有価証券報告書-第74期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 13:20
【資料】
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【項目】
84項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針につきましては、第5[経理の状況]の「重要な会計方針」に記載しておりますが、当社は、特に以下の重要な会計方針及び見積りが、当社の財務諸表として作成・報告される財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼすと考えております。なお、本項に記載した将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
① 有価証券の減損
当社は、市場の価格変動等のリスクのある有価証券を保有しており、価格の下落が著しくかつ一時的でないと判断した場合、減損処理を行っております。将来において市況の悪化及び投資先の業績不振等により、有価証券評価損の計上が必要となる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社は、貸付先の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。貸付先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
当社は、繰延税金資産の計上に当たって、将来の課税所得の見積りに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断し、回収の見込めない部分を評価性引当額として、繰延税金資産から控除して計上しております。経営環境の変化等により将来の課税所得の見積額が変動した場合や、税制改正により税率変更等が生じた場合、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
④ 支払備金
当社は、保険契約に基づいて支払義務が発生又は発生したと認められる保険金等のうち、まだ支払っていない金額を見積り、支払備金として計上しております。このうち、既発生未報告の支払備金については、過去のデータに基づき、統計的見積法等により算出しております。将来において裁判の判例及び為替変動の影響等により、支払備金の必要額が変動する可能性があります。
⑤ 責任準備金
当社は、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を計上しております。当初想定した環境や条件等と実際の損害の発生等の結果が大きく変動した場合には、責任準備金の追加計上が必要となる可能性があります。
⑥ 退職給付債務等
当社は、退職給付債務及び退職給付費用については、割引率や将来の退職率等の前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。前提条件と実際の結果が異なる場合や前提条件を変更する必要が発生した場合には、退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
⑦ 固定資産の減損
当社は、資産の時価の著しい下落及び収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額と使用価値のいずれか高い価額)まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づいて算出しているため、不動産価格の下落や賃貸用ビルにおける賃貸収入の減少などにより前提条件と実際の結果が異なる場合や算出の前提条件が将来変更された場合には、新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(2)経営成績の分析
① 経常収益
当事業年度の経常収益は、保険引受収益につきましては、正味収入保険料及び支払備金戻入額が増加したことなどにより前事業年度に比べ81億円増加し、2,106億円となりました。資産運用収益につきましては、有価証券売却益が減少したことなどにより前事業年度に比べ32億円減少し、59億円となりました。その他経常収益が2億円となった結果、経常収益は、前事業年度に比べ48億円増加し、2,168億円となりました。
② 経常費用
当事業年度の経常費用は、保険引受費用につきましては、支払備金繰入額が減少したことなどにより前事業年度に比べ57億円減少し、1,739億円となりました。資産運用費用につきましては、有価証券評価損が減少したことなどにより前事業年度に比べ2億円減少し、1億円となりました。営業費及び一般管理費につきましては、前事業年度に比べ4億円減少し、280億円となりました。その他経常費用が5億円となった結果、経常費用は、前事業年度に比べ64億円減少し、2,027億円となりました。
③ 経常利益及び当期純利益
経常収益から経常費用を差し引いた経常利益は、前事業年度に比べ113億円増加し、140億円となりました。
また、特別利益は、前事業年度に比べ8億円減少し、0億円となり、特別損失は、前事業年度とほぼ横ばいの3億円となりました。
以上の結果、経常利益に特別利益、特別損失及び法人税等を加減した当期純利益は、前事業年度に比べ130億67百万円増加し、156億33百万円となりました。
(3)財政状態の分析
① 総資産及び純資産の状況
当事業年度末の総資産につきましては、前事業年度末に比べ263億円増加し、6,567億円となりました。
純資産につきましては、前事業年度末に比べ399億円増加し、1,149億円となりました。
② リスク管理債権の状況
リスク管理債権として区分している破綻先債権額、延滞債権額、3ヵ月以上延滞債権額及び貸付条件緩和債権額の合計額につきましては、前事業年度末と横ばいの0億円となりました。貸付金残高に占めるリスク管理債権の比率は、0.7%となりました。
③ ソルベンシー・マージン比率の状況
当事業年度末の単体ソルベンシー・マージン比率につきましては、純資産やその他有価証券含み損益が増加したことなどから、前事業年度末に比べ139.4ポイント上昇し、921.4%となりました。
ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
(4)資金の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、正味収入保険料の増加などにより、前事業年度に比べ69億円増加し、14億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入が減少したことなどにより、前事業年度に比べ78億円減少し、△57億円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、発生しておりません。
以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ43億円減少し、243億円となりました。
② 資金の流動性
資金の運用にあたっては、巨大災害の発生に伴う保険金支払などに備えて、十分な流動性資産を確保しております。
(5)問題認識及び当社の今後の方針について
問題認識及び当社の今後の方針につきましては、「3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。