四半期報告書-第97期第3四半期(平成28年10月1日-平成28年12月31日)

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2017/02/14 11:39
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年12月31日、以下「当第3四半期」という。)における日本経済は、企業業績の底堅さが継続し緩やかな回復基調となる一方、米国の新政権による政策運営や英国のEU離脱問題・原油価格の上昇による影響が懸念されるなど、引き続き先行き不透明な状態が継続しております。
物流業界におきましても、国内貨物輸送量の変動要因やドライバー不足等の構造的課題もあり、輸送能力の低下や人件費・燃料費の上昇等も憂慮され、成長を維持するための事業戦略、企業価値向上に向けた取組みの重要性が一段と増しております。
このような環境の中、当社グループは、中期経営計画「Leading step up 2017 さらなる高品質経営をめざして!!」(平成27年4月1日~平成30年3月31日)の次年度の取組みに邁進しました。
前中期経営計画における事業構造改革の進展を踏まえ、引き続き更なる成長の3ヶ年と位置付け、グループ全体の「質・総合力」を高め、付加価値の高いサービスを提供する「強い企業グループ」をめざして事業展開をはかっております。
昨年7月に三温度帯サービスの事業を手掛ける中央冷蔵㈱(広島市西区)、同年10月に量販店を主力とする家電の配送・設置を行う㈱テイクワン(埼玉県川口市)がグループ事業会社に加わり、新たな企業価値創造や輸送サービスの高度化、販売・調達市場における業容拡大に邁進しております。
貨物自動車運送事業及び貨物利用運送事業においては、新規顧客拡販・既存顧客深耕による安定収益の確保を推進するとともに、荷主企業の物流業務のアウトソーシング・コスト削減が深厚する中、重点とする3PL(サードパーティロジスティクス)をはじめとする事業の拡大につとめました。
その結果、当社グループの当期経営成績は、営業収益においては93,816百万円と、前年同四半期に比べ1,370百万円(1.5%)の増収となりました。
利益面におきましては、増収要因やコストコントロールによる収益管理の徹底、既存事業の生産性向上などにより、営業利益は4,173百万円と、前年同四半期に比べ165百万円(4.1%)の増益となりました。
経常利益は4,509百万円となり、前年同四半期に比べ293百万円(7.0%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,159百万円を計上し、前年同四半期に比べ424百万円(15.5%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、以下におけるセグメント利益は営業利益ベースの数値であります。
①物流関連事業
当第3四半期における物流関連事業は、緩やかな物量ニーズの回復が継続し、新規流通センターの開設による保管料の増加等もあり、営業収益は86,307百万円と前年同四半期に比べ1,609百万円(1.9%)の増収となりました。
セグメント利益は、輸送効率向上や流通センターの運営の充実等により、3,742百万円を計上、前年同四半期に比べ288百万円(8.4%)の増益となりました。
②情報処理事業
情報処理事業の営業収益は、1,957百万円で、前年同四半期に比べ108百万円(5.3%)の減収となりました。
セグメント利益は179百万円を計上し、前年同四半期に比べ23百万円(11.4%)の減益となりました。
③販売事業
物品販売ならびに委託売買業、損害保険代理業等の販売事業における営業収益は、燃料価格低下による石油販売事業の減収もあり、4,497百万円と前年同四半期に比べ639百万円(12.5%)の減収となりました。また、セグメント利益は234百万円を計上、前年同四半期に比べ15百万円(6.2%)の減益となりました。
その他では、自動車修理業、ダイレクトメール業等で営業収益1,053百万円を計上し、前年同四半期に比べ509百万円(93.7%)の増収となりました。
セグメント利益は77百万円で前年同四半期に比べ14百万円(15.8%)の減益となりました。
(2) 財政状態の分析
総資産は125,171百万円となり、前連結会計年度に比べ3,959百万円(3.3%)増加しました。これは主として流動資産で営業未収入金が1,083百万円、固定資産で機械装置及び運搬具が364百万円、土地が744百万円、無形固定資産でのれんが917百万円、投資その他の資産で投資有価証券が1,106百万円、それぞれ増加したことなどによります。
負債は64,694百万円となり、前連結会計年度に比べ652百万円(1.0%)増加しました。これは主として短期借入金が840百万円と1年以内返済予定の長期借入金が1,934百万円減少した一方で、長期借入金が3,404百万円増加したことなどによります。
純資産は60,476百万円となり、前連結会計年度に比べ3,306百万円(5.8%)増加しました。これは主として親会社株主に帰属する四半期純利益を計上するなどして利益剰余金が2,442百万円、その他有価証券評価差額金が777百万円増加したことによります。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度の47.1%から48.3%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
トナミホールディングスグループは、平成27年4月からスタートしました中期経営3ヶ年計画を成長戦略のロードマップと位置付け、物流パートナーとして社会的使命を再認識し、お客様の成長をサポートすることにより、持続可能な社会の発展に貢献できる企業グループをめざし邁進しております。
最終年度目標「営業利益率4.3%、ROE(自己資本当期純利益率)7.0%」の達成にむけ企業価値の向上に取組んでおります。
また、コンプライアンス/コーポレート・ガバナンスに裏付けられた「高品質経営」の実現により、顧客・株主から信頼され、地域・社会に貢献し、従業員が誇りを持って働くことが出来る活力溢れる企業をめざして取組んでおります。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
①経営成績に重要な影響を与える要因について
当企業集団の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計期間末現在において、当社グループが判断したものであります。
イ.環境の変化に関するリスク
当社グループの主たる事業は特積み事業を中核とする物流事業であり、国内外の景気変動や顧客企業の物流合理化・事業再編、業績悪化や取引停止による影響、原油の高騰や想定を超える金利上昇などにより、コスト負担増加を吸収することが困難となるおそれがあります。
ロ.事業の展開に関するリスク
当社グループが事業展開する地域で地震などの大規模災害が発生した場合は、施設の被災により会社経営に甚大な影響が生ずる事態も予想されます。
また、事業拡大に不可欠な人材の確保・育成・拡充、また、企業買収・資本提携を含む戦略的提携が計画通りに進まない場合や、海外事業展開に伴う社会的リスクなどが顕在化した場合に、当社グループの事業展開及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ハ.情報ネットワークのセキュリティに関するリスク
当社グループは多くのお客様の情報を取扱っており、当該情報を適切に管理するよう努めておりますが、保管状態の不具合などにより情報の漏洩が発生した場合には、社会的信頼の喪失や損害賠償請求の発生などにつながるおそれがあります。また、自然災害やコンピュータウイルスによる感染等により、ITシステムに故障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
ニ.環境保全に係るリスク
環境規制が一層強化されることによるコスト負担増や、安全対策の規制強化などを遵守するための一層の費用負担の可能性があり、資金やコスト負担の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
ホ.重大な事故の発生によるリスク
車輌事故など重大な事故が発生した場合には、顧客の信頼及び社会的な信用が損なわれるおそれもあり、ひいては当社グループの事業展開及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ヘ.事業用資産及び繰延税金資産に関わるリスク
事業用固定資産に対する減損会計によって減損処理が必要となった場合や、将来の課税所得の見積り等に大きな変化が生じ、繰延税金資産の取崩が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響が出る可能性があります。
②経営戦略の現状と見通しについて
今後の経済情勢につきましては、緩やかな回復基調に向かうことが期待されているものの、海外経済の減速や労働需給の逼迫など、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
物流業界におきましても、こうした動きの中で貨物輸送量の低迷・ドライバー不足の深刻化や労働環境改善・顧客ニーズの変化などへの対応、燃料価格の上昇懸念等もあり、厳しい経営環境が続くものとみられます。
当社グループは、中期経営計画(平成27年4月1日~平成30年3月31日)の次年度の業績目標達成にむけて、成長戦略の展開に取組んでまいります。
昨年度開設及び本年開設予定の保管施設(愛知県清須市)の稼働率向上・充実による東名阪の「事業領域の拡大」、業務提携・資本提携やM&Aの積極的な展開による「事業競争力の強化」、ITの利活用等による「労働生産性向上」により、将来への成長基盤の強化に取組んでまいります。
このような事業活動を積極的に推進する中で、当社グループの平成29年3月期の連結業績予想につきましては、平成28年11月8日に公表致しました通期業績予想に変更はございません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
社会構造が複雑になっていく中で、物流業界が担う役割は、ますます重要になっています。また、人手不足が深刻化する中、人を育てる組織としての信念と、より働きやすい職場環境の整備、それに裏付けされた実践力が必要となっています。
そのためにも、平成27年4月よりスタートしました「中期経営3ヶ年計画」のビジョンに基づく成長戦略の展開をはかり、事業の拡大、安全・品質の徹底、人材採用・育成の強化、成長事業への積極的な投資に今後も注力し、ますます多様化していく社会の要求に応えてまいります。
また、重点とする3PL事業部門をはじめ、他事業部門において、グループ連携をはかると共に、お客様の経営課題を的確に把握し、その課題にあったソリューション提案につとめております。
グループ企業の共同営業を積極的に展開するとともに、今後、更に高度化・多様化する事業環境の中で、経営戦略としてICT(情報通信技術)を活用し、コア事業を強力にサポートする「経営管理システム」の日次収支管理を推進しております。
そのことにより、業務量に連動したコスト管理を徹底するとともに、生産性向上施策を推進し、経営資源の効率的運用、一層の高品質でコストパーフォマンスの高いサービスの実現を目指してまいります。