有価証券報告書-第50期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/01 9:58
【資料】
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【項目】
158項目

対処すべき課題

当社グループの対処すべき課題
当社グループは、経営理念である「我々は我々が提供するラーメンと食を通じて、世界中のお客様を幸せにする ~ Japanese Ramen to the world ~」のもと、グループ売上高1,000億円、経常利益100億円の目標を掲げ、食の安全・安心を最優先課題として、質の高い商品とサービスの提供に努めております。
今後の経営環境につきましては、少子高齢化を背景に、業種業態を超えた競争が激化し、消費者の低価格志向や店舗や物流における人手不足も続く厳しい状況が続くものと思われます。
このような当社グループを取り巻く環境と中長期的な経営戦略を踏まえ、長期的かつ安定的な企業価値の向上を図ることを目的として、「味の改革」「マーケティング手法の抜本的転換」「保有資産の活用と店舗ポートフォリオの最適化」「筋肉質な経営」の4本柱の戦略を掲げ、食の安全・安心の実現と「新幸楽苑」に向けた施策を推進し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めます。
なお、主な取り組み課題は、次のとおりであります。
(1) 味の改革
主力商品の徹底したブラッシュアップを継続するとともに、新しい客層・顧客の開拓を目的に、新しい商品の開発や期間限定商品の充実に取り組みます。
(2) マーケティング手法の抜本的転換
TVCMやSNS等の新しい販促施策を有機的に結合させることで、「幸楽苑」ブランドの更なる価値向上を図るとともに、幸楽苑アプリ等のデジタルコミュニケーションツールを活用した新しいマーケティング戦略を実施します。
(3) 保有資産の活用と店舗ポートフォリオの最適化
「ラーメン事業」と「いきなり!ステーキ」や「焼肉ライク」等のフランチャイズとのシナジー効果が得られる仕組みを構築するとともに、将来の成長ドライバーとなる新業態の開発に向け、本格的な調査・検討に取り組みます。
(4) 筋肉質な経営
店舗・工場・本社の各セクションを現場目線で改善し、業務の効率化及び再編に取り組みます。
また、上記の4本柱の戦略に、「増税時代に対応したリーズナブルなメニュー」「ワンランク上のプレミアムラインの追加」を加え、「幸楽苑 令和戦略」として取り組みます。
上記取り組み課題に加え、新型コロナウイルスが消費者の行動に大きな変化をもたらしており、従来以上にイノベーティブな試みが求められる経営環境へと変化してきております。
当社グループは、従前は売上高を重視した拡大戦略をとっておりましたが、2018年3月期の大幅赤字決算および同年11月の代表取締役社長交代を契機として、収益重視型経営に舵を切っております。具体的には、損益分岐点を下げるための固定費削減の取り組み、タブレット導入やSI制導入等による店舗オペレーション効率化の検討、不採算店舗の戦略的撤退等を進めてまいりました。今般のコロナ禍により外食の自粛といった更なる経営環境の変化に直面し、当該施策を加速させております。
当社グループの課題は、コロナ禍による環境変化が起こるまで、イートインに経営資源を集中しており、デリバリー、ドライブスルー等のテイクアウトに対するインフラを十分に整えていなかった点です。withコロナの環境下において、お客様の外食控えの傾向は今後も一定程度継続し、デリバリー、テイクアウト等の中食需要が引き続き高位安定すると考えております。この状況を経営方針転換の好機と捉え、お客様の生活様式の変化に適応するため、インフラの整備を急ピッチで進め、中食産業への事業ポートフォリオのシフトを進めてまいります。
また、従来、大半の店舗が午前0時まで営業しておりましたが、この度、コロナ禍の影響で深夜帯での営業が制限されたことを契機に、当社が深夜帯で営業を継続することの経済性を改めて分析し、当社は当該時間帯での営業をやめ、原則21時閉店、一部店舗22時閉店とすることを決定いたしました。
以上の環境の変化に適応するための施策を進めることにより、当社は、筋肉質な収益構造への転換を目標としております。