有価証券報告書-第93期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 15:45
【資料】
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【項目】
193項目
(2)主な取組み
① 気候変動に関する取組み
イ 脱炭素への取組み方針
当社は、国際的社会課題である「2050年カーボンニュートラル」に賛同を表明するとともに、2022年5月には、2030年度までの中間目標として、パリ協定直前の2014年度対比でCO₂排出量を50%削減する目標を掲げています。総合不動産デベロッパーとして、サプライヤーや事業パートナー、テナント、業界団体などの各ステークホルダーと協働し、各主力事業で省エネや創エネの普及促進を図り、消費者への訴求力を高めた商品やサービスの開発、提供を推進しています。
また、TCFDフレームワークに基づき、気候変動がもたらす財務影響とその対応を整理・分析し、当社ホームページにて情報開示しています。(URLの詳細につきましては、「①気候変動に関する取組み」末尾をご参照ください。)
ロ シナリオ設定
気候変動への対応戦略を検討するにあたり、パリ協定の水準に適合する「1.5℃~2℃シナリオ」、十分な気候変動対策が取られなかった場合の「4℃シナリオ」を設定し、重要な気候変動関連のリスクと機会を整理しています。(各シナリオの設定に際し、IEA World Energy Outlook(SDSシナリオ、STEPSシナリオ他)及びIPCC第5次評価報告書(RCP2.6シナリオ、RCP8.5シナリオ他)の文献等を参考としていますが、今後、取組み強化のため内容の深化を進めてまいります。)
1.5~2℃シナリオ
脱炭素に向けた規制や政策の強化、大幅な技術革新等により気候変動への対策が進捗し、21世紀末の平均気温上昇が産業革命以前から1.5~2℃に抑えられ、パリ協定で定められた目標水準に整合することを想定しています。
このシナリオでは、脱炭素が進む社会への移行リスク、機会に対応する企業戦略の重要度が高まる一方、風水害の激甚化や増加といった物理的リスクは抑制されます。
4℃シナリオ
気候変動対策が十分に進展せず、21世紀末の平均気温上昇が産業革命以前から4℃程度まで上昇することを想定しています。
このシナリオでは、追加的な排出抑制策が不十分で、高い水準のCO₂排出が継続することが前提となり、規制強化などによる負担増加といった移行リスクが軽微となる一方で、風水害の激甚化や増加により事業にもたらす影響が深刻なものとなるなど、物理的リスクが高まります。
ハ リスク・機会およびリスク・機会への対応戦略
当社は、上記の各シナリオを踏まえ、自社の事業範囲に加えてサプライチェーンの上流・下流を含む範囲で、財務影響を及ぼす可能性のあるリスク・機会への対策を講じています。
ZEB・ZEH要請の高まり(1.5~2℃/移行リスク)
ZEB・ZEH仕様が標準化された場合、建物設備の環境性能を更に高める必要が生じ、設備導入に係るコストアップが想定されます。
そのため、既存物件においては環境性能が高い設備への入れ替えを適時検討しています。また、新築物件おいては、2021年10月以降設計、開発する全て(JVなど一部物件を除く)の新築分譲マンションにおいて省エネ性能「ZEH-M Oriented」を標準仕様としています。注文住宅では、2022年4月にZEH基準を超えた断熱・省エネ性能を有するZEHを標準仕様としており、2027年4月から始まる、さらに高水準な新基準「GX ZEH」についても対応可能となっています。
炭素税の導入(1.5~2℃/移行リスク)
炭素税の導入により、サプライヤーの価格転嫁による各種建築資材の調達価格上昇が想定されます。
関連制度・規制を注視し、迅速に対応すべく、GHG排出量削減に向けた取組みを推進するとともに、再生可能エネルギーの活用などを検討してまいります。
高環境性能製品の普及に伴う廉価化(1.5~2℃/機会)
ZEB・ZEH仕様が標準化された場合、高環境性能の製品が普及することにより、廉価化が進むと想定されますが、当社は、環境性能に優れた設備を既に高い水準で導入しており、これらの調達コスト負担の軽減が見込まれます。
物件開発時に都度、コストと性能を加味したうえで導入する設備を決定することで、コスト傾向の変化に対応できるよう備えております。
環境性能志向の高まり(1.5~2℃/機会)
顧客への環境意識の浸透に伴い、市場における環境性能志向の高まりが想定されますが、当社は、環境性能に優れた設備を高い水準で導入しており、顧客の獲得機会増加が見込まれます。
なお、環境性能の高い新築物件を開発・保有、既存物件についてもリニューアルにより性能向上を図る等、ポートフォリオ全体の環境性能を継続的に改善するとともに、各種グリーンビル認証を取得することで、環境性能の高さを客観的に示しています。また、既存戸建住宅では、最新省エネ基準まで性能を向上させる高断熱リフォーム等を提供しております。
異常気象による自然災害増加(4℃/物理リスク)
風水害の著しい発生頻度増加・被害の激甚化が想定されます。当社は、多数のオフィスビル等を保有しており、風水害による資産価値毀損および補修費用負担が増加する可能性があります。
大型台風が到来した場合等に備え、物件開発時にハザードマップや浸水実績を基に冠水時想定浸水深を物件ごとに定め、流入を防ぐことができる高さの防潮板を必要箇所に設置しています。
防災性能志向の高まり(4℃/機会)
風水害の著しい発生頻度増加・被害の激甚化に伴い、市場における防災性能志向の高まりが想定されますが、当社の保有ビルは、防災性能を高く評価されており、顧客の獲得機会増加が見込まれます。
新築物件で高い防災性能を実現するとともに、既存物件においてもリニューアルを実施することにより、ポートフォリオの防災性能をより一層向上させるべく取り組んでいます。
二 指標と目標
住友不動産グループは、以下の脱炭素目標を掲げています。
パリ協定直前の2014年度CO₂排出総量約5,940千ton-CO₂対比で、2030年度までに“50%”削減する。
2050年カーボンニュートラルに賛同表明済
脱炭素への取組みを事業拡大に結び付け達成を目指す

CO₂排出量
住友不動産グループのサプライチェーンを含む総排出量及び増減率は以下の通りです。
千ton-CO₂
2014年度
(基準年)
2022年度2023年度2024年度
増減率
(基準年度比)
Scope1+2+35,9404,9374,1964,072▲31%

総排出量の詳細は以下の通りです。
千ton-CO₂
2014年度2022年度2023年度2024年度
Scope133444344
Scope2120124116130
Scope35,7884,7704,0373,897

※上記のCO₂排出量は、GHGプロトコルの経営支配力基準を参照し、該当する住友不動産グループ(重要な国内連結子会社含む)の事業活動に伴い直接/間接的に排出される総排出量としています。
※上記の温室効果ガス排出量に関する主な排出量及び算定方法については、環境データブックをご覧ください。(https://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/Environmental_Data_Book_202503.pdf)
「TCFD提言に基づく情報開示」についての詳細情報は、以下よりご参照ください。
(https://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/TCFD_disclosure_climate_change.pdf)
② 各事業における取組み
当社は、CO₂総排出量の着実な削減に向け、事業ごとに以下の具体的な取組みを推進しています。
オフィスビル
オフィスビル事業では、新規物件の開発や既存物件のリニューアルに際し、高断熱の外皮仕様や高効率設備等を積極的に導入して環境性能の高い開発により省エネ化を推進しています。また、テナント専有部においては、テナント企業の多様化するグリーン電力導入ニーズに応えるべく、一般的な非化石証書を使用した電力供給のみならず、脱炭素への貢献度が高い新設した再生エネルギー発電所からの電力供給など、複数のメニューを揃え提供する体制を整えています。
分譲マンション
第九次中計以降の設計物件は全件、現行の省エネ基準からエネルギー消費を2割抑制する高い環境性能を備えた「ZEH-M Oriented」を標準仕様とし、居住時の省エネ性能向上で脱炭素に貢献する開発を推進しています。
新築そっくりさん・注文住宅
日本の既存住宅は、5,000万戸超のストックのうち約8割が最新の省エネ基準を満たさず、脱炭素化に向け、大きな社会課題となっています。当社の「新築そっくりさん」事業では、2021年12月に提供開始した高度な省エネ性能を実現する「高断熱リフォーム」が好評を博し、改修による長寿命化とともに既存住宅の省エネ化を推進しています。
また、初期費用負担を要因に普及が進みにくかった太陽光発電設備については、東京電力グループとの協業により、初期費用なし、居住期間中は月額サービス料のみでメンテナンス、交換も受けられる太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」(2021年9月提供開始)に加え、新プランの「新すみふ×エネカリ」を2025年3月に提供開始しました。注文住宅では、ZEH(ゼロエネルギーハウス)基準を超えた高い省エネ性能を確保した「住友不動産の栖(すみか)」を2022年4月に発売、2026年3月期のZEH受注比率は99%に達しました。なお、「すみふ×エネカリ」、「新すみふ×エネカリ」から創出された環境価値を活用し、当社グループが自己利用するオフィスの電力については、全量をグリーン電力化することとしています。
各事業における主な施策と当期実績
各事業における主な施策当期実績
オフィスビル
テナント専有部のグリーン電力導入率26%
テナント企業毎の意思決定で導入可能なグリーン電力導入プランメニュー
分譲マンション
ZEH-M Oriented設計100%
高水準の省エネ設計を標準化、削減寄与は対象物件が竣工する十次中計以降
新築そっくりさん
高断熱リフォーム商品(投入済)受注比率61%
既存ストックの課題「低い断熱性」を補う高水準の省エネリフォーム
注文住宅
ZEH住宅(標準化済)※ZEH相当を含む受注比率99%
高断熱性能・省エネ設備を組み合わせたZEH住宅

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