有価証券報告書-第34期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、事業の持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を図るため、究極の安全によるお客さまからの信頼の向上およびすべての人の心豊かな生活の実現に向けた経営課題に対して、透明、公正および迅速果断な意思決定を行っていくことにより、株主の皆さま、お客さまおよび地域の皆さまをはじめとするステークホルダーのご期待を実現していくことをめざします。
なお、当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方および具体的な取組みを示すものとして、取締役会決議により「東日本旅客鉄道株式会社コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定め、当社ホームページ(https://www.jreast.co.jp/company/csr/)に掲出しております。
② 企業統治の体制の概要等
a 現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用している理由
当社は、収益の大半を占めている鉄道事業において、安全確保等の様々な知識および経験ならびに中長期的視野に基づいた意思決定が必要であるため、取締役会を設置するとともに、取締役会から独立した監査役で構成される監査役会を設置しております。
b 会社の機関の基本説明
当社の取締役会は、有価証券報告書提出日現在、社外取締役4名を含む12名で構成され、原則として毎月1回開催し、法定の事項その他重要な業務執行についての決定および業務執行の監督を行っており、その構成員については、「(2) 役員の状況」に記載のとおりであります。
取締役の選解任議案および代表取締役社長の選解任の決議にあたっては、客観性、適時性および透明性を確保する観点から、事前に人事諮問委員会に諮ることとしております。また、取締役の報酬の決定にあたっては、手続きの透明性および公正性を確保する観点から、事前に報酬諮問委員会に諮ることとしております。両委員会の委員は、次のとおりであります。
社外取締役 伊藤元重、社外取締役 天野玲子、社外取締役 柵山正樹、社外取締役 河本宏子
代表取締役社長 深澤祐二、代表取締役副社長 喜㔟陽一
このほか、取締役会の定めるところにより、取締役8名および常務執行役員12名で構成される常務会を置き、原則として毎週1回開催し、取締役会の決議事項およびその他の経営上の重要事項について審議を行っております。また、当社グループ全体の発展を期するため、取締役8名、常務執行役員12名および執行役員等3名で構成されるJR東日本グループ戦略策定委員会を置き、必要に応じて開催し、事業分野ごとの経営戦略などグループに関する重要事項について審議を行っております。
当社の監査役会は、常勤監査役2名と非常勤監査役3名の計5名(うち4名は社外監査役)で構成され、原則として毎月1回開催しております。また、各監査役は、監査役会が定めた方針に従い、取締役会、常務会等への出席や業務、財産の状況の調査等を通じ、取締役の職務執行の監査を行っております。
c コーポレート・ガバナンス概念図
2021年6月22日現在

d 内部統制システムの整備の状況
当社は、いわゆる内部統制について、グループ理念およびグループ経営ビジョンを適正かつ効率的に実現するための様々な取組みと位置づけています。コンプライアンス、安全・安心の確保、財政上の損失の防止、財務諸表の健全性の確保などに加え、新たな事業分野への展開などの観点も踏まえたリスクマネジメントに取り組み、グループを発展させ、その価値を高めることをめざしています。
また、リスクマネジメントについては、リスク(※)を損失回避等のマイナス要素を減らすものとして捉えるだけでなく、リスクテイクも含め、グループの価値を積極的に向上させる観点で幅広く取り組んでいます。
これを踏まえ、以下のように会社法に基づく業務の適正を確保するための体制を構築しています。
(※)コンプライアンス、安全確保、自然災害等のオペレーションに係るものだけでなく、マーケットの変化や競合他社の動向および国内外の社会・経済状況等に係るものや、新規事業に関する経営判断に係るものなども幅広く含みます。
(a) JR東日本グループにおける取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
・ 法令遵守および企業倫理について、当社と当社の連結子会社(以下、「グループ会社」という。)で構成されるJR東日本グループの企業行動指針である「法令遵守及び企業倫理に関する指針」を策定し、具体的な行動のあり方を示すハンドブックを当社およびグループ会社の役員および社員に配付するなど、指針に沿った企業活動の実践を図ります。
・ 当社の総務・法務戦略部は、全社横断的にコンプライアンスに係る業務を統括するとともに、JR東日本グループにおけるコンプライアンスの確保に向けてグループ会社の総務・法務部門と連携します。
・ JR東日本グループとしてのコンプライアンスに関する相談窓口を当社内および外部に設置し、公益通報やコンプライアンス上問題のある事象についての報告を受け付けます。その際、利用者および通報内容等に関する秘密を守り、当該通報を理由とした不利益取扱いを禁止しています。
・ 当社は、適法で効率的な業務執行確保のための内部監査体制を整えています。また、JR東日本グループにおける業務の適正を確保するため、当社からグループ会社に役員を派遣するなど経営に関与するとともに、当社監査部がグループ会社監査を定期的に実施します。
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
・ 当社は、法令および社内規程等に従い、取締役の職務執行に係る文書を適切に保存および管理します。取締役は、必要に応じて常時これらの文書を閲覧できます。
(c) JR東日本グループにおける損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・ 当社は、リスクマネジメントの一環として、損失の危険の管理に関する体制を構築しています。
・ 当社では、危機管理責任部署および危機管理に関する規程を定め、問題が発生した際には、経営トップが関与しながら、迅速に初動体制を構築し情報の収集および迅速な対応等がとれるよう危機管理体制を構築しています。また、グループ会社に対して、同様の危機管理体制を構築し、問題が発生した際には必要に応じて当社に報告するよう指導しています。
・ 当社は、鉄道の運行に関し、事故・災害等の発生に備え、迅速かつ適切な対応ができる体制並びに輸送の安全性および安定性を向上させるための体制を整備しています。
・ 当社の取締役会は、リスクマネジメントの実効性を確保するため、定期的にその取組み状況および今後の方針についてモニタリングを行います。
(d) JR東日本グループにおける取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制ならびにグループ会社から当社への職務の執行の報告に関する体制
・ 当社は、会社の効率的な事業運営を確保するため、社内規程により、各部署の権限、役割を定め、権限分配しています。
・ 当社およびグループ会社は、グループ経営ビジョンの浸透を図るとともに、その達成に向けて部門や施策ごとに具体的な計画を定め、その進捗状況については定期的にトレース等を実施するなど、施策を効率的に展開する仕組みを確保しています。また、グループ会社は、営業成績、財務状況その他の重要な情報を当社へ定期的に報告しています。
(e) 監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項
・ 当社は、監査役の監査活動を補助する専任スタッフを監査役室に配置し、監査の実効性を高め、監査活動が円滑に遂行できる体制をとっています。
(f) 監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性および当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
・ 当社監査役室スタッフは、監査役の職務に関して、取締役・他の使用人等の指揮命令を受けません。
(g) JR東日本グループにおける当社監査役への報告等に関する体制
・ 当社は、取締役会規則に基づいた決議事項の付議基準を定め、適切に取締役会に付議しているほか、当社監査役は、取締役会決議事項以外の重要な事項についても、取締役会および常務会等の会議の出席、取締役・使用人等からの聴取および取締役の職務執行に係る文書により、その内容を確認することができます。
・ 当社監査役とグループ会社監査役の間で定例の連絡会を実施し、監査に関する情報の交換を行います。
・ 当社は、JR東日本グループにおける公益通報やコンプライアンス上問題のある事象、当社監査部によるグループ会社監査の結果について、当社監査役に定期的に報告します。
・ 当社は、監査役へ報告を行った者に対し、当該報告を理由とした不利益取扱いを禁止しています。
(h) 監査役の職務の執行について生ずる費用等の処理に係る方針に関する事項
・ 当社監査役がその職務の執行について、当社に対し費用の前払い等を請求したときは、当該請求に係る費用または債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを当社が証明した場合を除き、当社はその費用を負担します。
(i) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・ 当社監査役は、代表取締役社長および会計監査人と、それぞれ定期的に意見交換会を開催しています。
e 財務報告に係る内部統制の基本方針
当社の財務報告に係る内部統制の基本方針は、次のとおりです。
(a) 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制を整備し、運用する。
(b) 前項に定める体制の整備および運用の状況について、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に従って、事業年度ごとにこれを評価する。
f リスクマネジメントの状況
当社のリスクマネジメントの状況は第2「2 事業等のリスク」に記載のとおりであり、特に次のとおり取り組んでおります。
(a) 当社グループでは、2019年度にグループ全体のリスクマネジメントを強化し、各事業に共通・特有のリスクの回避・低減に取り組んでおります。具体的には、毎年、事業全体のリスクを外部の知見や社内の意見等をもとに洗い出し、発生頻度および影響度を踏まえた分析・評価を行ったうえで重要なリスクを定め、その回避・低減策を検討・実施しております。このように、PDCAサイクルを回してリスクの見直し等を図り、都度、取締役会でリスクの回避・低減に向けた取組みの達成度・進捗をモニタリングするとともに、今後の方針について検討を行い、リスクマネジメントの実効性を確保しております。
(b) 当社は、危機管理に関する基本的事項について危機管理本部規程に定めております。危機が発生した場合は、同規程に基づき、危機管理本部において経営トップが初期から関与し、トップダウンで関係部署の役割を指定するなど、初動体制を確立しております。また、当社はグループ会社に対し、危機管理に対応する組織の設置や危機事案発生時の速やかな報告について指導するなど、当社グループとしての危機管理体制を構築しております。
(c) 当社は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を受け、社長をトップとした新型コロナウイルス対策本部を設置し、グループ内の対応状況について情報収集や共有を図るとともに、国や自治体の動向を踏まえて、お客さまや社員の感染防止に向けた対策を指示するなど適切に対応しております。
(d) 当社は、安全を経営のトッププライオリティに位置付けており、2018年11月に策定した「グループ安全計画2023」のもと、一人ひとりの「安全行動」を起点に、「究極の安全」をめざしております。具体的には、鉄道の運行に関し、事故・災害等の発生に備えて、輸送指令室を24時間体制とするなど、迅速かつ適切に対応できる体制を整えております。あわせて、輸送の安全性および安定性を向上させるため、社内に設置した専門の各委員会において議論を行い、重大な事故・事象の「再発防止」および「未然防止」に努めております。
g 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、業務執行取締役等でない取締役および監査役との間に、会社法第423条第1項の責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく責任の限度額は、法令が規定する額としております。
h 役員等賠償責任保険契約の内容の概要等
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約の被保険者の範囲は当社の取締役、監査役、執行役員、管理職従業員および退任役員であり、保険期間中に新たに選任された者を含みます。当該保険契約は、第三者訴訟、株主代表訴訟により、被保険者が負担することとなった争訟費用および損害賠償金を填補するものであり、保険料は当社が全額負担のうえ、1年毎に契約更新しております。なお、当該保険契約では、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、当社が被保険者に対して損害賠償責任を追及する場合は保険契約の免責事項としております。
③ 取締役の定数
当社は、20名以内の取締役を置く旨を定款に定めております。
④ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議につきましては、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑤ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした事項
a 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは今後の経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするためであります。
b 中間配当
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対して会社法第454条第5項の規定による中間配当を行える旨を定款に定めております。これは株主への利益還元を機動的に行うためであります。
⑥ 株主総会の特別決議事項
当社は、会社法第309条第2項の定めによる決議につきましては、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは株主総会を円滑に運営するためであります。
⑦ その他
a ダイバーシティの推進
当社は、当社グループで働く社員等が有する性別などの属性、経験および技能を反映した多様な視点や価値観の違いが、当社の強みであると認識したうえで、多様な人材がその能力を最大限発揮できる企業グループをめざし、ダイバーシティ推進に向けた各種施策に積極的に取り組んでおります。
(a) 女性社員の活躍推進
鉄道事業の特性として不規則な勤務体系での就労が多く、男性社員の比率が高かったため、会社発足から女性社員の活躍推進に特に力を入れて取り組んでおります。乗務員への運用など職域拡大に取り組んできた結果、全ての職域において女性社員が活躍するとともに、女性社員の勤続年数が伸長してきたことから、今後はマネジメント層としての活躍が期待される人材の育成も見据え、スピード感をもって必要な施策を実施してまいります。2019年4月1日からの一般事業主行動計画では「採用」および「定着」の取組みを継続しつつ、「育成」および「登用」の取組みを強化します。具体的には、多様な働き方の整備や配置可能な職場のさらなる拡大等を一層推進して、女性社員の働きがいを更に向上させ、「登用」につながる女性の層の拡大をめざします。
(女性社員の活躍推進に向けた目標設定)
・新卒採用者に占める女性比率を30%以上とします。
・職場の女性用設備の整備を推進し、すべての職場で女性社員が活躍できる環境を整えます。
・事業所内保育所の利便性を向上させ、社員の両立支援を拡充します。
・多様な働き方を実現し、すべての社員がいきいきと働き続けることができる環境を整備します。
・管理職に占める女性比率を10%以上とします。
なお、2021年4月1日現在、当社における女性社員数は8,605名(全社員の17.3%)、女性の管理職社員数は247名(管理職の6.4%)となっております。本社・支社の部長や現業機関の長(駅長など)、グループ会社の取締役など重要な職責を担う女性社員が増加してきており、有価証券報告書提出日現在、当社は女性の常務取締役1名、社外取締役2名および執行役員2名を選任しております。
(b) 障がいを持った社員の活躍推進
障がいを持った社員について、積極的な採用を継続するとともに、様々な職域において活躍できるよう体制の整備を進めております。また、法定雇用率は2021年3月より2.3%に引き上げられましたが、当社の2021年6月1日時点の障がい者雇用率は、それを上回っています。
(c) 上記を含めた多様な社員の活躍推進
外国籍社員の積極的な採用を進め、様々なフィールドでの活躍を支援しております。育児や介護と仕事を両立している社員に対しては、法定水準以上の各種制度の整備を進めているほか、両立に対する職場の理解を深める取組みを行っております。また、LGBT(性的マイノリティ)については、同性パートナー制度の導入などにより働きやすい環境を整備するとともに、社員に正しい理解を広める教育等を実施しております。
b 情報開示
情報開示につきましては、広報活動やIR活動を通じて積極的に取り組んでおり、ホームページ等を活用した開示内容の充実や重要な企業情報のタイムリーディスクロージャーなどに努めております。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、事業の持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を図るため、究極の安全によるお客さまからの信頼の向上およびすべての人の心豊かな生活の実現に向けた経営課題に対して、透明、公正および迅速果断な意思決定を行っていくことにより、株主の皆さま、お客さまおよび地域の皆さまをはじめとするステークホルダーのご期待を実現していくことをめざします。
なお、当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方および具体的な取組みを示すものとして、取締役会決議により「東日本旅客鉄道株式会社コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定め、当社ホームページ(https://www.jreast.co.jp/company/csr/)に掲出しております。
② 企業統治の体制の概要等
a 現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用している理由
当社は、収益の大半を占めている鉄道事業において、安全確保等の様々な知識および経験ならびに中長期的視野に基づいた意思決定が必要であるため、取締役会を設置するとともに、取締役会から独立した監査役で構成される監査役会を設置しております。
b 会社の機関の基本説明
当社の取締役会は、有価証券報告書提出日現在、社外取締役4名を含む12名で構成され、原則として毎月1回開催し、法定の事項その他重要な業務執行についての決定および業務執行の監督を行っており、その構成員については、「(2) 役員の状況」に記載のとおりであります。
取締役の選解任議案および代表取締役社長の選解任の決議にあたっては、客観性、適時性および透明性を確保する観点から、事前に人事諮問委員会に諮ることとしております。また、取締役の報酬の決定にあたっては、手続きの透明性および公正性を確保する観点から、事前に報酬諮問委員会に諮ることとしております。両委員会の委員は、次のとおりであります。
社外取締役 伊藤元重、社外取締役 天野玲子、社外取締役 柵山正樹、社外取締役 河本宏子
代表取締役社長 深澤祐二、代表取締役副社長 喜㔟陽一
このほか、取締役会の定めるところにより、取締役8名および常務執行役員12名で構成される常務会を置き、原則として毎週1回開催し、取締役会の決議事項およびその他の経営上の重要事項について審議を行っております。また、当社グループ全体の発展を期するため、取締役8名、常務執行役員12名および執行役員等3名で構成されるJR東日本グループ戦略策定委員会を置き、必要に応じて開催し、事業分野ごとの経営戦略などグループに関する重要事項について審議を行っております。
当社の監査役会は、常勤監査役2名と非常勤監査役3名の計5名(うち4名は社外監査役)で構成され、原則として毎月1回開催しております。また、各監査役は、監査役会が定めた方針に従い、取締役会、常務会等への出席や業務、財産の状況の調査等を通じ、取締役の職務執行の監査を行っております。
c コーポレート・ガバナンス概念図
2021年6月22日現在

d 内部統制システムの整備の状況
当社は、いわゆる内部統制について、グループ理念およびグループ経営ビジョンを適正かつ効率的に実現するための様々な取組みと位置づけています。コンプライアンス、安全・安心の確保、財政上の損失の防止、財務諸表の健全性の確保などに加え、新たな事業分野への展開などの観点も踏まえたリスクマネジメントに取り組み、グループを発展させ、その価値を高めることをめざしています。
また、リスクマネジメントについては、リスク(※)を損失回避等のマイナス要素を減らすものとして捉えるだけでなく、リスクテイクも含め、グループの価値を積極的に向上させる観点で幅広く取り組んでいます。
これを踏まえ、以下のように会社法に基づく業務の適正を確保するための体制を構築しています。
(※)コンプライアンス、安全確保、自然災害等のオペレーションに係るものだけでなく、マーケットの変化や競合他社の動向および国内外の社会・経済状況等に係るものや、新規事業に関する経営判断に係るものなども幅広く含みます。
(a) JR東日本グループにおける取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
・ 法令遵守および企業倫理について、当社と当社の連結子会社(以下、「グループ会社」という。)で構成されるJR東日本グループの企業行動指針である「法令遵守及び企業倫理に関する指針」を策定し、具体的な行動のあり方を示すハンドブックを当社およびグループ会社の役員および社員に配付するなど、指針に沿った企業活動の実践を図ります。
・ 当社の総務・法務戦略部は、全社横断的にコンプライアンスに係る業務を統括するとともに、JR東日本グループにおけるコンプライアンスの確保に向けてグループ会社の総務・法務部門と連携します。
・ JR東日本グループとしてのコンプライアンスに関する相談窓口を当社内および外部に設置し、公益通報やコンプライアンス上問題のある事象についての報告を受け付けます。その際、利用者および通報内容等に関する秘密を守り、当該通報を理由とした不利益取扱いを禁止しています。
・ 当社は、適法で効率的な業務執行確保のための内部監査体制を整えています。また、JR東日本グループにおける業務の適正を確保するため、当社からグループ会社に役員を派遣するなど経営に関与するとともに、当社監査部がグループ会社監査を定期的に実施します。
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
・ 当社は、法令および社内規程等に従い、取締役の職務執行に係る文書を適切に保存および管理します。取締役は、必要に応じて常時これらの文書を閲覧できます。
(c) JR東日本グループにおける損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・ 当社は、リスクマネジメントの一環として、損失の危険の管理に関する体制を構築しています。
・ 当社では、危機管理責任部署および危機管理に関する規程を定め、問題が発生した際には、経営トップが関与しながら、迅速に初動体制を構築し情報の収集および迅速な対応等がとれるよう危機管理体制を構築しています。また、グループ会社に対して、同様の危機管理体制を構築し、問題が発生した際には必要に応じて当社に報告するよう指導しています。
・ 当社は、鉄道の運行に関し、事故・災害等の発生に備え、迅速かつ適切な対応ができる体制並びに輸送の安全性および安定性を向上させるための体制を整備しています。
・ 当社の取締役会は、リスクマネジメントの実効性を確保するため、定期的にその取組み状況および今後の方針についてモニタリングを行います。
(d) JR東日本グループにおける取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制ならびにグループ会社から当社への職務の執行の報告に関する体制
・ 当社は、会社の効率的な事業運営を確保するため、社内規程により、各部署の権限、役割を定め、権限分配しています。
・ 当社およびグループ会社は、グループ経営ビジョンの浸透を図るとともに、その達成に向けて部門や施策ごとに具体的な計画を定め、その進捗状況については定期的にトレース等を実施するなど、施策を効率的に展開する仕組みを確保しています。また、グループ会社は、営業成績、財務状況その他の重要な情報を当社へ定期的に報告しています。
(e) 監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項
・ 当社は、監査役の監査活動を補助する専任スタッフを監査役室に配置し、監査の実効性を高め、監査活動が円滑に遂行できる体制をとっています。
(f) 監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性および当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
・ 当社監査役室スタッフは、監査役の職務に関して、取締役・他の使用人等の指揮命令を受けません。
(g) JR東日本グループにおける当社監査役への報告等に関する体制
・ 当社は、取締役会規則に基づいた決議事項の付議基準を定め、適切に取締役会に付議しているほか、当社監査役は、取締役会決議事項以外の重要な事項についても、取締役会および常務会等の会議の出席、取締役・使用人等からの聴取および取締役の職務執行に係る文書により、その内容を確認することができます。
・ 当社監査役とグループ会社監査役の間で定例の連絡会を実施し、監査に関する情報の交換を行います。
・ 当社は、JR東日本グループにおける公益通報やコンプライアンス上問題のある事象、当社監査部によるグループ会社監査の結果について、当社監査役に定期的に報告します。
・ 当社は、監査役へ報告を行った者に対し、当該報告を理由とした不利益取扱いを禁止しています。
(h) 監査役の職務の執行について生ずる費用等の処理に係る方針に関する事項
・ 当社監査役がその職務の執行について、当社に対し費用の前払い等を請求したときは、当該請求に係る費用または債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを当社が証明した場合を除き、当社はその費用を負担します。
(i) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・ 当社監査役は、代表取締役社長および会計監査人と、それぞれ定期的に意見交換会を開催しています。
e 財務報告に係る内部統制の基本方針
当社の財務報告に係る内部統制の基本方針は、次のとおりです。
(a) 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制を整備し、運用する。
(b) 前項に定める体制の整備および運用の状況について、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に従って、事業年度ごとにこれを評価する。
f リスクマネジメントの状況
当社のリスクマネジメントの状況は第2「2 事業等のリスク」に記載のとおりであり、特に次のとおり取り組んでおります。
(a) 当社グループでは、2019年度にグループ全体のリスクマネジメントを強化し、各事業に共通・特有のリスクの回避・低減に取り組んでおります。具体的には、毎年、事業全体のリスクを外部の知見や社内の意見等をもとに洗い出し、発生頻度および影響度を踏まえた分析・評価を行ったうえで重要なリスクを定め、その回避・低減策を検討・実施しております。このように、PDCAサイクルを回してリスクの見直し等を図り、都度、取締役会でリスクの回避・低減に向けた取組みの達成度・進捗をモニタリングするとともに、今後の方針について検討を行い、リスクマネジメントの実効性を確保しております。
(b) 当社は、危機管理に関する基本的事項について危機管理本部規程に定めております。危機が発生した場合は、同規程に基づき、危機管理本部において経営トップが初期から関与し、トップダウンで関係部署の役割を指定するなど、初動体制を確立しております。また、当社はグループ会社に対し、危機管理に対応する組織の設置や危機事案発生時の速やかな報告について指導するなど、当社グループとしての危機管理体制を構築しております。
(c) 当社は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を受け、社長をトップとした新型コロナウイルス対策本部を設置し、グループ内の対応状況について情報収集や共有を図るとともに、国や自治体の動向を踏まえて、お客さまや社員の感染防止に向けた対策を指示するなど適切に対応しております。
(d) 当社は、安全を経営のトッププライオリティに位置付けており、2018年11月に策定した「グループ安全計画2023」のもと、一人ひとりの「安全行動」を起点に、「究極の安全」をめざしております。具体的には、鉄道の運行に関し、事故・災害等の発生に備えて、輸送指令室を24時間体制とするなど、迅速かつ適切に対応できる体制を整えております。あわせて、輸送の安全性および安定性を向上させるため、社内に設置した専門の各委員会において議論を行い、重大な事故・事象の「再発防止」および「未然防止」に努めております。
g 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、業務執行取締役等でない取締役および監査役との間に、会社法第423条第1項の責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく責任の限度額は、法令が規定する額としております。
h 役員等賠償責任保険契約の内容の概要等
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約の被保険者の範囲は当社の取締役、監査役、執行役員、管理職従業員および退任役員であり、保険期間中に新たに選任された者を含みます。当該保険契約は、第三者訴訟、株主代表訴訟により、被保険者が負担することとなった争訟費用および損害賠償金を填補するものであり、保険料は当社が全額負担のうえ、1年毎に契約更新しております。なお、当該保険契約では、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、当社が被保険者に対して損害賠償責任を追及する場合は保険契約の免責事項としております。
③ 取締役の定数
当社は、20名以内の取締役を置く旨を定款に定めております。
④ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議につきましては、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑤ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした事項
a 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは今後の経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするためであります。
b 中間配当
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対して会社法第454条第5項の規定による中間配当を行える旨を定款に定めております。これは株主への利益還元を機動的に行うためであります。
⑥ 株主総会の特別決議事項
当社は、会社法第309条第2項の定めによる決議につきましては、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは株主総会を円滑に運営するためであります。
⑦ その他
a ダイバーシティの推進
当社は、当社グループで働く社員等が有する性別などの属性、経験および技能を反映した多様な視点や価値観の違いが、当社の強みであると認識したうえで、多様な人材がその能力を最大限発揮できる企業グループをめざし、ダイバーシティ推進に向けた各種施策に積極的に取り組んでおります。
(a) 女性社員の活躍推進
鉄道事業の特性として不規則な勤務体系での就労が多く、男性社員の比率が高かったため、会社発足から女性社員の活躍推進に特に力を入れて取り組んでおります。乗務員への運用など職域拡大に取り組んできた結果、全ての職域において女性社員が活躍するとともに、女性社員の勤続年数が伸長してきたことから、今後はマネジメント層としての活躍が期待される人材の育成も見据え、スピード感をもって必要な施策を実施してまいります。2019年4月1日からの一般事業主行動計画では「採用」および「定着」の取組みを継続しつつ、「育成」および「登用」の取組みを強化します。具体的には、多様な働き方の整備や配置可能な職場のさらなる拡大等を一層推進して、女性社員の働きがいを更に向上させ、「登用」につながる女性の層の拡大をめざします。
(女性社員の活躍推進に向けた目標設定)
・新卒採用者に占める女性比率を30%以上とします。
・職場の女性用設備の整備を推進し、すべての職場で女性社員が活躍できる環境を整えます。
・事業所内保育所の利便性を向上させ、社員の両立支援を拡充します。
・多様な働き方を実現し、すべての社員がいきいきと働き続けることができる環境を整備します。
・管理職に占める女性比率を10%以上とします。
なお、2021年4月1日現在、当社における女性社員数は8,605名(全社員の17.3%)、女性の管理職社員数は247名(管理職の6.4%)となっております。本社・支社の部長や現業機関の長(駅長など)、グループ会社の取締役など重要な職責を担う女性社員が増加してきており、有価証券報告書提出日現在、当社は女性の常務取締役1名、社外取締役2名および執行役員2名を選任しております。
(b) 障がいを持った社員の活躍推進
障がいを持った社員について、積極的な採用を継続するとともに、様々な職域において活躍できるよう体制の整備を進めております。また、法定雇用率は2021年3月より2.3%に引き上げられましたが、当社の2021年6月1日時点の障がい者雇用率は、それを上回っています。
(c) 上記を含めた多様な社員の活躍推進
外国籍社員の積極的な採用を進め、様々なフィールドでの活躍を支援しております。育児や介護と仕事を両立している社員に対しては、法定水準以上の各種制度の整備を進めているほか、両立に対する職場の理解を深める取組みを行っております。また、LGBT(性的マイノリティ)については、同性パートナー制度の導入などにより働きやすい環境を整備するとともに、社員に正しい理解を広める教育等を実施しております。
b 情報開示
情報開示につきましては、広報活動やIR活動を通じて積極的に取り組んでおり、ホームページ等を活用した開示内容の充実や重要な企業情報のタイムリーディスクロージャーなどに努めております。