訂正有価証券報告書-第99期(2019/04/01-2020/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社を中核とする京王グループは、運輸、流通、不動産、レジャー・サービス等幅広い事業を通じて、お客様のより良い暮らしを創造していくことにより、地域の発展と幸せな暮らしの実現に貢献することを基本方針としております。グループとしての存在価値を明文化した「京王グループ理念」を制定し、この理念を具現化するため、「京王グループ経営ビジョン」に基づき、当社グループの競争力の強化に取り組むとともに、法令・倫理を遵守し、地域社会貢献活動を行うなど、企業価値・株主共同の利益および沿線価値の向上に努めております。
<京王グループ理念>
また、多くのお客様の人命を預かる鉄道事業者である当社は、「輸送の安全性」の確保という、極めて重要な公共的使命を担っております。当社はこの使命を果たし続けていくことで、お客様に「安心」を提供し、当社グループ全体の信頼性を向上させてきたと自負しており、このことは当社の企業価値の根幹をなすものと考えております。当社は、今後もその使命を果たすため、より一層「経営の安定性」を高め、鉄道事業における安全対策をはじめ、「事業の継続性」を確保するための中長期的な視点に立った設備投資を積極的に行う等、「信頼のトップブランド」を確立してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループでは、「京王グループ理念」の中に掲げる「信頼のトップブランド」の確立を目指して、当社グループの競争力の強化、財務健全性の確保、法令・倫理の遵守、地域社会貢献活動の実施など、企業価値・株主共同の利益の向上に資する経営に努めております。今後もグループ全体の持続的な成長のため、当社グループが長年培ってきた有形・無形の経営資源を維持・活用しながら、以下の施策に取り組んでまいります。
第一に、社会に不可欠なインフラを提供する公共輸送機関として安全確保を最重要課題とし、中長期的な視点で社会的責任を果たしてまいります。
第二に、当社沿線が将来にわたって活力を維持できるよう、拠点開発の推進や地域活性化に多角的に取り組んでまいります。
第三に、お客様の多様化するニーズや生活スタイルの変化を捉えた施策を継続的に実施することで、将来にわたり発展、成長する企業グループを目指してまいります。
第四に、法令の遵守、地球環境への配慮など、企業の社会的責任を果たす取組みを当社グループ全体で続けてまいります。
第五に、企業価値の源泉である「輸送の安全性」の実際の担い手である当社グループの従業員を中長期的な視点で育成するとともに、「安全の確保」を最重要事項と考える企業文化を堅持してまいります。
第六に、事業の継続性に留意した資本政策のもと、成長に向けた投資や事業の選択と集中など様々な取組みの実施と完遂を目指してまいります。
(3) 経営環境
足元の日本経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復基調で推移したものの、米中貿易摩擦や相次ぐ自然災害の発生、消費税率引上げの影響などにより、先行き不透明な状況が続きました。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、景気の先行きは極めて厳しい状況となり、訪日外国人旅行客が急激に減少したほか、外出自粛により国内個人消費も低迷するなど、当社グループの事業活動にも大きな影響を受けることとなりました。
一方で将来に目を向けますと、東京都の人口が2025年にピークを迎え、当社沿線の自治体の一部では2025年を待たずに人口減少に転じると予測されるとともに、2021年度以降には、京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業の完了や新宿再開発などへの大規模投資が予定されております。こうした将来の事業環境の変化を捉え、当社グループが成長を続けられるよう、再開発エリアの将来構想など長期的な課題の解決、業務効率化・生産性向上、事業の選択と集中を推進し、さらなる企業価値の向上に取り組む必要があります。
(4) 対処すべき課題
当社グループでは、2015年度からの6年間を3年ずつに区切り、2020年度を目標年度としてあるべき姿を描いたうえで、前半3カ年において、“成長に向けた土台作り”を進め、後半3カ年においては、“成長の実現”に向けた収益力強化に取り組むとともに、コーポレート・ガバナンス体制に関する検討を進めてまいりました。当社では、この検討の結果を踏まえ、経営体制の強化と意思決定の迅速化をはかるため、監査等委員会設置会社に移行するとともに、執行役員制度を導入いたしました。
この新たな体制のもと、将来の事業環境の変化を捉え、当社グループが成長を続けられるよう、さらなる企業価値の向上に取り組んでまいります。
こうした取り組みの一方で、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、当社グループにおいても事業活動に大きな影響を受けております。当社グループは社会インフラを担う企業グループとして、新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底や危機管理体制の強化に取り組むほか、きめ細やかな増収策や適切なコストコントロール、グループ会社間の連携強化などの対策に取り組み、鉄道をはじめとした事業の安定的な運営を確保してまいります。
2020年度においては、以下に記載する各施策について、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めながら柔軟に対応し、グループ一丸となってこの難局を乗り越えてまいります。
① 鉄道事業の安全性・収益力の向上
鉄道事業では、引き続き「安全に関する基本方針」の徹底をはかります。また、「有責事故ゼロ 運転事故・輸送障害発生件数の前年比削減」を安全目標と定め、事故・トラブルの未然防止に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症に対し十分な対策を講じながら、社会的使命である「輸送の安全」のための取組みをハード・ソフトの両面から進めます。
<安全に関する基本方針>
道路と鉄道を立体交差化し、25か所の踏切を廃止する京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業については、引き続き事業主体である東京都とともに用地取得や高架化工事などを進めます。ホームの安全性向上策については、飛田給駅1番線でホームドアの使用を開始し、同駅でのホームドア設置工事を完了するほか、下北沢駅でホームドア設置のためのホーム補強工事を進めます。また、安全・防犯対策の強化をはかるため、引き続き踏切や車両などへの監視カメラの設置を進めてまいります。さらに、台風など気象災害への備えとして、お客様の安全を確保するため、計画運休など防災行動計画に基づいた事前の対策に取り組むほか、10月の台風19号上陸の際に顕在化した河川氾濫等のリスクを踏まえ、ハザードマップ(被害予測地図)を活用し、ハード・ソフトの両面から対応策を検討するなど、安全確保と施設の機能保全をはかります。加えて、新線新宿駅の改札外において旅客エレベーターを新設するとともに、京王線新宿駅のコンコース・ホームにおいてスペースの有効活用策を推進するなど、駅リフレッシュ工事に取り組みます。また、仙川駅において駅ビルに直結する改札口を新設するなど、お客様サービスの向上に努めます。
収益力の向上については、他の鉄道事業者などと連携した乗車券を企画し、販売に取り組むほか、座席指定列車「京王ライナー」について、お客様の需要に応じて臨時列車を運行します。また、広告収入の増加をはかるため、列車内への液晶ディスプレイの設置を進めるほか、京王線新宿駅において、デジタルサイネージの新設や、駅構内の壁面広告スペースのリニューアルと販売方法の見直しを行います。
② 沿線の活性化
沿線拠点の活性化に向けて、下北沢駅東側高架下で商業施設の建設工事を進めるほか、「ぷらりと京王府中」東側高架下の飲食店エリアのリニューアルに取り組みます。また、当社グループの重要拠点である新宿地区について、2019年12月に決定・公表された、新宿駅周辺の新たな都市計画に基づき、将来的な再開発による価値向上を目指し、引き続き関係者との協議や開発計画の検討を進めます。
「京王ほっとネットワーク」では、ニーズ拡大が見込まれる家事代行サービスの受注件数の増加に取り組むとともに、移動販売サービスについて、販売場所の見直しや新規展開を行い、沿線のお客様の利便性向上をはかります。
③ 事業の選択と集中
不動産業について、仲介事業の都心エリアへの進出の準備を進めるほか、店舗配置網の最適化など、経営資源の効率化を検討します。また、リノベーション事業において、小規模オフィスなど住宅以外にも取扱い物件を拡大するなど見直しを進め、収益の安定化をはかります。
④ 着実な事業の推進
ホテル業について、新型コロナウイルスの感染拡大による急激な需要減に対応するとともに、需要回復後の営業強化に向けた取り組みを着実に進めます。「京王プラザホテル(新宿)」では、南館10階を客室に改装するほか、「京王プレリアホテル 京都烏丸五条」および「京王プレリアホテル 札幌」について、認知度およびブランド力の向上をはかるとともに、グループホテルとの連携による販売力の強化に取り組みます。また、「高山グリーンホテル」において、新館「桜凛閣」を開業します。このほか、当社グループの事業基盤を強化するためのM&Aや業務提携を検討・推進するとともに、不動産業において新たな収益物件の取得を推進します。加えて、沿線住宅地と観光エリアのそれぞれの地域を対象として、MaaS(様々な移動手段を一元的に提供するサービス)の検討を進めます。
⑤ 着実な経営体制の整備
当社は、コーポレート・ガバナンス体制のさらなる充実をはかるため、監査等委員会設置会社に移行し、取締役会の透明性・公正性の向上をはかるとともに、執行役員制度を導入し、経営体制の強化と意思決定の迅速化をはかってまいります。また、役員報酬制度を見直し、中長期的な業績向上および株主価値の最大化に貢献する意識を高めることを目的に株式報酬制度を導入します。さらに、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)に取り組むとともに、長期的な課題の解決に向け、組織体制の効率化や生産性の向上をはかってまいります。
リスク管理体制強化に向けた取り組みでは、危機管理部門の組織再編を行い、激甚化する自然災害や新型コロナウイルス感染症の拡大など、企業経営に重大な影響をおよぼす危機への対応力を高めるとともに、BCP(事業継続計画)の見直しを進め、各事業の安定的な運営にグループ全体で取り組んでまいります。また、不祥事・不正行為発生リスクを抑制するため、遠隔地事業拠点なども対象とした重点的な監査に取り組みます。
働き方改革においては、業務の削減および自動化などを引き続き進め、効率性を高めるとともに、社員参加型プロジェクトなどの推進を通じ、社員のモチベーション向上と業務の付加価値向上に取り組みます。
⑥ 企業の社会的責任に対する取組み
当社グループでは、すべての事業において「京王グループ理念」および「京王グループ行動規範」に則った活動を積極的に推進しております。
環境面においては、各事業の特性に応じて、CO2排出量削減など環境負荷低減策に取り組みます。鉄道車両の省エネルギー化では、より消費電力削減効果に優れたVVVFインバータ制御装置への更新を進めます。また、当社が保有するビルについて、空調機の更新や照明のLED化など省エネルギー化に取り組みます。
社会的な側面においては、多世代が共に生き、交流する沿線づくりとして、子育て世代を対象とした事業や高齢者住宅事業などに取り組みます。また、多様な人材雇用や女性の活躍推進、ワークライフバランスの推進など、働きやすい職場作りにも取り組みます。
今後も株主の皆様をはじめとして、お客様、お取引先など、ステークホルダーの皆様と対話を重ね、これら社会的責任を果たす活動に継続して取り組み、沿線とともに成長し、地域社会への貢献に努力し続けます。
(5) 目標とする経営指標
2018年度から2020年度までの中期3カ年経営計画は、「成長の実現ステージ」と位置付け、収益・利益面では、最終年度である2020年度には営業収益4,700億円、営業利益480億円、純利益300億円、営業利益率10%、ROA5%の達成を目標としておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大により、訪日外国人旅行客が急激に減少したほか、外出自粛により国内個人消費も低迷するなど、当社グループの事業活動においても大きな影響を受けております。通常の事業活動が見通せない現時点の状況を踏まえ、2020年度の連結業績予想および経営指標は未定としております。
(1) 経営方針
当社を中核とする京王グループは、運輸、流通、不動産、レジャー・サービス等幅広い事業を通じて、お客様のより良い暮らしを創造していくことにより、地域の発展と幸せな暮らしの実現に貢献することを基本方針としております。グループとしての存在価値を明文化した「京王グループ理念」を制定し、この理念を具現化するため、「京王グループ経営ビジョン」に基づき、当社グループの競争力の強化に取り組むとともに、法令・倫理を遵守し、地域社会貢献活動を行うなど、企業価値・株主共同の利益および沿線価値の向上に努めております。
<京王グループ理念>
| 私たち京王グループは、 |
| つながりあうすべての人に誠実であり、環境にやさしく、 |
| 「信頼のトップブランド」になることを目指します。 |
| そして、幸せな暮らしの実現に向かって |
| 生活に溶け込むサービスの充実に日々チャレンジします。 |
また、多くのお客様の人命を預かる鉄道事業者である当社は、「輸送の安全性」の確保という、極めて重要な公共的使命を担っております。当社はこの使命を果たし続けていくことで、お客様に「安心」を提供し、当社グループ全体の信頼性を向上させてきたと自負しており、このことは当社の企業価値の根幹をなすものと考えております。当社は、今後もその使命を果たすため、より一層「経営の安定性」を高め、鉄道事業における安全対策をはじめ、「事業の継続性」を確保するための中長期的な視点に立った設備投資を積極的に行う等、「信頼のトップブランド」を確立してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループでは、「京王グループ理念」の中に掲げる「信頼のトップブランド」の確立を目指して、当社グループの競争力の強化、財務健全性の確保、法令・倫理の遵守、地域社会貢献活動の実施など、企業価値・株主共同の利益の向上に資する経営に努めております。今後もグループ全体の持続的な成長のため、当社グループが長年培ってきた有形・無形の経営資源を維持・活用しながら、以下の施策に取り組んでまいります。
第一に、社会に不可欠なインフラを提供する公共輸送機関として安全確保を最重要課題とし、中長期的な視点で社会的責任を果たしてまいります。
第二に、当社沿線が将来にわたって活力を維持できるよう、拠点開発の推進や地域活性化に多角的に取り組んでまいります。
第三に、お客様の多様化するニーズや生活スタイルの変化を捉えた施策を継続的に実施することで、将来にわたり発展、成長する企業グループを目指してまいります。
第四に、法令の遵守、地球環境への配慮など、企業の社会的責任を果たす取組みを当社グループ全体で続けてまいります。
第五に、企業価値の源泉である「輸送の安全性」の実際の担い手である当社グループの従業員を中長期的な視点で育成するとともに、「安全の確保」を最重要事項と考える企業文化を堅持してまいります。
第六に、事業の継続性に留意した資本政策のもと、成長に向けた投資や事業の選択と集中など様々な取組みの実施と完遂を目指してまいります。
(3) 経営環境
足元の日本経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復基調で推移したものの、米中貿易摩擦や相次ぐ自然災害の発生、消費税率引上げの影響などにより、先行き不透明な状況が続きました。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、景気の先行きは極めて厳しい状況となり、訪日外国人旅行客が急激に減少したほか、外出自粛により国内個人消費も低迷するなど、当社グループの事業活動にも大きな影響を受けることとなりました。
一方で将来に目を向けますと、東京都の人口が2025年にピークを迎え、当社沿線の自治体の一部では2025年を待たずに人口減少に転じると予測されるとともに、2021年度以降には、京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業の完了や新宿再開発などへの大規模投資が予定されております。こうした将来の事業環境の変化を捉え、当社グループが成長を続けられるよう、再開発エリアの将来構想など長期的な課題の解決、業務効率化・生産性向上、事業の選択と集中を推進し、さらなる企業価値の向上に取り組む必要があります。
(4) 対処すべき課題
当社グループでは、2015年度からの6年間を3年ずつに区切り、2020年度を目標年度としてあるべき姿を描いたうえで、前半3カ年において、“成長に向けた土台作り”を進め、後半3カ年においては、“成長の実現”に向けた収益力強化に取り組むとともに、コーポレート・ガバナンス体制に関する検討を進めてまいりました。当社では、この検討の結果を踏まえ、経営体制の強化と意思決定の迅速化をはかるため、監査等委員会設置会社に移行するとともに、執行役員制度を導入いたしました。
この新たな体制のもと、将来の事業環境の変化を捉え、当社グループが成長を続けられるよう、さらなる企業価値の向上に取り組んでまいります。
こうした取り組みの一方で、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、当社グループにおいても事業活動に大きな影響を受けております。当社グループは社会インフラを担う企業グループとして、新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底や危機管理体制の強化に取り組むほか、きめ細やかな増収策や適切なコストコントロール、グループ会社間の連携強化などの対策に取り組み、鉄道をはじめとした事業の安定的な運営を確保してまいります。
2020年度においては、以下に記載する各施策について、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めながら柔軟に対応し、グループ一丸となってこの難局を乗り越えてまいります。
① 鉄道事業の安全性・収益力の向上
鉄道事業では、引き続き「安全に関する基本方針」の徹底をはかります。また、「有責事故ゼロ 運転事故・輸送障害発生件数の前年比削減」を安全目標と定め、事故・トラブルの未然防止に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症に対し十分な対策を講じながら、社会的使命である「輸送の安全」のための取組みをハード・ソフトの両面から進めます。
<安全に関する基本方針>
| ・「安全」は最大の使命であり、最高のサービスである。 |
| ・全社員が一丸となり継続的改善に取り組み、安全最優先の鉄道を創る。 |
道路と鉄道を立体交差化し、25か所の踏切を廃止する京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業については、引き続き事業主体である東京都とともに用地取得や高架化工事などを進めます。ホームの安全性向上策については、飛田給駅1番線でホームドアの使用を開始し、同駅でのホームドア設置工事を完了するほか、下北沢駅でホームドア設置のためのホーム補強工事を進めます。また、安全・防犯対策の強化をはかるため、引き続き踏切や車両などへの監視カメラの設置を進めてまいります。さらに、台風など気象災害への備えとして、お客様の安全を確保するため、計画運休など防災行動計画に基づいた事前の対策に取り組むほか、10月の台風19号上陸の際に顕在化した河川氾濫等のリスクを踏まえ、ハザードマップ(被害予測地図)を活用し、ハード・ソフトの両面から対応策を検討するなど、安全確保と施設の機能保全をはかります。加えて、新線新宿駅の改札外において旅客エレベーターを新設するとともに、京王線新宿駅のコンコース・ホームにおいてスペースの有効活用策を推進するなど、駅リフレッシュ工事に取り組みます。また、仙川駅において駅ビルに直結する改札口を新設するなど、お客様サービスの向上に努めます。
収益力の向上については、他の鉄道事業者などと連携した乗車券を企画し、販売に取り組むほか、座席指定列車「京王ライナー」について、お客様の需要に応じて臨時列車を運行します。また、広告収入の増加をはかるため、列車内への液晶ディスプレイの設置を進めるほか、京王線新宿駅において、デジタルサイネージの新設や、駅構内の壁面広告スペースのリニューアルと販売方法の見直しを行います。
② 沿線の活性化
沿線拠点の活性化に向けて、下北沢駅東側高架下で商業施設の建設工事を進めるほか、「ぷらりと京王府中」東側高架下の飲食店エリアのリニューアルに取り組みます。また、当社グループの重要拠点である新宿地区について、2019年12月に決定・公表された、新宿駅周辺の新たな都市計画に基づき、将来的な再開発による価値向上を目指し、引き続き関係者との協議や開発計画の検討を進めます。
「京王ほっとネットワーク」では、ニーズ拡大が見込まれる家事代行サービスの受注件数の増加に取り組むとともに、移動販売サービスについて、販売場所の見直しや新規展開を行い、沿線のお客様の利便性向上をはかります。
③ 事業の選択と集中
不動産業について、仲介事業の都心エリアへの進出の準備を進めるほか、店舗配置網の最適化など、経営資源の効率化を検討します。また、リノベーション事業において、小規模オフィスなど住宅以外にも取扱い物件を拡大するなど見直しを進め、収益の安定化をはかります。
④ 着実な事業の推進
ホテル業について、新型コロナウイルスの感染拡大による急激な需要減に対応するとともに、需要回復後の営業強化に向けた取り組みを着実に進めます。「京王プラザホテル(新宿)」では、南館10階を客室に改装するほか、「京王プレリアホテル 京都烏丸五条」および「京王プレリアホテル 札幌」について、認知度およびブランド力の向上をはかるとともに、グループホテルとの連携による販売力の強化に取り組みます。また、「高山グリーンホテル」において、新館「桜凛閣」を開業します。このほか、当社グループの事業基盤を強化するためのM&Aや業務提携を検討・推進するとともに、不動産業において新たな収益物件の取得を推進します。加えて、沿線住宅地と観光エリアのそれぞれの地域を対象として、MaaS(様々な移動手段を一元的に提供するサービス)の検討を進めます。
⑤ 着実な経営体制の整備
当社は、コーポレート・ガバナンス体制のさらなる充実をはかるため、監査等委員会設置会社に移行し、取締役会の透明性・公正性の向上をはかるとともに、執行役員制度を導入し、経営体制の強化と意思決定の迅速化をはかってまいります。また、役員報酬制度を見直し、中長期的な業績向上および株主価値の最大化に貢献する意識を高めることを目的に株式報酬制度を導入します。さらに、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)に取り組むとともに、長期的な課題の解決に向け、組織体制の効率化や生産性の向上をはかってまいります。
リスク管理体制強化に向けた取り組みでは、危機管理部門の組織再編を行い、激甚化する自然災害や新型コロナウイルス感染症の拡大など、企業経営に重大な影響をおよぼす危機への対応力を高めるとともに、BCP(事業継続計画)の見直しを進め、各事業の安定的な運営にグループ全体で取り組んでまいります。また、不祥事・不正行為発生リスクを抑制するため、遠隔地事業拠点なども対象とした重点的な監査に取り組みます。
働き方改革においては、業務の削減および自動化などを引き続き進め、効率性を高めるとともに、社員参加型プロジェクトなどの推進を通じ、社員のモチベーション向上と業務の付加価値向上に取り組みます。
⑥ 企業の社会的責任に対する取組み
当社グループでは、すべての事業において「京王グループ理念」および「京王グループ行動規範」に則った活動を積極的に推進しております。
環境面においては、各事業の特性に応じて、CO2排出量削減など環境負荷低減策に取り組みます。鉄道車両の省エネルギー化では、より消費電力削減効果に優れたVVVFインバータ制御装置への更新を進めます。また、当社が保有するビルについて、空調機の更新や照明のLED化など省エネルギー化に取り組みます。
社会的な側面においては、多世代が共に生き、交流する沿線づくりとして、子育て世代を対象とした事業や高齢者住宅事業などに取り組みます。また、多様な人材雇用や女性の活躍推進、ワークライフバランスの推進など、働きやすい職場作りにも取り組みます。
今後も株主の皆様をはじめとして、お客様、お取引先など、ステークホルダーの皆様と対話を重ね、これら社会的責任を果たす活動に継続して取り組み、沿線とともに成長し、地域社会への貢献に努力し続けます。
(5) 目標とする経営指標
2018年度から2020年度までの中期3カ年経営計画は、「成長の実現ステージ」と位置付け、収益・利益面では、最終年度である2020年度には営業収益4,700億円、営業利益480億円、純利益300億円、営業利益率10%、ROA5%の達成を目標としておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大により、訪日外国人旅行客が急激に減少したほか、外出自粛により国内個人消費も低迷するなど、当社グループの事業活動においても大きな影響を受けております。通常の事業活動が見通せない現時点の状況を踏まえ、2020年度の連結業績予想および経営指標は未定としております。