四半期報告書-第97期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

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2016/11/11 11:20
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年9月30日、以下「当第2四半期」という。)におけるわが国の経済は、新興国を中心とした経済成長の減速や、英国のEU離脱問題等により、金融市場への影響や、急速な円高や株安の進展・企業業績の回復や景況感の後退もあり、景気の足踏み状態が継続しております。
このような経済情勢の中、物流業界におきましては、内需縮小ならびに円高や燃料価格変動を背景に、国内貨物輸送量の低迷等もあり、総じて低調に推移しました。また、ドライバー不足の深刻化による輸送対応力の低下や人件費の上昇等、厳しい事業環境の中、物流事業者の成長を維持するための事業戦略、企業価値向上に向けた取組みの重要性も一段と増しております。
当社グループは、中期経営計画「Leading step up 2017 さらなる高品質経営をめざして!!」(平成27年4月1日~平成30年3月31日)の次年度の取組みに邁進しております。前中期経営計画における事業構造改革の進展を踏まえ、引き続き更なる成長の3ヶ年と位置付け、グループ全体の「質・総合力」を高め、付加価値の高いサービスを提供する「強い企業グループ」をめざして、事業展開をはかっています。
そのような中、貨物自動車運送事業及び貨物利用運送事業において、新規顧客拡販・既存顧客深耕による安定的収益の確保を推進するとともに、荷主企業の物流業務のアウトソーシング・コスト削減が深厚する中、重点とする3PL(サードパーティロジスティクス)をはじめとする事業拡大につとめました。
その結果、当社グループの当期経営成績は、営業収益において60,679百万円と前年同四半期に比べ353百万円(0.6%)の微増となりました。
利益面におきましては、下払料の高騰・原材料価格の上昇をはじめとするコストアップ環境の中、事業構造改革の継続取組みによる収益管理の徹底、既存事業の生産性向上、燃料費削減などにより吸収につとめた結果、営業利益は2,439百万円と、前年同四半期に比べ95百万円(4.1%)の増益となりました。
経常利益は2,634百万円となり、前年同四半期に比べ150百万円(6.1%)の増益となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,020百万円を計上し、前年同四半期に比べ431百万円(27.1%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、以下におけるセグメント利益は営業利益ベースの数値であります。
①物流関連事業
当第2四半期における物流関連事業は、緩やかな物量ニーズの回復や、新規流通センターの開設等もあり、営業収益は56,240百万円と前年同四半期に比べ664百万円(1.2%)の増収となりました。
セグメント利益は、貨物輸送量の増収基調や流通センターの運営の充実等により、2,227百万円を計上、前年同四半期に比べ200百万円(9.9%)の増益となりました。
②情報処理事業
情報処理事業の営業収益は、1,355百万円で、前年同四半期に比べ124百万円(8.4%)の減収となりました。
セグメント利益は119百万円を計上し、前年同四半期に比べ5百万円(4.7%)の減少となりました。
③販売事業
物品販売ならびに委託売買業、損害保険代理業等の販売事業における営業収益は2,440百万円と前年同四半期に比べ488百万円(16.7%)の減収となり、セグメント利益は41百万円を計上、前年同四半期に比べ75百万円(64.4%)の減益となりました。
その他では、自動車修理業、ダイレクトメール業等で営業収益642百万円を計上し、前年同四半期に比べ301百万円(88.4%)の増収となりました。
セグメント利益は97百万円で前年同四半期に比べ37百万円(62.9%)の増益となりました。
(2) 財政状態の分析
総資産は123,240百万円となり、前連結会計年度に比べ2,028百万円(1.7%)増加しました。これは主として受取手形が522百万円と営業未収入金が687百万円減少した一方で、流動資産で現金及び預金が1,985百万円、固定資産で機械装置及び運搬具が276百万円、土地が335百万円、それぞれ増加したことなどによります。
負債は64,160百万円となり、前連結会計年度に比べ118百万円(0.2%)増加しました。これは主として短期借入金が650百万円と1年以内返済予定の長期借入金が1,933百万円減少した一方で、長期借入金が3,454百万円増加したことなどによります。
純資産は59,079百万円となり、前連結会計年度に比べ1,909百万円(3.3%)増加しました。これは主として親会社株主に帰属する四半期純利益を計上するなどして利益剰余金が1,702百万円、その他有価証券評価差額金が147百万円増加したことによります。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度の47.1%から47.9%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,990百万円増加し、15,350百万円となりました。これは営業活動によるキャッシュ・フローの増加と、投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローの減少によるものであります。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは4,993百万円の収入となりました(前年同四半期に比べて3,149百万円の増加)。これは主に税金等調整前四半期純利益が2,661百万円、減価償却費が2,368百万円あった一方で、未払消費税等の減少による支出が184百万円、法人税等の支払による支出が1,238百万円あったことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,586百万円の支出となりました(前年同四半期に比べて896百万円の支出増加)。これは主に有形固定資産の取得による支出が1,342百万円、子会社株式の取得による支出が257百万円あったことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,415百万円の支出となりました(前年同四半期に比べて339百万円の支出減少)。これは主に長期借入金の返済による支出が2,343百万円、リース債務の返済による支出が1,501百万円あった一方、長期借入れによる収入が3,500百万円あったことなどによります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
今当第2四半期連結累計期間において、本年8月12日に開示の後に、連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題として新たな追加事項はございません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①当社の財務及び事業の方針を支配する者の在り方に関する方針
上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の財務及び事業の方針を支配する者の在り方についても、当社株式等の自由な取引により決定されることを基本としております。
一方、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としての在り方は、様々なステークホールダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させるものでなければならないと考えております。
従いまして、企業価値及び株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付け提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
②基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、当社の企業価値向上及び株主共同の利益の向上の実現により、株主、投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、以下の施策を実施しております。
イ.当社の経営の基本方針
当社は、お客様に「安全・確実・迅速なサービス」を提供することを通して事業の発展をはかり、株主の皆様へ「適正で安定した配当」を継続することを経営の基本方針としております。
この方針に基づいて、お客様の立場に立ったより良いサービスを提供できるネットワークの構築をはかり、収益性の強化につとめることで、安定した経営を目指してまいります。
ロ.中長期的な企業価値向上のための取組み
トナミホールディングスグループは、平成27年4月からスタートしました中期経営3ヶ年計画を成長戦略のロードマップと位置付け、物流パートナーとして社会的使命を再認識し、お客様の成長をサポートすることにより、持続可能な社会の発展に貢献できる企業グループをめざし邁進しております。
最終年度目標「営業利益率4.3%、ROE(自己資本当期純利益率)7.0%」の達成にむけ企業価値の向上に取り組んでおります。
また、コンプライアンス/コーポレート・ガバナンスに裏付けられた「高品質経営」の実現により、顧客・株主から信頼され、地域・社会に貢献し、従業員が誇りを持って働くことができる活力溢れる企業づくりに取り組んでおります。
ハ.内部統制体制の構築
当社は、企業価値及び株主共同の利益を向上させるためには、経営の効率性、健全性、透明性を高め、内部統制体制を充実させることが重要であると考えており、平成20年10月1日開催の取締役会で内部統制体制の方針を決議し、その基本方針に基づく健全な内部統制システムの構築をはかり、企業価値向上にむけて取組んでおります。
当社の取締役会は、月1回これを開催することを原則とし、その他必要に応じて随時開催して取締役間の意思疎通をはかるとともに相互に業務執行を監督し、必要に応じて外部の専門家を起用し法令定款違反行為を未然に防止することといたしております。
また、監査役会設置会社であり、取締役の職務遂行については監査役会の定める監査の方針及び分担に従い、社外監査役を含め、各監査役の監査対象となっております。
このほか、会社法に基づいて、取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制、損失の危険の管理に関する規程その他の体制、企業集団における業務の適正を確保するための体制、監査役の監査が実効的に行なわれることを確保する体制等々について決議いたしており、引続きその体制の一層の整備につとめております。
当社は損失の危険の管理すなわちリスク管理の一環として、現在、企業価値及び株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為に対応するため、買収防衛有事対応マニュアルの運用による体制強化にむけて取組んでおります。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
①経営成績に重要な影響を与える要因について
イ.環境の変化に関するリスク
当社グループの主たる事業は特積み事業を中核とする物流事業であり、国内外の景気変動や顧客企業の物流合理化・事業再編、業績悪化や取引停止による影響、原油の高騰や想定を超える金利上昇などにより、コスト負担増加を吸収することが困難となるおそれがあります。
ロ.事業の展開に関するリスク
当社グループが事業展開する地域で地震などの大規模災害が発生した場合は、施設の被災により会社経営に甚大な影響が生ずる事態も予想されます。
また、事業拡大に不可欠な人材の確保・育成・拡充、また、企業買収・資本提携を含む戦略的提携が計画通りに進まない場合や、海外事業展開に伴う社会的リスクなどが顕在化した場合に、当社グループの事業展開及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ハ.情報ネットワークのセキュリティに関するリスク
当社グループは多くのお客様の情報を取扱っており、当該情報を適切に管理するよう努めておりますが、保管状態の不具合などにより情報の漏洩が発生した場合には、社会的信頼の喪失や損害賠償請求の発生などにつながるおそれがあります。また、自然災害やコンピュータウイルスによる感染等により、ITシステムに故障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
ニ.環境保全に係るリスク
環境規制が一層強化されることによるコスト負担増や、安全対策の規制強化などを遵守するための一層の費用負担の可能性があり、資金やコスト負担の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
ホ.重大な事故の発生によるリスク
車輌事故など重大な事故が発生した場合には、顧客の信頼及び社会的な信用が損なわれる恐れもあり、ひいては当社グループの事業展開及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ヘ.事業用資産及び繰延税金資産に関わるリスク
事業用固定資産に対する減損会計によって減損処理が必要となった場合や、将来の課税所得の見積り等に大きな変化が生じ、繰延税金資産の取崩が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響が出る可能性があります。
②経営戦略の現状と見通しについて
今後の経済情勢につきましては、緩やかな回復基調に向かうことが期待されているものの、海外経済の先行きや労働需給の逼迫など、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
物流業界におきましても、こうした動きの中で貨物輸送量の低迷、ドライバー不足の深刻化や雇用条件の改善等への課題対応もあり、厳しい経営環境が続くものとみられます。
その様な中、当社グループの中期経営計画(平成27年4月1日~平成30年3月31日)の次年度の業績目標達成にむけて、成長戦略の展開に邁進しております。
引き続き、グループ内再編の深厚による経営資源の有効活用、業務提携・資本提携やM&Aの積極的な展開による収益基盤の拡大、パートナー企業との一層の連携強化に取組んでまいります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
主力の特積み部門においては、トナミグループネットワークの活用と機能連携の強化により、顧客ニーズの対応力向上をはかってまいります。
一方、平成24年9月より同業3社の合弁による幹線輸送の効率化に取り組んでおり、今後、集配業務改革をはじめとする共同配送・施設の共用など生産性向上施策などの推進により、コスト競争力強化、安定事業基盤の構築に取り組んでおります。
引き続き、新規顧客獲得にむけ、グループ企業の共同営業を積極的に展開するとともに、今後、更に高度化・多様化する事業環境の中で、経営戦略としてICT(情報通信技術)を活用し、コア事業を強力にサポートする「経営管理システム」の日次収支管理を推進することにより、経営資源の効率的運用、一層の高品質でコストパフォーマンスの高いサービスの実現を目指してまいります。
更に、重点とする3PL事業部門をはじめ、他事業部門において引き続きグループ連携をはかると共に、新規事業創出やソリューション営業の強化など経営基盤の強化につとめております。
そのためにも、平成27年4月よりスタートしました「中期経営3ヶ年計画」のビジョンに基づく成長戦略の進展をはかるとともに、物流サービス・品質の一層の向上による市場競争力向上、業務量に応じた適正要員体制の構築など、コストコントロールの徹底による収益基盤の強化により、業容の拡大に邁進してまいります。