有価証券報告書-第37期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 17:02
【資料】
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【項目】
154項目

対処すべき課題

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「想いをかなえ、時をかなでる。」の企業理念のもと、クリオブランドの新築分譲マンションを中心に、生活の基盤となる住まいのあらゆるシーンに対し多角的に事業を展開しております。
2021年4月24日に創業35周年を迎えるにあたり策定したアクションポリシー「40 years NEW!」は、企業理念のベースとなるもので、次なる節目である40周年を見据えた行動指針です。
創業以来変わることのないお客様視点に立った住まいづくりの姿勢を貫きつつ、社会の変化に対応しながら、住まいを通じた新しい価値を創造していくことで、グループ全体としての持続的な成長と企業価値の一層の向上を目指します。
0102010_001.png当社グループとして、当面優先的に対処すべき課題は次のとおりであります。
世界的なインフレや金融引き締め等による海外経済の停滞が日本経済に与える影響に注意していく必要があります。また、国内では物価上昇による個人消費の落ち込みが懸念され、景気の先行きは不透明な状況にあります。
当社グループの主力市場である首都圏マンション市場におきましては、国内の金融政策に大きな変更がない限りは、住宅ローン金利は低い水準が続く見込みであり、住宅に対する需要が底堅く推移することが期待されます。
当社は2022年2月に、2023年3月期から2027年3月期までの5ヵ年を計画期間とした「新中期経営計画」を公表しました。本計画の達成による中長期的な成長と企業価値の向上を目指し、事業に取り組んでまいります。
本計画は、①コア事業の増強と新事業領域への展開、②株主還元強化、③SDGsを意識した企業活動の推進を主軸としています。
①コア事業の増強と新事業領域への展開
当社グループのコア事業である分譲事業、流通事業、管理事業のさらなる増強を図ります。
分譲事業については、競争が一層激化している分譲マンションの用地取得について、事業手法の多様化を推進しています。2022年8月には、横浜市が実施した価格固定プロポーザル方式による公募売却において、計画内容や当社の事業実績、財務等が高く評価され、同方式では当社として初めて事業予定者に選出されました。今後も多様なアプローチによる用地取得と顧客ニーズを捉えた商品企画を行い、選ばれる住まいづくりに注力してまいります。
重点強化事業と位置づけている流通事業については、当期中に、「明和地所の仲介」福岡店、名古屋店、吉祥寺店を新規開設し、事業拡大に伴い横浜店、上野店を移転しました。買取再販事業についても、仕入専任部署の設置により物件の仕入戸数が増加し、売上高は本計画通りに着実に進捗しています。今後も人員の増強等を戦略的に行い、さらなる収益拡大に努めてまいります。
また、富裕層向けのウェルスソリューション事業については、順調に事業を進めており、2023年4月に2棟の引渡しが完了しております。2024年3月期には、さらに2棟の引渡しを予定しており、既存事業で培ってきた当社グループの強みを活かし、今後も実績を積み上げてまいります。
管理事業については、DXを利用したマンション管理システム「kanri.online」を導入し、業務効率化や顧客サービスの向上を図っています。「kanri.online」を含めたサービス品質や顧客満足度の高さが評価され、他社管理物件のリプレイスが大きく増加し、当期末の管理戸数は計画値を上回りました。さらなるストック収益拡大に向けて、リプレイス営業に引き続き注力してまいります。
②株主還元強化
当社は、業績改善による企業価値、すなわち株主価値の向上に努め、財務体質強化のための内部留保充実と両立させつつ、安定した配当等を継続的に実施してまいります。
還元強化施策の一環として、2022年12月には、2023年3月末日時点で当社の株式を600株以上保有していただいている方を対象とした株主優待制度「明和地所プレミアム優待倶楽部」の新設を公表しました。また、2023年1月には配当予想の修正を公表し、当期末配当金について期初予想の1株当たり35円から1株当たり45円へ引き上げることとしました。
同年2月には配当方針の変更を行い、本計画期間中については、配当性向30%を目処とした株主還元を目指すこととしました。数値基準を導入することにより、本計画による業績の伸長に伴う継続的な還元強化に取り組んでまいります。
③SDGsを意識した企業活動の推進
当社では、2022年4月にサステナビリティ委員会を設置し、ESG等の課題の再整理を行い、社内における議論を深めています。同年6月にはサステナビリティ基本方針を制定し、当社が取り組むべき重要課題であるマテリアリティの選定を実施しました。また、当社事業における気候変動にかかるリスクと機会の分析・検討を実施し、TCFDの提言に沿った情報開示を行っています。事業活動やCSR活動を通じて、SDGsの達成や社会課題の解決に向けた取り組みをより一層推進し、サステナブルな社会の実現を目指します。
事業活動においては、環境に配慮したマンションの開発を推進しています。2022年9月には当社で2棟目となるZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)の認定を受けた「クリオ レジダンス川口幸町」の販売を開始し、好評をいただいております。今後もZEH認定取得物件の開発に積極的に取り組んでまいります。
※ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅です。