訂正有価証券報告書-第44期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

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2014/07/03 9:24
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対処すべき課題

(1) 当社グループの対処すべき課題
外食産業を取り巻く環境は、海外経済の減速懸念や欧州財政問題がわが国に与える影響は依然として不透明な状況にあります。また、雇用・所得環境の大幅な改善が期待できないうえ、原油価格高騰によるエネルギーコストの上昇や消費税増税等により消費者の節約意識を一層強めるものと思われます。外食産業におきましても、外食機会の減少が見込まれ、少子高齢化に伴う市場規模縮小やオーバーストアによる競争やコンビニエンスストア(中食市場)との競争激化等、売上高低迷のリスクが懸念されます。さらに、原材料等の価格高騰によるコスト上昇も想定され、大変厳しい経営環境が続くものと思われます。このような状況のもとで、当社グループが中長期的な数値目標を達成し、企業価値を高めていくため、今後対処すべき課題は次のとおりと考えております。
当社グループは、グループ1,000店舗体制の実現と業界シェア拡大に向けた新規出店継続によるドミナント化を推し進めるとともに、すべてのお客様に感動・感激の場面を提供できる店舗づくりを目指し、外食企業としての“おいしさ”を追求した商品価値の向上と店舗QSC(クオリティ・サービス・クリンリネス)レベル向上対策を継続してまいります。また、コミッサリー(食品加工工場)での大量生産システムのメリットを最大限に発揮し、価格競争力のある製造直販業として効率的な経営体制の確立と食の安全・安心を提供できる供給体制の強化に努めてまいります。
店舗展開につきましては、1,000店舗体制の早期実現を目指し、積極的な出店を継続することとし、現在の商勢圏内へのドミナント化による店舗認知度・ブランド力向上につなげるとともに、集中出店によるマネジメント体制の強化や経営効率の改善を図ってまいります。さらに、グローバル企業への挑戦として、海外への出店についても継続してまいります。
商品戦略については、お客様のニーズに対応した商品価値のあるメニュー開発を定期的に実施するとともに、店舗調理機器等の研究開発を継続的に行い、外食企業ならではの商品価値を常に追求してまいります。
店舗QSCレベル向上対策については、安定した商品提供ときめ細かいサービスの実現に取り組み、顧客満足度と来店頻度の向上につなげてまいります。また、管理職のマネジメントレベル向上を目的として、「ランクアップ役員審査制度」、「営業強化会議」等により管理職の企画・提案力を育成し、激化する競合他社との競争に地域・店舗別で迅速に対応できる体制を構築するとともに、大量出店に対応できる人材育成を計画的に実施してまいります。
生産設備関連では、内製化比率の拡大と生産効率の改善を推進し、原価低減による低価格戦略を継続してまいります。また、「食の安全・安心」の提供を社会的使命と考え、品質管理体制の強化に取り組んでまいります。なお、当社グループでは自社工場を国内3拠点(福島県、神奈川県、京都府)に有しており、1,000店舗体制への対応とともに災害発生等における食材供給のリスクを回避できる生産体制を構築しております。
また、当社グループは、コーポレートガバナンスの一層の強化を行うとともに、効率的な経営を促進し、CSRの一環として環境問題への対応等を進めてまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
当社グループは、平成21年5月14日開催の取締役会において、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」という。)に基づき、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上するため、買収防衛策の内容一部変更及び継続を目的とした「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続」(以下、「本対応策」という。)について決議し、平成24年6月20日開催の当社第42期定時株主総会における承認を得て継続しております。
① 会社の支配に関する基本方針の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、当社の企業価値の源泉、当社のステークホルダーの方々との信頼関係を理解し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みの概要
当社では、当社の企業価値及び株主共同の利益を向上させるため、平成27年3月期を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画を策定し、その実現に向けてグループ全社を挙げて取り組んでおります。
この中期経営計画の経営方針は、
イ 1,000店舗体制に向けた出店強化
(10年以内に国内1,000店舗達成を目指す。)
ロ 既存店活性化対策
(既存店売上高前年比98~100%の維持)
ハ 商品開発力の強化とコア商品のブラッシュアップ
ニ マーチャンダイジングシステムの再構築
ホ 大量出店に対応した人材確保と教育システムの強化
ヘ 財務体質の強化
ト コーポレートガバナンス重視経営
また、長期数値目標値として、経常利益率10%、投下資本利益率(ROI)20%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上の実現と継続を掲げ、経営効率の改善に努めてまいります。
③ 本対応策の概要
イ 本対応策の対象となる当社株式の買付
本対応策の対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの保有割合が20%以上となる当社株式等の買付行為、又は既に20%以上を所有する特定株主グループによる当社株式等の買増行為(以下、「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行うものを「大規模買付者」という。)とします。
ロ 大規模買付ルールの概要
大規模買付者は、まず当社取締役会宛に、日本語で記載された「意向表明書」を提出していただき、当社はこの意向表明書の受領後、大規模買付者から当社取締役会に対して、当社の株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な日本語で記載された情報(以下、「大規模買付情報」という。)の提出を求めます。
当社取締役会は、大規模買付者が当社取締役会に対し大規模買付情報の提供を完了した後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間を設定し、当社取締役会は独立委員会による勧告を受ける他、適宜必要に応じて外部専門家の助言を受けながら提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、開示します。
ハ 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
ただし、当該大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は例外的に当社株主の皆様の利益を守るために適切と判断する対抗措置を講じることがあります。
ニ 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
当社取締役会は、当社の企業価値及び株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法令により認められる措置(以下、「対抗措置」という。)を講じ、大規模買付行為に対抗する場合があります。
④ 対抗措置の合理性及び公平性を担保するための制度及び手続
イ 独立委員会の設置
当社取締役会による恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するために、独立委員会規程を定め、独立委員会を設置しております。
ロ 対抗措置発動の手続
対抗措置をとる場合には、独立委員会は、大規模買付情報の内容等を十分勘案した上で対抗措置の内容及びその発動の是非について当社取締役会に対して勧告を行うものとします。
ハ 対抗措置発動の停止等について
対抗措置の発動が適切ではないと当社取締役会が判断した場合には、あらためて独立委員会に諮問し、対抗措置の発動の停止又は変更などを行うことがあります。
⑤ 本対応策の有効期間
本対応策の有効期間は、平成27年6月に開催予定の定時株主総会終結時までであります。
⑥ 本対応策に対する当社取締役会の判断及びその理由
イ 本対応策が会社の支配に関する基本方針に沿うものであること
当社の財務・事業方針の決定を支配する者の在り方は、当社の実態を正確に理解し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないという観点から、本対応策は、大規模買付者が当社の支配者として相応しい者であるか否かを判別するためのシステムとして構築しました。本対応策により、当社取締役会は、大規模買付者は、当社の正確な実態を理解をしているか、当社の経営資源をどのように有効利用する方針なのか、これまでの当社とステークホルダーの関係にどのような配慮をしているか、これらを踏まえ当該大規模買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上につながることになるのか等を検討することで当社の支配者として相応しいか否かの判別をし、そのプロセス及び結果を投資家の皆様に開示いたします。
ロ 本対応策が当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではないこと
本対応策は、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保し向上させることを目的に作成したものです。当社の支配者として相応しくないと判断される大規模買付者への対抗措置として現時点で想定しております新株予約権の無償割当も、当該大規模買付者以外の株主の皆様の利益を損なわないよう配慮して設計しております。
ハ 本対応策が当社取締役の地位の維持を目的とするものではないこと
買収防衛策を導入することは、得てして取締役(会)の保身と受取られる可能性のある意思決定事項であることは承知しております。そのため、このような疑義を生じさせないため、本対応策の効力発生は株主総会での承認を条件としておりますし、本対応策の継続又は廃止に関しましても株主総会の決定に従います。さらに、当社の支配者として相応しくないと判断される大規模買付者への対抗措置の発動プロセスにも取締役会の恣意性を排除するために外部者により構成する独立委員会のシステムを導入しております。