有価証券報告書-第21期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/22 15:50
【資料】
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【項目】
221項目
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
当社は、取締役、執行役及び執行役員(以下、「役員等」)の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針(以下、「本方針」)を定めております。なお、本方針の改廃は、当社報酬委員会決議により決定いたします。
本方針は、当社グループの経営理念及び中長期的に目指す姿であるビジョンの実現に向けて、役員等の報酬が、適切なインセンティブとして機能することを目的としております。
<基本コンセプト>当社の役員等の報酬は、以下に掲げる考え方に基づき決定する。
○当社グループの経営理念及びビジョンの実現に向けて、適切なインセンティブとして機能することを目的とする。
○当社グループの経営環境や短期・中長期の業績等を反映するとともに、株主価値の向上やお客さまへの価値提供、持続可能な社会の実現への貢献等を踏まえた報酬体系とする。
○各々の役員等が担う役割・責任・成果を反映する。
○第三者による経営者報酬に関する調査等を踏まえ、競争力のある水準とする。
○過度なリスクテイクを抑制し、金融業としてのプルーデンスを確保する。
○内外の役員報酬に係る規制・ガイドライン等を遵守する。
○適切なガバナンスとコントロールに基づいて決定し、経済・社会情勢や経営環境等を踏まえ、適時適切に見直しを行う。
<報酬体系>○当社の役員等の報酬は、原則として、「基本報酬」・「賞与」・「株式報酬」の構成とする。
ただし、社外取締役及び監査委員の報酬は、経営の監督機能としての役割を踏まえ、「基本報酬」のみの構成とする。
○業績に対するアカウンタビリティ・インセンティブ向上の観点から、各々の役員等の総報酬に占める、経営環境や業績等を踏まえて変動する業績連動部分の比率の目安を40%程度とする。
業績連動部分は、当社グループの業績、持続可能な社会の実現への貢献に係る達成度及び各々の役員等の成果に応じ、報酬基準額の0%から150%の範囲で支給を行う。
○株主との利益共有強化の観点から、各々の役員等の総報酬に占める、株式で支給する報酬の比率の目安を25%程度とし、役員等の株式保有を進める。
○なお、業績連動部分の比率、株式による報酬の比率は、上記を目安としつつ、各々の役員等の役割等に応じた適切な割合を設定する。
○「基本報酬」は、原則として役位に応じた現金固定報酬とし、各々の役員等が担う役割・責任等を踏まえて決定し、定期的に支給する。
○「賞与」は、前年度の当社グループの業績、持続可能な社会の実現への貢献に係る達成度及び個人の短期・中長期観点での職務遂行状況等を踏まえて年度ごとに決定する。決定した金額のうち、原則として70%程度を現金にて支給し、30%程度を「株式報酬Ⅱ」として支給する。
イ.業績指標及び評価ウェイトの内容は以下のとおり。
業績指標評価ウェイト
SMBC業務純益(※1)前期比/計画比50%
SMBC税引前当期純利益(※2)前期比/計画比25%
SMFG当期純利益(※3)前期比/計画比25%

※1 株式会社三井住友銀行の業務純益に当社グループ各社との協働収益等を加算。
※2 株式会社三井住友銀行の税引前当期純利益。
※3 当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益。
なお、業績指標に十分に反映されない事情を認める場合、報酬委員会は、当該事情を総合的に判断し、上下±5%の範囲内で評価に反映することがある。
ロ. 持続可能な社会の実現への貢献に係る達成度は、単年度の「KPI達成率」及び「主要なESG評価機関の評価結果」等を評価し、上記「イ.」により得られた評価に上下±10%の範囲内で反映する。
○「株式報酬」は、中期業績等に連動して決定する「株式報酬Ⅰ」、単年度業績等に基づき決定する「株式報酬Ⅱ」、役位等に応じて支給する「株式報酬Ⅲ」の3類型による構成とする。
・「株式報酬」は、原則として譲渡制限付株式による支給とし、各類型で適切な譲渡制限期間を設定する。
・「株式報酬Ⅰ」は、当社グループの中期経営計画対象期間の計画達成状況や当社株式のパフォーマンス、社会的価値の創造のKPI達成率等をもとに、中期経営計画の対象期間終了後に報酬額を決定し、支給する。評価指標は、財務指標(中期経営計画目標)70%、株式指標15%、非財務指標15%の評価ウェイトにより算出する。評価指標及び評価ウェイトの内容は以下のとおり。
評価指標(※1、2)評価ウェイト
財務指標ROCET1(※3)20%
ベース経費(※4)20%
SMFG業務粗利益(※5)15%
SMFG当期純利益(※6)15%
株式指標TSR(株主総利回り)(※7)15%
非財務指標社会的価値の創造(※8)15%

※1 上記指標に加え、報酬委員会は調整項目として「新たなビジネス領域への取組み」・「コンプライアンス・お客さま本位・リスク管理」の2項目を総合的に判断し、上下±5%の範囲内で評価に反映する。
※2 「CET1比率(バーゼルⅢ最終化時、その他有価証券評価差額金を除く)」をノックアウト指標として設定し、各年度末時点で一定水準を下回った場合、当該年度に係る「株式報酬Ⅰ」を不支給とする。
※3 バーゼルⅢ最終化時、その他有価証券評価差額金を除く。
※4 営業経費から「収益連動経費」、「先行投資に係る経費」等を除いたもの。
※5 当社グループの連結粗利益。
※6 当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益。
※7 報酬委員会が、中期経営計画対象期間中のTSRの相対的な評価により、目標達成度を算出する。
※8 「社会的価値の創造」については、環境(FE削減・サステナビリティファイナンス実行額)・従業員(従業員エンゲージメント・DE&I)に関するKPIの達成率のほか、SMBCグループが設定する5つの重点課題(「環境」・「DE&I・人権」・「貧困・格差」・「少子高齢化」・「日本の再成長」)への取組状況に応じて、報酬委員会が評価する。
・「株式報酬Ⅱ」は、前年度の当社グループの業績、持続可能な社会の実現への貢献に係る達成度及び個人の短期・中長期観点での職務遂行状況等を踏まえて決定のうえ支給し、実質的に繰延報酬として機能させる。
・「株式報酬Ⅲ」は、役位等に応じて決定し、支給する。
○財務諸表の重大な修正やグループのレピュテーションへの重大な損害等の事象が発生した場合には、「株式報酬」について、減額や没収、返還請求が可能な仕組みを導入する。
○<報酬体系>に記載の以上の事項にかかわらず、役員等の当社グループ各社における役割その他合理的な事情により以上の事項を適用することが適切でないと報酬委員会が判断する場合や、海外現地採用の役員等及び日本国外に在住・在勤する役員等については、<基本コンセプト>に加え、各国の報酬規制・税制、報酬慣行、マーケット水準等を勘案し、過度なリスクテイクを招かないよう個人別に報酬を設計する。
<報酬の決定プロセス>○当社は、指名委員会等設置会社として、「報酬委員会」を設置し、役員等の報酬等に関し、以下の事項を決定する。
・本方針、上記<報酬体系>を含む役員報酬制度及び本方針に関する規程
・当社取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容
○報酬委員会は、上記に加え、以下の事項を審議する。
・当社の執行役員等の個人別の報酬等の内容
・当社の主な子会社の役員報酬制度 等
(参考)報酬委員会の活動状況
・報酬委員会開催回数 7回(2022年4月1日~2023年3月31日)
・開催時期と主な議論の内容は以下に記載のとおりであります。
開催時期主な議論の内容
2022年4月・2021年度役員賞与の支給方針と業績評価係数の決定
2022年6月・取締役/執行役等の個人別の報酬等の内容
・グループ会社1社の役員報酬体系の改定
・株式報酬Ⅰの評価項目達成状況 等
2022年6月・取締役/執行役等の個人別の報酬等の内容
2022年10月・次期中期経営計画期間における株式報酬Ⅰの評価方法検討
2022年10月・SMBC日興証券株式会社における相場操縦事案や、銀証ファイアーウォール規制違反
事案を受けた役員処分
2023年2月・当社及び当社グループ各社の、他社動向等を踏まえた役員報酬レビュー
・次期中期経営計画期間における株式報酬Ⅰの評価方法検討 等
2023年3月・取締役/執行役等の個人別の報酬等の内容
・グループ会社1社の役員報酬体系改定
・次期中期経営計画期間における株式報酬Ⅰの評価方法検討 等


本方針は、2023年4月26日開催の報酬委員会の決議により改定しております。
<報酬体系>に記載のとおり、「株式報酬Ⅰ」の決定にあたり、社会的価値の創造に係る達成度を、KPIの達成率等に応じて評価し、反映するなどの変更を行っております。なお、当事業年度の役員等の個人別の報酬等は改定前の方針に基づいて支給しております。
<当社の役員等の報酬体系(改定前)>
<当社の役員等の報酬体系(改定後)>
② 業績連動報酬等の算定に用いた業績指標に関する選定理由及び実績
<年度業績連動報酬>○選定理由
当社は年度業績連動報酬として、「賞与(金銭報酬)」・「株式報酬Ⅱ」を支給しております。
業績指標には、経営の最終結果である「SMFG当期純利益」、主要な事業子会社の収益力を示す「SMBC業務純益」と「SMBC税引前当期純利益」の3指標を採用し、業績と役員等の報酬との連動性を高め、業績に対する適切なインセンティブとしての機能を担保しております。また、ESG評価指標として単年度の「KPI達成率」及び「主要なESG評価機関の評価結果」を採用し、持続可能な社会の実現への貢献に係る達成度を報酬に反映しております。
○実績
当事業年度を評価対象期間とする「賞与(金銭報酬)」・「株式報酬Ⅱ」について、各業績指標の実績、ESG評価指標の評価結果及び業績評価係数は以下のとおりであります。
賞与(金銭報酬)・株式報酬Ⅱ
業績指標評価ウェイト実績(※5)業績評価係数
SMBC業務純益
(※1)
前期比/計画比50%61.3%121%(※6)
SMBC税引前
当期純利益(※2)
前期比/計画比25%30.9%
SMFG当期純利益
(※3)
前期比/計画比25%27.9%
ESG評価指標評価ウェイト評価結果
KPI達成率(※4)±10%+1.5%
主要ESG評価機関評価

※1 株式会社三井住友銀行の業務純益に当社グループ各社との協働収益等を加算。
※2 株式会社三井住友銀行の税引前当期純利益。
※3 当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益。
※4 「SMBC Group GREEN×GLOBE 2030」に掲げる主要なKPIの単年度の達成率。
※5 各業績指標の達成状況に評価ウェイトを乗じたもの。
※6 最終的な業績評価係数を算出する際は、実績と評価結果を合計した後、小数点以下を切り捨て、整数値で決定する。
報酬委員会は、当事業年度の業績指標及びESG評価指標の実績に基づき業績評価係数を決定し、これを役位別の賞与基準額の総和に乗じて賞与ファンドを決定します。賞与ファンドをもとに、本方針に定める報酬の決定プロセスに従って、個人の短期・中長期観点での職務遂行状況等を踏まえ、個人別の業績連動報酬額を決定します。
<中期業績連動報酬>○選定理由
当社は中期業績連動報酬として、「株式報酬Ⅰ」を支給しております。
当社の中長期の業績と、株主価値の向上、持続的な社会の実現への貢献等に対する役員のアカウンタビリティ・インセンティブを向上させるため、「ROCET1」・「ベース経費」・「SMFG業務粗利益」・「SMFG当期純利益」の財務項目4指標に加え、株式項目として「TSR(株主総利回り)」を採用しております。
上記の定量項目に加え、定性項目として「お客さま満足度」・「ESGへの取組み」・「従業員エンゲージメント」・「新たなビジネス領域への取組み」の4項目への取組みを報酬委員会で総合的に判断し、評価に反映します。
○実績
中期業績連動報酬にかかる業績指標の実績は、以下のとおりであります。
株式報酬Ⅰ
業績指標(※1)評価ウェイト業績評価
財務項目ROCET1(※2)20%22.0%115%
(※8)
ベース経費(※3)20%25.0%
SMFG業務粗利益(※4)20%26.4%
SMFG当期純利益(※5)20%23.8%
株式項目TSR(株主総利回り)
(※6)
20%18.0%
定性項目お客さま満足度、ESGへの取組み、従業員エンゲージメント、新たなビジネス領域への取組み±10%±0%
(※7)

※1 「CET1比率(バーゼルⅢ最終化時、その他有価証券評価差額金を除く)」をノックアウト指標として設定し、各年度末時点で一定水準を下回った場合、当該年度に係る「株式報酬Ⅰ」を不支給とする。
※2 バーゼルⅢ最終化時、その他有価証券評価差額金を除く。
※3 営業経費から「収益連動経費」、「先行投資に係る経費」等を除いたもの。
※4 当社グループの連結粗利益。
※5 当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益。
※6 報酬委員会が、中期経営計画対象期間中のTSRの相対的な評価により、目標達成度を算出する。
※7 「ESGへの取組み」及び「新たなビジネス領域への取組み」については着実に進捗したものの、SMBC日興証券株式会社における相場操縦事案及び銀証ファイアーウォール規制違反事案を重く受け止め、評価を±0%としたもの。
※8 最終的な評価結果は、実績を合計した後、小数点以下を切り捨て、整数値で決定する。
報酬委員会は、中期経営計画対象期間の業績指標に基づき評価を決定し、本方針に定める報酬の決定プロセスに従って、役位別の基準額に乗じた報酬額をもとに、個人別の中長期業績連動報酬額を決定します。
③ 役員区分ごとの連結報酬等の総額(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
区 分支給人数報酬等の
総額
(百万円)
金銭報酬非金銭報酬
業績非連動業績連動業績非連動
基本報酬賞与株式報酬Ⅰ/Ⅱ株式報酬Ⅲ
取締役123403021621-
執行役1482844417519314
261,16974619221514

(注)1.記載金額は、単位未満を切り捨てて表示しております。
2.執行役の使用人としての報酬その他の職務遂行の対価はありません。
3.執行役を兼務する取締役に対して支給された報酬等については、執行役の欄に記載しております。
4.年度業績連動報酬として、「賞与(金銭報酬)」・「株式報酬Ⅱ」を支給しております。
中期業績連動報酬として、「株式報酬Ⅰ」を支給しております。
5.「株式報酬Ⅰ」・「株式報酬Ⅱ」・「株式報酬Ⅲ」は、譲渡制限付株式により支給される報酬の範囲のうち、当年度に係る金額を記載しております。
④ 役員ごとの連結報酬等の総額(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
氏 名
(役員区分)
会社区分連結報酬等の
総額
(百万円)
金銭報酬非金銭報酬
業績非連動業績連動業績非連動
基本報酬賞与株式報酬Ⅰ/Ⅱ株式報酬Ⅲ
國部 毅当社173461621-
(取締役)株式会社
三井住友銀行
511621-
髙島 誠当社20416---
(取締役)株式会社
三井住友銀行
973850-
太田 純当社186963850-
(執行役)
大島 眞彦当社103291112-
(執行役)株式会社
三井住友銀行
261112-
夜久 敏和当社101261012-
(執行役)株式会社
三井住友銀行
291012-
内川 淳当社1012289-
(執行役)株式会社
三井住友銀行
268917

(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者を記載しております。
上記金額については各社の費用負担額を記載しております。
⑤ 執行役等の個人別の報酬等の内容が当該方針に沿うものであると報酬委員会が判断した理由
当社は、報酬委員会において「役員報酬の決定方針」及び本方針に定める報酬体系を含む役員報酬制度を決定し、本方針に基づく手続きを経て執行役等の個人別の報酬等の内容を決定しております。また、報酬委員会は、第三者による経営者報酬に関する調査結果や、役員報酬制度が当社グループの経営環境や短期・中長期の業績を踏まえた適切なインセンティブとして機能しているか等、多角的な審議、検討を行っており、執行役等の個人別の報酬等の内容は本方針に沿うものであると判断しております。