有価証券報告書-第18期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/21 9:27
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【項目】
169項目

有報資料

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当行では、「新生銀行グループ行動憲章」において、下記3つを経営理念として掲げ、お客さまとともにさらなる成長を目指しております。この経営理念は、当行グループの目指すべき姿を示したものであり、重要な指針としてグループ内で共有されています。
・安定した収益力を持ち、国内外産業経済の発展に貢献し、お客さまに求められる銀行グループ
・経験・歴史を踏まえた上で、多様な才能・文化を評価し、新たな変化に挑戦し続ける銀行グループ
・透明性の高い経営を志向し、お客さま、投資家の皆様、従業員などすべてのステークホルダーを大切にし、また信頼される銀行グループ
(2)経営環境
当行は、平成28年1月29日に、平成29年3月期から平成31年3月期を対象期間とする「第三次中期経営計画」(以下「第三次中計」という。)を公表いたしました。第三次中計においては、当行グループが置かれた経営環境を下記のように認識しております。
(マクロ環境の動向)
・急速な少子高齢化及び生産年齢人口の減少が加速する見通し
・国内経済の見通しは厳しい。海外新興国経済も減速基調
・日銀の異次元金融緩和により市場金利は歴史的な低水準で推移、物価目標達成が不透明な状態が続く
・アベノミクスに対する株式市場の反応は総じて良好。日銀による金融緩和やGPIF改革も追い風に
(金融機関を取り巻く環境の変化)
・社会構造の変化・伝統的金融業務の利益率低下
人口動態の変化、大都市への集中、低金利環境の長期化、オーバーバンキング、貸出利鞘縮小
・新たなプレーヤーの登場、金融・情報技術の革新
金融の機能分化、電子商取引、仮想通貨の拡大、新しい金融・情報技術を活用したプレーヤーの台頭
・顧客ニーズや意識・期待の変化
ライフスタイルの変化、資産運用・パーソナルファイナンスニーズの拡大、決済ニーズの多様化、企業の海外進出、インバウンド関連ビジネスの拡大、所有から使用へ
加えて、マイナス金利政策の影響のほか、国内不動産価格の上昇や道半ばである「貯蓄から資産形成へ」のシフトなど、第三次中計策定時に織り込んでいなかった外部環境の変化も考慮したビジネス運営に努めております。
(3)当行の経営戦略
当行は、経営理念および経営環境認識に基づき、真にお客さまから必要とされる金融グループを目指すための「中長期ビジョン」を定め、これに沿って、安定的・持続的な成長を可能とするビジネスモデルを構築し、経営理念の実現を確かなものとするため第三次中計を策定しております。
①.中長期ビジョン
当行グループには、銀行に加え、無担保ローン、カード・信販、リースなどの業務を展開するグループ会社があり、その重要性の高さが大きな特徴となっております。市場競争の激化などの外部環境を考慮し、持続可能なビジネスモデルを確立するためには、グループの経営資源を最大限活用することが不可欠となります。中長期ビジョンでは、「グループ融合」により、各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供するとともに、グループレベルでの絶えざる改善・改革による無駄のないオペレーションを通じ、高い生産性・効率性を実現し、金融業界において独自のポジショニングを構築してまいります。
<中長期ビジョン>1.グループ融合により革新的金融サービスを提供する金融イノベーターであること
2.絶えざる改善・改革によりリーンなオペレーションを実現し、卓越した生産性・効率性を達成する金融グループであること
3.上記の実現により、ステークホルダーに報いるとともに、生まれてくる自信・充実感・矜持を新生銀行グループの求心力とし、コアバリューとしていくこと

②.第三次中計の基本方針と全体戦略
当行の平成26年3月期から平成28年3月期を対象期間とした第二次中期経営計画における諸施策への取り組みの結果、同期間中の最終利益は黒字を継続するとともに、不良債権比率の圧縮は目標を大きく上回り、ポートフォリオの改善が進展しました。一方、不良債権の処理に伴う与信関連費用の戻り益や変動性の高い利益が最終利益を押し上げたことから、再現性・安定性の高い利益を生む業務のポテンシャルをフルに発揮することが今後の課題であると総括いたしました。
これを踏まえ、以下4つを基本方針として第三次中計を策定し、その達成に努めております。
■ グループ融合による新たな価値を創造し、中長期ビジョンの実現に向けた取り組みを行う
■ 持続可能なビジネスモデルを構築するべく、選択と集中を実践するとともに一層の効率化を進める
■ より動態的で柔軟なビジネス運営を行う
■ 公的資金返済への道筋をつけ、株主還元の改善を図る

この基本方針に基づく全体戦略として、以下の施策を実施してまいります。
(i)事業の「選択と集中」とグループ融合による価値創出
事業の優先順位付けを行うため、以下の4つの分野に分け、経営資源をより高い成長が見込まれる分野に配分いたします。また、グループ融合を通じて、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造に取り組みます。
・成長分野:強みがあり、高い成長性・収益性が見込まれる分野
・安定収益分野:過当競争から距離を置き、安定的・選択的に取り組む分野
・戦略取組分野:将来性を期待する先行取組分野や、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造分野
・縮小分野:市場が縮小する、または新生銀行グループの差別化要因が低い分野
(ii)グループ経営インフラ:環境に応じた柔軟なビジネス運営とリーンなオペレーションをグループワイドで支える
環境の変化や計画の進捗に合わせた、柔軟かつ機動的なグループ経営資源の最適化・最大限の有効活用を行います。また、組織や社員の潜在能力が最大限発揮される事業運営体制を構築いたします。こうした取り組みの一環として、平成29年4月1日付で当行内に「グループ本社」を設置いたしました。当行グループ各社に存在する間接機能を「グループ本社」に統合することにより、経営管理機能の面からグループ融合を進め、リーンなオペレーションの実現を目指してまいります。
③.経営指標・計数計画
平成30年5月11日に公表した平成31年3月期の財務計画は以下の通りです。
・親会社株主に帰属する当期純利益は520億円。
・単体実質業務純益は370億円、単体当期純利益は320億円。
・期末配当は未定。
平成28年1月29日に公表した第三次中計の最終年度(平成31年3月期)の財務計画は、マイナス金利政策の導入を中心とする外部環境の変化による影響に加え、生産性改革プロジェクトの効果やマーケット環境による影響を踏まえた上で見直しを実施いたしました。
また、今後の配当を含む株主還元については、収益動向等の経営成績やその将来の見通しを踏まえた株主重視の利益配分を行うことを基本方針と考えておりますが、安定性や内部留保とのバランスに加えて、公的資金注入を受けている銀行として「経営の健全化のための計画」にも留意して決定したいと考えております。具体的には、国内銀行の一般的な総還元性向の範囲内でその維持・向上を目指しており、株主還元における配当と自己株式取得との内訳につきましては、その時点の経営状況や市場動向等に鑑みて適時適切に決定してまいる所存です。したがいまして、平成31年3月期の当行普通株式の配当については、現時点では未定としております。
④.事業戦略
第三次中計では、無担保ローン及び不動産ファイナンス・プロジェクトファイナンスを中心としたストラクチャードファイナンスは成長分野と位置付け、経営資源を積極的に配分いたします。その他の業務分野は、強みの転換やリソースの最適化などを行い、選択的な取り組みを推進してまいります。
さらに当行は、これらの業務遂行のために、リスク管理及びシステムについて以下の施策を推進してまいります。
・リスク管理につきましては、多元化する外部諸規制に適切に対応するとともに、各リスク管理のフレームワークの高度化による適正なリスクリターン運営の実現、ビジネス展開に即したリスク管理の実践、人材育成・強化を通じた全行的な案件審査力の向上を図り、リスクテイク能力の強化、リスクカルチャーの一層の深化を目指します。
・システムにつきましては、今後の経営戦略・業務戦略を支えるためのより安定的で堅牢なITインフラ整備の一環として、基幹業務システムの更新開発を着実に進めてまいります。
なお、平成30年度については、第三次中計の最終年度として、次期経営計画の策定にも着手いたします。
(4)対処すべき課題
①.当行グループ経営の全体戦略
第三次中計においては、全体戦略として、ビジネスについてよりメリハリの効いた経営資源配分を行うための「選択と集中」の明確化、また、効率性の追求と柔軟なビジネス運営を実現するため、変化に対して柔軟に対応できる経営インフラ体制の構築を目指してまいります。
(事業の「選択と集中」とグループ融合による価値創出)
金融サービスニーズが十分に満たされていないお客さまにお応えするため、お客さまを軸にして当行グループの業務・商品・サービスを再編し、当行グループに優位性がある、お客さまに最適な商品・サービスを提供することを目指してまいります。事業の優先順位付けを行うため、成長分野、安定収益分野、戦略取組分野、縮小分野に分け、より高い成長が見込まれる分野に経営資源を配分いたします。また、グループ融合を通じて、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造に積極的に取り組んでまいります。
個別のビジネスについては、個人向け無担保ローンと、不動産ファイナンスやプロジェクトファイナンスなどで構成するストラクチャードファイナンスは当行の強みがあり、高い成長性を見込める分野として成長分野に位置づけ、これまで以上に経営資源を積極的に配分してまいります。なお、無担保ローンについては、お客さまのニーズに合わせてグループの商品の再構築を行った結果、「新生銀行カードローン レイク」の新規申し込みの受付を平成30年4月から停止するとともに、新生フィナンシャルが新商品「レイクALSA」の取り扱いを同月から開始いたしました。
個人向け資産運用コンサルティングは、緩やかながら成長を期待できる重要な分野として、安定収益分野に位置づけてまいります。法人向け市場ソリューションやアプラスのショッピングクレジットも安定的な収益が期待できる分野と位置づけています。法人のお客さま向けの貸出業務は、安定的な収益を引き続き期待するものの、スプレッドのタイト化が続くなど競合環境が厳しい中、エリアや対象企業、案件をよく見て選択的に取り組んでまいります。
将来性を期待して先行的に取り組む戦略取組分野については、クレジットトレーディング業務で培ってきたノウハウを活用して取り組む事業承継や転廃業支援に加え、地域金融機関向けビジネス、決済ビジネス、中小・小規模事業者向けソリューションなどが入ります。それぞれ、当行グループのシナジーが必要な分野でもあると認識しており、グループ融合を積極的に進めてまいります。
(経営管理機能の統合によるシナジー創出)
第三次中計では、環境に応じた柔軟なビジネス運営とリーンなオペレーションを当行グループ全体で支えるためのグループ経営基盤の構築にも合わせて力を入れてまいります。事業の「選択と集中」とグループ融合による価値創出の実現のためには、その基盤となるビジネスインフラの整備が重要との認識のもと、生産性や機能性の向上や経費の削減はもとより、グループ各社の自然な連携が促されるインフラの整備や企業文化の醸成にも力を入れてまいります。
こうした取り組みをグループ全体で推進するため、当行およびグループ各社が持つ間接機能を実質的に統合した「グループ本社」を平成29年4月に当行内に設置し、グループ会社から社員の異動を行うとともにグループ各社には内部統制や業法等により必要な機能のみを配置するなど、本格稼働いたしました。グループにおける間接機能の統合・一体運営により各機能の高度化とグループでの全体最適を追求することで、グループガバナンスの強化を図るとともに、生産性・効率性の向上を目指します。
②.リスク管理、コーポレート・ガバナンスの強化と透明性の高い経営
当行は、グループ会社を含めた、「バーゼルⅢ」(銀行法に基づく自己資本比率規制で、当行は基礎的内部格付手法を採用)のスムーズな運用とリスク管理の高度化およびリスク・リターンの的確な把握を通じて、経営資源の最適な配分を実現し、バランスのとれた業務運営により一層努めてまいります。また、バーゼルⅢに対しては、規制上は国内基準行ではありますが、国際統一基準も意識した経営を行い、必要な体制準備や施策に取り組んでまいります。
当行は、監査役会設置会社を選択しております。このガバナンス体制のもと、(i)経営の最高意思決定機関である取締役会が中期経営計画や年度計画等経営の基本方針をはじめとする会社の重要な業務執行を決定することで、当行の向かう大きな方向性を示すとともに、経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備などを実施し、(ii)業務執行および取締役会から独立した監査役および監査役会に取締役会に対する監査機能を担わせることで、適切な経営の意思決定と業務執行を実現するとともに、組織的に十分牽制の効くガバナンス体制を確立しています。
取締役会においては、一貫して社外取締役の監督機能を重視しており、平成29年度においても日常の業務執行を担う社内取締役2名に対して、国内及び海外での金融業、消費者を対象としたビジネス、情報システム及びリスク管理分野等について豊富な経験及び高い専門知識を有した社外取締役5名を配置し、社外取締役が過半数を占める取締役会の構成をとっております。さらに、社外監査役2名を含め、合計6名を独立役員として東京証券取引所に届け出ております。かかる構成のもと、メンバーは、自由に発言し、活発な議論を行うことを通じて会社の方針を決定することにより、「コーポレートガバナンス・コード」が求めるグループの持続的な企業価値の向上や株主の皆さまやお客さまをはじめとする様々なステークホルダーの利益の確保に努めております。なお、そうした取締役会の実効性について毎年評価・分析を行い、洗い出された課題に対する改善案を検討・実施することで、継続的な機能の向上を図っています。
また、日常の業務執行の機動性を確保するため執行役員制度を導入するとともにグループ本社においてはチーフオフィサー、シニアオフィサーを置き、代表取締役社長をはじめとする業務執行取締役による指揮のもと、取締役会から委任された執行役員がそれぞれ管掌する業務を効率的に遂行する体制を確保しております。さらに、取締役会の承認に基づき、業務執行取締役および執行役員(総括担当役員レベル)からなる経営会議を設置し、迅速かつ効率的な業務運営を実現してまいります。また、グループガバナンスに関しては、平成29年4月のグループ本社体制移行に合わせ、グループの経営全般に関する重要事項を決定する場として、主要なグループ会社の業務執行取締役なども参加するグループ経営会議およびグループ重要委員会を設置するとともに、グループ本社で遂行する各間接機能の統括責任者としてチーフオフィサーを任命し、権限集約を図り、グループ全体で最適かつ効率的な意思決定を行う体制を整えております。なお、東京証券取引所に上場しているグループ会社のアプラスフィナンシャルについては、引き続き上場会社としての経営の独立性を確保するとともに、適切な内部統制システムを構築してまいります。
当行グループは、「財務報告に係る内部統制の評価および監査の基準」(いわゆる“J-SOX”)への対応体制を確立し、内部統制システムの運用強化とともに、金融商品取引法の規定に沿い、お客さま保護を念頭においたコンプライアンス体制の強化による法令遵守の一層の徹底に引き続き努めてまいります。加えて上場企業として、投資家の目線に立った適時、適切かつ透明性の高い情報開示に取り組んでまいります。
第三次中計の実行を支える経営インフラの整備のうち、システムの安定稼動に努めることは社会基盤の一端を担う金融機関として果たすべき当然の使命であり、重要な経営課題のひとつとして継続して取り組んでおります。現行システムの安定稼動への継続的な取り組みとして、バックアップセンターの整備や機器の更新を含めた体制の見直し、強化に取り組んでおります。さらに、銀行システム安定稼働に向けた取り組みの一環として、第三次中計期間中に基幹業務システムを更改し、一層のシステム基盤の安定化に取り組んでまいります。
③.経営健全化計画の達成
当行は、平成30年3月に新しい「経営の健全化のための計画」(以下「経営健全化計画」という。)を金融庁に提出いたしました。当行は、経営理念に基づき、真にお客さまから必要とされる金融グループを目指すための「中長期ビジョン」に沿って、平成28年度から平成30年度を対象期間とする第三次中計の着実な遂行に取り組んでいます。
当事業年度においては、単体実質業務純益は318億円、単体当期純利益は405億円となり、ともに経営健全化計画の目標値を上回る結果となりました。
当行といたしましては、引き続き公的資金を受けている金融機関としての役割・期待を認識し、その社会的責任を全うするとともに、経営健全化計画の達成に向けて、全社員が一丸となって業務に取り組んでまいります。
今後とも、皆さまには、なお一層のご支援・ご指導を賜りますようお願い申しあげます。
(注記)③.については、子会社等を含まない記述となっております。

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