有価証券報告書-第113期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1)業績の概況
以下の業績の概況は、「第1[企業の概況] 1[主要な経営指標等の推移]」および「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表]」の部とあわせてご覧ください。また、以下の内容には、一部、将来に対する予測が含まれており、その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれています。野村の実際の経営成績はここに記載されている将来に対する予測と大きく異なる可能性があります。
事業環境
日本
日本経済は、緩やかな拡大を見せました。実質GDP(国内総生産)の推移を振り返ると、2016年1-3月期に前期比年率1.9%増と高めの伸びとなった後も、4-6月期は同2.2%増、7-9月期は同1.2%増、10-12月期も同1.2%増と増加を続けました。個人消費が粘り強く伸びたのは、食料品などの値上げ懸念が和らいだことなどが背景と考えられます。世界的な製造業活動の持ち直しとともに、7-9月期以降は日本からの輸出も明確な増加基調に入りました。設備投資も持ち直しの動きを見せており、2017年3月の日本銀行短期経済観測調査によれば、企業の2017年度設備投資計画は強めとなっています。一方、2016年前半はまだ景気の先行きに対する不安が強かったこと、特に6月の国民投票で英国民がEU(欧州連合)からの離脱を選択したことの影響に対する懸念などを踏まえ、政府は8月に事業規模28.1兆円に上る景気対策を策定しました。また、2017年1月に発足した米国トランプ政権については、その対日政策は依然不透明ですが、両国は2月の首脳会談において、日本の副首相、米国の副大統領による経済対話の創設で合意しました。日本銀行は2016年9月に、2013年以降の金融緩和政策の効果を振り返る「総括的な検証」を公表し、それまでの金融緩和政策はデフレ脱却に向けて効果を発揮したこと、金利が低すぎることの副作用の可能性などを指摘しました。そのうえで、日本銀行は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入、金融政策における操作目標を、量についての記述を残しながらも原則的に金利へと変更し、2%の物価安定の目標達成に向け長期的な視野で取り組む姿勢を鮮明にしています。
企業業績は、2016年度が2015年度に比べて円高ドル安となったため、輸出業種を中心に苦戦する業種が見られたものの、原油価格など国際商品市況が反発したことの恩恵を受ける業種や、内需業種の一角が増益となりました。全体では2年ぶりの増益となった模様です。増益寄与が大きかったのは、前年度に悪化した業績が国際商品市況の回復などによって反動増となった商社と化学、低金利を背景に需要が緩やかに回復傾向にある住宅・不動産、経費削減や非通信事業の拡大が業績の下支えとなった通信などの業種でした。一方、減益寄与が大きかったのは、2015年度比で円高ドル安の逆風の影響を強く受ける自動車、原子力発電所の稼働の遅れや、電力小売り全面自由化に伴う電気料金値下げが影響した公益、民間航空機事業のコスト削減の遅れや減産、船舶海洋事業での追加費用発生などが響いた機械、供給過剰でコンテナ船の市況が一段と悪化して、サブセクターの海運が赤字に転落する見込みの運輸でした。4月7日集計時点の2017年3月期の主要企業(Russell/Nomura Large Cap)の推定経常利益は前期比1%増益となり、2016年3月期の同1%減益から改善しました。
株式市場は、米国の金融引締めのペースが市場の予想よりも緩やかになりそうだとの見方から、円高ドル安による企業業績の減速に対する懸念が強まりました。また、6月に英国で実施されたEU離脱の賛否を問う国民投票では、英国のEU離脱に対する賛成派が過半数を占めたことで、欧州経済の先行きに対する懸念が強まりました。これを受けて、日本株は一時、日経平均で15,000円を下回る水準まで急落しました。しかし、7月の参議院議員選挙で与党が勝利して経済対策への期待が浮上したこと、日本銀行がETF(上場投資信託)を買い入れるペースを総額年間約6兆円に引き上げたこと、米国の経済指標に米国景気の堅調さを示すものが増えたことなどから、日本株は底堅く推移しました。11月の米国大統領選挙では、共和党のトランプ氏が勝利しました。選挙結果判明直後は、米国政治の先行き不透明感から日本株が一時大幅に下落しました。しかし、インフラ投資など財政支出拡大というトランプ氏の経済政策に対する期待感から、米国を中心に世界の株式市場は上昇しました。為替市場では一時1ドル118円台まで円安ドル高が進んだこともあり、日本株も同様に上昇に転じて、12月半ばまでは日経平均で19,000円台半ばに上昇するなど堅調な値動きが続きました。2017年に入ると、米国新政権の政策運営を注視したいとの思惑から円安ドル高に歯止めがかかり、日本株の上値は重くなったものの、日銀によるETF買入が株価を支えました。代表的な株価指数である東証株価指数(以下「TOPIX」)は2016年3月末の1,347.20ポイントから、2017年3月末には1,512.60ポイントと12.3%上昇しました。また、日経平均株価は2016年3月末の16,758.67円から、2017年3月末には18,909.26円と12.8%上昇しました。
日本国債の利回りは、7月末までは低下傾向、それ以降は上昇傾向となりました。日本銀行による2016年1月のマイナス金利政策導入後に急低下した新発10年国債利回りは、2月後半以降はマイナス圏で定着していましたが、6月に英国が国民投票でEUからの離脱を選択するとさらにマイナス幅が拡大、7月には一時マイナス0.3%に達しました。ただし、日本銀行が7月末の金融政策決定会合において、それまでの政策効果についての「総括的な検証」を行うと表明したことをきっかけに、行き過ぎた緩和政策が見直されるのではないかとの観測が強まり、新発10年国債利回りはマイナス0.1%を上回る水準に上昇しました。実際日本銀行は、上述のように9月に「総括的な検証」を公表するとともに、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入、10年国債利回りが0%程度で推移するように長期国債の買入れを行う方針を打ち出しました。11月の米国大統領選挙において、多くの予想に反しトランプ氏が当選すると、大型財政政策への期待から米国の長期金利が大きく上昇、それとともに日本の新発10年国債利回りもプラス圏に回帰し、2017年の1-3月期は概ね0~0.1%の間で推移し、3月末に0.065%となりました。
外国為替市場では、英国や米国での政治イベントに強く影響されながら、ドル円は両方向に大きく変動しました。2016年3月末のドル円は1ドル=112円台でした。年度初めのドル円は、2016年1月以降の円高基調を引き継ぎました。中国景気を中心にグローバル景気減速に対する懸念が根強く残る中、米国の追加利上げ期待が低迷、さらには6月に英国においてEU離脱を問う国民投票が控えるなど政治リスクへの警戒感から、ドル売りの受け皿として円が買われました。英国の国民投票で、EU離脱が選択された直後には、一時的に1ドル=100円割れの円高となりました。その後も、11月の米大統領選への警戒によりドル円の上値は重く、1ドル=100~105円での推移が長引きました。2016年11月の米大統領選挙後は、世界経済への楽観的な見方が強まり、米金利の上昇とともに、ドル円は12月半ばには118円台まで駆け上がりました。大幅な円安の背後には、日本銀行が2016年9月の金融政策決定会合以降に導入した「イールドカーブ・コントロール」政策により円10年金利は0%前後に固定されていたことによる、米日金利差拡大も助けになりました。年明け後は、米新政権に対する市場の期待感の低下や、4月~5月に予定されるフランス大統領選への警戒感などから、2017年3月末時点では111円台までドル安・円高が進んでいます。一方、ユーロ円は、2016年度は1ユーロ=128円台でスタートしましたが、英国民投票結果を受けて急落、7月から10月にかけては111~117円での推移となりました。11月の米大統領選後にはグローバルに金利が上昇する中、円金利は事実上固定化されたため、欧日金利差が拡大。ユーロ円は12月には1ユーロ=122円台まで上昇しました。その後はグローバル金利の動きに影響されながらも、フランス大統領選など地政学リスクへの警戒から低下傾向を強め、2017年3月末時点では118円台へと、ユーロ安・円高が進んでいます。
海外
世界経済全体では、地域ごとに異なる動きが見られるものの、緩やかな成長回復が続いています。米国は国内経済の堅調さや中国をはじめとするグローバルな景況感改善を背景に2016年12月と2017年3月に追加利上げを実施しました。日欧は依然として大規模な量的緩和を継続していますが、欧州では景況感の改善やインフレ率の上昇を背景に、緩和の出口政策に関する議論も市場で目立つようになってきました。中国では、公共投資の増加や自動車減税等の政策効果にも支えられ、総じて安定した成長を続けています。ブラジルやロシアなど、資源国・産油国の一部では依然として厳しい経済情勢が続いていますが、原油価格をはじめとする資源価格の底打ちもあり、既往の通貨安が一服、インフレ率低下などマクロ経済に安定化の兆しが見られます。
米国では、2016年1月に金融市場の変動が急拡大したことや、2016年6月に英国の国民投票でEU離脱が賛成多数となったことから、FRB(連邦準備制度理事会)は、利上げ開始から丸一年が経過した2016年12月まで二度目の利上げを実施することが出来ませんでした。しかし、中国経済の持ち直しや商品市場の安定、トランプ大統領当選後の株価上昇や消費者センチメントの改善などを受けて、FRBは経済見通しに対する下振れリスクが後退したと判断し、2017年の3月に三度目の利上げに踏み切りました。財政政策では、2016年も目立った動きは見られませんでしたが、トランプ政権の誕生によって、減税や公共事業の拡大、国防支出増額などが実現するという期待が高まりました。実質GDP成長率は、2016年の上期に低迷し、下期は持ち直したものの、2016年通年では前年比1.6%増と2015年の同2.6%増から減速しました。米ドルの為替レート上昇に歯止めがかかったことや原油価格の上昇を受けて、企業収益は2016年下期に前年比プラスに回復しました。米国株式市場は、2016年10月まで横ばい傾向で推移したものの、11月にトランプ氏が大統領に当選すると、企業収益に有利な政策が実施されるとの期待から上昇に転じました。ダウ工業株30種平均株価は、2016年3月末の17,685.09ドルから、2017年3月末の20,663.22ドルへ16.8%上昇しました。米国財務省証券10年利回りは、2016年3月末には1.77%程度でしたが、2017年3月末には2.39%程度となりました。
欧州では、2016年6月23日の英国国民投票において、英国国民がEU離脱を選択、市場の予想とは異なる結果となりました。これを契機に6月24日には世界的にリスク回避が進み、株価が下落しました。英国では、景気下振れリスクが懸念され、イングランド銀行は2016年8月には政策金利を0.25%に引き下げ、2017年1月末まで量的緩和政策を実施することを決定しました。一方、英国を含め、欧州の実体経済は良好に推移しました。特にユーロ圏では、2012年の欧州債務危機局面では手控えられた設備投資が増加、また、中東からの難民流入に伴いドイツ政府が難民関連の財政支出を増やしたことから、内需が好調に推移、2016年のユーロ圏実質GDP成長率は前年比1.7%増となり、2017年3月末のドイツの株価指数DAX指数は16年3月末に比べ23.6%上昇しました。このような中、ECB(欧州中央銀行)は16年12月に、デフレリスク後退も踏まえ、量的緩和政策の下での月額資産購入額を2017年4月以降減額する、いわゆる金融緩和の縮小を発表しました。これを受けて、市場ではECBに対する追加金融緩和期待が後退、また、ユーロ圏のインフレ率が2017年2月には前年比2.0%増とECBの目標水準に戻ったこともあり、独10年国債利回りは2017年3月末には0.3%台と2016年3月末の0.1%台を上回りました。
アジアでは、中国の2016年の実質GDP成長率は前年比6.7%増と、2014年の同7.3%増、2015年の同6.9%増から伸び率の減速が継続しているものの、安定方向にあります。不動産市況の回復と地方政府の資金繰り改善を背景に、国内の建設活動が2016年前半から持ち直し、景気安定に寄与しています。年後半に企業部門が在庫積み増しに転じたことも、鉱工業生産の堅調さにつながっています。当局は5月から鉄鋼および石炭産業などで過剰生産設備の解消に取り組んでおり、素材価格の上昇も追い風となって、国有企業を中心に企業部門の収益改善が見られました。中国を除くアジア地域は、米中の需要回復を受けて輸出が持ち直しているほか、景気刺激策の効果から内需が底堅く推移しています。インドでは2016年11月の高額紙幣廃止に伴う経済の一時的混乱から持ち直しており、インフラ整備の強化や、金融部門が抱える不良債権問題の解消および税制改革、対内直接投資に対する規制緩和、といった構造改革が続いています。インドネシアは燃料補助金の撤廃や租税特赦(タックス・アムネスティ)による財政状況の改善を追い風として、インフラ投資の拡大を政府は打ち出しています。また、フィリピンは旺盛な内需、健全な財政状況、低い債務比率が景気に寄与すると見込まれます。
エグゼクティブ・サマリー
当期の世界経済は、地域ごとに異なる動きが見られるものの、緩やかな成長回復が続きました。米国では、実質GDP成長率が2016年の上期に低迷し、下期は持ち直したものの、2016年通年では前年に比べて減速となりました。ただし、FRB(連邦準備制度理事会)は経済見通しに対する下振れリスクが後退したと判断し、2016年12月以降に二回の利上げを実施しました。欧州では、設備投資の増加や財政支出拡大などにより、英国を含めて実体経済は良好に推移しました。また、アジア地域は米中の需要回復を受けて輸出が持ち直しているほか、景気刺激策の効果から内需が底堅く推移しています。
一方、日本経済は、緩やかな拡大を見せました。世界的な製造業活動の持ち直しとともに、7-9月期以降は日本からの輸出も明確な増加基調に入りました。設備投資も持ち直しの動きを見せております。また、2017年1月に発足した米国トランプ政権については、両国は2月の首脳会談において、日本の副首相、米国の副大統領による経済対話の創設で合意しました。
東証株価指数(TOPIX)は2016年3月末の1,347.20ポイントから、2017年3月末には1,512.60ポイントに、また日経平均株価も2016年3月末の16,758.67円から、2017年3月末には18,909.26円と上昇しました。また、2016年3月末に1ドル=112円台で終わった円ドル相場は、英国国民投票や米国大統領選挙などの政治イベントに強く影響されながら両方向に大きく変動し、2017年3月末には111円台となりました。国債利回りは、マイナス金利政策の下で7月末までは低下傾向が続きました。それ以降は、行き過ぎた緩和政策が見直されるのではないかとの観測や、米国の長期金利上昇などの影響で上昇傾向に転じ、2017年3月末に新発10年国債利回りは0.065%となりました。
金融規制に関しては、自己資本比率・流動性比率・レバレッジ比率等、バーゼルⅢと呼ばれる規制の適用に加え、当社は「国内のシステム上重要な銀行」のひとつに指定されており、国内外の金融機関に対する監督強化のための広範囲な規制改革に引き続き注意深く対応することが必要となっております。
このように当社を取り巻く環境が大きく変動する中、野村グループでは、「すべてはお客様のために」という基本観のもと、国内では、営業部門におけるビジネスモデルの変革への取組みを継続するとともに、海外では、欧州・米州ビジネスの戦略的見直しを行い、収益性の改善に努めてまいりました。営業部門は、投資一任残高が着実に増加した一方、アセット・マネジメント部門は、資金流入等により運用資産残高が過去最高を更新しました。また、ホールセール部門は、コスト水準を大幅に引き下げたことに加え、好調な金利関連ビジネス等を背景にフィクスト・インカムが収益を伸ばしました。
その結果、当期の収益合計(金融費用控除後)は、前期比0.5%増の1兆4,032億円、金融費用以外の費用は同12.2%減の1兆804億円となりました。税引前当期純利益は3,228億円、当社株主に帰属する当期純利益は2,396億円となりました。自己資本利益率は8.7%となり、また、当期のEPS(注)は前期の35.52円から65.65円となっております。なお、2017年3月末を基準日とする配当金は、1株当たり11円とし、年間での配当は1株につき20円といたしました。
(注)希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益
2017年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、前期比14.0%減の3,744億円、金融費用以外の費用は同2.7%減の2,996億円となりました。その結果、税引前当期純利益は同41.4%減の748億円となりました。営業部門では、「すべてはお客様のために」という基本観のもと、「お客様の信頼と満足度を高めることで、ビジネスを拡大すること」、その結果として「多くの人に必要とされる金融機関になること」を目指し、ビジネスモデルの変革に取り組んでまいりました。当期は先行きが不透明な市場環境を背景に、株式や投資信託・保険契約の販売が減速する中、お客様お一人おひとりの悩みやご要望をヒアリングし、最適なソリューションを提供する、コンサルティング営業への取組みを継続しました。この結果、投資一任残高の拡大等により、収入の安定化が着実に進捗しています。また、お客様からお預りしている資産の残高も前期末比で増加しており、過去最高に近い水準となっています。
2017年3月期のアセット・マネジメント部門の収益合計(金融費用控除後)は、前期比4.2%増の994億円、金融費用以外の費用は同2.8%減の571億円となりました。その結果、税引前当期純利益は同15.5%増の423億円となりました。投資信託ビジネスでは、マネーファンドから資金流出がありましたが、地域金融機関向けの私募投信やETFへの資金流入が運用資産残高の増加へ寄与しました。また、投資顧問ビジネスでは、国内公的年金から資金流入が継続しました。海外ではハイ・イールド・プロダクトを中心に資金が流入しました。この結果、2017年3月末の運用資産残高は前期末比で増加しております。また、当期は、戦略的パートナーのアメリカン・センチュリー・インベストメンツ社からの配当収入が収益へ寄与しています。
2017年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、前期比2.6%増の7,393億円、金融費用以外の費用は、欧州・米州ビジネスの戦略的見直しにより、人件費を中心に費用水準が大幅に低下し、同18.0%減の5,778億円となりました。その結果、税引前当期純利益は同948.0%増の1,614億円となりました。グローバル・マーケッツは、海外での業績が回復し、前期比増収となりました。特にフィクスト・インカム関連ビジネスが、顧客フローの拡大から大幅な増収となり、市場出来高の低迷によるエクイティ関連ビジネスの減収をカバーしました。地域別では、米州および欧州では前期比大幅な増収となり、日本およびアジアでも、前期比並みの収益を確保いたしました。インベストメント・バンキングは、日本は株式発行額が大きく減少する中、大型IPOでジョイント・グローバル・コーディネーターを務める等、多数の案件に関与し株式引受のリーグテーブルで首位となりました。海外は2010年3月期以降で最高収益となった米州を中心に実績を積み上げ、前期比増収となりました。また、地域間や部門間の連携を促進し、世界各地でM&A案件およびこれに付随するファイナンスや金利・為替などのソリューション案件等を多数手掛けました。
経営成績
損益概況
野村の主要な連結損益計算書情報は以下のとおりであります。
2017年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2016年3月期の1兆3,957億円から1%増加し、1兆4,032億円となりました。グローバル・マーケッツでの金利、スプレッドプロダクトの好調を背景に、米州、欧州で増収となりました。委託・投信募集手数料は、株式買付額や投資信託募集買付額の減少により、株式委託手数料や投信募集手数料が減少したことなどから前期比24%減少し、4,320億円から3,271億円となりました。投資銀行業務手数料は、大型のECM案件が少なかったことなどから前期比22%減少し、1,183億円から926億円になりました。アセットマネジメント業務手数料は、年初運用資産残高が低調に推移したことなどから前期比5%減少し、2,290億円から2,165億円になりました。トレーディング損益は、主にフィクスト・インカム関連ビジネスでの増収により前期比34%増加し、3,540億円から4,756億円となりました。またトレーディング損益には、デリバティブ負債に対して認識する自社クレジットの変化による損失額208億円が含まれております。この損失は主にクレジット・スプレッドの縮小に起因するものであります。プライベート・エクイティ投資関連損益は、2016年3月期の三井生命株式売却益が剥落したことから前期比90%減少し、138億円から14億円になりました。その他は前期比2%減少し、1,565億円から1,536億円になりました。
なお、2016年4月に会計基準アップデート(以下「ASU」)第2016-01号「金融資産および金融負債の認識と測定」を早期適用した結果、公正価値オプションを適用した金融負債に対する自社クレジットの変化に起因する公正価値の変動は、その他の包括利益に計上されています。これにより、2017年3月期において、121億円の損失が損益ではなく、その他の包括利益として認識されております。ASU2016-01の早期適用に関する詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 1 会計処理の原則および会計方針の要旨:会計方針の変更および新しい会計基準の公表」をご参照ください。
2016年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2015年3月期の1兆6,042億円から13%減少し、1兆3,957億円となりました。グローバル・マーケッツでのフィクスト・インカム関連ビジネスからの収益が、厳しいビジネス環境により大きく減少しました。また、モンテパスキ銀行(以下「MPS」)との訴訟和解も影響し、前期比で減収となりました。委託・投信募集手数料は、日本地域における投資信託募集買付額の減少により、投信募集手数料が減少したことなどから前期比5%減少し、4,534億円から4,320億円となりました。投資銀行業務手数料は、M&A、ECMやファイナンスに付随するソリューション・ビジネスからの収益が増加したことなどから前期比24%増加し、951億円から1,183億円になりました。アセットマネジメント業務手数料は、ETFや投資一任向け商品への資金流入による運用資産残高の拡大などから前期比13%増加し、2,034億円から2,290億円になりました。トレーディング損益は、主にフィクスト・インカム関連ビジネスからの収益が減少したほか、MPSとの訴訟和解もあり前期比33%減少し、5,313億円から3,540億円となりました。またトレーディング損益には、デリバティブ負債および公正価値オプションを適用した金融負債に対して認識する自社クレジットの変化による収益283億円が含まれております。この収益は主にクレジット・スプレッドの拡大に起因するものであります。プライベート・エクイティ投資関連損益は、前期比150%増加し、55億円から138億円になりました。その他は、保有する足利ホールディングス株式の評価損や持分法投資先からの利益取込額が減少したことにより前期比11%減少し、1,757億円から1,565億円になりました。
2015年3月期、2016年3月期および2017年3月期の純金融収益は、それぞれ1,104億円、1,126億円、1,287億円でした。純金融収益は、トレーディング資産およびレポ・リバースレポ取引を含む総資産・負債の水準と構成、ならびに、金利の期間構造とボラティリティに左右されます。純金融収益は、トレーディング業務と不可分な1つの要素であり、野村は、特にグローバル・マーケッツについて、純金融収益と金融収益以外の収益との合計額で、ビジネス全体の収益性を評価しております。2017年3月期においては、アメリカン・センチュリー・インベストメンツ社からの配当を含む金融収益は前期比横ばいだった一方、金融費用は前期比5%減少し、その結果、2017年3月期の純金融収益は2016年3月期から161億円増加しました。2016年3月期においては、主に配当収入とリバース・レポにおける金利収入が増加し金融収益が前期比1%増加した一方、金融費用は前期比横ばいとなり、その結果、2016年3月期の純金融収益は2015年3月期から23億円増加しました。
野村は、投資持分証券関連損益として、2015年3月期、2016年3月期、および2017年3月期に、それぞれ294億円、△205億円、77億円を計上しています。この項目は、野村が営業目的で保有する株式等の評価損益と売買損益が含まれます。これらの投資は、取引促進の目的で長期保有する関連会社以外の投資持分証券です。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、2016年3月期の1兆2,305億円から12%減少し1兆804億円となりました。米州、欧州の戦略的見直しによる人員減少による人件費の減少により前期比で減少しました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、2015年3月期の1兆2,574億円から2%減少し1兆2,305億円となりました。欧州地域および米州地域におけるホールセールビジネスの見直しによる退職関連費用を計上した一方で、人件費や支払手数料の減少により前期比で減少となりました。
2015年3月期の金融費用以外の費用は、2014年3月期の1兆1,955億円から5%増加し1兆2,574億円となりました。アセットマネジメントにおける支払手数料の増加や新たに連結子会社化したアジア拠点での費用、海外地域における円安による為替の影響により前期比で増加となりました。
税引前当期純利益は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ3,468億円、1,652億円、3,228億円となりました。
野村は、日本においてさまざまな税金を課されており、日本の税法に基づき連結納税制度を適用しております。この連結納税制度は、国税だけを対象としています。国内の法定実効税率は、2015年3月期は36%、2016年3月期は33%、2017年3月期は31%となっております。海外子会社は現地で課税を受けており、通常国内より低い税率が適用されています。そのため野村の各期の実効税率は、各地域での損益状況や、各地域で適用される特有の税務上の取扱いにも影響を受けています。
2017年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は802億円、実効税率は24.9%となりました。この実効税率24.9%と法定実効税率31%の差異の重要な要因は、評価性引当金の増減により10.8%実効税率が引き下げられた一方で、損金に算入されない費用項目により2.9%実効税率が引き上げられたことがあげられます。
2016年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は226億円、実効税率は13.7%となりました。この実効税率13.7%と法定実効税率33%の差異の重要な要因は、評価性引当金の増減により36.1%実効税率が引き上げられた一方で、子会社・関連会社株式等の評価減の税務上の認容見込みにより54.8%実効税率が引き下げられたことがあげられます。
2015年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は1,208億円、実効税率は34.8%となりました。この実効税率34.8%と法定実効税率36%の差異の重要な要因は、損金に算入されない費用項目により5.9%、評価性引当金の増減により5.1%実効税率が引き上げられた一方で、益金に算入されない収益項目により4.7%実効税率が引き下げられたことがあげられます。
当社株主に帰属する当期純利益は2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ2,248億円、1,316億円、2,396億円となりました。自己資本純利益率(ROE)は、それぞれ8.6%、4.9%、8.7%となりました。
事業セグメント別経営成績
野村の業務運営および経営成績の報告は、営業部門、アセット・マネジメント部門、ホールセール部門の区分で行われており、この部門体制に基づき、事業別セグメント情報を開示しております。投資有価証券の利益(損失)、関連会社利益(損失)の持分額、本社勘定、その他財務調整項目等は、事業セグメント別情報においては、“その他”として表示されています。営業目的で保有する投資持分証券評価損益は、セグメント情報には含まれておりません。なお、事業セグメント別経営成績については、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 21 セグメントおよび地域別情報」にも記載がございます。また、そこでは、連結財務諸表数値と事業セグメント別数値の調整計算についても説明がありますのでご参照ください。
営業部門
野村の営業部門は、お客様へのコンサルティングとそれに基づく運用提案を中心とする営業活動を継続して行っており、その過程の中で手数料等を受け取っております。また、投資信託の運用会社からは野村が販売した投資信託の代行報酬を、保険会社からは野村が代理店として販売した保険の代理店手数料を受け取っております。
営業部門の経営成績
2017年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、不安定な市場環境を背景にお客様の様子見姿勢が継続した結果、2016年3月期の4,356億円から14%減少し、3,744億円となりました。
2016年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、8月以降の市況悪化を受けて株式・投信等の売買が減速したことにより、2015年3月期の4,765億円から9%減少し、4,356億円となりました。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、人件費の減少等から2016年3月期の3,080億円から3%減少し、2,996億円となりました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、人件費やIT費用の減少等から2015年3月期の3,147億円から2%減少し、3,080億円となりました。
税引前当期純利益は2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ1,618億円、1,276億円、748億円となりました。
下の表は、2016年3月期、2017年3月期の金融収益以外の収益の内訳を示しています。
2017年3月期の委託・投信募集手数料は、株式・投信等の売買が減速したことにより、2016年3月期の2,203億円から22%減少し、1,718億円となりました。2017年3月期のトレーディング損益は、2016年3月期の864億円から1%減少し、853億円となりました。2017年3月期の投資銀行業務手数料は、大型ECM案件の減少などにより、2016年3月期の359億円から24%減少し、273億円となりました。2017年3月期の投資信託残高報酬は、年度前半における顧客資産残高の減少に伴い、2016年3月期の853億円から4%減少し、818億円となりました。2017年3月期のその他は、2016年3月期の21億円から59%増加し、33億円となりました。
営業部門顧客資産残高
下の表は、2016年3月末、2017年3月末の営業部門顧客資産残高と、その内訳を示しています。
2017年3月末の営業部門顧客資産残高は、2016年3月末の100.6兆円から7.1兆円増加し、107.7兆円となりました。日本におけるマーケット環境の好転により株式関連資産が2016年3月末の60.2兆円から6.1兆円増加し、66.3兆円となりました。また、2017年3月末の投資信託残高は、2016年3月末の17.3兆円から0.1兆円増加し、17.4兆円となりました。
2016年3月末の営業部門顧客資産残高は、2015年3月末の109.5兆円から8.9兆円減少し、100.6兆円となりました。日本におけるマーケット環境の悪化により株式関連資産が2015年3月末の67.2兆円から7.0兆円減少し、60.2兆円となりました。また、2016年3月末の投資信託残高は、2015年3月末の19.4兆円から2.1兆円減少し、17.3兆円となりました。こちらも主にマーケット環境の悪化によるものです。
アセット・マネジメント部門
アセット・マネジメント部門は、野村アセットマネジメントを中心に、野村證券を含む証券会社や銀行、ゆうちょ銀行・郵便局を通じて販売される投資信託の開発・運用や、内外の年金その他の法人顧客に対する投資顧問業を行い、投資信託の運用報酬や投資顧問報酬を受け取っています。
アセット・マネジメント部門の経営成績
2017年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、運用資産残高の拡大や配当収入等が貢献し、2016年3月期の954億円から4%増加し、994億円となりました。
2016年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、運用資産残高の拡大などから、2015年3月期の924億円から3%増加し、954億円となりました。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、費用の抑制的な運用により、2016年3月期の587億円から3%減少し571億円となりました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、前年度計上した一過性の費用が剥落したことなどから、2015年3月期の603億円から3%減少し587億円となりました。
税引前当期純利益は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ321億円、367億円、423億円となりました。
下の表は、2016年3月末、2017年3月末のアセット・マネジメント部門の運用会社別の運用資産残高を示しています。
2017年3月末におけるアセット・マネジメント部門の運用資産は44.4兆円で、2015年3月末比で5.1兆円の増加(うち資金流出入により5.4兆円増加、時価要因により0.3兆円減少)、2016年3月末比で4.3兆円の増加(うち資金流出入により1.5兆円、時価要因により2.7兆円それぞれ増加)となりました。投資信託ビジネスでは、ETFや投資一任向け商品、私募投信への資金流入が続きました。投資顧問ビジネスでは、国内顧客、海外顧客とも運用の受託が増加しました。
下の表は、2015年、2016年、2017年それぞれの3月末時点の、野村アセットマネジメントの日本の投資信託市場におけるシェア(純資産残高ベース)を示しています。
2017年3月末における野村アセットマネジメントの運用資産残高に占める国内投資信託残高は、29.3兆円と、対前期比3.1兆円、12%増加しました。その内訳は、1.8兆円の資金流入と1.3兆円の運用増によるものです。主に「TOPIX連動型上場投資信託」「日経225連動型上場投資信託」といった上場投資信託で残高が増加しました。
2016年3月末における野村アセットマネジメントの運用資産残高に占める国内投資信託残高は26.2兆円と、前期比でほぼ同水準でした。その内訳は、2.9兆円の資金流入と2.9兆円の運用減によるものです。個別ファンドでは、「野村日本企業価値向上オープン」、「野村テンプルトン・トータル・リターン」、「野村ファンドラップ外国債券」などの残高が増加しました。
ホールセール部門
ホールセール部門の経営成績
ホールセール部門の経営成績はグローバル・マーケッツとインベストメント・バンキングにより構成されています。
2017年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、2016年3月期の7,203億円から3%増加し、7,393億円となりました。エクイティとインベストメント・バンキングが減収となった一方で、フィクスト・インカムにおいては、金利やスプレッド・プロダクトが好調で増収となりました。
2016年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、2015年3月期の7,899億円から9%減少し、7,203億円となりました。エクイティとインベストメント・バンキングが増収となった一方で、フィクスト・インカムにおいて、クレジットや証券化商品といったスプレッド・プロダクトが苦戦し、減収となりました。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、2016年3月期の7,049億円から18%減の5,778億円となりました。欧州・米州ビジネスの戦略的見直しにより、人件費を中心に費用水準が大幅に低下しました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、2015年3月期の7,077億円から0.4%減の7,049億円となりました。欧州地域および米州地域におけるホールセールビジネスの見直しによる退職関連費用を計上した一方で、人件費および支払手数料が減少しました。
税引前当期純利益は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ822億円、154億円、1,614億円となりました。
グローバル・マーケッツ
野村は長年にわたって主に国内外の機関投資家を対象として、債券・株式や為替およびそれらのデリバティブ商品のセールスとトレーディングをグローバルに展開してきました。近年では、より多様化・複雑化するお客様からのご要望にお応えするため、トレーディング能力と商品組成能力の強化に取り組み、国内外の機関投資家のみならず、営業部門およびアセット・マネジメント部門にさまざまな高付加価値商品を提供すると同時に、インベストメント・バンキングとも協働し、付加価値の高いソリューションを提供しています。また、国内外の機関投資家に加えて、国内の富裕層・諸法人や地域金融機関、国内外の政府機関や金融機関・事業法人などと強固な関係を構築し、ビジネスを拡大しております。これにより、お客様がどのような商品を求めているかを把握し、そのニーズに合わせた商品を国内外のプロダクトラインにおいて迅速に開発・提供することが可能となっております。
次の表はグローバル・マーケッツの財務データを示しております。これらは管理会計ベースで作成された米国会計原則に基づかない指標であり、ホールセール部門の財務情報として有益であると考えております。また、独立したビジネスラインとしてグローバル・マーケッツの業績を米国会計原則に基づかない指標で開示することにより、グローバル・マーケッツの動向を理解するうえで役立つと考えております。グローバル・マーケッツの財務データと、ホールセール部門の経営成績との調整については、下にあるグローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキングの財務データの調整表 をご参照ください。
2017年3月期のグローバル・マーケッツの収益合計(金融費用控除後)は、2016年3月期の6,003億円から7%増加し、6,431億円となりました。フィクスト・インカムの2017年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、2016年3月期の2,752億円から4,113億円となりました。年度後半に向けて英国のEU離脱をめぐる国民投票や米大統領選などの政治的イベントが終了して市場の方向性が定まり、顧客アクティビティが回復していく中で、金利、クレジットや証券化商品等のスプレッド・プロダクトを中心に増収となりました。エクイティの2017年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2016年3月期の3,251億円から2,319億円となりました。年度前半に顧客アクティビティが低調だったことのほか、欧州におけるエクイティビジネス見直しの影響や、2016年3月期にはChi-X株式の売却益も含まれていたことから、前期比では減収となりました。
2016年3月期のグローバル・マーケッツの収益合計(金融費用控除後)は、2015年3月期の6,834億円から12%減少し、6,003億円となりました。フィクスト・インカムの2016年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、2015年3月期の3,969億円から2,752億円となりました。クレジット・スプレッドの急速な拡大や流動性の低下、日銀のマイナス金利政策による市場の混乱でトレーディング環境が悪化する中で、スプレッド・プロダクトおよび金利プロダクトが減速し、減収となりました。エクイティの2016年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2015年3月期の2,865億円から3,251億円となりました。市場のボラティリティが高まる中で国内ビジネスが健闘したことに加え、米州におけるChi-X株式の売却益も寄与し、増収となりました。
なお、組織変更に伴い、過年度のフィクスト・インカムとエクイティの収益について組み替えて表示しております。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、欧州・米州ビジネスの戦略的見直しにより人件費を中心に費用が低下、2016年3月期の5,803億円から18%減少して、4,772億円となりました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、人件費および支払手数料が減少した一方で、円安に伴う海外拠点の円建てコスト増加が一部相殺し、2015年3月期の5,859億円から1%減少して、5,803億円となりました。
税引前当期純利益は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ975億円、200億円、1,660億円となりました。
インベストメント・バンキング
野村は、引受け、アドバイザリー等、多様なインベストメント・バンキング・サービスを提供しています。アジア、欧州、米国といった世界の主要な金融市場で、債券、株式、その他の引受業務を行っており、日本国内、クロスボーダーおよび海外のM&A/財務コンサルティング業務を継続的に強化してきました。また、グローバルでのオーダーメイド型サービス提供による、顧客との強固で長期的な関係を構築することを追求しております。
次の表はインベストメント・バンキングの財務データを示しております。これらは管理会計ベースで作成された米国会計原則に基づかない指標であり、ホールセール部門の財務情報として有益であると考えております。また、独立したビジネスラインとしてインベストメント・バンキングの業績を米国会計原則に基づかない指標で開示することにより、インベストメント・バンキングの動向を理解するうえで役立つと考えております。インベストメント・バンキングの財務データと、ホールセール部門の経営成績との調整については、下にあるグローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキングの財務データの調整表 をご参照ください。
(1) インベストメント・バンキング(グロス)は、インベストメント・バンキングで発生した投資銀行業務によるグロス収益を表しており、他のビジネスラインに帰属するためグローバル・マーケッツや他のビジネスセグメントに配分される収益を含んでおります。
(2) インベストメント・バンキングの報告数値を、当期の開示方法と整合させるために過去に遡り組み替えております。
(3) インベストメント・バンキングが他のビジネスラインの業務を含む場合は、インベストメント・バンキング(グロス)の数字を該当する他のビジネスラインに配分し、グローバル・マーケッツまたは他のセグメントの収益として適宜認識いたします。
2017年3月期のインベストメント・バンキングの収益合計(金融費用控除後)は、前年度に比べ大型のECM案件が少なかったことから、2016年3月期の1,200億円から20%減少し、961億円となりました。
2016年3月期のインベストメント・バンキングの収益合計(金融費用控除後)は、2015年3月期の1,065億円から13%増加し、1,200億円となりました。大型のM&AやECM案件、2015年11月の三井生命株式の売却益等が増収に寄与しました。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、欧州・米州ビジネスの戦略的見直しにより人件費を中心に費用が低下し、2016年3月期の1,246億円から20%減少し1,006億円となりました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、円安に伴う海外拠点の円建て費用の増加により、2015年3月期の1,218億円から2%増加し1,246億円となりました。
税引前当期純利益(損失)は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ△154億円、△46億円、△45億円となりました。
グローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキングの財務データの調整表
次の表は、ホールセール部門における収益合計(金融費用控除後)、金融費用以外の費用、税引前当期純利益における、グローバル・マーケッツおよび上述のインベストメント・バンキングの米国会計原則に基づかない指標の調整表であります。
(1) インベストメント・バンキング(グロス)は、インベストメント・バンキングで発生した投資銀行業務によるグロス収益を表しており、他のビジネスラインに帰属するためグローバル・マーケッツや他のビジネスセグメントに配分される収益を含んでおります。
(2) インベストメント・バンキングの報告数値を、当期の開示方法と整合させるために過去に遡り組み替えております。
(3) インベストメント・バンキングが他のビジネスラインの業務を含む場合は、インベストメント・バンキング(グロス)の数字を該当する他のビジネスラインに配分し、グローバル・マーケッツまたは他のセグメントの収益として適宜認識いたします。
その他の経営成績
その他の経営成績には、経済的ヘッジ取引に関連する損益、営業目的で保有する投資持分証券の実現損益、関連会社損益の持分額、本社勘定、その他の財務調整が含まれております。詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 21 セグメントおよび地域別情報」をご参照ください。
その他の経営成績は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ460億円、61億円、376億円の税引前当期純利益となりました。
2017年3月期に生じたデリバティブ負債に対する自社クレジットの変化に起因する損失166億円、カウンターパーティー・クレジット・スプレッドの変化に起因する利益88億円がその他の業績に含まれております。
なお、2016年4月にASU2016-01を早期適用した結果、公正価値オプションを適用した金融負債に対する自社クレジットの変化に起因する公正価値の変動は、その他の包括利益に計上されています。これにより、2017年3月期において、121億円の損失が損益ではなく、その他の包括利益として認識されております。ASU2016-01の早期適用に関する詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 1 会計処理の原則および会計方針の要旨:会計方針の変更および新しい会計基準の公表」をご参照ください。
2016年3月期に生じた公正価値オプションを適用した金融負債に対する自社クレジットの変化に起因する利益231億円、デリバティブ負債に対する自社クレジットの変化に起因する利益44億円、カウンターパーティー・クレジット・スプレッドの変化に起因する損失123億円がその他の業績に含まれております。
地域別経営成績
地域別の収益合計(金融費用控除後)、税引前当期純利益(損失)については「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 21 セグメントおよび地域別情報」をご参照ください。
キャッシュ・フロー
「第2[事業の状況] 6[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (5)流動性資金調達と資本の管理」をご参照ください。
(2)トレーディング業務の概要
トレーディング目的資産負債
トレーディング目的資産および負債の内訳については「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 2 公正価値測定 および 3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。
トレーディングのリスク管理
野村はトレーディング業務における市場リスクの測定方法として、バリュー・アット・リスク(VaR)を採用しております。
(1)VaRの前提
・信頼水準:99%
・保有期間:1日
・商品の価格変動等を考慮
(2)VaRの実績
以下の業績の概況は、「第1[企業の概況] 1[主要な経営指標等の推移]」および「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表]」の部とあわせてご覧ください。また、以下の内容には、一部、将来に対する予測が含まれており、その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれています。野村の実際の経営成績はここに記載されている将来に対する予測と大きく異なる可能性があります。
事業環境
日本
日本経済は、緩やかな拡大を見せました。実質GDP(国内総生産)の推移を振り返ると、2016年1-3月期に前期比年率1.9%増と高めの伸びとなった後も、4-6月期は同2.2%増、7-9月期は同1.2%増、10-12月期も同1.2%増と増加を続けました。個人消費が粘り強く伸びたのは、食料品などの値上げ懸念が和らいだことなどが背景と考えられます。世界的な製造業活動の持ち直しとともに、7-9月期以降は日本からの輸出も明確な増加基調に入りました。設備投資も持ち直しの動きを見せており、2017年3月の日本銀行短期経済観測調査によれば、企業の2017年度設備投資計画は強めとなっています。一方、2016年前半はまだ景気の先行きに対する不安が強かったこと、特に6月の国民投票で英国民がEU(欧州連合)からの離脱を選択したことの影響に対する懸念などを踏まえ、政府は8月に事業規模28.1兆円に上る景気対策を策定しました。また、2017年1月に発足した米国トランプ政権については、その対日政策は依然不透明ですが、両国は2月の首脳会談において、日本の副首相、米国の副大統領による経済対話の創設で合意しました。日本銀行は2016年9月に、2013年以降の金融緩和政策の効果を振り返る「総括的な検証」を公表し、それまでの金融緩和政策はデフレ脱却に向けて効果を発揮したこと、金利が低すぎることの副作用の可能性などを指摘しました。そのうえで、日本銀行は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入、金融政策における操作目標を、量についての記述を残しながらも原則的に金利へと変更し、2%の物価安定の目標達成に向け長期的な視野で取り組む姿勢を鮮明にしています。
企業業績は、2016年度が2015年度に比べて円高ドル安となったため、輸出業種を中心に苦戦する業種が見られたものの、原油価格など国際商品市況が反発したことの恩恵を受ける業種や、内需業種の一角が増益となりました。全体では2年ぶりの増益となった模様です。増益寄与が大きかったのは、前年度に悪化した業績が国際商品市況の回復などによって反動増となった商社と化学、低金利を背景に需要が緩やかに回復傾向にある住宅・不動産、経費削減や非通信事業の拡大が業績の下支えとなった通信などの業種でした。一方、減益寄与が大きかったのは、2015年度比で円高ドル安の逆風の影響を強く受ける自動車、原子力発電所の稼働の遅れや、電力小売り全面自由化に伴う電気料金値下げが影響した公益、民間航空機事業のコスト削減の遅れや減産、船舶海洋事業での追加費用発生などが響いた機械、供給過剰でコンテナ船の市況が一段と悪化して、サブセクターの海運が赤字に転落する見込みの運輸でした。4月7日集計時点の2017年3月期の主要企業(Russell/Nomura Large Cap)の推定経常利益は前期比1%増益となり、2016年3月期の同1%減益から改善しました。
株式市場は、米国の金融引締めのペースが市場の予想よりも緩やかになりそうだとの見方から、円高ドル安による企業業績の減速に対する懸念が強まりました。また、6月に英国で実施されたEU離脱の賛否を問う国民投票では、英国のEU離脱に対する賛成派が過半数を占めたことで、欧州経済の先行きに対する懸念が強まりました。これを受けて、日本株は一時、日経平均で15,000円を下回る水準まで急落しました。しかし、7月の参議院議員選挙で与党が勝利して経済対策への期待が浮上したこと、日本銀行がETF(上場投資信託)を買い入れるペースを総額年間約6兆円に引き上げたこと、米国の経済指標に米国景気の堅調さを示すものが増えたことなどから、日本株は底堅く推移しました。11月の米国大統領選挙では、共和党のトランプ氏が勝利しました。選挙結果判明直後は、米国政治の先行き不透明感から日本株が一時大幅に下落しました。しかし、インフラ投資など財政支出拡大というトランプ氏の経済政策に対する期待感から、米国を中心に世界の株式市場は上昇しました。為替市場では一時1ドル118円台まで円安ドル高が進んだこともあり、日本株も同様に上昇に転じて、12月半ばまでは日経平均で19,000円台半ばに上昇するなど堅調な値動きが続きました。2017年に入ると、米国新政権の政策運営を注視したいとの思惑から円安ドル高に歯止めがかかり、日本株の上値は重くなったものの、日銀によるETF買入が株価を支えました。代表的な株価指数である東証株価指数(以下「TOPIX」)は2016年3月末の1,347.20ポイントから、2017年3月末には1,512.60ポイントと12.3%上昇しました。また、日経平均株価は2016年3月末の16,758.67円から、2017年3月末には18,909.26円と12.8%上昇しました。
日本国債の利回りは、7月末までは低下傾向、それ以降は上昇傾向となりました。日本銀行による2016年1月のマイナス金利政策導入後に急低下した新発10年国債利回りは、2月後半以降はマイナス圏で定着していましたが、6月に英国が国民投票でEUからの離脱を選択するとさらにマイナス幅が拡大、7月には一時マイナス0.3%に達しました。ただし、日本銀行が7月末の金融政策決定会合において、それまでの政策効果についての「総括的な検証」を行うと表明したことをきっかけに、行き過ぎた緩和政策が見直されるのではないかとの観測が強まり、新発10年国債利回りはマイナス0.1%を上回る水準に上昇しました。実際日本銀行は、上述のように9月に「総括的な検証」を公表するとともに、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入、10年国債利回りが0%程度で推移するように長期国債の買入れを行う方針を打ち出しました。11月の米国大統領選挙において、多くの予想に反しトランプ氏が当選すると、大型財政政策への期待から米国の長期金利が大きく上昇、それとともに日本の新発10年国債利回りもプラス圏に回帰し、2017年の1-3月期は概ね0~0.1%の間で推移し、3月末に0.065%となりました。
外国為替市場では、英国や米国での政治イベントに強く影響されながら、ドル円は両方向に大きく変動しました。2016年3月末のドル円は1ドル=112円台でした。年度初めのドル円は、2016年1月以降の円高基調を引き継ぎました。中国景気を中心にグローバル景気減速に対する懸念が根強く残る中、米国の追加利上げ期待が低迷、さらには6月に英国においてEU離脱を問う国民投票が控えるなど政治リスクへの警戒感から、ドル売りの受け皿として円が買われました。英国の国民投票で、EU離脱が選択された直後には、一時的に1ドル=100円割れの円高となりました。その後も、11月の米大統領選への警戒によりドル円の上値は重く、1ドル=100~105円での推移が長引きました。2016年11月の米大統領選挙後は、世界経済への楽観的な見方が強まり、米金利の上昇とともに、ドル円は12月半ばには118円台まで駆け上がりました。大幅な円安の背後には、日本銀行が2016年9月の金融政策決定会合以降に導入した「イールドカーブ・コントロール」政策により円10年金利は0%前後に固定されていたことによる、米日金利差拡大も助けになりました。年明け後は、米新政権に対する市場の期待感の低下や、4月~5月に予定されるフランス大統領選への警戒感などから、2017年3月末時点では111円台までドル安・円高が進んでいます。一方、ユーロ円は、2016年度は1ユーロ=128円台でスタートしましたが、英国民投票結果を受けて急落、7月から10月にかけては111~117円での推移となりました。11月の米大統領選後にはグローバルに金利が上昇する中、円金利は事実上固定化されたため、欧日金利差が拡大。ユーロ円は12月には1ユーロ=122円台まで上昇しました。その後はグローバル金利の動きに影響されながらも、フランス大統領選など地政学リスクへの警戒から低下傾向を強め、2017年3月末時点では118円台へと、ユーロ安・円高が進んでいます。
海外
世界経済全体では、地域ごとに異なる動きが見られるものの、緩やかな成長回復が続いています。米国は国内経済の堅調さや中国をはじめとするグローバルな景況感改善を背景に2016年12月と2017年3月に追加利上げを実施しました。日欧は依然として大規模な量的緩和を継続していますが、欧州では景況感の改善やインフレ率の上昇を背景に、緩和の出口政策に関する議論も市場で目立つようになってきました。中国では、公共投資の増加や自動車減税等の政策効果にも支えられ、総じて安定した成長を続けています。ブラジルやロシアなど、資源国・産油国の一部では依然として厳しい経済情勢が続いていますが、原油価格をはじめとする資源価格の底打ちもあり、既往の通貨安が一服、インフレ率低下などマクロ経済に安定化の兆しが見られます。
米国では、2016年1月に金融市場の変動が急拡大したことや、2016年6月に英国の国民投票でEU離脱が賛成多数となったことから、FRB(連邦準備制度理事会)は、利上げ開始から丸一年が経過した2016年12月まで二度目の利上げを実施することが出来ませんでした。しかし、中国経済の持ち直しや商品市場の安定、トランプ大統領当選後の株価上昇や消費者センチメントの改善などを受けて、FRBは経済見通しに対する下振れリスクが後退したと判断し、2017年の3月に三度目の利上げに踏み切りました。財政政策では、2016年も目立った動きは見られませんでしたが、トランプ政権の誕生によって、減税や公共事業の拡大、国防支出増額などが実現するという期待が高まりました。実質GDP成長率は、2016年の上期に低迷し、下期は持ち直したものの、2016年通年では前年比1.6%増と2015年の同2.6%増から減速しました。米ドルの為替レート上昇に歯止めがかかったことや原油価格の上昇を受けて、企業収益は2016年下期に前年比プラスに回復しました。米国株式市場は、2016年10月まで横ばい傾向で推移したものの、11月にトランプ氏が大統領に当選すると、企業収益に有利な政策が実施されるとの期待から上昇に転じました。ダウ工業株30種平均株価は、2016年3月末の17,685.09ドルから、2017年3月末の20,663.22ドルへ16.8%上昇しました。米国財務省証券10年利回りは、2016年3月末には1.77%程度でしたが、2017年3月末には2.39%程度となりました。
欧州では、2016年6月23日の英国国民投票において、英国国民がEU離脱を選択、市場の予想とは異なる結果となりました。これを契機に6月24日には世界的にリスク回避が進み、株価が下落しました。英国では、景気下振れリスクが懸念され、イングランド銀行は2016年8月には政策金利を0.25%に引き下げ、2017年1月末まで量的緩和政策を実施することを決定しました。一方、英国を含め、欧州の実体経済は良好に推移しました。特にユーロ圏では、2012年の欧州債務危機局面では手控えられた設備投資が増加、また、中東からの難民流入に伴いドイツ政府が難民関連の財政支出を増やしたことから、内需が好調に推移、2016年のユーロ圏実質GDP成長率は前年比1.7%増となり、2017年3月末のドイツの株価指数DAX指数は16年3月末に比べ23.6%上昇しました。このような中、ECB(欧州中央銀行)は16年12月に、デフレリスク後退も踏まえ、量的緩和政策の下での月額資産購入額を2017年4月以降減額する、いわゆる金融緩和の縮小を発表しました。これを受けて、市場ではECBに対する追加金融緩和期待が後退、また、ユーロ圏のインフレ率が2017年2月には前年比2.0%増とECBの目標水準に戻ったこともあり、独10年国債利回りは2017年3月末には0.3%台と2016年3月末の0.1%台を上回りました。
アジアでは、中国の2016年の実質GDP成長率は前年比6.7%増と、2014年の同7.3%増、2015年の同6.9%増から伸び率の減速が継続しているものの、安定方向にあります。不動産市況の回復と地方政府の資金繰り改善を背景に、国内の建設活動が2016年前半から持ち直し、景気安定に寄与しています。年後半に企業部門が在庫積み増しに転じたことも、鉱工業生産の堅調さにつながっています。当局は5月から鉄鋼および石炭産業などで過剰生産設備の解消に取り組んでおり、素材価格の上昇も追い風となって、国有企業を中心に企業部門の収益改善が見られました。中国を除くアジア地域は、米中の需要回復を受けて輸出が持ち直しているほか、景気刺激策の効果から内需が底堅く推移しています。インドでは2016年11月の高額紙幣廃止に伴う経済の一時的混乱から持ち直しており、インフラ整備の強化や、金融部門が抱える不良債権問題の解消および税制改革、対内直接投資に対する規制緩和、といった構造改革が続いています。インドネシアは燃料補助金の撤廃や租税特赦(タックス・アムネスティ)による財政状況の改善を追い風として、インフラ投資の拡大を政府は打ち出しています。また、フィリピンは旺盛な内需、健全な財政状況、低い債務比率が景気に寄与すると見込まれます。
エグゼクティブ・サマリー
当期の世界経済は、地域ごとに異なる動きが見られるものの、緩やかな成長回復が続きました。米国では、実質GDP成長率が2016年の上期に低迷し、下期は持ち直したものの、2016年通年では前年に比べて減速となりました。ただし、FRB(連邦準備制度理事会)は経済見通しに対する下振れリスクが後退したと判断し、2016年12月以降に二回の利上げを実施しました。欧州では、設備投資の増加や財政支出拡大などにより、英国を含めて実体経済は良好に推移しました。また、アジア地域は米中の需要回復を受けて輸出が持ち直しているほか、景気刺激策の効果から内需が底堅く推移しています。
一方、日本経済は、緩やかな拡大を見せました。世界的な製造業活動の持ち直しとともに、7-9月期以降は日本からの輸出も明確な増加基調に入りました。設備投資も持ち直しの動きを見せております。また、2017年1月に発足した米国トランプ政権については、両国は2月の首脳会談において、日本の副首相、米国の副大統領による経済対話の創設で合意しました。
東証株価指数(TOPIX)は2016年3月末の1,347.20ポイントから、2017年3月末には1,512.60ポイントに、また日経平均株価も2016年3月末の16,758.67円から、2017年3月末には18,909.26円と上昇しました。また、2016年3月末に1ドル=112円台で終わった円ドル相場は、英国国民投票や米国大統領選挙などの政治イベントに強く影響されながら両方向に大きく変動し、2017年3月末には111円台となりました。国債利回りは、マイナス金利政策の下で7月末までは低下傾向が続きました。それ以降は、行き過ぎた緩和政策が見直されるのではないかとの観測や、米国の長期金利上昇などの影響で上昇傾向に転じ、2017年3月末に新発10年国債利回りは0.065%となりました。
金融規制に関しては、自己資本比率・流動性比率・レバレッジ比率等、バーゼルⅢと呼ばれる規制の適用に加え、当社は「国内のシステム上重要な銀行」のひとつに指定されており、国内外の金融機関に対する監督強化のための広範囲な規制改革に引き続き注意深く対応することが必要となっております。
このように当社を取り巻く環境が大きく変動する中、野村グループでは、「すべてはお客様のために」という基本観のもと、国内では、営業部門におけるビジネスモデルの変革への取組みを継続するとともに、海外では、欧州・米州ビジネスの戦略的見直しを行い、収益性の改善に努めてまいりました。営業部門は、投資一任残高が着実に増加した一方、アセット・マネジメント部門は、資金流入等により運用資産残高が過去最高を更新しました。また、ホールセール部門は、コスト水準を大幅に引き下げたことに加え、好調な金利関連ビジネス等を背景にフィクスト・インカムが収益を伸ばしました。
その結果、当期の収益合計(金融費用控除後)は、前期比0.5%増の1兆4,032億円、金融費用以外の費用は同12.2%減の1兆804億円となりました。税引前当期純利益は3,228億円、当社株主に帰属する当期純利益は2,396億円となりました。自己資本利益率は8.7%となり、また、当期のEPS(注)は前期の35.52円から65.65円となっております。なお、2017年3月末を基準日とする配当金は、1株当たり11円とし、年間での配当は1株につき20円といたしました。
(注)希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益
2017年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、前期比14.0%減の3,744億円、金融費用以外の費用は同2.7%減の2,996億円となりました。その結果、税引前当期純利益は同41.4%減の748億円となりました。営業部門では、「すべてはお客様のために」という基本観のもと、「お客様の信頼と満足度を高めることで、ビジネスを拡大すること」、その結果として「多くの人に必要とされる金融機関になること」を目指し、ビジネスモデルの変革に取り組んでまいりました。当期は先行きが不透明な市場環境を背景に、株式や投資信託・保険契約の販売が減速する中、お客様お一人おひとりの悩みやご要望をヒアリングし、最適なソリューションを提供する、コンサルティング営業への取組みを継続しました。この結果、投資一任残高の拡大等により、収入の安定化が着実に進捗しています。また、お客様からお預りしている資産の残高も前期末比で増加しており、過去最高に近い水準となっています。
2017年3月期のアセット・マネジメント部門の収益合計(金融費用控除後)は、前期比4.2%増の994億円、金融費用以外の費用は同2.8%減の571億円となりました。その結果、税引前当期純利益は同15.5%増の423億円となりました。投資信託ビジネスでは、マネーファンドから資金流出がありましたが、地域金融機関向けの私募投信やETFへの資金流入が運用資産残高の増加へ寄与しました。また、投資顧問ビジネスでは、国内公的年金から資金流入が継続しました。海外ではハイ・イールド・プロダクトを中心に資金が流入しました。この結果、2017年3月末の運用資産残高は前期末比で増加しております。また、当期は、戦略的パートナーのアメリカン・センチュリー・インベストメンツ社からの配当収入が収益へ寄与しています。
2017年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、前期比2.6%増の7,393億円、金融費用以外の費用は、欧州・米州ビジネスの戦略的見直しにより、人件費を中心に費用水準が大幅に低下し、同18.0%減の5,778億円となりました。その結果、税引前当期純利益は同948.0%増の1,614億円となりました。グローバル・マーケッツは、海外での業績が回復し、前期比増収となりました。特にフィクスト・インカム関連ビジネスが、顧客フローの拡大から大幅な増収となり、市場出来高の低迷によるエクイティ関連ビジネスの減収をカバーしました。地域別では、米州および欧州では前期比大幅な増収となり、日本およびアジアでも、前期比並みの収益を確保いたしました。インベストメント・バンキングは、日本は株式発行額が大きく減少する中、大型IPOでジョイント・グローバル・コーディネーターを務める等、多数の案件に関与し株式引受のリーグテーブルで首位となりました。海外は2010年3月期以降で最高収益となった米州を中心に実績を積み上げ、前期比増収となりました。また、地域間や部門間の連携を促進し、世界各地でM&A案件およびこれに付随するファイナンスや金利・為替などのソリューション案件等を多数手掛けました。
経営成績
損益概況
野村の主要な連結損益計算書情報は以下のとおりであります。
| 2015年3月期 (百万円) | 2016年3月期 (百万円) | 2017年3月期 (百万円) | |
| 金融収益以外の収益: | |||
| 委託・投信募集手数料 | 453,401 | 431,959 | 327,129 |
| 投資銀行業務手数料 | 95,083 | 118,333 | 92,580 |
| アセットマネジメント業務手数料 | 203,387 | 229,006 | 216,479 |
| トレーディング損益 | 531,337 | 354,031 | 475,587 |
| プライベート・エクイティ投資関連損益 | 5,502 | 13,761 | 1,371 |
| 投資持分証券関連損益 | 29,410 | △20,504 | 7,708 |
| その他 | 175,702 | 156,460 | 153,626 |
| 金融収益以外の収益合計 | 1,493,822 | 1,283,046 | 1,274,480 |
| 純金融収益 | 110,354 | 112,635 | 128,717 |
| 収益合計(金融費用控除後) | 1,604,176 | 1,395,681 | 1,403,197 |
| 金融費用以外の費用 | 1,257,417 | 1,230,523 | 1,080,402 |
| 税引前当期純利益 | 346,759 | 165,158 | 322,795 |
| 法人所得税等 | 120,780 | 22,596 | 80,229 |
| 当期純利益 | 225,979 | 142,562 | 242,566 |
| 差引:非支配持分に帰属する当期純利益 | 1,194 | 11,012 | 2,949 |
| 当社株主に帰属する当期純利益 | 224,785 | 131,550 | 239,617 |
| 自己資本利益率(ROE) | 8.6% | 4.9% | 8.7% |
2017年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2016年3月期の1兆3,957億円から1%増加し、1兆4,032億円となりました。グローバル・マーケッツでの金利、スプレッドプロダクトの好調を背景に、米州、欧州で増収となりました。委託・投信募集手数料は、株式買付額や投資信託募集買付額の減少により、株式委託手数料や投信募集手数料が減少したことなどから前期比24%減少し、4,320億円から3,271億円となりました。投資銀行業務手数料は、大型のECM案件が少なかったことなどから前期比22%減少し、1,183億円から926億円になりました。アセットマネジメント業務手数料は、年初運用資産残高が低調に推移したことなどから前期比5%減少し、2,290億円から2,165億円になりました。トレーディング損益は、主にフィクスト・インカム関連ビジネスでの増収により前期比34%増加し、3,540億円から4,756億円となりました。またトレーディング損益には、デリバティブ負債に対して認識する自社クレジットの変化による損失額208億円が含まれております。この損失は主にクレジット・スプレッドの縮小に起因するものであります。プライベート・エクイティ投資関連損益は、2016年3月期の三井生命株式売却益が剥落したことから前期比90%減少し、138億円から14億円になりました。その他は前期比2%減少し、1,565億円から1,536億円になりました。
なお、2016年4月に会計基準アップデート(以下「ASU」)第2016-01号「金融資産および金融負債の認識と測定」を早期適用した結果、公正価値オプションを適用した金融負債に対する自社クレジットの変化に起因する公正価値の変動は、その他の包括利益に計上されています。これにより、2017年3月期において、121億円の損失が損益ではなく、その他の包括利益として認識されております。ASU2016-01の早期適用に関する詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 1 会計処理の原則および会計方針の要旨:会計方針の変更および新しい会計基準の公表」をご参照ください。
2016年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2015年3月期の1兆6,042億円から13%減少し、1兆3,957億円となりました。グローバル・マーケッツでのフィクスト・インカム関連ビジネスからの収益が、厳しいビジネス環境により大きく減少しました。また、モンテパスキ銀行(以下「MPS」)との訴訟和解も影響し、前期比で減収となりました。委託・投信募集手数料は、日本地域における投資信託募集買付額の減少により、投信募集手数料が減少したことなどから前期比5%減少し、4,534億円から4,320億円となりました。投資銀行業務手数料は、M&A、ECMやファイナンスに付随するソリューション・ビジネスからの収益が増加したことなどから前期比24%増加し、951億円から1,183億円になりました。アセットマネジメント業務手数料は、ETFや投資一任向け商品への資金流入による運用資産残高の拡大などから前期比13%増加し、2,034億円から2,290億円になりました。トレーディング損益は、主にフィクスト・インカム関連ビジネスからの収益が減少したほか、MPSとの訴訟和解もあり前期比33%減少し、5,313億円から3,540億円となりました。またトレーディング損益には、デリバティブ負債および公正価値オプションを適用した金融負債に対して認識する自社クレジットの変化による収益283億円が含まれております。この収益は主にクレジット・スプレッドの拡大に起因するものであります。プライベート・エクイティ投資関連損益は、前期比150%増加し、55億円から138億円になりました。その他は、保有する足利ホールディングス株式の評価損や持分法投資先からの利益取込額が減少したことにより前期比11%減少し、1,757億円から1,565億円になりました。
2015年3月期、2016年3月期および2017年3月期の純金融収益は、それぞれ1,104億円、1,126億円、1,287億円でした。純金融収益は、トレーディング資産およびレポ・リバースレポ取引を含む総資産・負債の水準と構成、ならびに、金利の期間構造とボラティリティに左右されます。純金融収益は、トレーディング業務と不可分な1つの要素であり、野村は、特にグローバル・マーケッツについて、純金融収益と金融収益以外の収益との合計額で、ビジネス全体の収益性を評価しております。2017年3月期においては、アメリカン・センチュリー・インベストメンツ社からの配当を含む金融収益は前期比横ばいだった一方、金融費用は前期比5%減少し、その結果、2017年3月期の純金融収益は2016年3月期から161億円増加しました。2016年3月期においては、主に配当収入とリバース・レポにおける金利収入が増加し金融収益が前期比1%増加した一方、金融費用は前期比横ばいとなり、その結果、2016年3月期の純金融収益は2015年3月期から23億円増加しました。
野村は、投資持分証券関連損益として、2015年3月期、2016年3月期、および2017年3月期に、それぞれ294億円、△205億円、77億円を計上しています。この項目は、野村が営業目的で保有する株式等の評価損益と売買損益が含まれます。これらの投資は、取引促進の目的で長期保有する関連会社以外の投資持分証券です。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、2016年3月期の1兆2,305億円から12%減少し1兆804億円となりました。米州、欧州の戦略的見直しによる人員減少による人件費の減少により前期比で減少しました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、2015年3月期の1兆2,574億円から2%減少し1兆2,305億円となりました。欧州地域および米州地域におけるホールセールビジネスの見直しによる退職関連費用を計上した一方で、人件費や支払手数料の減少により前期比で減少となりました。
2015年3月期の金融費用以外の費用は、2014年3月期の1兆1,955億円から5%増加し1兆2,574億円となりました。アセットマネジメントにおける支払手数料の増加や新たに連結子会社化したアジア拠点での費用、海外地域における円安による為替の影響により前期比で増加となりました。
税引前当期純利益は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ3,468億円、1,652億円、3,228億円となりました。
野村は、日本においてさまざまな税金を課されており、日本の税法に基づき連結納税制度を適用しております。この連結納税制度は、国税だけを対象としています。国内の法定実効税率は、2015年3月期は36%、2016年3月期は33%、2017年3月期は31%となっております。海外子会社は現地で課税を受けており、通常国内より低い税率が適用されています。そのため野村の各期の実効税率は、各地域での損益状況や、各地域で適用される特有の税務上の取扱いにも影響を受けています。
2017年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は802億円、実効税率は24.9%となりました。この実効税率24.9%と法定実効税率31%の差異の重要な要因は、評価性引当金の増減により10.8%実効税率が引き下げられた一方で、損金に算入されない費用項目により2.9%実効税率が引き上げられたことがあげられます。
2016年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は226億円、実効税率は13.7%となりました。この実効税率13.7%と法定実効税率33%の差異の重要な要因は、評価性引当金の増減により36.1%実効税率が引き上げられた一方で、子会社・関連会社株式等の評価減の税務上の認容見込みにより54.8%実効税率が引き下げられたことがあげられます。
2015年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は1,208億円、実効税率は34.8%となりました。この実効税率34.8%と法定実効税率36%の差異の重要な要因は、損金に算入されない費用項目により5.9%、評価性引当金の増減により5.1%実効税率が引き上げられた一方で、益金に算入されない収益項目により4.7%実効税率が引き下げられたことがあげられます。
当社株主に帰属する当期純利益は2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ2,248億円、1,316億円、2,396億円となりました。自己資本純利益率(ROE)は、それぞれ8.6%、4.9%、8.7%となりました。
事業セグメント別経営成績
野村の業務運営および経営成績の報告は、営業部門、アセット・マネジメント部門、ホールセール部門の区分で行われており、この部門体制に基づき、事業別セグメント情報を開示しております。投資有価証券の利益(損失)、関連会社利益(損失)の持分額、本社勘定、その他財務調整項目等は、事業セグメント別情報においては、“その他”として表示されています。営業目的で保有する投資持分証券評価損益は、セグメント情報には含まれておりません。なお、事業セグメント別経営成績については、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 21 セグメントおよび地域別情報」にも記載がございます。また、そこでは、連結財務諸表数値と事業セグメント別数値の調整計算についても説明がありますのでご参照ください。
営業部門
野村の営業部門は、お客様へのコンサルティングとそれに基づく運用提案を中心とする営業活動を継続して行っており、その過程の中で手数料等を受け取っております。また、投資信託の運用会社からは野村が販売した投資信託の代行報酬を、保険会社からは野村が代理店として販売した保険の代理店手数料を受け取っております。
営業部門の経営成績
| (単位:百万円) | |||||
| 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | |||
| 金融収益以外の収益 | 471,565 | 429,948 | 369,503 | ||
| 純金融収益 | 4,940 | 5,686 | 4,931 | ||
| 収益合計(金融費用控除後) | 476,505 | 435,634 | 374,434 | ||
| 金融費用以外の費用 | 314,675 | 308,003 | 299,642 | ||
| 税引前当期純利益 | 161,830 | 127,631 | 74,792 |
2017年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、不安定な市場環境を背景にお客様の様子見姿勢が継続した結果、2016年3月期の4,356億円から14%減少し、3,744億円となりました。
2016年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、8月以降の市況悪化を受けて株式・投信等の売買が減速したことにより、2015年3月期の4,765億円から9%減少し、4,356億円となりました。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、人件費の減少等から2016年3月期の3,080億円から3%減少し、2,996億円となりました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、人件費やIT費用の減少等から2015年3月期の3,147億円から2%減少し、3,080億円となりました。
税引前当期純利益は2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ1,618億円、1,276億円、748億円となりました。
下の表は、2016年3月期、2017年3月期の金融収益以外の収益の内訳を示しています。
| (単位:百万円) | |||
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | ||
| 委託・投信募集手数料 | 220,266 | 171,834 | |
| 株式委託手数料 | 78,870 | 62,796 | |
| 投資信託募集手数料 | 93,597 | 82,265 | |
| その他手数料 | 47,799 | 26,773 | |
| トレーディング損益 | 86,360 | 85,269 | |
| 投資銀行業務手数料 | 35,894 | 27,292 | |
| 投資信託残高報酬 | 85,328 | 81,761 | |
| その他 | 2,100 | 3,347 | |
| 金融収益以外の収益 | 429,948 | 369,503 |
2017年3月期の委託・投信募集手数料は、株式・投信等の売買が減速したことにより、2016年3月期の2,203億円から22%減少し、1,718億円となりました。2017年3月期のトレーディング損益は、2016年3月期の864億円から1%減少し、853億円となりました。2017年3月期の投資銀行業務手数料は、大型ECM案件の減少などにより、2016年3月期の359億円から24%減少し、273億円となりました。2017年3月期の投資信託残高報酬は、年度前半における顧客資産残高の減少に伴い、2016年3月期の853億円から4%減少し、818億円となりました。2017年3月期のその他は、2016年3月期の21億円から59%増加し、33億円となりました。
営業部門顧客資産残高
下の表は、2016年3月末、2017年3月末の営業部門顧客資産残高と、その内訳を示しています。
| (単位:兆円) | |||||||||
| 2016年3月31日 | |||||||||
| 期首顧客資産残高 | 資金流入額 | 資金流出額 | 時価評価損益 | 期末顧客資産残高 | |||||
| 株式 | 67.2 | 14.5 | △14.1 | △7.4 | 60.2 | ||||
| 債券 | 18.5 | 67.4 | △67.8 | △0.8 | 17.3 | ||||
| 株式型投資信託 | 10.3 | 4.1 | △3.7 | △2.1 | 8.6 | ||||
| 債券型投資信託 | 7.3 | 0.8 | △0.9 | 0.1 | 7.3 | ||||
| 外国投資信託 | 1.8 | 0.1 | △0.4 | △0.1 | 1.4 | ||||
| その他 | 4.4 | 2.0 | △0.7 | 0.1 | 5.8 | ||||
| 合計 | 109.5 | 88.9 | △87.6 | △10.2 | 100.6 | ||||
| (単位:兆円) | |||||||||
| 2017年3月31日 | |||||||||
| 期首顧客資産残高 | 資金流入額 | 資金流出額 | 時価評価損益 | 期末顧客資産残高 | |||||
| 株式 | 60.2 | 11.7 | △11.9 | 6.3 | 66.3 | ||||
| 債券 | 17.3 | 25.9 | △24.9 | △0.7 | 17.6 | ||||
| 株式型投資信託 | 8.6 | 3.4 | △3.4 | 0.2 | 8.8 | ||||
| 債券型投資信託 | 7.3 | 1.4 | △1.3 | △0.1 | 7.3 | ||||
| 外国投資信託 | 1.4 | 0.1 | △0.2 | - | 1.3 | ||||
| その他 | 5.8 | 1.4 | △0.6 | △0.2 | 6.4 | ||||
| 合計 | 100.6 | 43.9 | △42.3 | 5.5 | 107.7 | ||||
2017年3月末の営業部門顧客資産残高は、2016年3月末の100.6兆円から7.1兆円増加し、107.7兆円となりました。日本におけるマーケット環境の好転により株式関連資産が2016年3月末の60.2兆円から6.1兆円増加し、66.3兆円となりました。また、2017年3月末の投資信託残高は、2016年3月末の17.3兆円から0.1兆円増加し、17.4兆円となりました。
2016年3月末の営業部門顧客資産残高は、2015年3月末の109.5兆円から8.9兆円減少し、100.6兆円となりました。日本におけるマーケット環境の悪化により株式関連資産が2015年3月末の67.2兆円から7.0兆円減少し、60.2兆円となりました。また、2016年3月末の投資信託残高は、2015年3月末の19.4兆円から2.1兆円減少し、17.3兆円となりました。こちらも主にマーケット環境の悪化によるものです。
アセット・マネジメント部門
アセット・マネジメント部門は、野村アセットマネジメントを中心に、野村證券を含む証券会社や銀行、ゆうちょ銀行・郵便局を通じて販売される投資信託の開発・運用や、内外の年金その他の法人顧客に対する投資顧問業を行い、投資信託の運用報酬や投資顧問報酬を受け取っています。
アセット・マネジメント部門の経営成績
| (単位:百万円) | |||||
| 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | |||
| 金融収益以外の収益 | 88,802 | 91,014 | 90,025 | ||
| 純金融収益 | 3,552 | 4,395 | 9,402 | ||
| 収益合計(金融費用控除後) | 92,354 | 95,409 | 99,427 | ||
| 金融費用以外の費用 | 60,256 | 58,743 | 57,094 | ||
| 税引前当期純利益 | 32,098 | 36,666 | 42,333 |
2017年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、運用資産残高の拡大や配当収入等が貢献し、2016年3月期の954億円から4%増加し、994億円となりました。
2016年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、運用資産残高の拡大などから、2015年3月期の924億円から3%増加し、954億円となりました。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、費用の抑制的な運用により、2016年3月期の587億円から3%減少し571億円となりました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、前年度計上した一過性の費用が剥落したことなどから、2015年3月期の603億円から3%減少し587億円となりました。
税引前当期純利益は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ321億円、367億円、423億円となりました。
下の表は、2016年3月末、2017年3月末のアセット・マネジメント部門の運用会社別の運用資産残高を示しています。
| (単位:十億円) | |||||||||
| 2016年3月31日 | |||||||||
| 期首運用資産残高 | 資金流入額 | 資金流出額 | 時価評価損益 | 期末運用資産残高 | |||||
| 野村アセットマネジメント | 43,261 | 37,357 | △34,435 | △2,715 | 43,468 | ||||
| 野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー | 3,021 | 854 | △991 | 192 | 3,076 | ||||
| ノムラ・コーポレート・リサーチ・アンド・アセット・マネジメント | 1,685 | 762 | △681 | △157 | 1,609 | ||||
| 野村プライベート・エクイティ・キャピタル | 178 | 1 | △3 | △176 | - | ||||
| 単純合計 | 48,145 | 38,974 | △36,110 | △2,856 | 48,153 | ||||
| グループ運用会社間の重複資産 | △8,836 | △2,494 | 3,485 | △228 | △8,073 | ||||
| 合計 | 39,309 | 36,480 | △32,625 | △3,084 | 40,080 | ||||
| (単位:十億円) | |||||||||
| 2017年3月31日 | |||||||||
| 期首運用資産残高 | 資金流入額 | 資金流出額 | 時価評価損益 | 期末運用資産残高 | |||||
| 野村アセットマネジメント | 43,468 | 28,199 | △27,382 | 3,140 | 47,425 | ||||
| 野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー | 3,076 | 518 | △999 | 244 | 2,839 | ||||
| ノムラ・コーポレート・リサーチ・アンド・アセット・マネジメント | 1,609 | 973 | △528 | 303 | 2,357 | ||||
| 単純合計 | 48,153 | 29,690 | △28,909 | 3,687 | 52,621 | ||||
| グループ運用会社間の重複資産 | △8,073 | △2,020 | 2,770 | △939 | △8,262 | ||||
| 合計 | 40,080 | 27,670 | △26,139 | 2,748 | 44,359 | ||||
2017年3月末におけるアセット・マネジメント部門の運用資産は44.4兆円で、2015年3月末比で5.1兆円の増加(うち資金流出入により5.4兆円増加、時価要因により0.3兆円減少)、2016年3月末比で4.3兆円の増加(うち資金流出入により1.5兆円、時価要因により2.7兆円それぞれ増加)となりました。投資信託ビジネスでは、ETFや投資一任向け商品、私募投信への資金流入が続きました。投資顧問ビジネスでは、国内顧客、海外顧客とも運用の受託が増加しました。
下の表は、2015年、2016年、2017年それぞれの3月末時点の、野村アセットマネジメントの日本の投資信託市場におけるシェア(純資産残高ベース)を示しています。
| 2015年3月31日 | 2016年3月31日 | 2017年3月31日 | |||
| 公募投資信託合計 | 24% | 25% | 26% | ||
| 株式型投資信託 | 20% | 21% | 23% | ||
| 公社債型投資信託 | 43% | 46% | 44% |
2017年3月末における野村アセットマネジメントの運用資産残高に占める国内投資信託残高は、29.3兆円と、対前期比3.1兆円、12%増加しました。その内訳は、1.8兆円の資金流入と1.3兆円の運用増によるものです。主に「TOPIX連動型上場投資信託」「日経225連動型上場投資信託」といった上場投資信託で残高が増加しました。
2016年3月末における野村アセットマネジメントの運用資産残高に占める国内投資信託残高は26.2兆円と、前期比でほぼ同水準でした。その内訳は、2.9兆円の資金流入と2.9兆円の運用減によるものです。個別ファンドでは、「野村日本企業価値向上オープン」、「野村テンプルトン・トータル・リターン」、「野村ファンドラップ外国債券」などの残高が増加しました。
ホールセール部門
ホールセール部門の経営成績
ホールセール部門の経営成績はグローバル・マーケッツとインベストメント・バンキングにより構成されています。
| (単位:百万円) | |||||
| 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | |||
| 金融収益以外の収益 | 626,228 | 571,322 | 564,877 | ||
| 純金融収益 | 163,639 | 148,955 | 174,379 | ||
| 収益合計(金融費用控除後) | 789,867 | 720,277 | 739,256 | ||
| 金融費用以外の費用 | 707,671 | 704,872 | 577,809 | ||
| 税引前当期純利益 | 82,196 | 15,405 | 161,447 |
2017年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、2016年3月期の7,203億円から3%増加し、7,393億円となりました。エクイティとインベストメント・バンキングが減収となった一方で、フィクスト・インカムにおいては、金利やスプレッド・プロダクトが好調で増収となりました。
2016年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、2015年3月期の7,899億円から9%減少し、7,203億円となりました。エクイティとインベストメント・バンキングが増収となった一方で、フィクスト・インカムにおいて、クレジットや証券化商品といったスプレッド・プロダクトが苦戦し、減収となりました。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、2016年3月期の7,049億円から18%減の5,778億円となりました。欧州・米州ビジネスの戦略的見直しにより、人件費を中心に費用水準が大幅に低下しました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、2015年3月期の7,077億円から0.4%減の7,049億円となりました。欧州地域および米州地域におけるホールセールビジネスの見直しによる退職関連費用を計上した一方で、人件費および支払手数料が減少しました。
税引前当期純利益は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ822億円、154億円、1,614億円となりました。
グローバル・マーケッツ
野村は長年にわたって主に国内外の機関投資家を対象として、債券・株式や為替およびそれらのデリバティブ商品のセールスとトレーディングをグローバルに展開してきました。近年では、より多様化・複雑化するお客様からのご要望にお応えするため、トレーディング能力と商品組成能力の強化に取り組み、国内外の機関投資家のみならず、営業部門およびアセット・マネジメント部門にさまざまな高付加価値商品を提供すると同時に、インベストメント・バンキングとも協働し、付加価値の高いソリューションを提供しています。また、国内外の機関投資家に加えて、国内の富裕層・諸法人や地域金融機関、国内外の政府機関や金融機関・事業法人などと強固な関係を構築し、ビジネスを拡大しております。これにより、お客様がどのような商品を求めているかを把握し、そのニーズに合わせた商品を国内外のプロダクトラインにおいて迅速に開発・提供することが可能となっております。
次の表はグローバル・マーケッツの財務データを示しております。これらは管理会計ベースで作成された米国会計原則に基づかない指標であり、ホールセール部門の財務情報として有益であると考えております。また、独立したビジネスラインとしてグローバル・マーケッツの業績を米国会計原則に基づかない指標で開示することにより、グローバル・マーケッツの動向を理解するうえで役立つと考えております。グローバル・マーケッツの財務データと、ホールセール部門の経営成績との調整については、下にあるグローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキングの財務データの調整表 をご参照ください。
| (単位:百万円) | |||||
| 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | |||
| 収益合計(金融費用控除後) | 683,399 | 600,300 | 643,148 | ||
| 金融費用以外の費用 | 585,850 | 580,253 | 477,182 | ||
| 税引前当期純利益 | 97,549 | 20,047 | 165,966 |
2017年3月期のグローバル・マーケッツの収益合計(金融費用控除後)は、2016年3月期の6,003億円から7%増加し、6,431億円となりました。フィクスト・インカムの2017年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、2016年3月期の2,752億円から4,113億円となりました。年度後半に向けて英国のEU離脱をめぐる国民投票や米大統領選などの政治的イベントが終了して市場の方向性が定まり、顧客アクティビティが回復していく中で、金利、クレジットや証券化商品等のスプレッド・プロダクトを中心に増収となりました。エクイティの2017年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2016年3月期の3,251億円から2,319億円となりました。年度前半に顧客アクティビティが低調だったことのほか、欧州におけるエクイティビジネス見直しの影響や、2016年3月期にはChi-X株式の売却益も含まれていたことから、前期比では減収となりました。
2016年3月期のグローバル・マーケッツの収益合計(金融費用控除後)は、2015年3月期の6,834億円から12%減少し、6,003億円となりました。フィクスト・インカムの2016年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、2015年3月期の3,969億円から2,752億円となりました。クレジット・スプレッドの急速な拡大や流動性の低下、日銀のマイナス金利政策による市場の混乱でトレーディング環境が悪化する中で、スプレッド・プロダクトおよび金利プロダクトが減速し、減収となりました。エクイティの2016年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2015年3月期の2,865億円から3,251億円となりました。市場のボラティリティが高まる中で国内ビジネスが健闘したことに加え、米州におけるChi-X株式の売却益も寄与し、増収となりました。
なお、組織変更に伴い、過年度のフィクスト・インカムとエクイティの収益について組み替えて表示しております。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、欧州・米州ビジネスの戦略的見直しにより人件費を中心に費用が低下、2016年3月期の5,803億円から18%減少して、4,772億円となりました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、人件費および支払手数料が減少した一方で、円安に伴う海外拠点の円建てコスト増加が一部相殺し、2015年3月期の5,859億円から1%減少して、5,803億円となりました。
税引前当期純利益は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ975億円、200億円、1,660億円となりました。
インベストメント・バンキング
野村は、引受け、アドバイザリー等、多様なインベストメント・バンキング・サービスを提供しています。アジア、欧州、米国といった世界の主要な金融市場で、債券、株式、その他の引受業務を行っており、日本国内、クロスボーダーおよび海外のM&A/財務コンサルティング業務を継続的に強化してきました。また、グローバルでのオーダーメイド型サービス提供による、顧客との強固で長期的な関係を構築することを追求しております。
次の表はインベストメント・バンキングの財務データを示しております。これらは管理会計ベースで作成された米国会計原則に基づかない指標であり、ホールセール部門の財務情報として有益であると考えております。また、独立したビジネスラインとしてインベストメント・バンキングの業績を米国会計原則に基づかない指標で開示することにより、インベストメント・バンキングの動向を理解するうえで役立つと考えております。インベストメント・バンキングの財務データと、ホールセール部門の経営成績との調整については、下にあるグローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキングの財務データの調整表 をご参照ください。
| (単位:百万円) | |||||
| 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | |||
| インベストメント・バンキング(グロス)(1)(2) | 195,617 | 205,702 | 167,806 | ||
| その他部門等へのアロケーション (3) | △89,149 | △85,725 | △71,698 | ||
| 収益合計(金融費用控除後) | 106,468 | 119,977 | 96,108 | ||
| 金融費用以外の費用 | 121,821 | 124,619 | 100,627 | ||
| 税引前当期純利益(△損失) | △15,353 | △4,642 | △4,519 |
(1) インベストメント・バンキング(グロス)は、インベストメント・バンキングで発生した投資銀行業務によるグロス収益を表しており、他のビジネスラインに帰属するためグローバル・マーケッツや他のビジネスセグメントに配分される収益を含んでおります。
(2) インベストメント・バンキングの報告数値を、当期の開示方法と整合させるために過去に遡り組み替えております。
(3) インベストメント・バンキングが他のビジネスラインの業務を含む場合は、インベストメント・バンキング(グロス)の数字を該当する他のビジネスラインに配分し、グローバル・マーケッツまたは他のセグメントの収益として適宜認識いたします。
2017年3月期のインベストメント・バンキングの収益合計(金融費用控除後)は、前年度に比べ大型のECM案件が少なかったことから、2016年3月期の1,200億円から20%減少し、961億円となりました。
2016年3月期のインベストメント・バンキングの収益合計(金融費用控除後)は、2015年3月期の1,065億円から13%増加し、1,200億円となりました。大型のM&AやECM案件、2015年11月の三井生命株式の売却益等が増収に寄与しました。
2017年3月期の金融費用以外の費用は、欧州・米州ビジネスの戦略的見直しにより人件費を中心に費用が低下し、2016年3月期の1,246億円から20%減少し1,006億円となりました。
2016年3月期の金融費用以外の費用は、円安に伴う海外拠点の円建て費用の増加により、2015年3月期の1,218億円から2%増加し1,246億円となりました。
税引前当期純利益(損失)は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ△154億円、△46億円、△45億円となりました。
グローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキングの財務データの調整表
次の表は、ホールセール部門における収益合計(金融費用控除後)、金融費用以外の費用、税引前当期純利益における、グローバル・マーケッツおよび上述のインベストメント・バンキングの米国会計原則に基づかない指標の調整表であります。
| (単位:百万円) | |||||
| 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | |||
| ホールセール部門 収益合計(金融費用控除後): | |||||
| グローバル・マーケッツ | 683,399 | 600,300 | 643,148 | ||
| インベストメント・バンキング: | |||||
| インベストメント・バンキング(グロス)(1)(2) | 195,617 | 205,702 | 167,806 | ||
| その他部門等へのアロケーション (3) | △89,149 | △85,725 | △71,698 | ||
| インベストメント・バンキング | 106,468 | 119,977 | 96,108 | ||
| ホールセール部門 収益合計(金融費用控除後) | 789,867 | 720,277 | 739,256 | ||
| ホールセール部門 金融費用以外の費用: | |||||
| グローバル・マーケッツ | 585,850 | 580,253 | 477,182 | ||
| インベストメント・バンキング | 121,821 | 124,619 | 100,627 | ||
| ホールセール部門 金融費用以外の費用 | 707,671 | 704,872 | 577,809 | ||
| ホールセール部門 税引前当期純利益(損失): | |||||
| グローバル・マーケッツ | 97,549 | 20,047 | 165,966 | ||
| インベストメント・バンキング | △15,353 | △4,642 | △4,519 | ||
| ホールセール部門 税引前当期純利益 | 82,196 | 15,405 | 161,447 |
(1) インベストメント・バンキング(グロス)は、インベストメント・バンキングで発生した投資銀行業務によるグロス収益を表しており、他のビジネスラインに帰属するためグローバル・マーケッツや他のビジネスセグメントに配分される収益を含んでおります。
(2) インベストメント・バンキングの報告数値を、当期の開示方法と整合させるために過去に遡り組み替えております。
(3) インベストメント・バンキングが他のビジネスラインの業務を含む場合は、インベストメント・バンキング(グロス)の数字を該当する他のビジネスラインに配分し、グローバル・マーケッツまたは他のセグメントの収益として適宜認識いたします。
その他の経営成績
その他の経営成績には、経済的ヘッジ取引に関連する損益、営業目的で保有する投資持分証券の実現損益、関連会社損益の持分額、本社勘定、その他の財務調整が含まれております。詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 21 セグメントおよび地域別情報」をご参照ください。
その他の経営成績は、2015年3月期、2016年3月期、2017年3月期、それぞれ460億円、61億円、376億円の税引前当期純利益となりました。
2017年3月期に生じたデリバティブ負債に対する自社クレジットの変化に起因する損失166億円、カウンターパーティー・クレジット・スプレッドの変化に起因する利益88億円がその他の業績に含まれております。
なお、2016年4月にASU2016-01を早期適用した結果、公正価値オプションを適用した金融負債に対する自社クレジットの変化に起因する公正価値の変動は、その他の包括利益に計上されています。これにより、2017年3月期において、121億円の損失が損益ではなく、その他の包括利益として認識されております。ASU2016-01の早期適用に関する詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 1 会計処理の原則および会計方針の要旨:会計方針の変更および新しい会計基準の公表」をご参照ください。
2016年3月期に生じた公正価値オプションを適用した金融負債に対する自社クレジットの変化に起因する利益231億円、デリバティブ負債に対する自社クレジットの変化に起因する利益44億円、カウンターパーティー・クレジット・スプレッドの変化に起因する損失123億円がその他の業績に含まれております。
地域別経営成績
地域別の収益合計(金融費用控除後)、税引前当期純利益(損失)については「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 21 セグメントおよび地域別情報」をご参照ください。
キャッシュ・フロー
「第2[事業の状況] 6[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (5)流動性資金調達と資本の管理」をご参照ください。
(2)トレーディング業務の概要
トレーディング目的資産負債
トレーディング目的資産および負債の内訳については「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 2 公正価値測定 および 3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。
トレーディングのリスク管理
野村はトレーディング業務における市場リスクの測定方法として、バリュー・アット・リスク(VaR)を採用しております。
(1)VaRの前提
・信頼水準:99%
・保有期間:1日
・商品の価格変動等を考慮
(2)VaRの実績
| 2016年3月31日 (億円) | 2017年3月31日 (億円) | |
| 株式関連 | 9 | 7 |
| 金利関連 | 38 | 27 |
| 為替関連 | 8 | 17 |
| 小計 | 55 | 50 |
| 分散効果 | △20 | △17 |
| バリュー・アット・リスク(VaR) | 35 | 33 |
| 2017年3月期 | |||
| 最大値(億円) | 最小値(億円) | 平均値(億円) | |
| バリュー・アット・リスク(VaR) | 67 | 27 | 43 |