有価証券報告書-第17期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/27 15:48
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【項目】
226項目
(重要な会計上の見積り)
1 貸倒引当金の算定
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当社は、株式会社三菱UFJ銀行(以下、「三菱UFJ銀行」という。)をはじめとする銀行子会社を傘下に有しており、中核的な事業の一つとして貸出業務を行っております。貸出金を含む信用供与先の財務状況の悪化等により、貸出金等の資産の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスク(このリスクを当社グループでは「信用リスク」と定義しております。)に備えて、内部規程にて予め定めている算定プロセスに従って、貸倒引当金を計上しております。当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上した貸倒引当金額は1,222,162百万円(前連結会計年度末は1,105,541百万円)であります。
貸倒引当金は、予め定めている内部規程等に則して算定され、経営会議傘下の与信委員会等の審議を経て決定されております。また、「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (6) 貸倒引当金の計上基準」に記載の通り、独立した与信監査部署が査定結果を監査しております。
なお、貸倒引当金の算定における見積り及び主要な仮定には不確実性があり、特に、取引先の経営状況及び経済環境に影響を及ぼすCOVID-19及びロシア・ウクライナ情勢の今後の見通しは高い不確実性を伴うことから、COVID-19の影響は継続するもワクチンや治療薬の進展により総じて改善し経済活動制限は主要国中心に緩和され景気影響は減じていく、ロシア・ウクライナ情勢急転に起因する不透明な事業環境が継続する等、一定の仮定を置いた上で、客観性や合理性を確保した最善の見積りを行っております。
(2) 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
(当社の主要な国内銀行連結子会社における貸倒引当金)
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
当社の主要な国内銀行連結子会社における貸倒引当金の算定プロセスには、取引先の債務償還能力を評価・分類した内部信用格付の決定、取引先から差し入れられた担保の価値の評価、及び、過去実績を基に算定した損失率への将来見込み等による調整といった種々の見積りが含まれております。当該引当方法の詳細は、「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (6) 貸倒引当金の計上基準」に記載しております。なお、主要な国内銀行連結子会社である三菱UFJ銀行における当事業年度末の貸借対照表における貸倒引当金及び貸出金の計上額は、それぞれ650,033百万円、90,421,234百万円(前事業年度末は、それぞれ465,391百万円、88,447,036百万円)であります。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
主要な国内銀行連結子会社では、適切な債務者区分の決定が行われるよう、信用リスクを評価するための統一的な基準として債務者区分と整合した信用格付制度を導入しており、原則として信用を供与している全ての取引先及びその取引を対象に内部信用格付を付与しております。内部信用格付のうち、一般事業法人等を対象とする債務者格付は、取引先の今後3~5年間における債務償還能力を15段階で評価し分類したものです。主要な国内銀行連結子会社では、取引先の決算情報に基づく財務定量評価に加え、現時点及び将来の取引先が属する業界環境や、経営リスク、資金調達リスク等の定性要因を基に、内部信用格付を決定しております。この点、内部信用格付は、取引先が業績不振や財務的な困難に直面しており、将来の業績回復見込みや事業の継続可能性の判断に高度に依存して決定される場合があります。特に、COVID-19の長期化影響及びロシア・ウクライナ情勢の急転により、主要な国内銀行連結子会社における一部の取引先の財政状態及び経営成績には重要な影響が生じております。このような特定の取引先の将来の業績回復見込みや事業の継続可能性は、取引先企業内外の経営環境の変化による影響を受けるため、見積りの不確実性が高いものとなります。
また、主要な国内銀行連結子会社である三菱UFJ銀行では、主として貸倒実績又は倒産実績を基礎とした貸倒実績率又は倒産確率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な調整を加えて、損失率を算定しております。
この過去実績を基に算定した損失率への将来見込み等による調整は、特に、COVID-19の長期化影響及びロシア・ウクライナ情勢の急転等を踏まえ、最近の期間における貸倒実績率又は倒産確率の増加率を考慮する、又は予想損失額の追加計上を考慮する等により、必要と認められる場合に実施しております。当該調整による影響額は、77,572百万円(前事業年度末は30,846百万円)であります。
このような期末日現在に保有する貸出金等の資産の信用リスクを捉えるための、過去実績を基に算定した損失率への将来見込み等による調整は、客観的な情報を入手することが困難な経済環境に係る見積りに基づいているため、見積りの不確実性が高いものとなります。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
内部信用格付は年1回以上の頻度で見直しを行っており、取引先の財政状態や業界環境の変化等による信用力変化を踏まえ、主要な仮定である取引先の将来の業績回復見込みや事業の継続可能性に対する判断が見直される場合があります。この結果、主要な国内銀行連結子会社における信用リスクが全体として増減していると判断した場合には、翌連結会計年度に貸倒引当金が増減する可能性があります。
また、主要な仮定である過去実績を基に算定した損失率への将来見込み等による調整は、客観的な情報を入手することが困難な経済環境に係る見積りに基づいております。当該仮定は、経済環境の実勢を踏まえて変動するものであり、当該仮定の変化を受けて、翌連結会計年度に貸倒引当金が増減する可能性があります。
(米国会計基準を適用する一部の在外子会社における貸倒引当金)
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
米国会計基準を適用する一部の在外子会社については、ASC326「金融商品-信用損失」に従い、残存契約期間にわたって予想信用損失を見積り、貸倒引当金を計上しております。当該引当方法の詳細は、「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (6) 貸倒引当金の計上基準」の追加情報に記載しております。なお、米国会計基準を適用する主要な在外子会社における貸倒引当金及び貸出金の計上額は、それぞれ430,156百万円、14,937,312百万円(前連結会計年度末は、それぞれ491,868百万円、13,916,797百万円)であります。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
米国会計基準を適用する主要な在外子会社における予想信用損失は、リスクの特性が類似するポートフォリオ毎に、マクロ経済変数を用いて経済予測シナリオを反映する定量的測定モデルにより算定されております。マクロ経済変数には、過去の貸倒実績等の発生と相関する変数として、失業率、GDP等が含まれております。経済予測シナリオの不確実性に鑑み、経済予測シナリオは複数選定しており、それらを一定のウエイト比率で考慮しております。複数の経済予測シナリオに係るマクロ経済変数及びそれぞれの経済予測シナリオに付与されるウエイト比率の決定には、直近の経済環境、会社内外のエコノミストの見解といった種々の要素が考慮されております。この点、複数の経済予測シナリオに係る特定のマクロ経済変数及びそれぞれの経済予測シナリオに付与されるウエイト比率の決定は、COVID-19の長期化による景気への影響度合と継続期間を含む将来の経済環境に係る高い変動性と不確実性に起因して、見積りの不確実性が高いものとなります。
また、予想信用損失の算定結果には、定量的測定モデルには反映されていない予想される信用損失を補捉するために定性的な要因による調整が加えられております。特定の米国会計基準を適用する在外子会社においては、定量的測定モデルに利用されるマクロ経済変数に加えて、定性的な要因による調整が反映されております。そのため、当該定性的な要因による調整は、同様に見積りの不確実性が高いものとなります。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
複数の経済予測シナリオに係るマクロ経済変数及びそれぞれの経済予測シナリオに付与されるウエイト比率の決定、並びに、定性的な要因による調整は、客観的な情報を入手することが困難な経済環境に係る見積りに基づいております。当該仮定は経済環境の実勢を踏まえて変動するものであり、当該仮定の変化を受けて、翌連結会計年度に貸倒引当金が増減する可能性があります。
2 固定資産の減損処理
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当社グループの事業本部の再編に伴い、国内銀行連結子会社も2018年度より管理会計上のセグメントである部門を再編すると共に、部門毎の損益管理強化を目的に経費の配分方法を中心に継続的に管理会計の見直しを実施してまいりました。今般、今後より重要性が高まるシステム投資ほか固定資産投資における効率的・効果的な資源運営を進めるため、部門毎の予算枠管理及び投資の意思決定プロセスを導入し、2022年3月より三菱UFJ銀行では事業の基盤となる資産を部門毎に配分し、より自律的に管理する体制としました。これに伴い、三菱UFJ銀行では固定資産の減損会計の適用方法の見直しを行いました。具体的には従来の営業拠点毎及び全社での減損判定に加え、一部の全社共用資産を各部門に配分し、部門毎での減損判定も実施しております。共用資産の各部門への配分に際しては、当該資産の各資産の使用比率(部門毎の人数、顧客数、面積)等適切な配分基準を用いております。
その結果、三菱UFJ銀行のデジタルサービス部門、法人・リテール部門、グローバルコマーシャルバンキング部門に帰属する事業用資産については、帳簿価額を正味売却価額まで減額し、127,023百万円(うち、建物31,500百万円、ソフトウェア93,242百万円等)の減損損失を計上しております。
減損の兆候の識別、減損損失の認識の判定及び測定は、主に「固定資産の減損に係る会計基準」(平成14年8月9日 企業会計審議会)等に基づき、内部規程として予め定めている会計処理規則等に則して行っております。減損の認識及び測定を識別するにあたっての見積り及び主要な仮定には不確実性がありますが、客観性や合理性を確保した最善の見積りを行っております。
(2) 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
国内銀行連結子会社の報告セグメントは、国内銀行連結子会社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会や経営会議が、経営資源の配分の決定や業績評価のために、定期的に経営成績等の報告を受ける対象となっているものであります。三菱UFJ銀行では、各営業拠点をグルーピングの最小単位とし、さらに一部の全社共用資産を各部門に配分し、部門毎にも減損の兆候の識別、減損損失の認識の判定及び測定を行っております(以下、「部門単位の減損判定」という)。このうち、部門単位の減損判定における減損の兆候の識別、減損損失の認識の判定及び測定方法は次のとおりです。
(減損の兆候の識別)
部門における共用資産が、以下のいずれかに該当する場合には、減損の兆候を識別します。
・部門における営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスとなっている場合、又は、継続してマイナスとなる見込みである場合
・市場価格のある資産の含み損合計額が、帳簿価額の50%以上の場合
・部門における経営環境が著しく悪化したか、又は悪化する見込みである場合
(減損損失の認識要否の判定及び測定)
減損の兆候があると識別された部門における共用資産について、当該部門共用資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額(以下、「割引前将来キャッシュ・フロー」という。)と部門における共用資産の帳簿価額とを比較し、後者が前者を上回る場合には、減損損失を認識します。
減損損失の測定については、使用価値あるいは正味売却価額の高い方と部門における共用資産の帳簿価額との差額として算定しております。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
三菱UFJ銀行では、共用資産の各部門への配分に際して、当該資産の各資産の使用比率(部門毎の人数、顧客数、面積)等適切な配分基準を用いております。
当連結会計年度に減損損失を認識した三菱UFJ銀行のデジタルサービス部門、法人・リテール部門、グローバルコマーシャルバンキング部門に係る使用価値の測定に用いる将来キャッシュ・フローは三菱UFJ銀行の事業計画を基礎として見積っており、与信取引の実行見込額等を主要な仮定として織り込んでおります。使用価値については、将来キャッシュ・フローの割引現在価値として算定しておりますが、その算定に当たって使用する割引率については、資本コスト(リスクフリーレート、株式ベータ及び市場リスクプレミアム等に基づき算定)によっております。
正味売却価額は鑑定評価額等の適切に市場価格を反映していると考えられる指標から処分費用見込額を控除して算定しております。
部門における共用資産の不動産鑑定評価額の算出に際しては、原価法による積算価格、収益還元法による収益価格、取引事例比較法による比準価格等を算定し、当該資産毎の主たる需要者の特性を踏まえた最も適切な評価方法を採用し、最終的な評価額としております。価格の算定に際しては、賃料、キャップレート等を主要な仮定として織り込み、社会経済等の状況、不動産市場の状況、近隣地域の状況、対象不動産の状況、対象不動産に係る市場参加者と最有効使用の判定等の検討を行っております。
ソフトウェア資産については自社利用のシステムとしてカスタマイズされており、他社における利用価値はなく、インカム・アプローチによる評価の結果、正味売却価額を零としております。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
正味売却価額の算定の基礎となる不動産鑑定評価額の主要な仮定である賃料、キャップレート等は社会経済等の状況、不動産市場の状況等を考慮し見積もっております。当該仮定は社会経済等の状況、不動産市場の状況等を踏まえて変動するものであり、当該仮定の変化により、翌連結会計年度に減損損失が増加する可能性があります。
3 買収・出資に伴うのれんの評価
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当社グループは、世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループを目指し、その戦略的施策の一環として、グローバルベースで買収・出資・資本提携等を実施しており、これらの企業結合取引により生じたのれんを連結貸借対照表に計上しております。
買収・出資・資本提携等においては、相手先の属する業界の想定外の変化等により、当社グループの想定通りのシナジーその他の効果を得られない可能性や、計上したのれんの毀損により、当社グループの事業戦略、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度末の連結貸借対照表におけるのれんの計上額は271,353百万円(前連結会計年度末は273,092百万円)であり、このうちFirst Sentier Investors(以下、「FSI」という。)の取得により計上したのれんは177,862百万円(前連結会計年度末は177,726百万円)であります。
のれんの計上額は、主に「固定資産の減損に係る会計基準」等に基づき、内部規程として予め定めている会計処理規則等に則して、減損の兆候(のれんを含む資産グループに減損が生じている可能性を示す事象)の識別、減損損失の認識の判定及び測定をしております。また、減損の兆候の識別、減損損失の認識の判定及び測定は、予め定めている内部規程等に基づき妥当性を検証しております。当社グループののれん残高のうち、重要な割合を占めるFSIの取得により計上したのれんについて、減損の兆候を識別するにあたっての見積り及び主要な仮定には不確実性がありますが、有効な内部統制に基づき、客観性や合理性を確保した最善の見積りを行っております。
(2) 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
のれんの減損の兆候の識別、減損損失の認識の判定及び測定は、のれんが帰属する事業に関連する資産グループにのれんを加えた、より大きな単位で行っております。
当社グループでは、減損の兆候が発生しているかどうかについて、資産グループの特性を踏まえて、一定の基準を定めて判断しております。
当社グループののれん残高のうち、重要な割合を占めるFSIの取得により計上したのれんについては、FSIを一つの資産グループとして、減損の兆候の有無を判断し、評価した金額を計上しております。
減損の兆候を識別するために、FSIの最新の事業計画を考慮した将来の一定期間にわたる予想利益が、収益性の低下により投資の回収が見込めなくなる可能性を示す水準まで落ち込んでいないかどうかについて、一定の基準を定めて判断しております。このほか、のれん償却額を考慮したFSIの営業利益が2期連続で赤字となっていないかどうか、FSIに対する投資の回収可能性を著しく低下させる要因となり得る株式市場における株価指数の悪化の有無、FSIの預り資産残高の減少の有無及び主要なファンド・マネジャーの離職状況等について分析し、減損の兆候の有無を判断しております。
なお、当連結会計年度において、減損の兆候に該当する項目は識別しておらず、減損の兆候は無いと判断しております。
減損の兆候があると識別されたのれんについては、のれんが帰属する事業に関連する資産グループの減損損失控除前の帳簿価額にのれんの帳簿価額を加えた金額と、のれんを含むより大きな単位から得られる割引前将来キャッシュ・フローとを比較し、後者が前者を上回る場合には、減損損失は認識されません。前者が後者を上回る場合には、のれんの総額を超えない範囲で、その超過分を減損損失として認識します。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
減損の兆候の識別及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、その性質上、判断を伴うものであり、多くの場合、重要な見積り・仮定を使用します。
当社グループののれん残高のうち、重要な割合を占めるFSIの取得により計上したのれんの減損の兆候を識別するための予想利益に係る将来予測は、重要な見積りに基づいており、当該見積りには、前提となる仮定を使用しております。現在及び過去の事実あるいは業績を踏まえた事業の成長率、将来の市場及び経済全体の成長率が主要な仮定であります。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
当連結会計年度末においてのれんの減損の兆候の識別に使用した主要な仮定は合理的であると考えています。しかしながら、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化により、減損の兆候の識別における主要な仮定が変化した場合、翌連結会計年度に減損損失の認識要否の判断及び減損損失として測定される金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
4 デリバティブ取引の時価評価
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当社グループは、顧客に対して為替・資金・証券サービスを提供する業務、並びに市場取引及び流動性・資金繰り管理を行う業務において、多種多量のデリバティブ取引を保有しております。当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上したデリバティブ取引の種類毎の時価の内訳は、「(金融商品関係) 2 金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項」に記載しております。
デリバティブ取引の時価は、内部規程として予め定めている時価の算定に関する方針、手続及び時価評価モデルの使用に係る手続等に則して算定されております。デリバティブ取引の時価を算定するにあたっての見積り及び主要な仮定には不確実性がありますが、有効な内部統制に基づき、客観性や合理性を確保した最善の見積りを行っております。デリバティブ取引の時価の算定プロセスの詳細は、「(金融商品関係) 1 金融商品の状況に関する事項」及び「(金融商品関係) 2 金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項 (注1) 時価の算定に用いた評価技法及びインプットの説明」に記載しております。
(2) 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
デリバティブ取引の時価は、取引所取引は取引所等における最終の価格、店頭取引は割引現在価値やオプション価格計算モデル等の評価モデルにより算出した価額によっております。評価モデルは市場適合性の観点から検証を実施しておりますが、その性質上見積りや仮定には、複雑性、不確実性及び判断が伴います。算出方法の詳細は、「(金融商品関係) 2 金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項 (注1) 時価の算定に用いた評価技法及びインプットの説明」に記載しております。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
評価モデルに用いるインプットには為替レート、イールドカーブ、ボラティリティ、クレジットカーブ、株価等の市場で直接又は間接的に観察可能なインプットのほか、相関係数等の重要な見積りを含む市場で観察できないインプットを使用する場合もあります。当社グループでは、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、デリバティブ取引の時価を3つのレベルに分類しております。特に、算定した時価等について市場で観察できないインプットが重要な構成要素であることからレベル3に分類されるデリバティブ取引については、時価評価に用いる見積り及び仮定の複雑性、不確実性が高いものとなります。インプットに関する情報の詳細は、「(金融商品関係) 2 金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項 (注2) 時価をもって連結貸借対照表価額とする金融資産及び金融負債のうちレベル3の時価に関する情報 (1) 重要な観察できないインプットに関する定量的情報」に記載しております。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
適切な検証を実施した上でデリバティブ取引に関する時価が合理的であると判断しております。ただし、これらの時価の算定に使用された主要な仮定には不確実性があります。特に、レベル3に分類されるデリバティブ取引については、時価評価に用いる見積り及び仮定の複雑性、不確実性が高いものであり、評価に用いるインプットが市場環境の変化等を受けて変化することにより、結果的に当社グループにおけるデリバティブ取引の時価が増減する可能性があります。インプットを変化させた場合の時価に対する影響の詳細は、「(金融商品関係) 2 金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項 (注2) 時価をもって連結貸借対照表価額とする金融資産及び金融負債のうちレベル3の時価に関する情報 (4) 重要な観察できないインプットを変化させた場合の時価に対する影響に関する説明」に記載しております。
5 偶発損失引当金(利息返還損失引当金)の算定
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当社グループのローン事業において、2007年6月17日以前に契約締結したローン商品には「利息制限法」の上限金利を上回るものがあり、当社グループのお客さまがこの上限金利に基づいた債務を主張し、貸付金の放棄や過剰支払金等の返還を求めた場合、これに応じて貸付金の放棄や支払金等を返還することがあります。これらの返還の請求に備えるために過去の返還実績及び最近の返還状況等を勘案して見積もった必要額を利息返還損失引当金として計上しております。
当連結会計年度末の連結財務諸表に計上した偶発損失引当金に含まれる利息返還損失引当金は107,308百万円(前連結会計年度末は81,679百万円)であります。
利息返還損失引当金は、予め定めている内部規程等に則して算定されております。利息返還損失引当金を算出するにあたっての見積り及び主要な仮定には不確実性がありますが、有効な内部統制に基づき、客観性や合理性を確保した最善の見積りを行っております。
(2) 会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
将来の利息返還請求に伴う損失に備えるため、過去の返還実績等を踏まえて将来予測を行い、返還請求額を合理的に見積もっております。見積りにあたっては、主として、過去の返還請求件数と平均返還単価の実績からそれぞれの将来予測値を推測し、今後一定期間の返還請求額の予測値を算出しております。特に不確実性の高い請求見込件数の将来予測にあたっては、主として、請求動向の異なる弁護士・司法書士事務所ごとにグルーピングし、そのグルーピングごとの過去実績から算出された請求実績率に、直近の環境分析や返還請求動向を踏まえて、将来の請求見込件数を算出しております。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
上記算出方法に記載の請求見込件数(弁護士・司法書士事務所ごとの将来の請求見込件数) 及び平均返還単価のそれぞれの将来予測値が主要な仮定であります。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
主要な仮定である弁護士・司法書士事務所ごとの請求見込件数及び平均返還単価のそれぞれの将来予測値は、過去実績から算出された請求実績率に直近の環境分析や返還請求動向分析を踏まえて算出していることから、見積りの不確実性を伴い、翌連結会計年度に利息返還損失引当金が増減する可能性があります。