有価証券報告書-第14期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

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2016/06/27 13:15
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

平成27年度における当行及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は以下のとおりと分析しております。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
1.業績の状況
(財政状態及び経営成績の分析)
(1)総論
みずほフィナンシャルグループの収益状況は、連結経常利益が前連結会計年度比133億円減少して9,975億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同590億円増加して6,709億円となりました。当行及び連結子会社につきましては以下のとおりです。
[損益状況]
連結経常収益は、非金利収支の伸びを主因に前連結会計年度比44億円増加し、2兆4,813億円となりました。連結経常費用は、主として預金利息の増加等により、前連結会計年度比26億円増加し、1兆6,473億円となりました。この結果、連結経常利益は前連結会計年度比17億円増加の8,340億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同744億円増加の5,597億円となりました。
[金利・非金利収支の状況]
①金利収支の状況
資金利益は、主として預金利息の増加等により、前連結会計年度比1,278億円減少し、9,594億円となりました。
②非金利収支の状況
役務取引等利益は、前連結会計年度比51億円増加し、3,853億円となりました。
また、特定取引利益は、主として特定金融派生商品収益の増加等により、前連結会計年度比467億円増加し、1,106億円となりました。その他業務利益は、前連結会計年度比249億円増加し、1,793億円となりました。
(2)経営成績の分析
[損益の状況]
前連結会計年度及び当連結会計年度における損益状況は以下のとおりです。
(図表1)
前連結会計年度
(自 平成26年4月1日
至 平成27年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
連結粗利益16,85716,347△509
資金利益10,8729,594△1,278
役務取引等利益3,8013,85351
特定取引利益6391,106467
その他業務利益1,5431,793249
営業経費△9,269△9,024244
不良債権処理額△869△493376
(含:一般貸倒引当金純繰入額)
貸倒引当金戻入益等765172△592
株式等関係損益1,0371,850812
持分法による投資損益14223896
その他△342△752△409
経常利益
(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦)
8,3228,34017
特別損益△183△12170
税金等調整前当期純利益
(⑧+⑨)
8,1388,327188
税金関係費用△2,662△2,255406
当期純利益(⑩+⑪)5,4756,071595
非支配株主に帰属する当期純損益△622△473149
親会社株主に帰属する当期純利益(⑫+⑬)4,8535,597744

包括利益16,8432,573△14,270

与信関係費用(③+④)△103△320△216

(注)費用項目は△表記しております。
① 連結粗利益
連結粗利益は前連結会計年度比509億円減少し、1兆6,347億円となりました。項目ごとの収支は以下のとおりです。
(資金利益)
資金利益は、主として預金利息の増加等により、前連結会計年度比1,278億円減少し、9,594億円となりました。
(役務取引等利益)
役務取引等利益は、前連結会計年度比51億円増加し、3,853億円となりました。
(特定取引利益・その他業務利益)
特定取引利益は、主として特定金融派生商品収益の増加等により、前連結会計年度比467億円増加し、1,106億円となりました。その他業務利益は、前連結会計年度比249億円増加し、1,793億円となりました。
② 営業経費
営業経費は、前連結会計年度比244億円減少し、9,024億円となりました。
③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)
一般貸倒引当金純繰入額を加えた不良債権処理額に、貸倒引当金戻入益等を加算した与信関係費用は、320億円の費用計上となりました。
⑤ 株式等関係損益
株式等関係損益は、株式等売却益の増加等により、1,850億円の利益となりました。
⑥ 持分法による投資損益
持分法による投資損益は、238億円の利益となりました。
⑦ その他
その他は、752億円の損失となりました。
⑧ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度比17億円増加し、8,340億円となりました。
⑨ 特別損益
特別損益は、12億円の損失となりました。
⑩ 税金等調整前当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比188億円増加し、8,327億円となりました。
⑪ 税金関係費用
税金関係費用は、2,255億円となりました。
⑫ 当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度比595億円増加し、6,071億円となりました。
⑬ 非支配株主に帰属する当期純損益
非支配株主に帰属する当期純損益(利益)は、前連結会計年度比149億円減少し、473億円となりました。
⑭ 親会社株主に帰属する当期純利益(⑮包括利益)
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比744億円増加し、5,597億円となりました。また、包括利益は、前連結会計年度比1兆4,270億円減少し、2,573億円となりました。
-参考-
(図表2)損益状況(単体)
前事業年度
(自 平成26年4月1日
至 平成27年3月31日)
当事業年度
(自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
業務粗利益14,95414,638△316
資金利益9,3488,300△1,048
役務取引等利益3,8353,86327
特定取引利益485944459
その他業務利益1,2851,530244
経費(除く臨時処理分)△8,337△8,3334
業務純益(一般貸倒引当金純繰入前)6,6176,305△312
臨時損益等245727481
うち不良債権処理額△823△446377
うち貸倒引当金戻入益等687158△528
うち株式等関係損益8891,783893
経常利益6,8637,040177
特別損益△182△11171
当期純利益4,2314,902670

与信関係費用△136△279△142

(注)費用項目は△表記しております。
[セグメント情報]
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報の概要は、以下のとおりです。
なお、詳細につきましては、第5経理の状況、1.連結財務諸表等、(1)連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。
(図表3)報告セグメントごとの業務粗利益及び業務純益の金額に関する情報
前連結会計年度
(自 平成26年4月1日
至 平成27年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
業務粗利益業務純益業務粗利益業務純益業務粗利益業務純益
みずほ銀行14,9546,61714,6386,305△316△312
個人2,6212862,598254△23△32
リテールバンキング1,3131291,288102△25△27
大企業法人3,0752,1313,1672,24892117
事業法人1,7941,0291,750998△44△31
金融・公共法人6073046433453641
国際3,1202,1943,6062,385486191
市場・その他2,4245441,586△26△838△571
その他1,9027601,709788△19327
合計16,8577,37816,3477,093△509△284

* 業務純益は、一般貸倒引当金繰入前の計数であります。
* 平成27年4月より顧客セグメント間の配分方法を変更したことに伴い、前連結会計年度につきましては、当該変更を反映させるための組替えを行っております。
(3)財政状態の分析
前連結会計年度及び当連結会計年度における財政状態のうち、主なものは以下のとおりです。
(図表4)
前連結会計年度
(平成27年3月31日)
当連結会計年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
資産の部1,618,4231,616,978△1,444
うち有価証券407,858375,223△32,634
うち貸出金713,136710,688△2,448
負債の部1,526,8241,529,2802,456
うち預金
うち譲渡性預金
950,676
146,153
1,020,530
109,784
69,854
△36,368
純資産の部91,59987,698△3,900
株主資本合計58,47861,6653,187
その他の包括利益累計額合計18,40714,888△3,519
非支配株主持分14,71411,145△3,568

[資産の部]
① 有価証券
(図表5)
前連結会計年度
(平成27年3月31日)
当連結会計年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
有価証券407,858375,223△32,634
国債206,985189,109△17,876
地方債2,3482,37526
社債24,39825,376977
株式41,37135,785△5,586
その他の証券132,753122,577△10,176

有価証券は37兆5,223億円と、国債(日本国債)及びその他の証券が減少したことを主因として、前連結会計年度末比3兆2,634億円減少しております。
② 貸出金
(図表6)
前連結会計年度
(平成27年3月31日)
当連結会計年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
貸出金713,136710,688△2,448

(単体)
前事業年度
(平成27年3月31日)
当事業年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
貸出金708,738703,743△4,994
国内店分524,204511,590△12,614
中小企業等貸出金*1
うち居住用住宅ローン
305,123
101,328
306,570
98,272
1,447
△3,055
海外店貸出金残高*2184,533192,1537,619

*1 中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の企業等であります。
*2 海外店貸出金残高には、特別国際金融取引勘定を含んでおります。
貸出金は71兆688億円と、前連結会計年度末比2,448億円減少しております。
また、当行の貸出金残高は70兆3,743億円と前事業年度末比4,994億円減少しております。国内店貸出金は1兆2,614億円減少しております。海外店貸出金は7,619億円増加しております。
なお、当行の中小企業等貸出金残高は、前事業年度末比1,447億円増加し30兆6,570億円、うち居住用住宅ローンは、同3,055億円減少して9兆8,272億円となっております。
貸出金のうち、連結ベースのリスク管理債権額は以下のとおりです。
(図表7)
前連結会計年度
(平成27年3月31日)
当連結会計年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
破綻先債権101242140
延滞債権4,1633,907△255
3ヵ月以上延滞債権349△25
貸出条件緩和債権6,0534,552△1,500
合計10,3538,711△1,642
貸出金に対する割合(%)1.451.22△0.22

当連結会計年度末の連結ベースのリスク管理債権残高は、延滞債権が前連結会計年度末比255億円、貸出条件緩和債権が同1,500億円減少しております。その結果、リスク管理債権残高は、前連結会計年度末比1,642億円減少し、8,711億円となりました。
また、貸出金に対するリスク管理債権の割合は、1.22%となっております。
なお、不良債権(当行単体)に関しては、後段(4)で詳細を分析しております。
[負債の部]
① 預金
(図表8)
前連結会計年度
(平成27年3月31日)
当連結会計年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
預金 *11,096,8291,130,31533,485
流動性預金 *2529,141598,09768,955
定期性預金367,677364,437△3,239
譲渡性預金146,153109,784△36,368
その他53,85657,9944,138

*1 預金には、譲渡性預金を含んでおります。
*2 流動性預金は、当座預金、普通預金、貯蓄預金、通知預金の合計であります。
(単体)
前事業年度
(平成27年3月31日)
当事業年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
預金(国内)792,283850,28958,006
個人383,393391,6398,245
一般法人354,423393,88939,465
金融機関・政府公金54,46564,76110,295

*海外店及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。
預金は113兆315億円と、流動性預金が増加した一方、譲渡性預金が減少したこと等により、前連結会計年度末比3兆3,485億円増加しております。
なお、当行の預金者別預金残高は、前事業年度末比一般法人が3兆9,465億円増加し、金融機関・政府公金は1兆295億円増加しております。
[純資産の部]
(図表9)
前連結会計年度
(平成27年3月31日)
当連結会計年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
純資産の部合計91,59987,698△3,900
株主資本合計58,47861,6653,187
資本金14,04014,040-
資本剰余金22,86722,600△267
利益剰余金21,56925,0233,454
その他の包括利益累計額合計18,40714,888△3,519
その他有価証券評価差額金15,22511,316△3,908
繰延ヘッジ損益2701,6341,364
土地再評価差額金1,4641,48420
為替換算調整勘定△126△247△120
退職給付に係る調整累計額1,574699△874
非支配株主持分14,71411,145△3,568

当連結会計年度末の純資産の部合計は、前連結会計年度末比3,900億円減少し、8兆7,698億円となりました。主な変動は以下のとおりです。
株主資本合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末比3,187億円増加し、6兆1,665億円となりました。その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末比3,519億円減少し、1兆4,888億円となりました。非支配株主持分は、前連結会計年度末比3,568億円減少し、1兆1,145億円となりました。
(4)不良債権に関する分析(単体)
① 残高に関する分析
金融再生法開示債権
(図表10)
前事業年度
(平成27年3月31日)
当事業年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権554670115
危険債権3,9153,459△455
要管理債権5,3473,919△1,428
小計(要管理債権以下)(A)9,8178,049△1,768
正常債権788,999774,676△14,323
合計(B)798,817782,725△16,091
(A)/(B)1.22%1.02%△0.20%

当事業年度末の不良債権残高(要管理債権以下(A))は、前事業年度末比1,768億円減少し、8,049億円となりました。債権区分では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が115億円増加し、危険債権が455億円、要管理債権が1,428億円、それぞれ減少しております。不良債権比率((A)/(B))は1.02%となっております。
② 保全に関する分析
前事業年度末及び当事業年度末における金融再生法開示債権(要管理債権以下)の保全及び引当は以下の通りであります。
(図表11)
前事業年度
(平成27年3月31日)
当事業年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権(A)554670115
うち担保・保証(B)52759567
うち引当金(C)277447
信用部分に対する引当率(C)/((A)-(B))100.0%100.0%-
保全率((B)+(C))/(A)100.0%100.0%-
危険債権(A)3,9153,459△455
うち担保・保証(B)1,9481,722△226
うち引当金(C)1,3711,147△223
信用部分に対する引当率(C)/((A)-(B))69.7%66.0%△3.6%
保全率((B)+(C))/(A)84.7%82.9%△1.8%
要管理債権(A)5,3473,919△1,428
うち担保・保証(B)1,9151,545△370
うち引当金(C)1,280978△302
信用部分に対する引当率(C)/((A)-(B))37.3%41.2%3.8%
保全率((B)+(C))/(A)59.7%64.3%4.6%

破産更生債権及びこれらに準ずる債権については、担保・保証が67億円、引当金が47億円、それぞれ前事業年度末比増加しております。信用部分全額を個別貸倒引当金として計上、ないしは直接償却を実施しており、その結果、信用部分に対する引当率、保全率ともに100%となっております。
危険債権については、担保・保証が226億円、引当金が223億円、それぞれ前事業年度末比減少しております。また、信用部分に対する引当率は3.6ポイント低下し66.0%に、保全率は1.8ポイント低下し82.9%となっております。
要管理債権については、担保・保証が370億円、引当金が302億円、それぞれ前事業年度末比減少しております。また、信用部分に対する引当率は3.8ポイント上昇し41.2%に、保全率は4.6ポイント上昇し64.3%となっております。
上記債権以外の債権に対する引当率は、以下の通りであります。
(図表12)
前事業年度
(平成27年3月31日)
当事業年度
(平成28年3月31日)
比較
要管理先債権以外の要注意債権(%)3.773.69△0.08
正常先債権(%)0.070.07-

(5)自己資本比率に関する分析
(図表13)連結自己資本比率(国際統一基準)
前連結会計年度
(平成27年3月31日)
当連結会計年度
(平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
連結総自己資本比率(④/⑦)15.30%15.46%0.16%
連結Tier1比率(⑤/⑦)12.13%12.75%0.62%
連結普通株式等Tier1比率(⑥/⑦)10.42%10.81%0.39%
連結における総自己資本の額87,53587,802267
連結におけるTier1資本の額69,43172,4363,005
連結における普通株式等Tier1資本の額59,65761,4221,765
リスク・アセットの額572,018567,710△4,308
連結総所要自己資本額45,76145,416△344

総自己資本の額は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末比267億円増加し、8兆7,802億円となりました。一方、リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比4,308億円減少し、56兆7,710億円となりました。この結果、連結総自己資本比率は前連結会計年度末比0.16ポイント上昇し、15.46%となりました。
2.キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(図表14)
前連結会計年度
(自 平成26年4月1日
至 平成27年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日)
比較
金額(億円)金額(億円)金額(億円)
営業活動によるキャッシュ・フロー46,56413,039△33,525
投資活動によるキャッシュ・フロー27,32434,6597,335
財務活動によるキャッシュ・フロー△8,482△3,9264,555

営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により1兆3,039億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得・売却・償還等の結果3兆4,659億円の収入となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主への払戻等により3,926億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、29兆2,790億円となりました。