンス情報、お客様のニーズの変化、そして法令や環境といった社会の変化に関する情報を統合し、各事業の競争力強化の源泉となる情報を整備する「オンラインネットワーク」の構築を目指してまいります。
これら6つのネットワークの確立およびネットワーク間の連携に注力する一方、事業基盤の整備にも努めてまいります。国内オートバックス事業における経営資源の最適化や小売収益の拡大、実験業態店舗の見直しやEC事業の再整備、海外小売事業の縮小、IT基盤や物流基盤の再構築、育成を中心とした人材基盤の強化を図ってまいります。
また、推進体制の整備とモニタリングの強化など、戦略推進の実効性とスピードを高める仕組みの導入や体制の構築にも引き続き努めてまいります。
② 財務上の課題
財務戦略として、成長戦略の推進による営業キャッシュ・フローを拡大し、積極的な事業投資および株主還元を実施するとしており、5年間の累計総還元性向を100%とし、安定的かつ機動的な株主還元を図ることとしております。
本財務戦略下において昨今の急激な環境の変化に伴う営業キャッシュ・フローの減少リスクを考慮しつつ事業投資、資金調達、株主還元のバランスをとることが財務上の課題と認識しております。