有価証券報告書-第186期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/17 10:37
【資料】
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【項目】
177項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社では、「お客様をはじめとする皆様から信頼される企業でありつづける」ために、経営の透明性・健全性を一層高めることや、法令等の遵守、適時適切な情報開示等を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を図っています。
② コーポレート・ガバナンス体制
1.コーポレート・ガバナンス体制の概要及び当該体制を採用している理由
当社は、コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を図り、さらなる企業価値向上に取り組むため、2020年6月17日開催の第182回定時株主総会における承認を得て、監査等委員会設置会社に移行しています。
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当社グループは、純粋持株会社体制を採用しており、事業執行は基本的に傘下のグループ会社が担当し、当社はグループ全体の監視・監督を主要な職務とすることで、監視・監督機能と執行機能とを分離した体制としています。
そのような体制のもと、当社は、当社及び当社グループの経営方針、経営戦略等に関わる事項や各コア事業の中期・年度経営計画につき承認する権限を保持するとともに、事業執行会社に対して適時その進捗状況に関する報告を求めるほか、一定金額以上の投資を行う場合など、グループ会社がグループ経営の観点から重要な事項を実施する場合に、事前に当社の承認を得るか報告することを求めることなどにより、各会社を監視・監督し、グループ全体のガバナンスの向上を図っています。
そのため、上記事項については、社外取締役を加えて構成された当社取締役会を承認又は報告の場とするとともに、その前置機関として、当社グループの各コア事業の代表者等もメンバーに加えたグループ経営会議を設置しています。
また、役員の選解任の透明性の確保、社外役員間の連携等を目的として、代表取締役会長(欠員又は事故があるときは、代表取締役社長)及び当社から独立した立場にある社外取締役で構成され、社外取締役が委員長を務める企業統治委員会を設置するとともに、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬について具体的な報酬額の決定を取締役会の責任の下で、客観性及び透明性のある手続きによって行うことを目的として、代表取締役会長(欠員又は事故があるときは、代表取締役社長)及び当社から独立した立場にある社外取締役で構成され、社外取締役が委員長を務める報酬委員会を設置しています。
さらに、当社グループでは、グループとしての総合力強化の一環として、資金調達を原則として当社に一元化し、事業執行会社には、当社が承認した経営計画の範囲内において必要な資金が配分される仕組みの整備を推進するなど、資金面でのガバナンスの強化にも努めています。
当社の経営上の意思決定、執行及び監督等に係る経営管理組織については次のとおりです。
<取締役会・取締役>取締役会は、当社及び当社グループの経営方針、経営戦略等に関わる事項や各コア事業の経営計画につき承認する権限を保持するとともに、グループ会社における重要な投資案件等について適時事業執行会社から報告を求めることで、各会社を監視・監督し、グループ全体のガバナンスの向上を図っています。
また、当社は、監視・監督機能の強化と意思決定の質の向上を図るため、11名の取締役により取締役会を構成し、うち5名は独立社外取締役として選任しています。また、11名の取締役のうち3名は監査等委員である取締役であり、監査等委員会を構成しています。
取締役会の構成員は、「(2)役員の状況 ① 役員一覧」に記載の役員であり、議長は代表取締役会長 角和夫です。
なお、当事業年度においては、取締役会を原則として毎月1回開催しており、各取締役の出席状況は次のとおりです。
氏名出席回数開催回数
角 和夫11回11回
嶋田 泰夫11回11回
久須 勇介9回9回
遠藤 典子11回11回
鶴 由貴11回11回
小林 充佳11回11回
島谷 能成11回11回
荒木 直也11回11回
石橋 正好11回11回
小見山道有11回11回
髙橋 裕子11回11回

(注)1 久須勇介は、2023年6月16日開催の第185回定時株主総会において新たに選任され、就任いたしました。
2 秦雅夫及び杉山健博は、2023年6月16日開催の第185回定時株主総会終結の時をもって、任期満了により退任いたしました。なお、2氏の当事業年度における出席状況は次のとおりです(出席回数/開催回数)。
当社取締役 秦 雅夫(2回/2回)
当社取締役 杉山健博(2回/2回)
3 橋本一範は、2024年6月14日開催の第186回定時株主総会において選任された新任の取締役であるため、当事業年度における出席状況は記載していません。
取締役会における具体的な検討内容は、中期経営計画の策定方針、企業統治委員会の構成員、取締役報酬制度、取締役会の実効性評価、リスクマネジメントの取組、サステナブル経営に関する取組等です。
そして、代表取締役の報酬額については、株主価値の向上に対するインセンティブを働かせることを目的として、業績連動型株式報酬制度を導入しています。
(注)1 取締役会の定数
当社の取締役は4名以上、監査等委員である取締役は3名以上とする旨を定款で定めています。
2 取締役の選任の要件
当社は、取締役の選任決議は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、また、累積投票によらないものとする旨を定款で定めています。
<グループ経営会議>グループ経営会議は、当社の常勤取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び執行役員並びに当社グループの各コア事業の代表者等を構成員として、取締役会の決議事項のほかに、当社グループの経営戦略、経営計画や、グループ会社における重要な投資案件など、当社のグループ経営に関わる重要事項の審議・承認等を行っています。
なお、グループ経営会議の構成員及び議長は次のとおりです。
役職名氏名
当社代表取締役会長 グループCEO(議長)角 和夫
当社代表取締役社長嶋田 泰夫
当社代表取締役副社長久須 勇介
当社執行役員(人事総務室・グループ開発室(DX・IT)担当)野村 欣史
当社執行役員(人事総務室担当)
<建設・環境事業代表>阪神電気鉄道株式会社代表取締役副社長
佐々木 浩
当社執行役員(グループ経営企画室・グループ開発室担当)大塚 順一
当社執行役員(グループ経営企画室・グループ開発室担当)上戸 健司
阪神電気鉄道株式会社代表取締役会長秦 雅夫
<都市交通事業代表>阪急電鉄株式会社専務取締役上村 正美
<都市交通事業代表>阪急電鉄株式会社常務取締役山中 直義
<都市交通事業代表>阪神電気鉄道株式会社取締役原田 大
<不動産事業代表>阪急阪神不動産株式会社代表取締役社長福井 康樹
<不動産事業代表>阪急阪神不動産株式会社専務取締役森永 純
<エンタテインメント事業代表>阪急電鉄株式会社常務取締役奥田 雅英
<エンタテインメント事業代表>阪神電気鉄道株式会社取締役谷本 修
<情報・通信事業代表>阪神電気鉄道株式会社取締役巽 清和
<旅行事業代表>株式会社阪急交通社代表取締役会長松田 誠司
<国際輸送事業代表>株式会社阪急阪神エクスプレス代表取締役社長谷村 和宏

<企業統治委員会・報酬委員会>企業統治委員会は、代表取締役会長(欠員又は事故があるときは、代表取締役社長)及び当社から独立した立場にある社外取締役を構成員として、役員の人事について、取締役会から諮問を受け、答申しているほか、社外取締役に対し、当社グループの財務等に関する情報の提供を行っています。また、報酬委員会は、代表取締役会長(欠員又は事故があるときは、代表取締役社長)及び当社から独立した立場にある社外取締役を構成員として、報酬制度及び内容について、取締役会から諮問を受け、答申しています。
なお、各委員会の構成員及び委員長並びに当事業年度における出席状況は次のとおりです。
企業統治委員会報酬委員会
役職名氏名出席回数開催回数出席回数開催回数
当社代表取締役会長
グループCEO
角 和夫2回2回1回1回
当社取締役(社外取締役)
(委員長)
遠藤 典子2回2回1回1回
当社取締役(社外取締役)鶴 由貴2回2回1回1回
当社取締役(社外取締役)小林 充佳2回2回1回1回
当社取締役監査等委員
(社外取締役)
小見山道有2回2回1回1回
当社取締役監査等委員
(社外取締役)
髙橋 裕子2回2回1回1回

企業統治委員会の具体的な検討内容は、役員の人事、社外取締役に対する当社グループの財務等に関する情報の提供等です。また、報酬委員会の具体的な検討内容は、取締役の報酬制度及び内容です。
<監査等委員・監査等委員会>監査等委員及び監査等委員会については、3名の監査等委員のうち、当社から独立した立場にあり、かつ高度な専門性を有した社外取締役2名を選任することで、業務執行に係る意思決定の適正性のより一層の確保に努めるとともに、グループ経営会議を始めとするグループ内の会議体に常勤の監査等委員が出席するなど、監査等委員会による監査・監督の環境整備にも留意しています。
監査等委員会の構成員は、「(2)役員の状況 ① 役員一覧」に記載の取締役監査等委員であり、委員長は監査等委員 橋本一範です。また、当事業年度における出席状況は、「(3)監査の状況 ① 監査等委員会監査の状況」に記載のとおりです。
2.内部統制体制
当社では、企業活動を行ううえで、業務の適正を確保することを重要なものと認識し、グループ全体を対象として内部統制システムを整備し、適宜見直しを行うことが必要であると考えています。
そのうち、特に、コンプライアンス経営に関する体制としては、コンプライアンス担当部署を設置し、コンプライアンス啓発マニュアルの作成・配付や、コンプライアンスに関する研修の実施により、当社及びグループ会社のコンプライアンスに関する意識の高揚を図っています。
さらに、内部通報制度として、「企業倫理相談窓口」を設置して、コンプライアンス経営の確保を脅かす事象を速やかに認識するよう努めるとともに、重大な事象が発生した場合、対処方法等を検討する委員会を速やかに設置することとしています。
なお、監査専任スタッフからなる代表取締役社長直轄の内部監査部門を設置して、規程を整備したうえで、当社及びグループ会社を対象に内部監査を実施しています。
また、リスク管理体制については、当社グループにおけるリスク管理を統括する担当部署を設け、組織横断的なリスクについては同担当部署が、各部門又は各グループ会社の所管業務に関するリスクについては各担当部門又は各グループ会社が、それぞれリスク想定・分析を行うとともに、不測の事態が発生した場合に適切な情報伝達が可能となる体制を整備しています。さらに、重大なリスクが具現化した場合には、社長を対策本部長とする危機対策本部を設置して、損害の拡大を防止し、これを最小限に止める体制を整備することとしています。上記事項を規定するリスク管理に関する規程を制定するとともに、リスク分析やリスクへの対応状況については、毎年取締役会において報告を行っています。
当社グループにおける業務の適正を確保する体制の構築については、グループ各社の監査役について、監査権限を会計監査に限定せず、業務監査権限まで付与するとともに、いわゆる「内部統制システム」の構築に関する取締役会決議を行うよう、大会社に該当しないグループ各社についても指導しています。
金融商品取引法に基づく「財務報告に係る内部統制の評価及び監査」制度については、規程を整備したうえで、連結ベースで選定した評価対象範囲について経営者評価を実施することで適切に対応しています。
3.責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項及び当社定款第27条の規定に基づき、取締役 遠藤典子、鶴由貴、小林充佳、島谷能成、荒木直也、小見山道有及び髙橋裕子との間で、会社法第423条第1項に規定する損害賠償責任を法令が規定する額に限定する契約を締結しています。
4.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者の業務遂行に起因して損害賠償請求がなされた場合において、被保険者が負担することになる損害賠償金、争訟費用等を当該保険契約により填補することとしています。ただし、法令違反であることを認識しながら行った行為等に起因する損害賠償請求については補償されないなど、一定の免責事由があります。
当該保険契約の被保険者は、当社及び子会社127社の取締役、監査役等です。
5.株主総会決議事項のうち取締役会で決議することができる事項
ア 自己株式取得に関する要件
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
イ 中間配当に関する事項
当社は、株主への安定的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議によって中間配当をすることができる旨を定款で定めています。
6.株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。