8698 マネックスグループ

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有価証券報告書-第16期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 12:12
【資料】
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【項目】
91項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針 当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)を中核子会社として、その他国内外に金融関連の子会社及び持分法適用会社を有する持株会社です。当社グループは、次に掲げる企業理念および行動指針を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指していきます。
① 企業理念
MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来の金融を表わしています。
常に変化し続ける未来に向けて、マネックスグループは、最先端のIT技術、世界標準の金融知識を備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインし、更には新しい時代の金融を再定義し、全ての個人の投資・経済活動をサポートすることを目指します。
② 行動指針
・お客さまと社員の多様性を尊重します。
・最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません。
・新しい価値を創造しステークホルダーに貢献します。
(2) 目標とする経営指標及び現状の経営環境 当社グループは連結における年度の業績予算を策定していますが、当社グループがオンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスなどをグローバルに展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難な状況にあります。当社の業績予想および収益計画は、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えているため、開示しておりません。一方、資本効率に関する目標としてROEが妥当と考えており、10%を達成すべき水準と考えております。
当社グループは、ROE10%を達成するためには、ビジネスモデルの転換が不可欠と考えております。1999年、対面販売が当たり前だった時代に創業した当社は、個人投資家にインターネットで安価かつ便利に証券取引ができることを付加価値として提供してきました。しかし、創業から20年経過し、個人投資家がインターネットで証券取引を行うのが当たり前となった現在では、証券取引のブローキング業務はコモディティ化し、安価かつ便利な証券取引以上の価値をお客様に提供することが求められています。また、新型コロナウイルスの感染拡大は経済活動全般に影響を及ぼしましたが、人々の行動様式の変化が持続する可能性もあり、こうした外部環境の変化に対しても十分な対応をしていく必要があります。こうした認識の下、資本市場の本来の主権者である個人投資家の声をより反映させることを目的とし、事業セグメントの特徴に合わせた、ビジネスモデルの転換を進めていきます。
(3) 対処すべき課題 当社グループの中核事業であるオンライン証券業は、株式委託手数料のゼロ化といった外部環境の大きな変化に直面しており、ビジネスモデルを変革することで対処していきます。主要セグメントである日本セグメントにおいてはブローカーモデルからアセマネモデルへの移行、米国セグメントについては収益源の多様化、他のセグメントについては市況の影響を受ける中でも安定的に利益を出していく構造へと転換を進めて参ります。
1)日本セグメント
日本のオンライン証券業界は、株式委託手数料の自由化が始まった1999年から各社が手数料競争を続けておりますが、株式取引のコモディティ化が進んでいく中で低廉なブローカー業務以外の付加価値をお客様に提供していくため、オンライン証券の社会的意義や個人投資家の株式取引に対する本源的付加価値の再定義が必要になります。
マネックス証券の主な顧客層は40~50代を中心とした中長期の資産形成層であり、アクティブトレーダー層の割合は同業他社に比べると低いことや、営業収益に占める委託手数料の割合は約4割と同業他社比で高く手数料依存の収益構造を変革していくことが喫緊の重要課題と認識しています。一方で預かり資産残高は3.8兆円と、総口座数約190万口座を母数とする1人当たり預かり資産の額は同業他社比で高位であるため、この特徴を活かしてお客様資産の増加を目的とした収益モデルを構築することが今後のマネックス証券の存在価値と考えるに至りました。今後は、手数料や運用報酬を控除した、お客様一人当たりはもとよりお客様全体の運用資産額の増加にコミットし、アセマネモデルへの事業構造の転換を進めていきます。
なお、マネックス証券の預かり資産の内訳は株式が2.3兆円、各金融商品に投資するための待機資金である現金・MRFは0.8兆円です。預かり資産のうち約6割を占める日本株の株価は、先進諸国のそれに比して低迷しており、株価の低迷は我が国の資本市場における課題です。マネックス証券としては、当該課題に向き合い、日本の上場企業の株価の向上に取組むことで、証券会社としての社会的意義を果たしたいと考えています。具体的には、当社グループ内に設立した日本の上場企業に対するエンゲージメント活動を推進するカタリスト投資顧問株式会社が助言する「マネックス・アクティビスト・ファンド」に、マネックス証券のお客様が資金を投入頂くことで、株価向上とお客様の資産増大に寄与したいと考えます。
短期的には、世界最大の市場である米国株の取引環境拡充による米国株関連収益増、資産の有効活用を目的とした貸株サービスの利便性向上策に伴う金融収支増など、ストック収益の増加に取組みながら、中長期的な成長分野である「マネックス・アクティビスト・ファンド」からの信託報酬の積み上げにより、株式の市況に依存しない安定的な収益の積み上げであるアセマネモデルを推進し、持続的な成長を実現していきます。
2)米国セグメント
米国のTradeStationは、長年にわたり高評価を得ている自社開発の取引プラットフォームを強みとして、取引数の多いアクティブトレーダーを中心とした顧客からの高い支持を受けています。市場のボラティリティ上昇に伴い増加する委託手数料や、流動性を伴った注文の提供に対するマーケットメイカー等からのインセンティブであるPFOF(ペイメント・フォー・オーダー・フロー)およびお客様の預かり金の資金運用収支が収益の大半を占めてきました。2019年9月以降に米国のオンライン証券各社が株式やオプション取引の委託手数料を無料とする施策を発表する中でTradeStationも同様の対抗策を導入し、これによる減収および米国金利の低下による資金運用収支の減少による影響を受けています。上述の事業環境変化を受けて、2020年4月末には従業員の約1割の削減を断行、年間7.5億円の削減効果を見込むなど、固定費の削減に取り組んでいますが、中長期的には減収分を上回る新たな収益モデルを構築することが課題です。
TradeStationにおいては、営業収益に占める委託手数料の割合が約4割と手数料依存度が依然として高く、こうした収益構造に対する改善が必要です。トレーディングコミュニティサービス「YouCanTrade」の定期購買顧客の獲得、クリプトアセットビジネスの開始、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を通じた外部プラットフォームを利用する顧客からの取引導入など、収益の多角化を進めています。
マーケットメイカーにお客様の取引を取り次ぐことで証券会社が収益を享受できるPFOFという仕組みは、TradeStationにおいては手数料ゼロ化の減収影響をカバーする働きをしております。また、トレーディングコミュニティサービス「YouCanTrade」は、投資スキルおよび投資効率を高めたいと希望するユーザーに対して熟練のコーチがトレーディングに関する教育をして報酬を得ることで、TradeStationの収益多角化に寄与しています。さらに、ライセンスを受けた州から順次クリプトアセット取引サービスの提供を開始、市場規模が拡大しているクリプトアセットの貸付市場を活用するなどして取引商品の多角化を進め、アクティブトレーダーだけでなく、よりカジュアルなトレーダー層や投資経験の浅い層にも訴求することで新たな顧客層を獲得し、預り資産を増やし、多様な収益源の確保に努めていきます。
3)クリプトアセット事業セグメント
暗号資産交換業を営むコインチェックは、ミレニアル世代を中心とした資産運用未経験層が主な顧客層であり、BTCを含む12種類の暗号資産を取引できる販売所の売買価格スプレッドが主な収益源となっています。取引ボリュームは暗号資産市場のボラティリティなどにより増減し、収益額もその影響を大きく受けるため、収益の安定化が課題です。当期においては、取引ボリュームが低い期間においても利益が確保できるよう費用水準を削減(前期比13億円減)いたしましたが、さらなる収益の安定性確保のため、ストック収益を計上できるサービスとして、Liskのステーキングサービスや国内暗号資産交換業者で唯一の積み立てサービス等の開発を進めました。また、個人投資家の暗号資産の選択肢を広げるために安心して取引できる新たな暗号資産の取扱いの追加にも引き続き取り組んでいます(2020年3月期はMONA、XLM、QTUMの取扱いを開始、うちXLMとQTUMは国内初の取扱い)。
4)アジア・パシフィックセグメント
アジア・パシフィックセグメントについては、中核であるマネックスBoom証券について収支が安定する規模の業容に成長させること、2018年よりオンライン証券事業を開始したマネックスオーストラリア証券と合わせてアジア・パシフィックセグメントとして早期に黒字化を達成することが喫緊の課題です。オーストラリアにおいて近年、中国からの移民が増加していることを背景に、マネックスオーストラリア証券では中国系の顧客の口座開設が増加しています。マネックスBoom証券とマネックスオーストラリアが協力し、マーケティング手法の長所を相互に活用すると共に共通コストを削減する努力などを通じて、安定的に利益が上がるようにシナジーを追求していきます。
5)投資事業セグメント
マネックスベンチャーズが設立したMV1号投資事業有限責任組合では、プロダクト開発段階や成長段階のデジタルテクノロジーを活用した先進的、革新的なサービスを提供するスタートアップに積極的に投資をしており、2020年3月末現在で投資先は合計34件となりました。シード、アーリーステージにおける有望な投資先への投資活動は順調ですが、少数精鋭体制のため、今後、投資先が増える中での投資先管理の強化が課題です。マネックスベンチャーズにおいて人員確保するとともに、効率的な運営を進めることで、出資者に対する収益分配を高められるよう基盤を強化していきます。
6)その他 新型コロナウイルス感染拡大による影響は現時点では僅少と認識していますが、今後の事業環境の変化および市況の悪化による取引量の大幅減少など影響が生じる可能性があります。

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