有価証券報告書-第144期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 9:17
【資料】
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【項目】
118項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、新興国経済が減速する中、年度後半には円高と株価下落が進み、一部にやや弱い動きも見られましたが、各種政策を背景とした企業収益や雇用情勢の改善等により、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。
オフィスビル業界におきましては、東京・大阪各ビジネス地区の空室率は全体として引き続き改善傾向で推移し、東京では小幅ながら賃料水準の上昇傾向が継続するなど、回復の動きが続いております。
こうした状況の下で、当社グループは積極的な営業活動を展開する一方、競合ビルとの差別化を目指し、ビル管理品質向上活動を推進するなど「ダイビルならでは」のテナントサービスに努めました結果、全体として高水準の入居状況を確保することができました。
中期経営計画「“Design 100”プロジェクト Phase-Ⅰ」では重点投資分野として、「新ダイビル」建替えプロジェクトの完遂、ベトナムにおける高品質オフィスビルの開発、東京都心3区を中心とした優良なアセットへの投資およびリニューアル投資による既存ビルの競争力強化を掲げております。「新ダイビル」は初年度から高稼働し、商業ゾーンでは大阪を代表する名店の集積が注目を集めております。「コーナーストーン・ビルディング」はベトナムの首都ハノイ市中心部に位置しており、前連結会計年度に取得後、テナント誘致が順調に進みました。「日比谷ダイビル」のリニューアル工事は、計画通り順調に進捗しております。
また、当社はグループ一体となって「ダイビル」ブランドの高品質オフィスを運営しております。そのノウハウを外部のビルオーナー様に提供することを目的として、昨年7月にグループ会社の商船三井興産株式会社に「ビル運営(PM)※事業推進室」を新設いたしました。
※PM…プロパティ・マネジメント。不動産の所有者等から委託を受けて、日常的に不動産の運営管理実務(建物管理、テナント誘致、契約管理)を行う業務。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 土地建物賃貸事業
「新ダイビル」および「コーナーストーン・ビルディング」の通期寄与等により、営業収益は28,551百万円と1,437百万円(前連結会計年度比5.3%)の増収となりました。営業費用は、「新ダイビル」の減価償却費および管理費の発生等により増加し、営業利益は9,554百万円と338百万円(前連結会計年度比3.4%)の減益となりました。
② ビル管理事業
営業収益は8,197百万円と34百万円(前連結会計年度比0.4%)の減収となりましたが、営業利益は663百万円と19百万円(前連結会計年度比3.0%)の増益となりました。
③ その他
テナント入居に伴う工事管理料および工事請負高が増加したこと等により、営業収益は595百万円と168百万円(前連結会計年度比39.6%)の増収となり、営業利益は245百万円と79百万円(前連結会計年度比47.9%)の増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は37,344百万円と1,571百万円(前連結会計年度比4.4%)の増収、営業利益は9,114百万円と333百万円(前連結会計年度比3.5%)の減益となりました。
営業外損益では、受取配当金の増加およびその他の営業外費用の減少がありましたが、為替差損が増加し、経常利益は7,985百万円と264百万円(前連結会計年度比3.2%)の減益となりました。
特別損益につきましては、前連結会計年度に特別利益として投資有価証券売却益および違約金収入計1,563百万円を計上したのに対して、当連結会計年度は投資有価証券売却益125百万円を計上いたしました。また、特別損失として、前連結会計年度は建替関連損失および固定資産除却損等計1,640百万円を計上したのに対して、当連結会計年度は固定資産除却損等計46百万円を計上いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,276百万円と110百万円(前連結会計年度比2.1%)の増益となりました。
(注)1 セグメント別の業績の営業収益については、セグメント間の内部取引を含んでおりません。
2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、工事請負、工事管理、不動産仲介等を含んでおります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は5,545百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,854百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は14,516百万円となりました。税金等調整前当期純利益は減少いたしましたが、未払又は未収消費税等の増減額が増加したこと等により、得られた資金は前連結会計年度に比べて3,029百万円増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は13,758百万円となりました。これは主に、「新ダイビル」の竣工等に伴う有形固定資産の取得による支出であり、使用した資金は前連結会計年度に比べて12,510百万円減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は2,661百万円となりました。これは主に、有利子負債の返済および配当金の支払によるものであります。なお、前連結会計年度は長期借入れによる収入等により、14,286百万円の収入でした。