有価証券報告書-第104期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループの業績は、高市政権への期待、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ、トランプ政権の政策の不透明感、地政学リスクなどから日米中の株式相場が乱高下しつつも大きく上昇した環境の中で投資信託の販売手数料、投資信託の代行手数料、国内株委託手数料、中国株手数料やソリューションビジネス関連収益が増加しました。ただし、固定資産の減損及び繰延税金資産の計上の前提となる将来収支計画の見積りに関しては、将来の不確実性等一定の影響を考慮して算定しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、緩やかな拡大が続きました。しかし、米国政府の経済・通商政策の動向や中国経済の停滞、東欧・中東地域を中心とした地政学的リスク等、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、投資信託の販売手数料、投資信託の代行手数料、国内株委託手数料、中国株手数料やソリューションビジネス関連収益が増加したため、営業収益は135億76百万円(前連結会計年度比20.2%増)、経常利益は32億59百万円(前連結会計年度比214.3%増)と大幅に増収増益となりました。一方、投資有価証券売却益(特別利益)が減少したため、親会社株主に帰属する当期純利益は39億37百万円(前連結会計年度比48.3%増)と経常利益と比較して増加率は減少しました。
なお、主な内訳は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
受入手数料の合計は113億91百万円(前連結会計年度比32.8%増)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。
(委託手数料)
当連結会計年度の東証の1日平均売買代金は7兆1,018億円(前連結会計年度比33.1%増)になりました。当社の国内株式委託売買代金は1兆431億円(前連結会計年度比20.1%増)、外国株式委託売買代金は693億円(前連結会計年度比23.4%増)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は51億4百万円(前連結会計年度比41.2%増)になりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は主幹事案件があったため33百万円(前連結会計年度比42.5%増)になりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が1,154億円(前連結会計年度比32.5%増)に増加したため、29億63百万円(前連結会計年度比34.9%増)になりました。
(その他の受入手数料)
証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が3,868億円(前連結会計年度比13.9%増)に増加したため、32億90百万円(前連結会計年度比19.9%増)になりました。
ロ トレーディング損益
トレーディング損益は、米国株店頭取引売買代金の減少等により株券等が11億47百万円(前連結会計年度比31.5%減)と減少したため、合計で13億9百万円(前連結会計年度比33.4%減)になりました。
ハ 金融収支
金融収益は受取債券利子の増加等により7億63百万円(前連結会計年度比18.0%増)になりました。また、金融費用は支払利息の増加等により2億39百万円(前連結会計年度比33.3%増)になりました。この結果、差引金融収支は5億24百万円(前連結会計年度比12.1%増)になりました。
ニ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費が12億59百万円(前連結会計年度比7.5%減)、事務費が20億28百万円(前連結会計年度比4.1%減)と減少したものの、業績の回復に伴い人件費が51億82百万円(前連結会計年度比4.6%増)と増加したため、合計で103億92百万円(前連結会計年度比0.8%増)になりました。
ホ 営業外損益
営業外収益は投資事業組合運用益の増加等により4億73百万円(前連結会計年度比25.5%増)、営業外費用は投資事業組合運用損の増加等により34百万円(前連結会計年度比0.1%増)で差引損益は4億39百万円(前連結会計年度比28.0%増)になりました。
ヘ 特別損益
特別利益は投資有価証券売却益等により14億29百万円(前連結会計年度比36.4%減)、特別損失は金融商品取引責任準備金繰入れにより9百万円(前連結会計年度比97.1%減)になりました。この結果、差引損益14億20百万円(前連結会計年度比25.7%減)になりました。
ト 資産の状況
資産合計は719億50百万円と前連結会計年度末に比べ25億63百万円の増加になりました。主な要因は、顧客分別金信託が33億49百万円減少したものの、信用取引貸付金が51億91百万円、退職給付に係る資産が12億86百万円増加したことによるものであります。
チ 負債の状況
負債合計は413億11百万円と前連結会計年度末に比べ20億46百万円の増加になりました。主な要因は、顧客からの預り金が41億61百万円減少したものの、その他の預り金が20億69百万円、信用取引借入金が10億98百万円、受入保証金が8億66百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が8億円、短期借入金が6億円増加したことによるものであります。
リ 純資産の状況
純資産合計は306億39百万円と前連結会計年度末に比べ5億16百万円の増加になりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が4億82百万円減少したものの、退職給付に係る調整累計額が5億円、利益剰余金が4億28百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は222億17百万円と前連結会計年度に比べ36百万円の増加になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、信用取引負債の増減額11億62百万円(前連結会計年度比25億33百万円の増加)、税金等調整前当期純利益46億79百万円(前連結会計年度比17億30百万円の増加)、受入保証金の増減額8億66百万円(前連結会計年度比14億16百万円の増加)、信用取引資産の増減額△51億50百万円(前連結会計年度比67億33百万円の減少)、立替金及び預り金の増減額△23億円(前連結会計年度比12億34百万円の減少)、約定見返勘定の増減額△38百万円(前連結会計年度比7億55百万円の減少)等により△4億99百万円(前連結会計年度比13億53百万円の減少)になりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入22億62百万円(前連結会計年度比20百万円の減少)、定期預金の払戻による収入3億90百万円(前連結会計年度比3億19百万円の減少)等により23億45百万円(前連結会計年度比50百万円の増加)になりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出△0百万円(前連結会計年度比79億99百万円の増加)、長期借入金による収入8億円(前連結会計年度比5億円の増加)、配当金の支払額△35億9百万円(前連結会計年度比26億75百万円の減少)、短期借入金の純増減額6億円(前連結会計年度比23億円の減少)等により△21億9百万円(前連結会計年度比33億50百万円の増加)になりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の実績等については、「①財政状態及び経営成績の状況」欄に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に影響を及ぼす可能性があります。
イ 貸倒引当金
当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を1億37百万円計上しております。
ロ 有価証券の減損
当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を保有しております。保有する株式については時価の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券評価損を計上しております。市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態や将来性等、当社所定のルールに従い算定した額を時価とみなし、判定をしております。
なお、当連結会計年度は、該当事項はありませんでした。
ハ 固定資産の減損
当社グループのグルーピングは、当社においては管理会計上で区分した部及び支店並びに賃貸用不動産をキャッシュ・フローを生み出す最小単位として捉え、その単位を基礎に、連結子会社においては会社全体を1つの単位として、グルーピングを行っております。
また、本店、厚生施設等については独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としてグルーピングを行っております。
当社グループは、固定資産の収益性が低下し、その固定資産に対して投資した金額が回収できないと認識した場合に、所定のルールに従い、回収可能な金額まで固定資産の帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の減損損失の認識に際して用いた割引前将来キャッシュ・フローや、測定に際して用いた回収可能価額は第六次中期経営計画を基礎とした将来収支計画の見積りに基づいており、将来収支計画の見積りはトランプ大統領による関税政策をめぐる不透明感等の一定の影響を考慮して算定しております。
なお、当連結会計年度は、すべての資産グループにおいて、用途変更や著しい収益の悪化等の減損の兆候がないため、減損損失を計上しておりません。
ニ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。繰延税金資産の算定に際して用いた将来の課税所得の算定の基礎となる収支計画の見積りにおいては中東における地政学リスク等の一定の影響を考慮して算定しております。
なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を3億71百万円計上しております(うち、3億53百万円については連結貸借対照表上、繰延税金負債と相殺表示)。
ホ 年金給付費用
当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。
確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。
当連結会計年度は、確定給付企業年金制度に係る退職給付費用を△4億51百万円計上し、当連結会計年度末現在の年金運用資産の額が退職給付債務額を上回っているため、その差額を退職給付に係る資産として、54億59百万円計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、お客さま本位の業務運営を追求し、お客さま満足度の向上により顧客基盤を拡充することで、企業価値向上を図るビジネスモデルの確立を目指しております。このビジネスモデルの確立に向けて、当社グループは、国内株式や投資信託に加えて、中国株・米国株等の外国株をお客さまの中長期的な資産形成の選択肢の一つとしてポートフォリオへ組み入れることを提案しております。
当連結会計年度の当社グループの国内株、中国株の取引高は増加し、当社グループの委託手数料は51億4百万円と前連結会計年度に比べ14億91百万円増加しましたが、米国株の店頭取引売買代金の減少等によりトレーディング損益は13億9百万円と前連結会計年度に比べ6億57百万円減少しました。
また、当社グループは、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。当該方針のもと、当連結会計年度は投資信託の販売に注力し、投資信託の販売手数料は29億62百万円と前連結会計年度に比べ7億67百万円増加、また、信託報酬(代行手数料)は28億1百万円と前連結会計年度に比べ3億25百万円増加しました。
販売費・一般管理費はコストの見直しにより取引関係費、事務費が減少したものの、業績の回復による賞与の増加等により、人件費が増加したため、合計で103億92百万円となり、前連結会計年度に比べ91百万円増加しました。
この結果、当社グループの営業利益は28億20百万円となり、前連結会計年度に比べ21億26百万円の増加となりました。
ロ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。このため、当社グループは上記のとおり、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。
ハ 資金の財源及び流動性についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は222億17百万円と前連結会計年度に比べ36百万円の増加になりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、信用取引資産の増加等により4億99百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入等により23億45百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により21億9百万円の支出となりました。
この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ36百万円増加し222億17百万円となり、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。
また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行10行それぞれと当座貸越契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループの業績は、高市政権への期待、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ、トランプ政権の政策の不透明感、地政学リスクなどから日米中の株式相場が乱高下しつつも大きく上昇した環境の中で投資信託の販売手数料、投資信託の代行手数料、国内株委託手数料、中国株手数料やソリューションビジネス関連収益が増加しました。ただし、固定資産の減損及び繰延税金資産の計上の前提となる将来収支計画の見積りに関しては、将来の不確実性等一定の影響を考慮して算定しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、緩やかな拡大が続きました。しかし、米国政府の経済・通商政策の動向や中国経済の停滞、東欧・中東地域を中心とした地政学的リスク等、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、投資信託の販売手数料、投資信託の代行手数料、国内株委託手数料、中国株手数料やソリューションビジネス関連収益が増加したため、営業収益は135億76百万円(前連結会計年度比20.2%増)、経常利益は32億59百万円(前連結会計年度比214.3%増)と大幅に増収増益となりました。一方、投資有価証券売却益(特別利益)が減少したため、親会社株主に帰属する当期純利益は39億37百万円(前連結会計年度比48.3%増)と経常利益と比較して増加率は減少しました。
なお、主な内訳は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
受入手数料の合計は113億91百万円(前連結会計年度比32.8%増)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。
(委託手数料)
当連結会計年度の東証の1日平均売買代金は7兆1,018億円(前連結会計年度比33.1%増)になりました。当社の国内株式委託売買代金は1兆431億円(前連結会計年度比20.1%増)、外国株式委託売買代金は693億円(前連結会計年度比23.4%増)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は51億4百万円(前連結会計年度比41.2%増)になりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は主幹事案件があったため33百万円(前連結会計年度比42.5%増)になりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が1,154億円(前連結会計年度比32.5%増)に増加したため、29億63百万円(前連結会計年度比34.9%増)になりました。
(その他の受入手数料)
証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が3,868億円(前連結会計年度比13.9%増)に増加したため、32億90百万円(前連結会計年度比19.9%増)になりました。
ロ トレーディング損益
トレーディング損益は、米国株店頭取引売買代金の減少等により株券等が11億47百万円(前連結会計年度比31.5%減)と減少したため、合計で13億9百万円(前連結会計年度比33.4%減)になりました。
ハ 金融収支
金融収益は受取債券利子の増加等により7億63百万円(前連結会計年度比18.0%増)になりました。また、金融費用は支払利息の増加等により2億39百万円(前連結会計年度比33.3%増)になりました。この結果、差引金融収支は5億24百万円(前連結会計年度比12.1%増)になりました。
ニ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費が12億59百万円(前連結会計年度比7.5%減)、事務費が20億28百万円(前連結会計年度比4.1%減)と減少したものの、業績の回復に伴い人件費が51億82百万円(前連結会計年度比4.6%増)と増加したため、合計で103億92百万円(前連結会計年度比0.8%増)になりました。
ホ 営業外損益
営業外収益は投資事業組合運用益の増加等により4億73百万円(前連結会計年度比25.5%増)、営業外費用は投資事業組合運用損の増加等により34百万円(前連結会計年度比0.1%増)で差引損益は4億39百万円(前連結会計年度比28.0%増)になりました。
ヘ 特別損益
特別利益は投資有価証券売却益等により14億29百万円(前連結会計年度比36.4%減)、特別損失は金融商品取引責任準備金繰入れにより9百万円(前連結会計年度比97.1%減)になりました。この結果、差引損益14億20百万円(前連結会計年度比25.7%減)になりました。
ト 資産の状況
資産合計は719億50百万円と前連結会計年度末に比べ25億63百万円の増加になりました。主な要因は、顧客分別金信託が33億49百万円減少したものの、信用取引貸付金が51億91百万円、退職給付に係る資産が12億86百万円増加したことによるものであります。
チ 負債の状況
負債合計は413億11百万円と前連結会計年度末に比べ20億46百万円の増加になりました。主な要因は、顧客からの預り金が41億61百万円減少したものの、その他の預り金が20億69百万円、信用取引借入金が10億98百万円、受入保証金が8億66百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が8億円、短期借入金が6億円増加したことによるものであります。
リ 純資産の状況
純資産合計は306億39百万円と前連結会計年度末に比べ5億16百万円の増加になりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が4億82百万円減少したものの、退職給付に係る調整累計額が5億円、利益剰余金が4億28百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は222億17百万円と前連結会計年度に比べ36百万円の増加になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、信用取引負債の増減額11億62百万円(前連結会計年度比25億33百万円の増加)、税金等調整前当期純利益46億79百万円(前連結会計年度比17億30百万円の増加)、受入保証金の増減額8億66百万円(前連結会計年度比14億16百万円の増加)、信用取引資産の増減額△51億50百万円(前連結会計年度比67億33百万円の減少)、立替金及び預り金の増減額△23億円(前連結会計年度比12億34百万円の減少)、約定見返勘定の増減額△38百万円(前連結会計年度比7億55百万円の減少)等により△4億99百万円(前連結会計年度比13億53百万円の減少)になりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入22億62百万円(前連結会計年度比20百万円の減少)、定期預金の払戻による収入3億90百万円(前連結会計年度比3億19百万円の減少)等により23億45百万円(前連結会計年度比50百万円の増加)になりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出△0百万円(前連結会計年度比79億99百万円の増加)、長期借入金による収入8億円(前連結会計年度比5億円の増加)、配当金の支払額△35億9百万円(前連結会計年度比26億75百万円の減少)、短期借入金の純増減額6億円(前連結会計年度比23億円の減少)等により△21億9百万円(前連結会計年度比33億50百万円の増加)になりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の実績等については、「①財政状態及び経営成績の状況」欄に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に影響を及ぼす可能性があります。
イ 貸倒引当金
当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を1億37百万円計上しております。
ロ 有価証券の減損
当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を保有しております。保有する株式については時価の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券評価損を計上しております。市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態や将来性等、当社所定のルールに従い算定した額を時価とみなし、判定をしております。
なお、当連結会計年度は、該当事項はありませんでした。
ハ 固定資産の減損
当社グループのグルーピングは、当社においては管理会計上で区分した部及び支店並びに賃貸用不動産をキャッシュ・フローを生み出す最小単位として捉え、その単位を基礎に、連結子会社においては会社全体を1つの単位として、グルーピングを行っております。
また、本店、厚生施設等については独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としてグルーピングを行っております。
当社グループは、固定資産の収益性が低下し、その固定資産に対して投資した金額が回収できないと認識した場合に、所定のルールに従い、回収可能な金額まで固定資産の帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の減損損失の認識に際して用いた割引前将来キャッシュ・フローや、測定に際して用いた回収可能価額は第六次中期経営計画を基礎とした将来収支計画の見積りに基づいており、将来収支計画の見積りはトランプ大統領による関税政策をめぐる不透明感等の一定の影響を考慮して算定しております。
なお、当連結会計年度は、すべての資産グループにおいて、用途変更や著しい収益の悪化等の減損の兆候がないため、減損損失を計上しておりません。
ニ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。繰延税金資産の算定に際して用いた将来の課税所得の算定の基礎となる収支計画の見積りにおいては中東における地政学リスク等の一定の影響を考慮して算定しております。
なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を3億71百万円計上しております(うち、3億53百万円については連結貸借対照表上、繰延税金負債と相殺表示)。
ホ 年金給付費用
当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。
確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。
当連結会計年度は、確定給付企業年金制度に係る退職給付費用を△4億51百万円計上し、当連結会計年度末現在の年金運用資産の額が退職給付債務額を上回っているため、その差額を退職給付に係る資産として、54億59百万円計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、お客さま本位の業務運営を追求し、お客さま満足度の向上により顧客基盤を拡充することで、企業価値向上を図るビジネスモデルの確立を目指しております。このビジネスモデルの確立に向けて、当社グループは、国内株式や投資信託に加えて、中国株・米国株等の外国株をお客さまの中長期的な資産形成の選択肢の一つとしてポートフォリオへ組み入れることを提案しております。
当連結会計年度の当社グループの国内株、中国株の取引高は増加し、当社グループの委託手数料は51億4百万円と前連結会計年度に比べ14億91百万円増加しましたが、米国株の店頭取引売買代金の減少等によりトレーディング損益は13億9百万円と前連結会計年度に比べ6億57百万円減少しました。
また、当社グループは、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。当該方針のもと、当連結会計年度は投資信託の販売に注力し、投資信託の販売手数料は29億62百万円と前連結会計年度に比べ7億67百万円増加、また、信託報酬(代行手数料)は28億1百万円と前連結会計年度に比べ3億25百万円増加しました。
販売費・一般管理費はコストの見直しにより取引関係費、事務費が減少したものの、業績の回復による賞与の増加等により、人件費が増加したため、合計で103億92百万円となり、前連結会計年度に比べ91百万円増加しました。
この結果、当社グループの営業利益は28億20百万円となり、前連結会計年度に比べ21億26百万円の増加となりました。
ロ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。このため、当社グループは上記のとおり、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。
ハ 資金の財源及び流動性についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は222億17百万円と前連結会計年度に比べ36百万円の増加になりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、信用取引資産の増加等により4億99百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入等により23億45百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により21億9百万円の支出となりました。
この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ36百万円増加し222億17百万円となり、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。
また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行10行それぞれと当座貸越契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。