有価証券報告書-第98期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況について
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日、以下「当期」という。)における日本経済は、企業収益・雇用情勢の改善を背景に景気の緩やかな回復基調にあるものの、株価や為替の不安定な動向により、先行きは依然として不透明な状況となっております。
物流業界におきましては、消費関連貨物や生産関連貨物の荷動きが底堅さを示す反面、輸配送貨物の小口化・多頻度化も進み、物流ニーズの多様化などにより、事業構造が一層変化していると見られます。
このような環境の中、当社グループの中期経営計画(平成27年4月1日~平成30年3月31日)に掲げる「Leading step up 2017 さらなる高品質経営をめざして!!」を成長の軸とし、高いシナジーを創出する「強い企業グループ」をめざして、グループ全体の「質・総合力」向上にむけて、3ヶ年計画最終年度の取組みに邁進しました。
当社グループは、高品質の物流サービスの提供による顧客満足度の向上と、業務のより一層の効率化を目指しており、「1人・時間当たりの生産性の向上」、「働きやすい職場環境の構築」、さらに高齢化及び労働人口減少の進行を見据えた「人材採用活動の推進」及び「メンター制度導入」による人材定着の向上など、「働き方改革」の進展による業容拡大に取り組んでおります。
貨物自動車運送事業及び貨物利用運送事業においては、運賃・料金の是正、新規顧客拡販・既存顧客深耕による安定収益の確保につとめ、重点とする3PL(サードパーティロジスティクス)をはじめとする事業の拡大につとめました。
その結果、当社グループの当期経営成績は、営業収益において130,886百万円と前連結会計年度に比べ5,377百万円(4.3%)の増収となりました。
利益面におきましては、「働き方改革」の推進などによる費用や燃料単価高騰によるコスト負担、物流品質やサービス維持のための人的コスト増による外形標準課税の上昇等の中、運賃・料金の適正対価収受の深厚による負担軽減等もあり、営業利益は5,631百万円と、前連結会計年度に比べ513百万円(10.0%)の増益となりました。
経常利益は6,110百万円となり、前連結会計年度に比べ726百万円(13.5%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失や税効果会計の影響等もあり、3,159百万円となり、前連結会計年度に比べ602百万円(16.0%)の減益となりました。
セグメントの業績を説明いたしますと、次のとおりです。
なお、以下におけるセグメント利益は営業利益ベースの数値であります。
(物流関連事業)
当期における物流関連事業は、緩やかな輸送需要の回復の中、運賃・料金の適正収受や3PL事業の流通センター運営の充実につとめ、営業収益は120,751百万円と前連結会計年度に比べ5,159百万円(4.5%)の増収となりました。
セグメント利益は、働き方改革の進展により、外部戦力を含めた人的コストや委託費等の下払い費増の中、運賃・料金の是正効果や輸送効率向上による負担軽減等もあり、4,977百万円を計上、前連結会計年度に比べ501百万円(11.2%)の増益となりました。
(情報処理事業)
情報処理事業における営業収益は、2,673百万円で、前連結会計年度に比べ179百万円(6.3%)の減収となりました。
セグメント利益は、292百万円を計上し、前連結会計年度に比べ19百万円(6.2%)の減益となりました。
(販売事業)
物品販売ならびに委託売買業、損害保険代理業などの販売事業における営業収益は5,857百万円と前連結会計年度に比べ122百万円(2.1%)の増収となりました。
また、セグメント利益は308百万円を計上、前連結会計年度に比べ13百万円(4.7%)の増益となりました。
(その他)
その他では、自動車修理業、その他事業などで営業収益1,604百万円を計上し、前連結会計年度に比べ275百万円(20.8%)の増収となりました。
セグメント利益は100百万円で、前連結会計年度に比べ49百万円(32.9%)の減益となりました。
②財政状態の状況について
(資産)
流動資産は、前連結会計年度と比べて7.7%増加し、43,473百万円となりました。これは、主として現金及び預金が1,690百万円、営業未収入金が1,121百万円、それぞれ増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度と比べて0.4%減少し、86,104百万円となりました。これは、主として建設仮勘定が293百万円、投資有価証券が775百万円、それぞれ増加した一方で、建物及び構築物が831百万円、リース資産が510百万円、のれんが807百万円、それぞれ減少したことなどによります。
この結果、総資産は129,578百万円となり、前連結会計年度と比べて2.2%、2,808百万円増加しました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度と比べて1.2%増加し、34,612百万円となりました。これは、主として支払手形が556百万円減少した一方で、営業未払金が510百万円、未払法人税等が160百万円、それぞれ増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度と比べて2.2%減少し、30,707百万円となりました。これは、主として長期借入金が609百万円、リース債務が503百万円、それぞれ減少したことなどによります。
この結果、負債は65,320百万円となり、前連結会計年度と比べて0.5%、296百万円減少しました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度と比べて5.1%増加し、64,257百万円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益が3,159百万円だったことなどにより、利益剰余金が2,459百万円百万円増加したことなどによります。
③キャッシュ・フローの状況について
当期における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ1,690百万円増加し、17,262百万円となりました。これは営業活動によるキャッシュ・フローの収入(8,846百万円)と、投資活動によるキャッシュ・フローの支出(2,888百万円)及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出(4,266百万円)によるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは8,846百万円の収入となり、前連結会計年度に比べて60百万円減少しました。これは主に税金等調整前当期純利益を5,268百万円、売上債権の増加1,114百万円、法人税等の支払2,312百万円、それぞれあったことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2,888百万円の支出となり、前連結会計年度に比べて500百万円減少しました。これは主に有形固定資産の取得による支出が2,775百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が198百万円、それぞれあったことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは4,266百万円の支出となり、前連結会計年度に比べて960百万円増加しました。これは主に長期借入金による収入が100百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が829百万円、リース債務の返済による支出が2,800百万円、配当金の支払いによる支出が725百万円、それぞれあったことなどによります。
④生産、受注及び販売の状況について
当社グループでは総合物流事業の展開を図っております。総合物流事業の展開は、貨物輸送並びにそれに付帯する業務を中心に行う物流関連事業と、コンピューターによる情報処理並びにソフトウェアの開発及び販売を中心に行う情報処理事業と、物品販売等を中心に行う販売事業に区分されております。物流関連事業につきましては、輸送する物品は単一ではなく、輸送する距離もまちまちであること、また、情報処理事業及び販売事業に関しましても、生産、受注の形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の評価、投資有価証券の評価、繰延税金資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債、債務保証損失引当金及び法人税等であり、継続して合理的に評価しております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(概要)
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、営業収益が130,886百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益は5,631百万円(同10.0%増)、経常利益は6,110百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益では3,159百万円(同16.0%減)となりました。
(営業収益)
3PL事業をはじめとする物流需要の改善により、営業収益は130,886百万円と前連結会計年度比4.3%、5,377百万円の増収となりました。
(営業利益)
物流関連事業における需要改善・運賃料金の是正による利益貢献により、「働き方改革」の推進などによる費用負担増や燃料価格上昇によるコスト負担増を吸収し、営業利益は5,631百万円となり、前連結会計年度比10.0%、513百万円の増益となりました。
(経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益は6,110百万円を計上し、前連結会計年度比13.5%、726百万円の増益となりました。
一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失や税効果会計の影響等もあり、3,159百万円を計上し、前連結会計年度比16.0%、602百万円の減益となりました。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループの主要な資金需要は、高品質の物流サービス維持に係る人的コスト、燃料費、販売費及び一般管理費等の営業費用、多様化する物流ニーズに対応するための施設・設備の新設や改修等に係る投資であります。
また、中期経営計画の基本方針の一つとして「M&A推進・業務資本提携等の積極的な展開」を掲げており、更なる企業価値向上と、新たな収益の源泉確保に向け、投資の検討を行ってまいります。
これらの資金需要については、自己資金、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達等にて対応していくこととしております。
当社グループでは、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中・一元管理することで、資金効率の向上を図っております。また、コミットメントライン契約を締結しており、運転資金の効率的な調達を行えるようになっております。
なお、キャッシュ・フローの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ④連結キャッシュ・フロー計算書」をご参照ください。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
(物流関連事業)
物流関連事業は、緩やかな輸送需要の回復の中、運賃・料金の適正収受や3PL事業の流通センター運営の充実につとめ、営業収益は120,751百万円と前連結会計年度に比べ5,159百万円(4.5%)の増収となりました。
セグメント利益は、働き方改革の進展により、外部戦力や輸送効率向上による負担軽減等もあり、4,977百万円を計上、前連結会計年度に比べ501百万円(11.2%)の増益となりました。
セグメント資産は、108,423百万円を計上し、前連結会計年度に比べ522百万円(0.5%)の減少となりました。
(情報処理事業)
情報処理事業における営業収益は、2,673百万円で、前連結会計年度に比べ179百万円(6.3%)の減収となりました。
セグメント利益は、292百万円を計上し、前連結会計年度に比べ19百万円(6.2%)の減益となりました。
セグメント資産は、2,400百万円となり、前連結会計年度に比べ451百万円(15.8%)の減少となりました。
(販売事業)
物品販売ならびに委託売買業、損害保険代理業などの販売事業における営業収益は5,857百万円と前連結会計年度に比べ122百万円(2.1%)の増収となりました。
また、セグメント利益は308百万円を計上、前連結会計年度に比べ13百万円(4.7%)の増益となりました。
セグメント資産は、10,081百万円となり、前連結会計年度に比べ246百万円(2.5%)増加しました、
(その他)
その他では、自動車修理業、その他事業などで営業収益1,604百万円を計上し、前連結会計年度に比べ275百万円(20.8%)の増収となりました。
セグメント利益は100百万円で、前連結会計年度に比べ49百万円(32.9%)の減益となりました。
セグメント資産は、12,230百万円となり、前連結会計年度に比べ760百万円(6.6%)の増加となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前述の「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 戦略的現状と見通し
今後の経済情勢については、企業業績は底堅さを維持し緩やかな回復基調が続いているものの、国内労働需給の深刻化や原材料価格の上昇など、物流業界においても厳しい経営環境が継続すると予想されます。
トナミグループは、高品質な物流サービスを提供し続けるためにも、働き方改革を経営の中心に据え、「2018年4月1日~2021年3月31日」までの3ヵ年を「安定成長企業へと進化する」期間と位置づけ、コーポレート・スローガン『持続的な成長企業への進化!! Try & Growth ”2020”』を掲げ、6つの改革を柱とした「第21次中期経営計画」を策定し、事業継続のための経営基盤の強化に取組むことといたしました
ITの利活用などによる「労働生産性向上」、総労働時間の短縮や職場環境・待遇改善をはじめとして、「働き方改革」を積極的にすすめる一方で、主力の「特積部門の輸送機能の向上・業務の効率性・信頼性強化」、「3PL事業の強化とシェア拡大」、「資本・業務連携やM&Aの積極的な展開」による「事業競争力の強化」、物流サービスの「適正対価の収受促進」などにより、持続的な成長に資する企業をめざし、事業展開をはかってまいります。
そのような中、本年6月に「㈱ケーワイケー(千葉県柏市)」が、新たなグループ事業会社に加わり、今後も輸送サービスの高度化をはじめとする付加価値拡大にむけ邁進してまいります。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後、物流パートナーとしてお客様とのコミュニケーションを一層密にし、ともに成長し利益を実現していくことが鍵となっております。グループ全体の「質・総合力」を高め、付加価値の高いサービスを提供し、お客様の発展を支援することが不可欠であります。
そのためにも、より強靭でしなやかな機動力のある経営体質を構築することが肝要であり、コンプライアンス/コーポレート・ガバナンスに裏付けられた「高品質経営」に主眼を置き、長期的な安定収益とキャッシュ・フローの確保をはかり、企業価値の最大化をめざします。
また、成長戦略を支えるIT機能の「オープン環境への移行」をはかり、変化に強い機動的な経営管理システムの実現により「生産性・コストパフォーマンス・物流品質」の向上を支援強化してまいります。
なお、少子高齢化社会の進展に伴う労働人口の減少や労働力不足が顕在化する中、当社グループの労働力確保についても重要な経営課題の一つとして認識し、対策強化に取組んでまいります。