有価証券報告書-第99期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 11:45
【資料】
PDFをみる
【項目】
162項目
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2018年4月1日から2019年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中国では年央より米中摩擦の激化などを背景に景況感が悪化し、欧州でも年後半より景気の減速が明らかになりました。米国では堅調な個人消費と設備投資に支えられておおむね堅調でしたが、年度末に向けて減速傾向も出てきました。国内経済は企業業績や雇用情勢の改善が継続していましたが、中国の経済減速を受けて年末以降は景況感が低下しました。
国内株式市場は、4月2日の日経平均株価終値21,388円58銭から上昇した後、ボックス圏で推移しましたが、9月には米国株高や円安傾向を背景に再び上昇し10月2日に24,270円62銭の終値をつけました。その後、米国株式市場が米中摩擦への警戒感から下落に転じると国内株式市場も下落に転じ、さらに年末にかけて米国の利上げ懸念から米国株式市場が急落すると国内株式市場も急落し、12月25日に19,155円74銭の終値をつけました。しかし米国で利上げ観測が後退し株式市場が上昇すると回復し、当連結会計年度末の終値は21,205円81銭となりました。
米国株式市場は、堅調な米国経済や企業業績を反映して9月まで上昇基調となりましたが、10月になると米中貿易摩擦による関税などが世界経済や企業業績に与える影響への懸念が高まり、下落に転じました。年末にかけては、米中摩擦の懸念が高まる中でFRB(連邦準備制度理事会)による利上げ姿勢が下げを加速し、株式市場は大荒れとなりました。年明け後はFRBが利上げに柔軟な姿勢を示し、株式市場は回復しました。
アジア各国の株式市場は、中国・香港では年末まで米中摩擦や中国の減速を背景に軟調になりましたが、年明け後は回復しました。ASEAN諸国の株式市場は、秋頃まで中国経済の鈍化や米国の利上げが各国に与える影響が懸念され下落しましたが、年明け後は回復基調となりました。
このような状況のもと、当社グループは、「超リテール証券」の実現に向け、他社とは異なる視点でのサービス提供を行い、差別化を図っております。当連結会計年度におきましては、2018年7月に創業100周年を迎え、完全子会社であった日本アジア証券を合併、経営体制を刷新し、新たな時代への一歩を踏み出しました。株主の皆様への利益還元策として、自己株式の取得(30万株)、および自己株式消却(200万株)を行いました。
主な取り組み施策は下記の通りです。
(地域金融機関との新たな連携)
株式会社清水銀行とМ&A業務における協定の締結 (2018年8月)や笠岡信用組合との包括的業務提携契約の締結(2018年9月)により、従来からの取り組みである地域の金融機関連携を拡大し、新たなソリューションサービスの提供に努めます。
(サービス提供の充実)
・経済産業省が創設した「おもてなし規格認証制度」において、金融機関としては全国で初めて、全ての営業拠点において「金認証」を取得しました。
・投資一任運用サービス「アイザワファンドラップ」に新たな運用コースとして「絶対収益追求型」を新たに追加し、お客様の資産形成の一助となるべく、サービスの向上に努めます。
(提携先との事業活動)
包括的業務提携先である株式会社西京銀行と銀証共同店舗を開設(2019年3月、ゆめモール下関支店)しました。大規模商業施設内での共同運営により、幅広い年齢層への接触が可能となり、新たな顧客基盤の拡大に努めております。
(店舗ネットワークの見直し)
合併により増加した部店をより効率的に運営するため統廃合を実施しました。運営経費の圧縮を図り、営業員等の人的資源の再配置によりお客さまとの密なコミュニケーションを図り、質の高いサービス提供に努めております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ201億91百万円減少し、859億13百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ165億76百万円減少し、322億87百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ36億15百万円減少し、536億26百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益127億1百万円(前年度比29.6%減)、営業損失19億87百万円、経常損失10億59百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億46百万円(同89.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ4億91百万円減少し、114億69百万円となりました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は12億55百万円となりました。これは主に顧客分別金信託の減少、信用取引資産の減少、信用取引負債の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は4億23百万円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出、投資有価証券の売却による収入、差入保証金の回収による収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は21億10百万円となりました。これは主に短期借入金の減少、配当金の支払いによるものです。
③ トレーディング業務の概要
トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。
前連結会計年度
(2018年3月31日)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
資産の部のトレーディング商品(百万円)609399
商品有価証券等(百万円)608399
株式・ワラント(百万円)0164
債券(百万円)608234
受益証券等(百万円)00
為替予約取引(百万円)1
先物取引(百万円)
オプション取引(百万円)
負債の部のトレーディング商品(百万円)5185
商品有価証券等(百万円)185
株式・ワラント(百万円)185
債券(百万円)
受益証券等(百万円)
為替予約取引(百万円)5
先物取引(百万円)
オプション取引(百万円)

トレーディングのリスク管理:
トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社のリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立したコンプライアンス部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合せて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。
また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであります。このため、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該事業の収益の状況等については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に含めて記載しております。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(イ)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は859億13百万円と、前連結会計年度末に比べ201億91百万円の減少となりました。主な要因は、現金・預金5億59百万円の減少、預託金23億84百万円の減少、信用取引資産135億70百万円の減少、投資有価証券15億21百万円の減少によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は322億87百万円と、前連結会計年度末に比べ165億76百万円の減少となりました。主な要因は、信用取引負債107億92百万円の減少、預り金18億80百万円の減少、受入保証金11億62百万円の減少、短期借入金9億50百万円の減少によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は536億26百万円と前連結会計年度末に比べ36億15百万円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金9億26百万円の減少、その他有価証券評価差額金26億9百万円の減少によるものです。
(ロ)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は127億1百万円(前年度比29.6%減)となりました。営業収益のおもな内訳は次のとおりです。
1)受入手数料
当連結会計年度の受入手数料は、75億23百万円(前年度比29.3%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)委託手数料
委託手数料は国内株式売買代金の減少により、51億88百万円(同33.1%減)となりました。
ⅱ)引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、国内株式の引受額の減少により24百万円(同52.5%減)となりました。
ⅲ)募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売の減少により10億16百万円(同31.5%減)となりました。
ⅳ)その他の受入手数料
その他の受入手数料は、株式関連の手数料の減少により、12億94百万円(同4.6%減)となりました。
2)トレーディング損益
当連結会計年度のトレーディング損益は、45億29百万円(同32.3%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)株券
外国株国内店頭取引売買代金の減少により、34億42百万円(30.5%減)となりました。
ⅱ)債券
外国債券の取扱いの減少により、6億38百万円(同32.7%減)となりました。
ⅲ)その他
外国為替取引から生じる損益の減少等により、4億47百万円(同43.2%減)となりました。
3)金融収益
金融収益は信用取引収益の減少等により6億24百万円(同5.1%減)となりました。
なお、金融費用は信用取引費用の減少等により1億21百万円(同33.9%減)となりました。これにより、金融収支は5億2百万円(同6.2%増)となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は、人件費の減少等により、145億67百万円(同9.0%減)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は受取配当金5億77百万円、収益分配金1億81百万円等により9億29百万円となりました。営業外費用は和解金等により1百万円となりました。これにより営業外損益は9億27百万円の利益となりました。
(特別損益)
特別利益は投資有価証券売却益24億55百万円、金融商品取引責任準備金戻入14百万円等により24億74百万円となりました。特別損失は合併関連費用5億44百万円、減損損失64百万円等により6億14百万円となりました。これにより特別損益は18億60百万円の利益となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
現在、当社グループの収益は主に、株式・投資信託等の約定に伴う受入手数料及び米国株式国内店頭取引、外国債券の販売、主にアジア株式取引の際に発生する外国為替取引等のトレーディング損益に依存しております。そのため、株式・債券相場が下落又は低迷すると、流通市場の市場参加者が減少し、売買高が縮小することから当社グループの受入手数料およびトレーディング損益が減少する可能性があります。また、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動によりトレーディング損益に影響を及ぼす可能性があります。
証券会社は経済情勢及び市況環境の変動による影響を受けやすく、その中でも当社は営業収益に占める株式関連収益の割合が高いことから、株式市況の影響を大きく受けております。この状況に対応するため、預り資産の増加及び安定収益(ストック収益)の増加を当社の課題としており、持続的な高収益体制の構築のため、投資一任運用サービス「ブルーラップ」、「アイザワ ファンドラップ」、投資信託の販売及び残高の純増を強化しております。
特に、当連結会計年度においては「アイザワ ファンドラップ」を戦略的な中核商品とし、契約金額の積み上げを行ってまいりました。その結果、当連結会計年度末の契約金額残高は前年同期比92.3%増の201億9百万円となりました。2018年7月1日に日本アジア証券株式会社と合併したことで、同社のお客様にも「アイザワ ファンドラップ」のご案内が可能となりました。引き続き契約金額の積み上げを行ってまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付であります。信用取引買付代金は株式市況の変動の影響を受けますが、当社は主に日本証券金融株式会社の貸借取引により調達しております。また、不測の事態に備え、安定的かつ機動的な財務運営を行うため、三井住友信託銀行株式会社と総額7億50百万円のコミットメントラインを設定しております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年3月に策定した中期経営計画に基づき「より多くの人に証券投資を通じより豊かな生活を提供する」という経営理念のもと、お客様から信頼され、選ばれる存在であり続けるために、企業規模ではなく、お客様に提供する価値の大きさで評価される企業を目指します。
具体的には、2019年3月末のグループ預り資産1兆2,666億円を2022年3月末に1兆6,700億円とする目標を掲げております。
引き続き、アジア株営業の強化と地域金融機関との販売連携による差別化を推進するとともに、投資の経験が無く、当社の強みであるソリューションスタイルを望んでいるお客様へ迅速に対応していくことで、早期の達成を目指してまいります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。