有価証券報告書-第193期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/16 10:18
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129項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、消費税率の引上げ等による個人消費等への影響が懸念される中、各事業部門における競争が一段と熾烈さを増しており、更には少子・高齢社会の進展が将来にわたり消費や労働力の面で大きな影響を及ぼすものと見込まれるなど、引き続き予断を許さない状況にある。
このような状況の下、都市交通事業については、引き続き、安全輸送の徹底や駅改良工事を初めとする鉄道諸施設の整備・改善を進めていく。また、ICカードシステム「PiTaPa」の更なる浸透を図るほか、IC連絡定期券の拡販や共同企画乗車券の発売を行うなど、バス・タクシーなどの事業も含め、利便性の向上を図るとともに、沿線の魅力を伝える施策を積極的に展開し、更なる旅客の誘致に努めていく。加えて、顧客ニーズを的確に把握し、顧客満足の向上を図るとともに、引き続き、神戸高速線と本線・阪神なんば線との一体的な運営を進めていく。
不動産事業については、不動産賃貸事業では、当社グループの主要賃貸施設が集中する梅田地区のブランド価値の維持・向上に努めるほか、各施設の特性に応じた管理・運営により、既存賃貸物件の収益性の維持・向上に努めるとともに、「梅田1丁目1番地計画」(大阪神ビルディング及び新阪急ビル建替計画)の推進に取り組んでいく。また、不動産分譲事業では、「ハピア」ブランドによる都市型戸建住宅の分譲事業を、近畿圏・首都圏共に継続的に進めていく。
エンタテインメント・コミュニケーション事業については、阪神甲子園球場において、効果的なイベントや宣伝活動を積極的に展開することなどにより、来場者の増加を図るとともに、引き続き、当社グループが連携して魅力的なサービスの提供に努めていく。また、放送・通信事業において、競争力を強化するために付加価値の高いサービスの提供に努めるほか、情報サービス事業において、インターネット、ビル・交通といった成長分野でのソリューションビジネスに注力しつつ、関東圏での事業伸長を目指していく。
建設事業については、市場の先行きが不透明な中、受注の選別と特定顧客に対する営業を一層強化し、利益率の向上及び工事原価の低減に努めていく。
その他の事業であるホテル事業については、メニュー表示問題により損なわれた信頼を回復するため、再発防止に向けて真摯に取り組む一方、ザ・リッツ・カールトン大阪の日本を代表するラグジュアリーホテルとしての品質を維持し、外部環境の変化にも対応できるよう適切に投資を行っていく。
以上のとおり、当社グループは、阪急阪神ホールディングスグループの中核会社である当社を中心として、今後とも、各事業部門にわたり、経費等の削減と従業員教育の徹底を更に進めながら、去る3月に策定した阪神グループの「ありたい姿」の実現に向け、収益力の強化を積極的に追求するとともに、次世代につながる新規事業の創出・育成にも注力していく。
また、昨年7月から開始した「“たいせつ”がギュッと。」をキャッチフレーズとした沿線活性化プロモーションを引き続き展開し、当社の沿線価値の一層の向上を図っていくほか、交通事業者の使命である安全で快適な輸送の提供や環境保全活動・社会貢献活動への取組みの推進など企業の社会的責務を遂行するとともに、ホテル事業におけるメニュー表示問題を踏まえ、当社グループ全体のリスク管理の一層の強化と内部統制の充実に努めていく。
更に、経営の効率化に努めるなど、中長期的な視点から、企業価値の向上に取り組んでいく。
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