訂正有価証券報告書-第100期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)における世界経済の成長率は2.9%(IMF推計)となり、2018年の成長率3.6%から低下しました。年前半は米中貿易摩擦の激化から景況感は悪化しましたが、年後半は、アメリカの金融緩和への転換や米中貿易摩擦の緩和などから、回復に向かいました。また、2020年3月新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済の景気後退リスクが高まりました。
日本経済は、緩やかな景気調整局面となりました。世界経済の減速から外需が鈍化し、個人消費も停滞しました。アメリカ経済は、個人消費は堅調でしたが、企業の景況感は緩やかに悪化しました。
米国株式市場は、年度前半は米中摩擦の激化などによる世界経済の減速懸念から上昇が抑えられていましたが、FRB(連邦準備制度理事会)が7月、9月、10月と相次いで政策金利を引き下げたことから、秋以降は最高値の更新が続く展開となりました。年末から年明けにかけては米中が一部妥協をしたことなどから中国で電子機器の生産が回復し、米国株も上昇基調が続きました。しかし2月後半に入ると、新型コロナウイルスの感染が欧州から米国に広がり、経済に大きな打撃を与えることとなったことから、急落しました。
国内株式市場は、日経平均株価が年度前半は21,000円を中心としたボックス圏での推移となりました。9月以降、アメリカの金融緩和を契機に上昇に転じ、24,000円台を回復しました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大による市場心理の悪化を受けて、3月には16,000円台まで下落しました。
アジア各国の経済、株式市場も2020年に入ってからは新型コロナウイルス問題の影響により、鉱工業生産指数やPMIなど主な経済指標は急速に悪化しました。中国はもとより、アジアの新興国も中国需要減退によるマイナス影響を受けているため、アジア各国の株式市場も大きく下落しました。
このような状況のもと、当社グループは、当連結会計年度より新たに取組む3カ年の中期経営計画「Design Next100~証券会社の、その先へ~」を推進し、「より多くの人に証券投資を通じ、より豊かな生活を提供する」という経営理念の下、「Hope Courier(希望の宅配人)」「超リテール証券」を我々の目指すビジョンとして掲げ、お客様の資産形成の一助となるべく多彩なソリューションスタイルを駆使し、お客様の満足度向上に努めてまいりました。
地方金融機関との連携といたしまして、2019年4月に青梅信用金庫(東京都)、8月に三島信用金庫(静岡県)、9月に福邦銀行(福井県)と包括的業務提携契約を締結し、地域社会の発展や地域活性化に資する取組みを行うとともに、金融商品・サービスの高度化に向けて連携をしております。
アジア株の取組みといたしましては、2019年9月にベトナム株式市場のリアルタイム取引を開始いたしました。これによりお客様の利便性が向上し、以前から取り組んでいた現地レポート等の情報提供の増加と合わせて、より魅力的で多様な投資機会が提供できております。
その他に、地方創生・地域活性化に関する取組みとして、2020年3月に当社として初となる地方自治体との包括連携協定を静岡県御殿場市と締結しました。企業の経営支援など産業振興の他、市民の資産運用支援や地域の教育支援など、地方創生・地域活性化に寄与してまいります。
また、お客様へのサービス向上と店舗ネットワークの最適化を図るため、新たな店舗スタイルであるコンサルティングプラザの開設など、地域に根ざした店舗運営に向け最適な営業体制を構築してまいります。なお、前述の新型コロナウイルス感染拡大による株式市場の下落や営業部店の店頭業務休止による当社の経営成績への影響は限定的であると認識しておりますが、今後新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する場合には当社の経営戦略に一定の影響を及ぼす可能性があります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は851億34百万円と、前連結会計年度末に比べ7億79百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債合計は349億92百万円と、前連結会計年度末に比べ27億5百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は501億41百万円と前連結会計年度末に比べ34億84百万円の減少となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益は141億88百万円(前年度比11.7%増)、営業利益は2億52百万円、経常利益は15億21百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億40百万円(同281.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社の資金調達の総額は41億86百万円です。資金調達の内訳は金融機関等からの短期借入金37億95百万円、証券金融会社からの信用取引借入金3億91百万円です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ36億92百万円増加し、151億62百万円となりました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は88億18百万円となりました。これは主に信用取引資産の減少、預り金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は33億34百万円となりました。これは主に投資有価証券の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は15億21百万円となりました。これは主に配当金の支払いによるものです。
③ トレーディング業務の概要
トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。
トレーディングのリスク管理:
トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社のリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立したコンプライアンス部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合せて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。
また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであります。このため、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該事業の収益の状況等については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。当社グループの採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)に記載しております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(イ)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は851億34百万円と、前連結会計年度末に比べ7億79百万円の減少となりました。主な要因は、現金・預金36億93百万円の増加、預託金15億21百万円の増加、信用取引資産59億18百万円の減少によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は349億92百万円と、前連結会計年度末に比べ27億5百万円の増加となりました。主な要因は、預り金37億25百万円の増加、繰延税金負債10億87百万円の減少によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は501億41百万円と前連結会計年度末に比べ34億84百万円の減少となりました。主な要因は、自己株式5億92百万円の増加、その他有価証券評価差額金27億25百万円の減少によるものです。
(ロ)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は141億88百万円(前年度比11.7%増)となりました。営業収益のおもな内訳は次のとおりです。
1)受入手数料
当連結会計年度の受入手数料は、73億42百万円(前年度比2.4%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)委託手数料
委託手数料は外国株式委託取引の増加により、54億6百万円(同4.2%増)となりました。
ⅱ)引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、国内株式の引受額の減少により15百万円(同37.7%減)となりました。
ⅲ)募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売の減少により6億72百万円(同33.9%減)となりました。
ⅳ)その他の受入手数料
その他の受入手数料は、投資信託期末残高手数料の減少により、12億48百万円(同3.6%減)となりました。
2)トレーディング損益
当連結会計年度のトレーディング損益は、63億20百万円(同39.5%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)株券
外国株国内店頭取引売買代金の増加により、41億97百万円(同21.9%増)となりました。
ⅱ)債券
先進国債券の取扱いの増加により、15億59百万円(同144.1%増)となりました。
ⅲ)その他
外国為替取引から生じる損益の増加等により、5億63百万円(同25.8%増)となりました。
3)金融収益
金融収益は信用取引収益の減少等により5億8百万円(同18.5%減)となりました。
なお、金融費用は信用取引費用の減少等により1億18百万円(同2.7%減)となりました。これにより、金融収支は3億90百万円(同22.4%減)となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は、取引関係費の減少等により、138億17百万円(同5.1%減)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は受取配当金5億34百万円、収益分配金4億51百万円等により13億1百万円となりました。営業外費用は和解金28百万円等により32百万円となりました。これにより営業外損益は12億68百万円の利益となりました。
(特別損益)
特別利益は投資有価証券売却益3億98百万円等により3億99百万円となりました。特別損失は投資有価証券評価損6億1百万円等により6億13百万円となりました。これにより特別損益は2億14百万円の損失となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
現在、当社グループの収益は主に、株式・投資信託等の約定に伴う受入手数料及び米国株式国内店頭取引、外国債券の販売、主にアジア株式取引の際に発生する外国為替取引等のトレーディング損益に依存しております。そのため、株式・債券相場が下落又は低迷すると、流通市場の市場参加者が減少し、売買高が縮小することから当社グループの受入手数料およびトレーディング損益が減少する可能性があります。また、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動によりトレーディング損益に影響を及ぼす可能性があります。
証券会社は経済情勢及び市況環境の変動による影響を受けやすく、その中でも当社は営業収益に占める株式関連収益の割合が高いことから、株式市況の影響を大きく受けております。この状況に対応するため、預り資産の増加及び安定収益(ストック収益)の増加を当社の課題としており、持続的な高収益体制の構築のため、投資一任運用サービス「ブルーラップ」、「アイザワ ファンドラップ」、投資信託の販売及び残高の純増を強化しております。
特に、当連結会計年度においては「アイザワ ファンドラップ」を戦略的な中核商品とし、契約金額の積み上げを行ってまいりました。その結果、当連結会計年度末の契約金額残高は前年同期比29.8%増の261億5百万円となりました。2018年7月1日に日本アジア証券株式会社と合併したことで、同社のお客様にも「アイザワ ファンドラップ」のご案内が可能となりました。引き続き契約金額の積み上げを行ってまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付であります。信用取引買付代金は株式市況の変動の影響を受けますが、当社は主に日本証券金融株式会社の貸借取引により調達しております。また、不測の事態に備え、安定的かつ機動的な財務運営を行うため、三井住友信託銀行株式会社と総額7億50百万円のコミットメントラインを設定しております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年3月に策定した中期経営計画に基づき「より多くの人に証券投資を通じより豊かな生活を提供する」という経営理念のもと、お客様から信頼され、選ばれる存在であり続けるために、企業規模ではなく、お客様に提供する価値の大きさで評価される企業を目指します。
具体的には、2019年3月末のグループ預り資産1兆2,666億円を2022年3月末に1兆6,700億円とする目標を掲げております。
引き続き、アジア株営業の強化と地域金融機関との販売連携による差別化を推進するとともに、投資の経験が無く、当社の強みであるソリューションスタイルを望んでいるお客様へ迅速に対応していくことで、早期の達成を目指してまいります。
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)における世界経済の成長率は2.9%(IMF推計)となり、2018年の成長率3.6%から低下しました。年前半は米中貿易摩擦の激化から景況感は悪化しましたが、年後半は、アメリカの金融緩和への転換や米中貿易摩擦の緩和などから、回復に向かいました。また、2020年3月新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済の景気後退リスクが高まりました。
日本経済は、緩やかな景気調整局面となりました。世界経済の減速から外需が鈍化し、個人消費も停滞しました。アメリカ経済は、個人消費は堅調でしたが、企業の景況感は緩やかに悪化しました。
米国株式市場は、年度前半は米中摩擦の激化などによる世界経済の減速懸念から上昇が抑えられていましたが、FRB(連邦準備制度理事会)が7月、9月、10月と相次いで政策金利を引き下げたことから、秋以降は最高値の更新が続く展開となりました。年末から年明けにかけては米中が一部妥協をしたことなどから中国で電子機器の生産が回復し、米国株も上昇基調が続きました。しかし2月後半に入ると、新型コロナウイルスの感染が欧州から米国に広がり、経済に大きな打撃を与えることとなったことから、急落しました。
国内株式市場は、日経平均株価が年度前半は21,000円を中心としたボックス圏での推移となりました。9月以降、アメリカの金融緩和を契機に上昇に転じ、24,000円台を回復しました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大による市場心理の悪化を受けて、3月には16,000円台まで下落しました。
アジア各国の経済、株式市場も2020年に入ってからは新型コロナウイルス問題の影響により、鉱工業生産指数やPMIなど主な経済指標は急速に悪化しました。中国はもとより、アジアの新興国も中国需要減退によるマイナス影響を受けているため、アジア各国の株式市場も大きく下落しました。
このような状況のもと、当社グループは、当連結会計年度より新たに取組む3カ年の中期経営計画「Design Next100~証券会社の、その先へ~」を推進し、「より多くの人に証券投資を通じ、より豊かな生活を提供する」という経営理念の下、「Hope Courier(希望の宅配人)」「超リテール証券」を我々の目指すビジョンとして掲げ、お客様の資産形成の一助となるべく多彩なソリューションスタイルを駆使し、お客様の満足度向上に努めてまいりました。
地方金融機関との連携といたしまして、2019年4月に青梅信用金庫(東京都)、8月に三島信用金庫(静岡県)、9月に福邦銀行(福井県)と包括的業務提携契約を締結し、地域社会の発展や地域活性化に資する取組みを行うとともに、金融商品・サービスの高度化に向けて連携をしております。
アジア株の取組みといたしましては、2019年9月にベトナム株式市場のリアルタイム取引を開始いたしました。これによりお客様の利便性が向上し、以前から取り組んでいた現地レポート等の情報提供の増加と合わせて、より魅力的で多様な投資機会が提供できております。
その他に、地方創生・地域活性化に関する取組みとして、2020年3月に当社として初となる地方自治体との包括連携協定を静岡県御殿場市と締結しました。企業の経営支援など産業振興の他、市民の資産運用支援や地域の教育支援など、地方創生・地域活性化に寄与してまいります。
また、お客様へのサービス向上と店舗ネットワークの最適化を図るため、新たな店舗スタイルであるコンサルティングプラザの開設など、地域に根ざした店舗運営に向け最適な営業体制を構築してまいります。なお、前述の新型コロナウイルス感染拡大による株式市場の下落や営業部店の店頭業務休止による当社の経営成績への影響は限定的であると認識しておりますが、今後新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する場合には当社の経営戦略に一定の影響を及ぼす可能性があります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は851億34百万円と、前連結会計年度末に比べ7億79百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債合計は349億92百万円と、前連結会計年度末に比べ27億5百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は501億41百万円と前連結会計年度末に比べ34億84百万円の減少となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益は141億88百万円(前年度比11.7%増)、営業利益は2億52百万円、経常利益は15億21百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億40百万円(同281.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社の資金調達の総額は41億86百万円です。資金調達の内訳は金融機関等からの短期借入金37億95百万円、証券金融会社からの信用取引借入金3億91百万円です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ36億92百万円増加し、151億62百万円となりました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は88億18百万円となりました。これは主に信用取引資産の減少、預り金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は33億34百万円となりました。これは主に投資有価証券の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は15億21百万円となりました。これは主に配当金の支払いによるものです。
③ トレーディング業務の概要
トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |||
| 資産の部のトレーディング商品(百万円) | 399 | 996 | ||
| 商品有価証券等(百万円) | 399 | 996 | ||
| 株式・ワラント(百万円) | 164 | 181 | ||
| 債券(百万円) | 234 | 815 | ||
| 受益証券等(百万円) | 0 | 0 | ||
| 負債の部のトレーディング商品(百万円) | 185 | 91 | ||
| 商品有価証券等(百万円) | 185 | 90 | ||
| 株式・ワラント(百万円) | 185 | 90 | ||
| 為替予約取引(百万円) | ― | 1 | ||
トレーディングのリスク管理:
トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社のリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立したコンプライアンス部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合せて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。
また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであります。このため、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該事業の収益の状況等については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。当社グループの採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)に記載しております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(イ)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は851億34百万円と、前連結会計年度末に比べ7億79百万円の減少となりました。主な要因は、現金・預金36億93百万円の増加、預託金15億21百万円の増加、信用取引資産59億18百万円の減少によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は349億92百万円と、前連結会計年度末に比べ27億5百万円の増加となりました。主な要因は、預り金37億25百万円の増加、繰延税金負債10億87百万円の減少によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は501億41百万円と前連結会計年度末に比べ34億84百万円の減少となりました。主な要因は、自己株式5億92百万円の増加、その他有価証券評価差額金27億25百万円の減少によるものです。
(ロ)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は141億88百万円(前年度比11.7%増)となりました。営業収益のおもな内訳は次のとおりです。
1)受入手数料
当連結会計年度の受入手数料は、73億42百万円(前年度比2.4%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)委託手数料
委託手数料は外国株式委託取引の増加により、54億6百万円(同4.2%増)となりました。
ⅱ)引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、国内株式の引受額の減少により15百万円(同37.7%減)となりました。
ⅲ)募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売の減少により6億72百万円(同33.9%減)となりました。
ⅳ)その他の受入手数料
その他の受入手数料は、投資信託期末残高手数料の減少により、12億48百万円(同3.6%減)となりました。
2)トレーディング損益
当連結会計年度のトレーディング損益は、63億20百万円(同39.5%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)株券
外国株国内店頭取引売買代金の増加により、41億97百万円(同21.9%増)となりました。
ⅱ)債券
先進国債券の取扱いの増加により、15億59百万円(同144.1%増)となりました。
ⅲ)その他
外国為替取引から生じる損益の増加等により、5億63百万円(同25.8%増)となりました。
3)金融収益
金融収益は信用取引収益の減少等により5億8百万円(同18.5%減)となりました。
なお、金融費用は信用取引費用の減少等により1億18百万円(同2.7%減)となりました。これにより、金融収支は3億90百万円(同22.4%減)となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は、取引関係費の減少等により、138億17百万円(同5.1%減)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は受取配当金5億34百万円、収益分配金4億51百万円等により13億1百万円となりました。営業外費用は和解金28百万円等により32百万円となりました。これにより営業外損益は12億68百万円の利益となりました。
(特別損益)
特別利益は投資有価証券売却益3億98百万円等により3億99百万円となりました。特別損失は投資有価証券評価損6億1百万円等により6億13百万円となりました。これにより特別損益は2億14百万円の損失となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
現在、当社グループの収益は主に、株式・投資信託等の約定に伴う受入手数料及び米国株式国内店頭取引、外国債券の販売、主にアジア株式取引の際に発生する外国為替取引等のトレーディング損益に依存しております。そのため、株式・債券相場が下落又は低迷すると、流通市場の市場参加者が減少し、売買高が縮小することから当社グループの受入手数料およびトレーディング損益が減少する可能性があります。また、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動によりトレーディング損益に影響を及ぼす可能性があります。
証券会社は経済情勢及び市況環境の変動による影響を受けやすく、その中でも当社は営業収益に占める株式関連収益の割合が高いことから、株式市況の影響を大きく受けております。この状況に対応するため、預り資産の増加及び安定収益(ストック収益)の増加を当社の課題としており、持続的な高収益体制の構築のため、投資一任運用サービス「ブルーラップ」、「アイザワ ファンドラップ」、投資信託の販売及び残高の純増を強化しております。
特に、当連結会計年度においては「アイザワ ファンドラップ」を戦略的な中核商品とし、契約金額の積み上げを行ってまいりました。その結果、当連結会計年度末の契約金額残高は前年同期比29.8%増の261億5百万円となりました。2018年7月1日に日本アジア証券株式会社と合併したことで、同社のお客様にも「アイザワ ファンドラップ」のご案内が可能となりました。引き続き契約金額の積み上げを行ってまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付であります。信用取引買付代金は株式市況の変動の影響を受けますが、当社は主に日本証券金融株式会社の貸借取引により調達しております。また、不測の事態に備え、安定的かつ機動的な財務運営を行うため、三井住友信託銀行株式会社と総額7億50百万円のコミットメントラインを設定しております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年3月に策定した中期経営計画に基づき「より多くの人に証券投資を通じより豊かな生活を提供する」という経営理念のもと、お客様から信頼され、選ばれる存在であり続けるために、企業規模ではなく、お客様に提供する価値の大きさで評価される企業を目指します。
具体的には、2019年3月末のグループ預り資産1兆2,666億円を2022年3月末に1兆6,700億円とする目標を掲げております。
引き続き、アジア株営業の強化と地域金融機関との販売連携による差別化を推進するとともに、投資の経験が無く、当社の強みであるソリューションスタイルを望んでいるお客様へ迅速に対応していくことで、早期の達成を目指してまいります。