有価証券報告書-第145期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 9:09
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策運営の影響など、国際情勢の先行き不透明感が高まったものの、各種経済政策の効果により企業収益や雇用情勢が改善するなど、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。
オフィスビル業界におきましては、東京・大阪各ビジネス地区の空室率は引き続き改善傾向で推移し、東京では小幅ながら賃料水準が上昇基調で推移するなど、比較的堅調な状況が続きました。
こうした状況の下で、当社グループは積極的な営業活動を展開する一方、競合ビルとの差別化を目指し、ビル管理品質向上活動を推進するなど「ダイビルならでは」のテナントサービスに努めました結果、引き続き高水準の入居状況を確保することができました。
中期経営計画「“Design 100”プロジェクト Phase-Ⅰ」では重点投資分野として、ベトナムにおける高品質オフィスビルの開発、東京都心3区を中心とした優良なアセットへの投資、「新ダイビル」建替えプロジェクトの完遂およびリニューアル投資による既存ビルの競争力強化を掲げております。
本計画の下、ベトナムの首都ハノイ市の「コーナーストーン・ビルディング」およびベトナム経済の中心であるホーチミン市の「サイゴン・タワー」は、高稼働を維持しております。一方、国内におきましては、昨年4月に「不動産開発室」を新設し、当社が重点ターゲットとする、東京都心3区を中心とした優良なアセットへの投資をより推進しております。また、昨年5月には、「新ダイビル」の商業ゾーン「Restaurants & Shops」が全面開業し、6月には、「日比谷ダイビル」のリニューアル工事が計画通り完工いたしました。グループ会社におきましては、昨年11月に、商船三井興産株式会社が、事業基盤の一層の強化を図るため、オフィスビル・マンションなどに関連する設備総合メンテナンスサービス会社である「西日本綜合設備株式会社」を買収いたしました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 土地建物賃貸事業
「新ダイビル」の収益寄与等により、営業収益は30,389百万円と1,838百万円(前連結会計年度比6.4%)の増収となりました。営業費用は、「新ダイビル」の固定資産税負担が新たに発生いたしましたが、減価償却費等が減少し、営業利益は11,534百万円と1,979百万円(前連結会計年度比20.7%)の増益となりました。
② ビル管理事業
新規受託物件の受注等により、営業収益は8,571百万円と373百万円(前連結会計年度比4.6%)の増収となりましたが、営業利益は540百万円と123百万円(前連結会計年度比18.6%)の減益となりました。
③ その他
テナント入居に伴う工事管理料および工事請負高が減少したこと等により、営業収益は490百万円と105百万円(前連結会計年度比17.7%)の減収となり、営業利益は190百万円と55百万円(前連結会計年度比22.6%)の減益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は39,451百万円と2,106百万円(前連結会計年度比5.6%)の増収、営業利益は10,693百万円と1,579百万円(前連結会計年度比17.3%)の増益となりました。
営業外損益では、その他の営業外費用が増加いたしましたが、支払利息が減少したこと等により、経常利益は9,688百万円と1,702百万円(前連結会計年度比21.3%)の増益となりました。
特別損益につきましては、前連結会計年度に特別利益として投資有価証券売却益125百万円を計上したのに対して、当連結会計年度は投資有価証券売却益25百万円を計上いたしました。また、特別損失として、前連結会計年度は固定資産除却損等計46百万円を計上したのに対して、当連結会計年度は固定資産除却損および環境対策引当金繰入額計638百万円を計上いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6,160百万円と883百万円(前連結会計年度比16.7%)の増益となりました。
(注)1 セグメント別の業績の営業収益については、セグメント間の内部取引を含んでおりません。
2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、工事請負、工事管理、不動産仲介等を含んでおります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は7,954百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,409百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は15,157百万円となりました。未払又は未収消費税等の増減額が減少した一方、税金等調整前当期純利益の増加、預り敷金及び保証金の増加および法人税等の支払額の減少等により、得られた資金は前連結会計年度に比べて641百万円増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は3,287百万円となりました。これは主に、「日比谷ダイビル」のリニューアル工事完工等に伴う有形固定資産の取得による支出であり、使用した資金は前連結会計年度に比べて10,470百万円減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は9,624百万円となりました。これは主に、有利子負債の返済および配当金の支払によるものであり、使用した資金は前連結会計年度に比べて6,962百万円増加いたしました。