訂正有価証券報告書-第15期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/11/06 15:50
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業績等の概要

(1) 業績
当期におけるわが国の経済は、公共投資の増加や消費増税前の駆け込み需要により、引き続き回復傾向が見られました。国内需要においては、設備投資は依然として力強さに欠けるものの、住宅投資と公共投資に関しては堅調に推移しております。一方、国外需要は欧州向けが持ち直し傾向にあるものの、主要輸出先であるアメリカや中国を初めとするアジア向けが振るわず、円安による輸出数量の押し上げ効果も限定的となっております。雇用・所得環境においては、冬の賞与増加や輸出企業のベア復活など一部に明るい兆しが見え、個人消費は消費税増税に向けての駆け込み需要の顕在化により、引き続き増加基調を維持しております。金融市況においては、長期金利は引き続き低水準に留まっております。今後の我が国経済の見通しについては、消費税率の引き上げの反動による家計部門とそれに伴う企業部門の低迷が作用するものの、公共投資の増加や輸出環境の改善が見込まれることから、景気回復傾向の継続が期待されます。
当社子会社が事業を行う保険業界においては、低金利環境を背景として金融庁が12年ぶりに標準利率の引き下げを実施いたしました。これを受け、国内生命保険会社の多くが、保険料改定を行いました。
このような状況下において、当社は保険持株会社として、次のような取り組みを行いました。
(保険持株会社としての基本的な取り組み)
当社は、保険子会社の経営管理及び当該業務に付帯する業務を行うことを事業目的に、日本国内初の保険持株会社として、平成12年3月に金融再生委員会(現金融庁)の認可を受け、同年3月に設立されました。
この事業目的遂行のため、当社は、経営会議の諮問機関として、リスク・マネジメント・サブコミッティ、アセット・ライアビリティ・マネジメント・サブコミッティ、コンプライアンス・アドバイザリー・サブコミッティを設置し、経営会議の審議の前に、当該サブコミッティにおいて、子会社の経営上のリスクを的確に把握するとともに全体の収益・リスク管理、資本政策の策定、経営資源の適正な配分、ご契約者保護の検証を行う等、保険持株会社としての経営管理を行っています。
更なる経営の効率化とガバナンス体制の強化にむけ、平成22年7月より委員会設置会社に移行し、執行役を任命するとともに、独立した3つの委員会(指名委員会、監査委員会、報酬委員会)を設置しております。これにより、経営の監督と執行の分離をより明確化し、業務執行の権限を代表執行役・執行役に大幅に委譲し、経営の意思決定と業務執行を迅速なものとしています。同時に、社外取締役が過半数を占める独立した3つの委員会を設置することにより、経営の監督機能を強化するとともに業務執行の透明性を高めております。
保険持株会社として子会社管理機能をより一層高めるとともに、アクサジャパングループとしての価値を最大限に高めるべく、シナジーの促進を図っております。
(生命保険事業での主な取り組み)
生命保険事業に関しましては、当社グループの最大の収益基盤であることから、収益の継続的な拡大を目指しております。
主な取り組みにつきましては、以下のとおりです。
当社の生命保険子会社であるアクサ生命保険株式会社は、お客様の多様なニーズに対応するため、最先端の商品とサービスの提供に努めています。標準利率の引下げを受け、平成25年4月以降、一部商品において保険料率の改定を行いました。平成25年4月2日より「就業不能」にフォーカスした『大切な人 保障スペシャル』(正式名称:生活障害保障型逓減定期保険特約)の販売を開始しました。また、平成25年10月2日より新商品『アクサの「一生保障」の医療保険 セルフガード 60』(正式名称:無解約払いもどし金型終身医療保険(12)<Ⅱ型>)、並びに、現在販売中の入院保障保険(終身型09)の基本契約に付加できる「手術補完給付特約」の販売を開始しました。それに併せ、一部商品における保険料率の改定、並びに、平成25年10月2日以降の新規契約より被保険者の年齢の計算方法を「満年齢方式」に変更いたしました。さらに、平成26年3月17日より新商品『アクサの「長期保障」の定期保険OKライフ』(正式名称:限定告知型定期保険(低払いもどし金型))を販売開始しました。また、商品の販路拡大の一環として今般三井生命保険株式会社における当社商品「生活障害保障型定期保険」の販売に係わる提携について合意に至り、平成25年10月2日より同商品の販売を開始しました。
アクサダイレクト生命保険株式会社(旧:ネクスティア生命保険株式会社)においては、ダイレクトビジネスならではの利便性と保険のグローバルブランドAXAならではの安心感の一層の追究を目的に、平成25年5月14日にアクサダイレクト生命保険株式会社に社名変更いたしました。平成25年10月16日より低解約返戻金型終身保険「カチッと終身保険」を販売開始し、平成26年3月19日より定期保険「カチッと定期」を改定した定期保険(無解約返戻金型)「カチッと定期2」を発売するなど、ダイレクトビジネスならではのシンプル且つ手頃な商品の品揃えに努めております。また、平成26年1月より株式会社北國銀行と提携し、インターネット専業生命保険会社として初めて地方銀行を通じた保険商品の販売も開始しております。
(損害保険事業での主な取り組み)
損害保険事業に関しましては、当社の完全子会社であるアクサ損害保険株式会社を通して収益の一層の進展を図っております。主力商品である「アクサダイレクト総合自動車保険」においては、平成25年10月21日以降の契約を対象に商品改定を行いました。ペット保険においては、平成25年4月に保険料引き下げの改定を行い、また、ペットの長寿化に備えるべく、平成25年10月1日以降の契約については、終身までの継続が可能となりました。今後もお客様のご要望にお応えし、より付加価値の高い商品やサービスの提供に努めます。
(資金面の主な動きと子会社に対する資本増強の取り組み)
・平成25年6月25日、普通株式1株当たり4,460円、総額350億円の株主配当を実施いたしました。
・平成25年12月19日、普通株式1株当たり1,270円、総額99億円の株主配当を実施いたしました。
・平成25年9月24日、アクサダイレクト生命保険株式会社の新株発行による普通株式92,165株を19億円で取得いたしました。
当社の生命保険子会社のアクサ生命保険株式会社は、スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)の保険財務力格付けで「A+(アウトルック:安定的)」とする格付けを得ております。
なお、当該格付けは平成26年6月30日時点での評価であり、将来的には変化する可能性があります。また、格付けは格付機関の意見であり、保険金支払等についての保証を行うものではありません。
当連結会計年度における主要業績については、次のとおりであります。
保有契約高については、個人保険は13兆7,260億円(前年比101.3%)、個人年金保険(年金支払開始前契約の年金支払開始時の年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金の合計(ただし、変額個人年金保険の年金支払開始前契約については、基本保険金額(既払込保険料相当額)を計上))は1兆7,667億円(前年比94.7%)、団体保険は3兆9,176億円(前年比94.1%)、団体年金保険(責任準備金)は5,729億円(前年比97.1%)となっております。資産については279億円増加し、6兆5,540億円(前年比100.4%)となっております。そのうち主なものは、有価証券5兆9,676億円(前年比101.0%)、貸付金1,487億円(前年比100.9%)、無形固定資産1,454億円(前年比90.8%)となっております。
また、収支状況をみると、収入面では、保険料等収入5,862億円(前年比83.5%)、資産運用収益2,642億円(前年比104.8%)等となっており、これらによる経常収益は8,560億円(前年比89.4%)となっております。一方、支出面では、保険金等支払金5,835億円(前年比116.1%)、責任準備金等繰入額409億円(前年比16.6%)、事業費1,277億円(前年比101.0%)、資産運用費用251億円(前年比98.1%)等となっており、これらによる経常費用は7,902億円(前年比86.6%)となっております。その結果、経常利益は657億円(前年比146.2%)、当期純利益は305億円(前年比126.1%)、包括利益は215億円(前年比20.0%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度においては、営業活動により1,976億円及び財務活動により149億円資金が減少した一方、投資活動により1,667億円増加いたしました。この結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ242億円減少し、当連結会計年度末では902億円(前年比78.8%)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、保険料等収入の減少に加えて保険金等支払金が増加したこと等により、前連結会計年度1,931億円の収入から44億円の支出(1,976億円の支出増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が減少したことにより、前連結会計年度1,416億円の支出から251億円の収入(1,667億円の収入増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金支払が増加したこと等により、前連結会計年度299億円の支出から449億円の支出(149億円の支出増)となりました。