有価証券報告書-第98期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大による当連結会計年度の経営成績に与えた影響は、感染拡大が年度末近くであったため限定的であったと考えております。しかしながら、政府より緊急事態宣言が出された2020年4月以降、お客さまへの訪問自粛、店頭業務の休止、従業員の在宅勤務など新型コロナウイルスの感染拡大は当社グループの事業活動に影響を与えております。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化すれば経営成績に一定の影響を及ぼすと考えており、そのリスクを最小限にするための施策を検討しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの業績は、取引関係費、減価償却費を中心に販売費・一般管理費が減少し、当社の専用ファンドである中国株投資信託の販売好調による募集手数料が増加したものの、日本株、米国株、中国株の手数料が低調であったため、営業収益は96億97百万円(前連結会計年度比92.2%)、経常損失は11億48百万円(前連結会計年度は11億52百万円の経常損失)になりました。また、前連結会計年度の特殊要因である基幹システム移行費用7億25百万円の減少に加え、当連結会計年度の特殊要因である投資有価証券売却益6億17百万円等の特別利益の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は6億19百万円(前連結会計年度は24億78百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)になりました。
なお、主な内訳は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
受入手数料の合計は67億81百万円(前連結会計年度比101.3%)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。
(委託手数料)
当連結会計年度の東証一・二部の1日平均売買代金は2兆6,418億円(前連結会計年度比91.3%)になりました。当社の国内株式委託売買代金は6,202億円(前連結会計年度比74.1%)、外国株式委託売買代金は561億円(前連結会計年度比116.4%)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は24億81百万円(前連結会計年度比88.6%)になりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は債券の引受高の増加等により47百万円(前連結会計年度比147.0%)になりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が983億円(前連結会計年度比128.6%)に増加したため26億40百万円(前連結会計年度比126.9%)になりました。
(その他の受入手数料)
証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が2,001億円(前連結会計年度比96.0%)に減少したため、16億11百万円(前連結会計年度比90.5%)になりました。
ロ トレーディング損益
トレーディング損益は米国株の店頭取引売買代金の減少等により株券等が15億16百万円(前連結会計年度比61.5%)、外国債券取引の増加等により債券等が5億99百万円(前連結会計年度比144.3%)、中国株取引に係る為替手数料の減少等によりその他が4億11百万円(前連結会計年度比76.2%)で合計25億28百万円(前連結会計年度比73.9%)になりました。
ハ 金融収支
金融収益は信用取引収益の減少等により3億87百万円(前連結会計年度比96.6%)になりました。また、金融費用は支払利息の減少等により93百万円(前連結会計年度比99.9%)になりました。この結果、差引金融収支は2億94百万円(前連結会計年度比95.6%)になりました。
ニ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、2018年11月の基幹システムの移行に伴う旧基幹システムの減価償却が終了したこと等により減価償却費が4億45百万円(前連結会計年度比41.5%)、通信・運送費の減少等により取引関係費が14億31百万円(前連結会計年度比85.8%)となったため、合計で113億52百万円(前連結会計年度比92.1%)になりました。
ホ 営業外損益
営業外収益は数理計算上の差異償却の減少等により6億59百万円(前連結会計年度比79.0%)、営業外費用は固定資産除却損の減少等により60百万円(前連結会計年度比71.2%)で差引損益は5億99百万円(前連結会計年度比79.9%)になりました。
ヘ 特別損益
特別利益は投資有価証券売却益等により7億23百万円(前連結会計年度比189.5%)、特別損失は減損損失等により88百万円(前連結会計年度比8.1%)で差引損益は6億35百万円(前連結会計年度は6億95百万円の損失)になりました。
ト 資産の状況
資産合計は716億66百万円と前連結会計年度末に比べ6億51百万円の増加になりました。主な要因は、信用取引貸付金が21億55百万円減少したものの、現金・預金が35億86百万円増加したことによるものであります。
チ 負債の状況
負債合計は365億7百万円と前連結会計年度末に比べ39億70百万円の増加になりました。主な要因は、信用取引借入金が15億27百万円減少したものの、その他の預り金が21億67百万円、有価証券貸借取引受入金が20億55百万円増加したことによるものであります。
リ 純資産の状況
純資産合計は351億58百万円と前連結会計年度末に比べ33億18百万円の減少になりました。主な要因は、利益剰余金が10億91百万円、その他有価証券評価差額金が8億27百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は215億66百万円と前連結会計年度に比べ54億90百万円の増加になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、立替金及び預り金の増減額40億44百万円(前連結会計年度比85億34百万円の増加)、有価証券担保借入金の増減額20億55百万円(前連結会計年度比24億19百万円の増加)、税金等調整前当期純損失△5億13百万円(前連結会計年度比13億33百万円の増加)、信用取引資産の増減額19億円(前連結会計年度比54億49百万円の減少)、顧客分別金信託の増減額△30億60百万円(前連結会計年度比52億40百万円の減少)等により42億71百万円(前連結会計年度比13億17百万円の増加)になりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出△20億41百万円(前連結会計年度比19億20百万円の増加)、長期前払費用の取得による支出△25百万円(前連結会計年度比15億51百万円の増加)、定期預金の払戻による収入38億90百万円(前連結会計年度比9億94百万円の増加)等により24億17百万円(前連結会計年度比48億41百万円の増加)になりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の純増減額△6億37百万円(前連結会計年度比6億93百万円の減少)、配当金の支払額△4億15百万円(前連結会計年度比4億11百万円の増加)等により△9億57百万円(前連結会計年度比1億84百万円の減少)になりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の実績等については、「①財政状態及び経営成績の状況」欄に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ 貸倒引当金
当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を2億9百万円計上しております。
ロ 有価証券の減損
当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を政策保有株式として保有しております。政策保有株式については時価の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券評価損を計上しております。非上場株式については、時価を把握することが極めて困難であるため、発行会社の財政状態や将来性等、当社所定のルールに従い算定した額を時価とみなし、判定をしております。
なお、当連結会計年度は、保有株式の時価の下落等により6百万円の減損を計上しております。
ハ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の収益性が低下し、その固定資産に対して投資した金額が回収できないと認識した場合に、所定のルールに従い、回収可能な金額まで固定資産の帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の減損損失の測定に際して用いた回収可能価額は将来収支計画の見積りに基づいており、将来収支計画の見積りは新型コロナウイルス感染症拡大等の一定の影響を考慮して算定しております。
なお、当連結会計年度は、減損損失を79百万円計上しております。
ニ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。繰延税金資産の算定に際して用いた将来の課税所得の算定の基礎となる収支計画の見積りにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大等の一定の影響を考慮して算定しております。
なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を29百万円計上しております。
ホ 年金給付費用
当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。
確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。
なお、当連結会計年度は数理計算上の差異の有利差異償却が勤務費用及び利息費用を上回っていることから、営業外収益を98百万円計上しております。また、当連結会計年度末現在、退職給付に係る資産を13億51百万円計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、お客さま本位の業務運営を追求し、お客さま満足度の向上により顧客基盤を拡充することで、企業価値向上を図るビジネスモデルの確立を目指しております。このビジネスモデルの確立に向けて、当社グループは、国内株式や投資信託に加えて、中国株・米国株等の外国株をお客さまの中長期的な資産形成の選択肢の一つとしてポートフォリオへ組み入れることを提案しております。
しかしながら、当連結会計年度の当社グループの国内株、中国株の取引高は減少し、当社グループの委託手数料は24億81百万円と前連結会計年度に比べ3億17百万円減少し、米国株の店頭取引売買代金の減少等によりトレーディング損益は25億28百万円と前連結会計年度に比べ8億91百万円減少しました。
また、当社グループは、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。当該方針のもと、当連結会計年度は当社の専用ファンドである中国株投資信託の販売に注力し、投資信託の販売手数料は26億27百万円と前連結会計年度に比べ5億57百万円増加したものの、信託報酬(代行手数料)は14億10百万円と前連結会計年度に比べ54百万円減少しました。
販売費・一般管理費は2018年11月の基幹システムの移行に伴う旧基幹システムの減価償却が終了したこと等により減価償却費が減少したため、合計で113億52百万円となり、前連結会計年度に比べ9億69百万円減少しました。
この結果、当社グループの営業損失は17億47百万円(前連結会計年度の営業損失は19億1百万円)となりました。
ロ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。このため、当社グループは上記のとおり、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。
ハ 資金の財源及び流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、立替金及び預り金の増加等により42億71百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが、定期預金の払戻による収入等により24億17百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが、自己株式の純増等により9億57百万円の支出となりました。
この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ54億90百万円増加し215億66百万円となり、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。
また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行10行それぞれと当座貸越契約、取引銀行5行それぞれと貸出コミットメント契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大による当連結会計年度の経営成績に与えた影響は、感染拡大が年度末近くであったため限定的であったと考えております。しかしながら、政府より緊急事態宣言が出された2020年4月以降、お客さまへの訪問自粛、店頭業務の休止、従業員の在宅勤務など新型コロナウイルスの感染拡大は当社グループの事業活動に影響を与えております。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化すれば経営成績に一定の影響を及ぼすと考えており、そのリスクを最小限にするための施策を検討しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの業績は、取引関係費、減価償却費を中心に販売費・一般管理費が減少し、当社の専用ファンドである中国株投資信託の販売好調による募集手数料が増加したものの、日本株、米国株、中国株の手数料が低調であったため、営業収益は96億97百万円(前連結会計年度比92.2%)、経常損失は11億48百万円(前連結会計年度は11億52百万円の経常損失)になりました。また、前連結会計年度の特殊要因である基幹システム移行費用7億25百万円の減少に加え、当連結会計年度の特殊要因である投資有価証券売却益6億17百万円等の特別利益の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は6億19百万円(前連結会計年度は24億78百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)になりました。
なお、主な内訳は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
受入手数料の合計は67億81百万円(前連結会計年度比101.3%)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。
(委託手数料)
当連結会計年度の東証一・二部の1日平均売買代金は2兆6,418億円(前連結会計年度比91.3%)になりました。当社の国内株式委託売買代金は6,202億円(前連結会計年度比74.1%)、外国株式委託売買代金は561億円(前連結会計年度比116.4%)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は24億81百万円(前連結会計年度比88.6%)になりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は債券の引受高の増加等により47百万円(前連結会計年度比147.0%)になりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が983億円(前連結会計年度比128.6%)に増加したため26億40百万円(前連結会計年度比126.9%)になりました。
(その他の受入手数料)
証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が2,001億円(前連結会計年度比96.0%)に減少したため、16億11百万円(前連結会計年度比90.5%)になりました。
ロ トレーディング損益
トレーディング損益は米国株の店頭取引売買代金の減少等により株券等が15億16百万円(前連結会計年度比61.5%)、外国債券取引の増加等により債券等が5億99百万円(前連結会計年度比144.3%)、中国株取引に係る為替手数料の減少等によりその他が4億11百万円(前連結会計年度比76.2%)で合計25億28百万円(前連結会計年度比73.9%)になりました。
ハ 金融収支
金融収益は信用取引収益の減少等により3億87百万円(前連結会計年度比96.6%)になりました。また、金融費用は支払利息の減少等により93百万円(前連結会計年度比99.9%)になりました。この結果、差引金融収支は2億94百万円(前連結会計年度比95.6%)になりました。
ニ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、2018年11月の基幹システムの移行に伴う旧基幹システムの減価償却が終了したこと等により減価償却費が4億45百万円(前連結会計年度比41.5%)、通信・運送費の減少等により取引関係費が14億31百万円(前連結会計年度比85.8%)となったため、合計で113億52百万円(前連結会計年度比92.1%)になりました。
ホ 営業外損益
営業外収益は数理計算上の差異償却の減少等により6億59百万円(前連結会計年度比79.0%)、営業外費用は固定資産除却損の減少等により60百万円(前連結会計年度比71.2%)で差引損益は5億99百万円(前連結会計年度比79.9%)になりました。
ヘ 特別損益
特別利益は投資有価証券売却益等により7億23百万円(前連結会計年度比189.5%)、特別損失は減損損失等により88百万円(前連結会計年度比8.1%)で差引損益は6億35百万円(前連結会計年度は6億95百万円の損失)になりました。
ト 資産の状況
資産合計は716億66百万円と前連結会計年度末に比べ6億51百万円の増加になりました。主な要因は、信用取引貸付金が21億55百万円減少したものの、現金・預金が35億86百万円増加したことによるものであります。
チ 負債の状況
負債合計は365億7百万円と前連結会計年度末に比べ39億70百万円の増加になりました。主な要因は、信用取引借入金が15億27百万円減少したものの、その他の預り金が21億67百万円、有価証券貸借取引受入金が20億55百万円増加したことによるものであります。
リ 純資産の状況
純資産合計は351億58百万円と前連結会計年度末に比べ33億18百万円の減少になりました。主な要因は、利益剰余金が10億91百万円、その他有価証券評価差額金が8億27百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は215億66百万円と前連結会計年度に比べ54億90百万円の増加になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、立替金及び預り金の増減額40億44百万円(前連結会計年度比85億34百万円の増加)、有価証券担保借入金の増減額20億55百万円(前連結会計年度比24億19百万円の増加)、税金等調整前当期純損失△5億13百万円(前連結会計年度比13億33百万円の増加)、信用取引資産の増減額19億円(前連結会計年度比54億49百万円の減少)、顧客分別金信託の増減額△30億60百万円(前連結会計年度比52億40百万円の減少)等により42億71百万円(前連結会計年度比13億17百万円の増加)になりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出△20億41百万円(前連結会計年度比19億20百万円の増加)、長期前払費用の取得による支出△25百万円(前連結会計年度比15億51百万円の増加)、定期預金の払戻による収入38億90百万円(前連結会計年度比9億94百万円の増加)等により24億17百万円(前連結会計年度比48億41百万円の増加)になりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の純増減額△6億37百万円(前連結会計年度比6億93百万円の減少)、配当金の支払額△4億15百万円(前連結会計年度比4億11百万円の増加)等により△9億57百万円(前連結会計年度比1億84百万円の減少)になりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の実績等については、「①財政状態及び経営成績の状況」欄に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ 貸倒引当金
当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を2億9百万円計上しております。
ロ 有価証券の減損
当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を政策保有株式として保有しております。政策保有株式については時価の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券評価損を計上しております。非上場株式については、時価を把握することが極めて困難であるため、発行会社の財政状態や将来性等、当社所定のルールに従い算定した額を時価とみなし、判定をしております。
なお、当連結会計年度は、保有株式の時価の下落等により6百万円の減損を計上しております。
ハ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の収益性が低下し、その固定資産に対して投資した金額が回収できないと認識した場合に、所定のルールに従い、回収可能な金額まで固定資産の帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の減損損失の測定に際して用いた回収可能価額は将来収支計画の見積りに基づいており、将来収支計画の見積りは新型コロナウイルス感染症拡大等の一定の影響を考慮して算定しております。
なお、当連結会計年度は、減損損失を79百万円計上しております。
ニ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。繰延税金資産の算定に際して用いた将来の課税所得の算定の基礎となる収支計画の見積りにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大等の一定の影響を考慮して算定しております。
なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を29百万円計上しております。
ホ 年金給付費用
当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。
確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。
なお、当連結会計年度は数理計算上の差異の有利差異償却が勤務費用及び利息費用を上回っていることから、営業外収益を98百万円計上しております。また、当連結会計年度末現在、退職給付に係る資産を13億51百万円計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、お客さま本位の業務運営を追求し、お客さま満足度の向上により顧客基盤を拡充することで、企業価値向上を図るビジネスモデルの確立を目指しております。このビジネスモデルの確立に向けて、当社グループは、国内株式や投資信託に加えて、中国株・米国株等の外国株をお客さまの中長期的な資産形成の選択肢の一つとしてポートフォリオへ組み入れることを提案しております。
しかしながら、当連結会計年度の当社グループの国内株、中国株の取引高は減少し、当社グループの委託手数料は24億81百万円と前連結会計年度に比べ3億17百万円減少し、米国株の店頭取引売買代金の減少等によりトレーディング損益は25億28百万円と前連結会計年度に比べ8億91百万円減少しました。
また、当社グループは、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。当該方針のもと、当連結会計年度は当社の専用ファンドである中国株投資信託の販売に注力し、投資信託の販売手数料は26億27百万円と前連結会計年度に比べ5億57百万円増加したものの、信託報酬(代行手数料)は14億10百万円と前連結会計年度に比べ54百万円減少しました。
販売費・一般管理費は2018年11月の基幹システムの移行に伴う旧基幹システムの減価償却が終了したこと等により減価償却費が減少したため、合計で113億52百万円となり、前連結会計年度に比べ9億69百万円減少しました。
この結果、当社グループの営業損失は17億47百万円(前連結会計年度の営業損失は19億1百万円)となりました。
ロ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。このため、当社グループは上記のとおり、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。
ハ 資金の財源及び流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、立替金及び預り金の増加等により42億71百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが、定期預金の払戻による収入等により24億17百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが、自己株式の純増等により9億57百万円の支出となりました。
この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ54億90百万円増加し215億66百万円となり、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。
また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行10行それぞれと当座貸越契約、取引銀行5行それぞれと貸出コミットメント契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。