有価証券報告書-第16期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 16:02
【資料】
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【項目】
143項目
(重要な会計上の見積り)
First Sentier Investors(以下、「FSI」という。)の取得により計上した子会社株式の評価
1.当事業年度の財務諸表に計上した金額
MUFGグループは、世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループを目指し、その戦略的施策の一環として、グローバルベースで買収・出資・資本提携等を実施しており、これらの企業結合取引により取得した子会社株式を貸借対照表に計上しております。
買収・出資・資本提携等においては、相手先の属する業界の想定外の変化等により、MUFGグループの想定通りのシナジーその他の効果を得られない可能性や、計上した子会社株式の価値の毀損により、MUFGグループの事業戦略、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社においては、2019年8月2日付けで資産運用会社であるFSIの株式を100%取得し、当事業年度末の貸借対照表における有価証券には、FSIの取得により計上した子会社株式320,238百万円が含まれております。
FSIの取得により計上した子会社株式は、市場価格のない子会社株式として取得原価で貸借対照表に計上しております。子会社株式の減損処理の要否は、予め定めている内部規程等に則して、一定の検証部署を設け、取得原価と実質価額とを比較することにより判定しており、実質価額が取得原価に比べ50%以上低下したときは、実質価額まで減損処理する方針としております。実質価額を算定するにあたっての見積り及び主要な仮定には不確実性がありますが、有効な内部統制に基づき、客観性や合理性を確保した最善の見積りを行っております。
2.会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出方法
FSIの取得により計上した子会社株式は、算定した実質価額に基づき、減損処理の要否を判定し、評価した金額を計上しております。
当社では、実質価額として、FSIの事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローを割り引いた現在価値を算定しております。
なお、当事業年度末における実質価額は、取得原価の50%を上回っており、減損処理は不要であると判断しております。
(2) 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
実質価額を算定するためのFSIの事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー及び割引率は、重要な見積りに基づいており、当該見積りには前提となる仮定を使用しております。FSIの事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローについては、現在及び過去の事実あるいは業績を踏まえた事業の成長率、将来の市場及び経済全体の成長率が主要な仮定であり、割引率については、市場金利及び市場環境の現在及び過去の事実に基づく株主資本コストが主要な仮定であります。
(3) 翌事業年度の財務諸表に与える影響
当事業年度末において実質価額の算定に使用した主要な仮定は、合理的であると考えております。しかしながら、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化により、実質価額の算定における主要な仮定が変化した場合、翌事業年度における子会社株式の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。