四半期報告書-第35期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/10 10:55
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26項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第2四半期累計期間におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調で推移しております。しかしながら中国をはじめとするアジア新興国等の景気が下振れし、わが国の景気を下押しするリスクに加え、英国のEU離脱問題など、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響にも留意が必要であり、先行きは不透明な状況となっております。
当社が属する外食産業においては、中食需要の高まりにより外食のみならず他業種を含めた企業間との競合が激化するなか、人材不足による採用活動費や人件費の増加、また原材料価格の高騰等の問題が深刻化し、経営環境は厳しい状況で推移しております。また当社の業績に影響を及ぼす個人消費に関しても、国内の雇用環境が改善に向かう一方で先行き不透明な経済動向により消費マインドに足踏みがみられるなど、当社を取り巻く環境も依然として不透明な状況となっております。
このような状況のなか、当社は中長期的な経営戦略として「既存事業の安定した収益基盤の下で新規事業を創出、発展させていく」という方針を掲げており、成長性と収益性を兼ね備えた企業を目指し、「①既存店の研鑽」「②新たな魅力の創造」「③商圏の拡大」「④新店・新業態への挑戦」といった4つを主軸に各施策に取り組んでおります。
飲食事業では、既存店舗の中長期的な成長を鑑み、店舗の特性を活かした企画やイベントを開催し、来店機会の創出を図るとともに、労働環境の更なる改善等を目的に、一部店舗で実施していた定休日を平成28年3月より拡大し、導入店舗を増やしました。また、同年4月よりお客様が求める高い品質を維持し、より魅力のある料理を提供することを目的に、メニュー内容・価格等の改定を実施いたしました。一方、同年9月には製菓の看板商品であるフールセック缶をはじめとするクッキーギフト商品の製造を行う「アトリエうかい八王子工房」において、「安全・安心な食品の製造と顧客満足」の方針のもと、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000の認証を取得し、多くの方々により一層ご愛顧いただける安全・安心な商品の提供体制を強化いたしました。
文化事業では、昨年の箱根大涌谷周辺における火山活動活発化による来客数減の影響からの早期回復に向け、様々な企画やイベントを開催し、営業活動をさらに強化しております。また、「食を通じて喜びをお届けしているように、芸術からも夢や幸福感を感じていただこう」という思いから平成8年8月に開業した箱根ガラスの森は、今年で開館20周年を迎えました。日頃のご愛顧に感謝を込め、平成28年4月より「開館20周年特別企画展─炎と技の芸術 ヴェネチアン・グラス展─」を開催しております。
以上の結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高6,136百万円(前年同四半期比3.9%増)の増収となり、営業利益119百万円(前年同四半期は10百万円の営業損失)、経常利益93百万円(前年同四半期は38百万円の経常損失)、四半期純利益49百万円(前年同四半期は49百万円の四半期純損失)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
[飲食事業]
飲食事業では、それぞれの店舗が持つ独自の魅力を活かした企画・イベントの開催や季節に合わせた新メニューを積極的に提案し、継続的な来店機会の創出に努めております。当第2四半期累計期間においては、店舗の定休日導入拡大により前年同四半期に比べ営業日数が減少したうえ、台風や長雨等天候不順の影響もあり来客数が減少したものの、メニュー内容や価格等の見直しを行ったことによる客単価の増加が売上に寄与いたしました。また、物販事業の主軸として展開している製菓において、店舗でのお土産品販売とともに、外部販売や期間限定ショップへの出店販売を積極的に行い売上を順調に伸長させた結果、売上高は5,542百万円(前年同四半期比1.3%増)となりました。
[文化事業]
文化事業では、箱根ガラスの森が平成28年8月に開館20周年を迎えるにあたり、同年4月より「開館20周年特別企画展―炎と技の芸術ヴェネチアン・グラス展―」を開催しております。この特別企画展を柱に、バラの庭園、あじさいフェスタ、ヴァイオリンコンサートなど、様々な企画やイベントを開催し、多くのお客様にご来館いただけるよう、プロモーションの強化を行っております。この営業活動の強化により、昨年の箱根大涌谷周辺における火山活動活発化で減少した来館者数は、ほぼ例年並みに回復しており、売上高は593百万円(前年同四半期比36.8%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ128百万円増加し340百万円となりました。
当第2四半期累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は385百万円(前年同四半期は12百万円の支出)となりました。主な要因は、収入の内訳として税引前四半期純利益93百万円、減価償却費251百万円、売上債権の減少額61百万円、未払費用の増加額49百万円、支出の内訳として未払金の減少額58百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は89百万円(前年同四半期は162百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出85百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は167百万円(前年同四半期は210百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払77百万円、借入の実行・返済により借入金が純額で76百万円減少したことによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。