有価証券報告書-第57期(平成27年2月1日-平成28年1月31日)

【提出】
2016/04/28 10:12
【資料】
PDFをみる
【項目】
107項目

対処すべき課題

消費関連の業界は少子高齢化の影響から総体として需要が縮小していくことが不可避の状況にあり、また競争の激化により厳しさを増しております。当社グループはその中にあって、食肉小売店をテナントとして展開する事業を中核と位置付け、日本一の食肉小売店グループを実現することを目標としております。また、その延長として消費者に密着した食肉関連ビジネスを選択し、集中する経営方針を明確化しており、外食業である㈱オーエムツーダイニングによるアウトバックステーキハウスを運営するレストラン事業及び焼肉・しゃぶしゃぶを運営する㈱焼肉の牛太もこの経営戦略の一環によるものであります。今後もこの食肉関連ビジネスに相乗効果が期待できる事業へ進出を図ってまいります。
当社グループの目標は、いたずらに売上規模ナンバーワンを目指すことではなく、食肉専門会社として、質的に他社と差別化された商品・サービスを最高の競争力をもって提供することにより、お客様からナンバーワンの支持を頂くことにあります。当社はこの目標実現のため、以下の施策に取り組んでまいります。
① 食の安心・安全への取り組み
食の安心・安全に関しては、社会的にも関心が更に高まってきており、親会社であるエスフーズ㈱を含め、グループを挙げて取り組むべき課題として対処しております。また、生鮮食料品を扱う企業の使命として、日常の鮮度管理、衛生管理はもちろんのこと、生産履歴のはっきりとした商品、生産者の顔のわかる商品開発も進めており、具体的には北海道の養豚農場や東北の指定農場からの国産牛・豚の調達など実現しております。
② 川上との連携
当社の株主には親会社のエスフーズ㈱を始め、国内、海外の食肉及び加工品の生産、卸を主要業務とする大手食肉卸業者がおり、またグループ内には食肉加工品の製造を手がける子会社㈱デリフレッシュフーズを有しています。これらグループ内外の関係企業と密接な連携を組むことにより、生産地から消費者に至るサプライチェーンの中で、より安心、安全かつ競争力のある商品を確保し、小売業(川下)としての強固な地盤を築くことが可能な立場にあります。この、他社と比べて有利な立場を最大限に生かすべく、経営の舵取りを行ってまいります。
③ ローコストオペレーションの追求
当社グループがお客様から更なる支持を得るためには良い商品をより安く、しかも継続して提供できる体制の構築が不可欠です。当社グループは営業部門、管理部門の両部門においてコスト構造の見直しを徹底し、継続的にローコストオペレーションを追求してまいります。
④ 新たなる店舗展開への挑戦
生鮮は規模拡充が競争力に直接結びつくわけではありませんが、店舗展開は力の源泉であり、平成28年1月末現在150店(うち、食肉小売店舗122店、惣菜店舗28店)の店舗網を更に拡充するべく良い出店機会と判断される場合には積極的に対応してまいります。
外食事業においても、10店のアウトバックステーキハウスを運営する㈱オーエムツーダイニング、45店の焼肉・しゃぶしゃぶ店を有する㈱焼肉の牛太についても更なる成長を促進する方針であり、これらにつき、より具体的には下記を重点として取り組みます。
・「肉処 大久保」業態の更なる強化(㈱オーエムツーミート)
不況下においてもおいしい食肉に対する需要は根強いとの経営判断から和風、高級、幅広い品揃えをコンセプトとする店舗業態を更に強化します。
また、取扱商品として有名産地以外でも良質牛の産地が多々あることから、当社品質基準をクリアする牛肉をお求め易い価格で積極的に導入して参ります。
・大型店の取組(㈱オーエムツーミート、精肉小売パック商品型店舗)
当社は各精肉店舗において店内加工を基本としており、お客様のご要望に即応した鮮度の良い商品を提供できる強みがありますが、パック商品販売主体の店舗については大型店の方が経営効率が高められることが判明しております。このようなことから店舗のリストラは引き続き行い、新規ディベロッパーとの取り組みを強化した上で厳選した大型新店をターゲットとする一方、多少の利益が計上できていても発展性が望めない店舗については閉店を含め、そのあり方について引き続き検討を加えてまいります。
・対面販売店の取組(㈱オーエムツーミート、精肉小売店舗)
当社はテナント業として様々な業態に対応できることも強みとし、その中でも対面店でしかできないきめ細やか
なサービスや商品作りを整え、社員教育を充実させ、対面販売店を今後の店舗展開へ繋げてまいります。
・惣菜部門の強化(㈱オーエムツーミート、惣菜小売店舗)
惣菜小売店舗において、世の中のニーズに合わせるべく特徴のあるミートデリカ商品の積極的な開発の他、サラダや洋惣菜を主とした対面販売店舗を立ち上げ、今後の柱とすべく育成してまいります。
また精肉店舗においても惣菜商品を積極的に販売拡大に努めます。
・外食部門の強化(㈱焼肉の牛太、㈱オーエムツーダイニング)
主婦の就労、高齢化などもあり、食肉関連の需要も素材としての食肉から惣菜などの中食、外食に今後も移行継続する可能性が高いと見られます。こうした動きにも対応できるよう当社グループは㈱焼肉の牛太を育成し、焼肉店、しゃぶしゃぶ店業態の他、他業態の出店も含めて店舗展開を検討してまいります。
また㈱オーエムツーダイニングが運営するアウトバックステーキハウスのレストラン事業について、競争力向上のための施策を実施し着実に育成してまいります。
⑤ 店舗運営の強化
当社グループを含む様々な業種で人員不足への対応が重要な経営課題となっております。こうした環境への対応を踏まえ、細部に渡るマニュアルの整備やオペレーションの見直しによる業務の最適化を進めております。今後、店舗運営における作業の効率性を向上させることで、これらの課題の解消と収益性の向上を目指してまいります。
⑥ リニューアルの強化
長年の店舗運営とともに既存店での経年劣化、また消費者の構成にも変化が見られている中、新たな仕様とする大型リニューアルと、各地域ごとにお客様の変化に対応させた商品構成の見直しや小規模なリニューアルのそれぞれ計画的な店舗のリニューアルを実施してまいります。
⑦ 人材の育成と店舗運営をサポートするIT技術の活用
当社グループは食肉小売専門店の展開を主力としており、確保しているスタッフの確かな商品知識と高度な加工技術を強みとしております。その為、プロ集団としての技術とノウハウの更なる強化に注力していくとともに、アルバイトを含めた従業員に対しても、必要な知識と技術を習得させるための取組を実施し、総合力を高めてまいります。
また、店舗運営を効率的にサポートするためのIT技術であるINOSシステムを逐次リニューアルしております。