有価証券報告書-第16期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 16:02
【資料】
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【項目】
143項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社および当社グループ各社は、MUFGグループの中核企業の一つとして、MUFGグループの事業戦略を通じて信託銀行の機能を発揮し、総合金融グループとしてのシナジーを追求しております。MUFGグループは、2021年4月の新たな中期経営計画(2021年度版)のスタートに合わせ、次のとおり「MUFG Way」を制定し、当社も全ての活動の最も基本的な指針となるものとして、これを採択しております。

また、当社においても、2021年4月より新たな中期経営計画(2021年度版)をスタートさせましたが、新中期経営計画では、これまでも目指す姿として掲げていました「「安心・豊かな社会」を創り出す信託銀行」を引き続きサステナビリティ活動指針として掲げ、以下の4つの事業戦略を策定し、それを支える事業基盤を「人財育成・エンゲージメント」、「業務基盤・社会への貢献」として、お客さま、社会および株主等の全てのステークホルダーから評価をいただける信託銀行を目指して、経営に当たっております。


当社がサステナビリティ活動指針として掲げております「「安心・豊かな社会」を創り出す信託銀行」とは、当社が、様々な社会課題の解決を通じて、社会やお客さまの持続的な成長のためにたゆまぬ活動を続けていくことを意味しております。具体的には、当社が持つ「人財」、「ノウハウ・ナレッジ」、「アセット」を活用し、新しい商品やサービスを開発・提供していく事業活動と、社会貢献活動を通して、社会課題を解決していくことにより、「安心・豊かな社会」を創り出していきたいと考えております。
(2)経営環境
当連結会計年度の金融経済環境でありますが、世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大という未曾有の危機の中、感染拡大抑止のための経済活動制限が大きな下押し圧力となる1年となりました。第1四半期には感染第1波に伴い導入された行動制限を受けて、わが国や米国、欧州等の先進国を中心に数多くの国が大幅かつ急激な景気悪化を経験しました。その後、各国で大規模な金融緩和や財政支出が行われるとともに、第1波が下火となるに連れて各種措置が緩和され、第2四半期には前期の落ち込みからの反動もあり世界的に経済は大きくリバウンドしました。第3四半期以降は各地で感染が再拡大し、わが国も含め各国で行動制限の強化が景気回復の重石となる状況が続きましたが、一部の国でワクチン接種が本格化するなど前向きな動きも見られました。こうした中、欧州ではEUと英国の貿易協定が合意に至り、米国では大統領選挙の勝利を経て発足した民主党バイデン政権が大規模な追加経済対策を成立させるなど、政治・政策に係わる不透明感が一部払拭されました。
金融情勢に目を転じますと、日米株価は、コロナ禍を受け昨年度末に大きく落ち込みましたが、その後は、各種政策効果やワクチン普及による早期経済正常化への期待などを背景に持ち直しを続け、年度末時点で米国株価は歴史的な高値圏に、日本株価もバブル期以来となる高値圏にあるなど、コロナ禍前を上回る水準まで回復しました。他方、円の対ドル相場は、第3四半期までは総じて円高方向となり、2021年年初には一時1ドル102円台となりました。その後は、米国の追加経済対策成立による同国景気の早期回復期待から、金融市場でリスクオンの流れが強まる中、ドルが買われる展開となりました。金利については、各国が大規模な金融緩和策を講じたことで、第3四半期までは我が国を含め総じて低位で推移しましたが、第4四半期になると米国において景気回復期待から長期金利の上昇がみられました。
(3)対処すべき課題
当社は、高い専門性とMUFGグループの広大な顧客基盤を融合し、相続業務および不動産、年金、証券代行等に軸足を置いた信託型の「コンサルティング&ソリューションビジネス」を引き続き展開していくとともに、重要な成長領域である国内外のアセットマネジメント事業およびインべスターサービス事業にも一層注力し、お客さま、社会および株主等の全てのステークホルダーから評価をいただける信託銀行を引き続き目指してまいります。
① 各事業部門における課題
(リテール部門)
高齢化や認知症の社会問題化等に伴う不安に対して、お客さまの大切な財産を「増やす」「守る」「使う」「継承する」ことができる安心感を提供するために、多様なソリューションをワンストップで提供するパートナーでありたいと考えております。そのためには、お客さまの資産全体と向き合ってコンサルティングを提供する、総資産コンサルティングをさらに深めていくことが必要であり、そのための人財の育成が重要と考えております。
(法人マーケット部門)
法人のお客さまに対して、主に取り組むべき社会課題は、「お取引先企業の成長サポートを通じた日本経済発展への貢献」と「社会インフラの整備」と考えております。1点目につきましては、証券代行事業を通じたコーポレートガバナンス強化への対応をメインとして、企業年金制度の運営サポートや、信託の仕組みを使った資金調達の支援にも引き続き取り組んでまいります。2点目につきましては、不動産事業を通じて社会とその持続的発展を支える基盤づくりに貢献してまいりたいと考えております。
(受託財産部門)
少子高齢化を背景に、DB(確定給付企業年金)やDC(確定拠出年金)による資産形成の重要性が一層増してきている中で、時代の流れに合わせた商品開発を行い、運用会社として、また運用会社をサポートするサービスプロバイダーとして年金制度を支えていくことが最大のミッションであると考えています。アセットマネジメント事業では、商品ラインナップと運用力の強化を図ってまいります。国内法人のお客さま向けのオルタナティブ商品の拡充や、個人のお客さまのニーズに合ったご提案ができるような運用商品の拡充も推進し、さらに、ESG商品の提供や、投資先評価にESG目線を盛り込んだ投資判断を実行してまいります。またインベスターサービス事業においては、国民の資産運用や経済活動、世界の資本市場のサステナビリティを支えるため、不測の事態にも耐えうる強固な業務基盤を維持することが重要であると考えております。
(市場部門)
市場・金融規制に加え、市場参加者に対する社会からの目線の高まりなど、市場部門に係る事業環境は国内外で大きく変化しております。当社は、さらなるグローバル分散投資の進化・拡大や、機関投資家向けビジネスの拡大を図ることにより、安定した資金収益の確保に努めるとともに、資産運用会社等のお客さま向けの為替マネジメントサービス等アウトソースニーズに応えるサービス提供を引き続き行ってまいります。
上記の各部門における取組みに加え、さらに当社は、信託ビジネスのイノベーションへの取組みとして、シルバー金融ビジネス、インフラビジネス、データ信託を柱とした新商品・新サービスの創出、デジタル技術を活用したお客さまの課題解決にも挑戦してまいります。
② 業務効率化・業務スタイル変革
経費のモニタリング、商品や事業の新陳代謝の仕組み化、手続きのオンライン化や内部事務のペーパーレス化・自動化、働き方に応じたオフィスの見直し、新しいコミュニケーション手段の導入等により、業務効率化と業務スタイルの変革に取り組んでまいります。
③ 当社を支える基盤となる取組みと持続可能な社会実現への貢献
当社は、国内外の各種法令・制度改正への厳格な対応等、コンプライアンスの徹底とリスク管理の一層の高度化を引き続き推進するとともに、信託銀行として求められる高度な企業倫理を果たすべく、当社役職員に求められる思考様式・行動様式を制定した「三菱UFJ信託銀行のFiduciary Duty」の更なる浸透を図ってまいります。
また、サステナビリティ活動指針として掲げております「「安心・豊かな社会」を創り出す信託銀行」として、事業活動や社会貢献活動を通じて、さまざまな社会課題を解決し、当社が持つ「人財」「ノウハウ・ナレッジ」「アセット」を活用して、新しい商品、新しいサービスの提供など、具体的なアクションを続けてまいります。
加えて、お客さま本位の業務運営の更なる高度化を図るために、その取り組みを定期的に公表・見直しするとともに、引き続きお客さまの利益に適う商品・サービスの提供に努めてまいります。
また、運用機関としての一層のガバナンス強化を図るために、取締役会傘下の第三者機関である「スチュワードシップ委員会」による当社のスチュワードシップ活動についての定期的なモニタリングの実施、利益相反管理の強化や議決権行使結果の公表の充実等、運用機関としてのスチュワードシップ活動の実効性を更に高めるための施策を引き続き実行してまいります。
④ 新型コロナウイルス感染症の広がりがもたらす変化への対応
当社は、在宅勤務の進展等に伴う法人のお客さまの不動産ニーズの変化や、ワークスタイルの変化に伴う新たな人事課題など、新型コロナウイルス感染症の広がりがもたらすお客さまの行動様式や社会構造の変化に伴う新たな社会課題の解決に引き続き取り組んでいくとともに、当社としてのお客さまとの接点のありかたや、当社社員の新しい働き方を含む、会社運営そのものの見直しにも引き続き取り組んでまいります。
(4)目標とする経営指標
当社の親会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの中期経営計画では、中期経営計画の最終年度である2023年度の財務目標の水準を以下のとおり設定しております(2021年5月公表)。
[ROE目標・資本運営のターゲット]

[ROE目標達成に向けての3つのドライバー]

*1.バーゼルⅢ規制見直しの最終化によるリスク・アセット増加影響を反映させた試算値。その他有価証券評 価差額金を除く
*2.親会社株主に帰属する当期純利益
*3.中長期の経費率目標(60%程度)は不変

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