有価証券報告書-第101期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)において、世界株式市場では、一時、米国の長期金利上昇に対する警戒感から不安定になる局面もあったものの、ワクチン接種への期待感などから、おおむね底堅い展開となりました。
国内株式市場では、米国の長期金利上昇に対する懸念から一時売られる局面もあったものの、おおむね堅調な値動きで下値を切り上げる値動きとなりました。2020年秋以降、世界的に半導体の不足感が強まっていることで、一部の業種は減産を余儀なくされるなど影響が出ているものの、中長期的な需要は旺盛で、影響は限定的にとどまっています。
米国株式市場では、2021年1月から2021年3月にかけて長期金利の動向によって乱高下しながらも徐々に下値を切り上げる展開となりました。インフラ投資計画などバイデン政権の政策が具体的に示されたことも株価下支え材料となっています。また、個別企業の企業業績にも底打ち感があるほか、ワクチン接種が浸透し始めていることなども株価下支えにつながっています。3月17、18日に開催されたFOMCでは、金融政策変更なしとの方針が示されました。当面金融緩和姿勢が続く見通しの中で、株式市場にとって追い風の状況が続くと予想されます。
アジア株式市場では、経済正常化が鮮明な中国とベトナムの好調さが目立ちました。特に好調だったのがベトナムで、主要指数であるVN指数の2021年1月から2021年3月の騰落率は7.9%でした。経済の正常化、新型コロナウイルスへの対応、対内投資の増加などが追い風となっており、ベトナムは好景気の株高になっているといえます。直近は、商いの急増が株式市場のシステム容量にも影響を与えていますが、影響は限定的になると思われます。また、中国では全人代が開催され、当面の政策方針などが定められました。
緊急事態宣言の発出が繰り返されるなか、感染収束時期が見通せず、依然として先行き不透明な状況が続いておりますが、このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルスの感染収束を目指すものの、緊急事態宣言下で、店頭窓口業務の中止や顧客訪問の制限等の営業活動を強いられる地域も発生し、当社の強みである対面でのコミュニケーションは継続的な自粛を余儀なくされております。一方で電話やその他ツール等を積極的に活用し、対面にこだわらないコミュニケーションを進めたことで、お客様に対して従来の営業活動により厚みを増した接客対応が実現でき、更なる顧客満足度の向上に努めることができております。また、当社グループでは、在宅勤務をはじめ時差出勤や休暇取得の推奨のほか、オンライン会議や室内換気の徹底など、感染拡大防止に努めております。
国内ネットワーク店舗では、1月に従来の証券会社の雰囲気を一掃し、接客用カウンターを廃し、お客様とスタッフのスペースに境界がないオープンカフェ風の新しいスタイルの証券会社として、自由が丘支店をリニューアルオープンしました。
金融機関連携では、1月に西京銀行と当社山口県内全店舗の共同店舗化に関して合意し、2月には当社下松支店を同行周南支店内に移転し、銀証共同店舗として開設しました。
産学連携では、1月に山梨県立大学と両者が持つノウハウ、ネットワークを活かした域外連携(クロスボーダー連携)を行うことで、双方の関係先に対して、これまで以上のサービス提供を行い、関係先の成長、地域活性化へ貢献することを目的とした業務協力覚書を締結しました。教育機関連携としては6校目となります。3月には 地方創生に資する金融機関等の「特徴的な取組」として、当社が運営する「教育機関連携による『起業/ビジネスを通じた高金融リテラシー人材育成と地域活性化施策』の推進」が、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部の「地方創生に資する金融機関等の特徴的な取組事例」に選定され、内閣府特命担当大臣(地方創生担当)より表彰されました。
地方自治体との取組みとしまして、2020年3月に地域活性化に関する包括連携協定を締結した静岡県御殿場市が実施する「富士山眺望地保全活用プロジェクト」に対して、企業版ふるさと納税を通じ支援いたしました。
また、当社の事業領域である金融業界は、新型コロナウイルス感染症の流行により従来の訪問を主体とした営業スタイルの変革が求められ、またネット証券会社を中心とした手数料値下げの動き、更にIFA事業者や他業種からの証券事業参入が相次ぐ等、激しい競争環境に置かれています。
このような環境下では、従来に増して、適切で迅速な意思決定と機動的な事業戦略を実行できる組織体制が求められます。2021年2月12日付け適時開示「会社分割による持株会社体制移行および子会社の設立に関するお知らせ」のとおり、本年10月1日(予定)を効力発生日とする会社分割の方式により、当社、子会社、および関係会社(以下、当社グループ)は、グループ内の事業を証券事業、金融商品仲介事業、運用事業、投資事業の4つに区分し、それぞれを中核とした事業会社を傘下に持つ持株会社体制へ移行する方針を決定しました。
従来の「証券事業」および新たに開始した「金融商品仲介業」はそれぞれ準備会社を設立し、事業開始の準備を進めております。また「運用事業」は、資本業務提携先であるファイブスター投信投資顧問株式会社との協働活動による、お客様への複合的な商品の提案にとどまらず、本年2月に当社子会社の合併により誕生したあいざわアセットマネジメント株式会社がグループ内での運用体制を確立し、様々な投資家ニーズに対する幅広い対応等、当社グループ独自の資産形成ビジネスを推進しています。アイザワ・インベストメンツ株式会社がメインプレーヤ―となる「投資事業」は、従来のベンチャー投資に留まらず、プライベートエクイティ投資や不動産投資等、事業体制を拡充させ、様々な収益方法を駆使しストック収益の確保に努めてまいります。
これらにより当社グループは、持株会社の指揮のもと、グループ全体の機動的な事業活動や迅速な意思決定、また経営資源の適切な配分による財務体質の強化を図るだけでなく、新たな事業の創出等、個々の力を集結させた金融総合グループへステージアップしてまいります。
なお、昨年3月より実施してきました自己株式取得(取得総数:250万株)は2月に無事終了し、3月からは新たな自己株式取得を開始しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は1,071億27百万円と、前連結会計年度末に比べ219億92百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の負債合計は487億81百万円と、前連結会計年度末に比べ137億88百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は583億46百万円と前連結会計年度末に比べ82億4百万円の増加となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益は164億33百万円(前年度比15.8%増)、営業利益は9億29百万円(同267.8%増)、経常利益は15億42百万円(同1.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は45億38百万円(同382.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社の資金調達の総額は53億14百万円です。資金調達の内訳は金融機関等からの短期借入金37億95百万円、証券金融会社からの信用取引借入金5億85百万円、金融機関からの長期借入金9億34百万円です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ10億69百万円増加し、162億31百万円となりました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は16億18百万円となりました。これは主に顧客分別金信託の増加、賃貸不動産の増加、預り金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は41億11百万円となりました。これは主に有形固定資産の売却、投資有価証券の取得、投資有価証券の売却によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は17億83百万円となりました。これは主に自己株式の取得によるものです。
③ トレーディング業務の概要
トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。
トレーディングのリスク管理:
トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社のリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立したコンプライアンス部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合せて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。
また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであります。このため、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該事業の収益の状況等については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。当社グループの採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)に記載しております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(イ)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は1,071億27百万円と、前連結会計年度末に比べ219億92百万円の増加となりました。
主な要因は、預託金56億50百万円の増加、信用取引資産24億62百万円の増加、賃貸不動産38億65百万円の増加、投資有価証券90億78百万円の増加によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は487億81百万円と、前連結会計年度末に比べ137億88百万円の増加となりました。
主な要因は、有価証券担保借入金17億12百万円の増加、預り金65億86百万円の増加、繰延税金負債31億62百万円の増加によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は583億46百万円と前連結会計年度末に比べ82億4百万円の増加となりました。
主な要因は、利益剰余金36億14百万円の増加、自己株式の増加に伴う純資産17億67百万円の減少、その他有価証券評価差額金55億96百万円の増加によるものです。
(ロ)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は164億33百万円(前年度比15.8%増)となりました。営業収益のおもな内訳は次のとおりです。
1)受入手数料
当連結会計年度の受入手数料は、104億1百万円(同41.7%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)委託手数料
委託手数料は外国株式委託取引の増加により、78億68百万円(同45.5%増)となりました。
ⅱ)引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、国内株式の引受額の減少により4百万円(同67.7%減)となりました。
ⅲ)募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売の増加により8億25百万円(同22.9%増)となりました。
ⅳ)その他の受入手数料
その他の受入手数料は、ファンドラップ取扱いの好調に伴う投資顧問報酬の増加により、17億1百万円(同36.3%増)となりました。
2)トレーディング損益
当連結会計年度のトレーディング損益は、55億50百万円(同12.2%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)株券
外国株国内店頭取引売買代金の増加により、46億44百万円(同10.6%増)となりました。
ⅱ)債券
外国債券の取扱いの減少により、2億60百万円(同83.3%減)となりました。
ⅲ)その他
外国為替取引から生じる損益の増加等により、6億45百万円(同14.6%増)となりました。
3)金融収益
金融収益は信用取引収益の減少等により4億7百万円(同19.9%減)となりました。
なお、金融費用は信用取引費用の減少等により90百万円(同23.4%減)となりました。これにより、金融収支は3億16百万円(同18.8%減)となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は、人件費の増加等により、153億86百万円(同11.4%増)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は受取配当金4億98百万円、収益分配金1億94百万円等により8億62百万円となりました。営業外費用は投資事業組合運用損2億12百万円等により2億49百万円となりました。これにより営業外損益は6億12百万円の利益となりました。
(特別損益)
特別利益は固定資産売却益42億46百万円、投資有価証券売却益13億36百万円等により56億54百万円となりました。特別損失は投資有価証券売却損8億6百万円等により8億53百万円となりました。これにより特別損益は48億0百万円の利益となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
現在、当社グループの収益は主に、株式・投資信託等の約定に伴う受入手数料及び米国株式国内店頭取引、外国債券の販売、主にアジア株式取引の際に発生する外国為替取引等のトレーディング損益に依存しております。そのため、株式・債券相場が下落又は低迷すると、流通市場の市場参加者が減少し、売買高が縮小することから当社グループの受入手数料およびトレーディング損益が減少する可能性があります。また、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動によりトレーディング損益に影響を及ぼす可能性があります。
証券会社は経済情勢及び市況環境の変動による影響を受けやすく、その中でも当社は営業収益に占める株式関連収益の割合が高いことから、株式市況の影響を大きく受けております。この状況に対応するため、預り資産の増加及び安定収益(ストック収益)の増加を当社の課題としており、持続的な高収益体制の構築のため、投資一任運用サービス「ブルーラップ」、「アイザワ ファンドラップ」、投資信託の販売及び残高の純増を強化しております。
特に、当連結会計年度においては「アイザワ ファンドラップ」を戦略的な中核商品とし、契約金額の積み上げを行ってまいりました。その結果、当連結会計年度末の契約金額残高は前年同期比29.8%増の261億5百万円となりました。2018年7月1日に日本アジア証券株式会社と合併したことで、同社のお客様にも「アイザワ ファンドラップ」のご案内が可能となりました。引き続き契約金額の積み上げを行ってまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付であります。信用取引買付代金は株式市況の変動の影響を受けますが、当社は主に日本証券金融株式会社の貸借取引により調達しております。また、不測の事態に備え、安定的かつ機動的な財務運営を行うため、三井住友信託銀行株式会社と総額7億50百万円のコミットメントラインを設定しております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年3月に策定した中期経営計画に基づき「より多くの人に証券投資を通じより豊かな生活を提供する」という経営理念のもと、お客様から信頼され、選ばれる存在であり続けるために、企業規模ではなく、お客様に提供する価値の大きさで評価される企業を目指します。
具体的には、2019年3月末のグループ預り資産1兆2,666億円を2022年3月末に1兆6,700億円とする目標を掲げております。
引き続き、アジア株営業の強化と地域金融機関との販売連携による差別化を推進するとともに、投資の経験が無く、当社の強みであるソリューションスタイルを望んでいるお客様へ迅速に対応していくことで、早期の達成を目指してまいります。
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)において、世界株式市場では、一時、米国の長期金利上昇に対する警戒感から不安定になる局面もあったものの、ワクチン接種への期待感などから、おおむね底堅い展開となりました。
国内株式市場では、米国の長期金利上昇に対する懸念から一時売られる局面もあったものの、おおむね堅調な値動きで下値を切り上げる値動きとなりました。2020年秋以降、世界的に半導体の不足感が強まっていることで、一部の業種は減産を余儀なくされるなど影響が出ているものの、中長期的な需要は旺盛で、影響は限定的にとどまっています。
米国株式市場では、2021年1月から2021年3月にかけて長期金利の動向によって乱高下しながらも徐々に下値を切り上げる展開となりました。インフラ投資計画などバイデン政権の政策が具体的に示されたことも株価下支え材料となっています。また、個別企業の企業業績にも底打ち感があるほか、ワクチン接種が浸透し始めていることなども株価下支えにつながっています。3月17、18日に開催されたFOMCでは、金融政策変更なしとの方針が示されました。当面金融緩和姿勢が続く見通しの中で、株式市場にとって追い風の状況が続くと予想されます。
アジア株式市場では、経済正常化が鮮明な中国とベトナムの好調さが目立ちました。特に好調だったのがベトナムで、主要指数であるVN指数の2021年1月から2021年3月の騰落率は7.9%でした。経済の正常化、新型コロナウイルスへの対応、対内投資の増加などが追い風となっており、ベトナムは好景気の株高になっているといえます。直近は、商いの急増が株式市場のシステム容量にも影響を与えていますが、影響は限定的になると思われます。また、中国では全人代が開催され、当面の政策方針などが定められました。
緊急事態宣言の発出が繰り返されるなか、感染収束時期が見通せず、依然として先行き不透明な状況が続いておりますが、このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルスの感染収束を目指すものの、緊急事態宣言下で、店頭窓口業務の中止や顧客訪問の制限等の営業活動を強いられる地域も発生し、当社の強みである対面でのコミュニケーションは継続的な自粛を余儀なくされております。一方で電話やその他ツール等を積極的に活用し、対面にこだわらないコミュニケーションを進めたことで、お客様に対して従来の営業活動により厚みを増した接客対応が実現でき、更なる顧客満足度の向上に努めることができております。また、当社グループでは、在宅勤務をはじめ時差出勤や休暇取得の推奨のほか、オンライン会議や室内換気の徹底など、感染拡大防止に努めております。
国内ネットワーク店舗では、1月に従来の証券会社の雰囲気を一掃し、接客用カウンターを廃し、お客様とスタッフのスペースに境界がないオープンカフェ風の新しいスタイルの証券会社として、自由が丘支店をリニューアルオープンしました。
金融機関連携では、1月に西京銀行と当社山口県内全店舗の共同店舗化に関して合意し、2月には当社下松支店を同行周南支店内に移転し、銀証共同店舗として開設しました。
産学連携では、1月に山梨県立大学と両者が持つノウハウ、ネットワークを活かした域外連携(クロスボーダー連携)を行うことで、双方の関係先に対して、これまで以上のサービス提供を行い、関係先の成長、地域活性化へ貢献することを目的とした業務協力覚書を締結しました。教育機関連携としては6校目となります。3月には 地方創生に資する金融機関等の「特徴的な取組」として、当社が運営する「教育機関連携による『起業/ビジネスを通じた高金融リテラシー人材育成と地域活性化施策』の推進」が、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部の「地方創生に資する金融機関等の特徴的な取組事例」に選定され、内閣府特命担当大臣(地方創生担当)より表彰されました。
地方自治体との取組みとしまして、2020年3月に地域活性化に関する包括連携協定を締結した静岡県御殿場市が実施する「富士山眺望地保全活用プロジェクト」に対して、企業版ふるさと納税を通じ支援いたしました。
また、当社の事業領域である金融業界は、新型コロナウイルス感染症の流行により従来の訪問を主体とした営業スタイルの変革が求められ、またネット証券会社を中心とした手数料値下げの動き、更にIFA事業者や他業種からの証券事業参入が相次ぐ等、激しい競争環境に置かれています。
このような環境下では、従来に増して、適切で迅速な意思決定と機動的な事業戦略を実行できる組織体制が求められます。2021年2月12日付け適時開示「会社分割による持株会社体制移行および子会社の設立に関するお知らせ」のとおり、本年10月1日(予定)を効力発生日とする会社分割の方式により、当社、子会社、および関係会社(以下、当社グループ)は、グループ内の事業を証券事業、金融商品仲介事業、運用事業、投資事業の4つに区分し、それぞれを中核とした事業会社を傘下に持つ持株会社体制へ移行する方針を決定しました。
従来の「証券事業」および新たに開始した「金融商品仲介業」はそれぞれ準備会社を設立し、事業開始の準備を進めております。また「運用事業」は、資本業務提携先であるファイブスター投信投資顧問株式会社との協働活動による、お客様への複合的な商品の提案にとどまらず、本年2月に当社子会社の合併により誕生したあいざわアセットマネジメント株式会社がグループ内での運用体制を確立し、様々な投資家ニーズに対する幅広い対応等、当社グループ独自の資産形成ビジネスを推進しています。アイザワ・インベストメンツ株式会社がメインプレーヤ―となる「投資事業」は、従来のベンチャー投資に留まらず、プライベートエクイティ投資や不動産投資等、事業体制を拡充させ、様々な収益方法を駆使しストック収益の確保に努めてまいります。
これらにより当社グループは、持株会社の指揮のもと、グループ全体の機動的な事業活動や迅速な意思決定、また経営資源の適切な配分による財務体質の強化を図るだけでなく、新たな事業の創出等、個々の力を集結させた金融総合グループへステージアップしてまいります。
なお、昨年3月より実施してきました自己株式取得(取得総数:250万株)は2月に無事終了し、3月からは新たな自己株式取得を開始しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は1,071億27百万円と、前連結会計年度末に比べ219億92百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の負債合計は487億81百万円と、前連結会計年度末に比べ137億88百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は583億46百万円と前連結会計年度末に比べ82億4百万円の増加となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益は164億33百万円(前年度比15.8%増)、営業利益は9億29百万円(同267.8%増)、経常利益は15億42百万円(同1.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は45億38百万円(同382.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社の資金調達の総額は53億14百万円です。資金調達の内訳は金融機関等からの短期借入金37億95百万円、証券金融会社からの信用取引借入金5億85百万円、金融機関からの長期借入金9億34百万円です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ10億69百万円増加し、162億31百万円となりました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は16億18百万円となりました。これは主に顧客分別金信託の増加、賃貸不動産の増加、預り金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は41億11百万円となりました。これは主に有形固定資産の売却、投資有価証券の取得、投資有価証券の売却によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は17億83百万円となりました。これは主に自己株式の取得によるものです。
③ トレーディング業務の概要
トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | |||
| 資産の部のトレーディング商品(百万円) | 996 | 244 | ||
| 商品有価証券等(百万円) | 996 | 244 | ||
| 株式・ワラント(百万円) | 181 | 59 | ||
| 債券(百万円) | 815 | 184 | ||
| 受益証券等(百万円) | 0 | 0 | ||
| 負債の部のトレーディング商品(百万円) | 91 | 94 | ||
| 商品有価証券等(百万円) | 90 | 85 | ||
| 株式・ワラント(百万円) | 90 | 85 | ||
| 為替予約取引(百万円) | 1 | 9 | ||
トレーディングのリスク管理:
トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社のリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立したコンプライアンス部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合せて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。
また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであります。このため、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該事業の収益の状況等については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。当社グループの採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)に記載しております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(イ)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は1,071億27百万円と、前連結会計年度末に比べ219億92百万円の増加となりました。
主な要因は、預託金56億50百万円の増加、信用取引資産24億62百万円の増加、賃貸不動産38億65百万円の増加、投資有価証券90億78百万円の増加によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は487億81百万円と、前連結会計年度末に比べ137億88百万円の増加となりました。
主な要因は、有価証券担保借入金17億12百万円の増加、預り金65億86百万円の増加、繰延税金負債31億62百万円の増加によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は583億46百万円と前連結会計年度末に比べ82億4百万円の増加となりました。
主な要因は、利益剰余金36億14百万円の増加、自己株式の増加に伴う純資産17億67百万円の減少、その他有価証券評価差額金55億96百万円の増加によるものです。
(ロ)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は164億33百万円(前年度比15.8%増)となりました。営業収益のおもな内訳は次のとおりです。
1)受入手数料
当連結会計年度の受入手数料は、104億1百万円(同41.7%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)委託手数料
委託手数料は外国株式委託取引の増加により、78億68百万円(同45.5%増)となりました。
ⅱ)引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、国内株式の引受額の減少により4百万円(同67.7%減)となりました。
ⅲ)募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売の増加により8億25百万円(同22.9%増)となりました。
ⅳ)その他の受入手数料
その他の受入手数料は、ファンドラップ取扱いの好調に伴う投資顧問報酬の増加により、17億1百万円(同36.3%増)となりました。
2)トレーディング損益
当連結会計年度のトレーディング損益は、55億50百万円(同12.2%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)株券
外国株国内店頭取引売買代金の増加により、46億44百万円(同10.6%増)となりました。
ⅱ)債券
外国債券の取扱いの減少により、2億60百万円(同83.3%減)となりました。
ⅲ)その他
外国為替取引から生じる損益の増加等により、6億45百万円(同14.6%増)となりました。
3)金融収益
金融収益は信用取引収益の減少等により4億7百万円(同19.9%減)となりました。
なお、金融費用は信用取引費用の減少等により90百万円(同23.4%減)となりました。これにより、金融収支は3億16百万円(同18.8%減)となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は、人件費の増加等により、153億86百万円(同11.4%増)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は受取配当金4億98百万円、収益分配金1億94百万円等により8億62百万円となりました。営業外費用は投資事業組合運用損2億12百万円等により2億49百万円となりました。これにより営業外損益は6億12百万円の利益となりました。
(特別損益)
特別利益は固定資産売却益42億46百万円、投資有価証券売却益13億36百万円等により56億54百万円となりました。特別損失は投資有価証券売却損8億6百万円等により8億53百万円となりました。これにより特別損益は48億0百万円の利益となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
現在、当社グループの収益は主に、株式・投資信託等の約定に伴う受入手数料及び米国株式国内店頭取引、外国債券の販売、主にアジア株式取引の際に発生する外国為替取引等のトレーディング損益に依存しております。そのため、株式・債券相場が下落又は低迷すると、流通市場の市場参加者が減少し、売買高が縮小することから当社グループの受入手数料およびトレーディング損益が減少する可能性があります。また、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動によりトレーディング損益に影響を及ぼす可能性があります。
証券会社は経済情勢及び市況環境の変動による影響を受けやすく、その中でも当社は営業収益に占める株式関連収益の割合が高いことから、株式市況の影響を大きく受けております。この状況に対応するため、預り資産の増加及び安定収益(ストック収益)の増加を当社の課題としており、持続的な高収益体制の構築のため、投資一任運用サービス「ブルーラップ」、「アイザワ ファンドラップ」、投資信託の販売及び残高の純増を強化しております。
特に、当連結会計年度においては「アイザワ ファンドラップ」を戦略的な中核商品とし、契約金額の積み上げを行ってまいりました。その結果、当連結会計年度末の契約金額残高は前年同期比29.8%増の261億5百万円となりました。2018年7月1日に日本アジア証券株式会社と合併したことで、同社のお客様にも「アイザワ ファンドラップ」のご案内が可能となりました。引き続き契約金額の積み上げを行ってまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付であります。信用取引買付代金は株式市況の変動の影響を受けますが、当社は主に日本証券金融株式会社の貸借取引により調達しております。また、不測の事態に備え、安定的かつ機動的な財務運営を行うため、三井住友信託銀行株式会社と総額7億50百万円のコミットメントラインを設定しております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年3月に策定した中期経営計画に基づき「より多くの人に証券投資を通じより豊かな生活を提供する」という経営理念のもと、お客様から信頼され、選ばれる存在であり続けるために、企業規模ではなく、お客様に提供する価値の大きさで評価される企業を目指します。
具体的には、2019年3月末のグループ預り資産1兆2,666億円を2022年3月末に1兆6,700億円とする目標を掲げております。
引き続き、アジア株営業の強化と地域金融機関との販売連携による差別化を推進するとともに、投資の経験が無く、当社の強みであるソリューションスタイルを望んでいるお客様へ迅速に対応していくことで、早期の達成を目指してまいります。