有価証券報告書-第33期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 10:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
160項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの企業理念は、「美道五原則 髪・顔・装い・精神美・健康美」に基づく事業を行うことであり、この美道五原則に基づき、「商品」のみならず「ソフトと価値」を提供することで顧客を獲得し、事業の拡大を図ることを経営方針としています。
当社グループの既存事業である美容事業・和装宝飾事業・DSM事業を取り巻く環境は、市場の成熟化、顧客ニーズの多様化、ライフスタイルの変化、更に業種業態を超えた競争激化など、厳しい状況が続いております。このような状況の下、当社グループが持続的な成長を実現していくために、以下の取り組みを重要課題としております。
① 事業領域拡大に向けた取り組み
当社グループの成長戦略の柱であるM&Aにより、収益拡大が見込まれる新規事業の開拓を積極的に推進しております。
当連結会計年度においては、株式会社みうらを美容事業子会社として加え、既存事業の商圏・サービス拡大への取り組みを実施いたしました。今後、既存美容事業とのシナジー実現に注力するとともに、強化した投資力と蓄積してきた事業再生ノウハウを活用し、既存の小売・サービス業に捉われない幅広い領域を視野に入れたM&A戦略を推進し、グループの収益力向上と成長を目指してまいります。
② 新規顧客拡大に向けた取り組み
当社グループの既存事業はいずれも成熟市場に属しており、その中で収益拡大を図るためには、既存顧客との信頼関係強化のみならず、新規顧客拡大に努めていくことが重要となります。
従来からの営業施策である「ソフトと価値の提供」によって既存顧客との信頼関係強化に努める一方で、各事業において新規顧客獲得を図るための施策を検討し、実施してまいります。
・美容事業では、販促施策において着付サービスなど当社グループの強みである和装関連の打出し強化を実施し、また有料媒体活用の見直しを行い、新規顧客の集客向上と効率化を図ってまいります。また同時に、提案力の強化・スピード向上に重点を置いたスタッフ研修を推進し、新規顧客のリピート率向上にも努めてまいります。
・和装宝飾事業では、きものを着る機会の場として「きもの会」を全国191会場で開催し、新たな顧客創造に努めており、合同大型催事においても、従来の既存顧客偏重から新規顧客を中心とした集客への取り組みを行っております。また、新たに導入した「集金保証型ショッピングクレジット」の活用により、新規顧客の需要促進を図ってまいります。
・DSM事業では、既存顧客からのお客様紹介キャンペーンを推進する一方、従来の「訪問販売」、「催事販売」では接点の持てなかった一般消費者との接点拡大を図るため「販売拠点の店舗化(販売拠点でのサービス提供)」施策など、新規顧客獲得に向けた取り組みをスタートさせております。また、減収が続く状況の改善を図るため、事業運営体制の抜本的な見直しを行ってまいります。
③ 人財育成と定着化への取り組み
M&Aによる事業領域拡大や既存事業の商圏拡大を進めていくためには、社内管理体制の構築と整備は重要な課題となります。
当連結会計年度においては、各事業・連結子会社共通の採用教育担当部門を設置し、グループ共通の研修・教育プラン策定を進めてまいりました。今後、このプランを実行し、総合的な視点での人財教育を推進することで、従業員の意欲向上及び定着率の向上を図ってまいります。
④ 企業の社会的責任への取り組み
当社グループでは、事業拡大・収益拡大への取り組みを推進する一方で、企業に求められる法的責任、経済的責任、社会貢献について重視しております。
当連結会計年度においてはコンプライアンス委員会の活動を強化し、グループ全体においてコンプライアンス上の情報共有を図るとともに社内の課題解決に当ってまいりました。また、医療用ウィッグ「ヘアドネーション」活動への参加を実施しておりますが、事業を通じた社会活動は、今後も積極的に推進してまいります。
以上の取り組み強化に努めることにより、グループの収益力向上と成長加速を図りながら、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。