有価証券報告書-第35期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/25 15:00
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【項目】
162項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2020年1月1日~2020年12月31日)は、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な経済活動の抑制や輸出入の減少が続くなか、物流業界においても企業間物流の需要減少など、厳しい経営環境に直面しました。他方、外出自粛に伴う「巣ごもり消費」を背景に、食品・日用品など生活必需品やネット通販などの需要拡大が続いており、当社グループはお客様、取引先並びに従業員の感染防止と安全確保を最優先に取り組みながら、こうした需要に応えるべく積極的な対応を図ってまいりました。
さらに、2020年11月2日には東芝ロジスティクス㈱(現SBS東芝ロジスティクス㈱)の株式66.6%を取得し、当社の連結子会社としました。同社の損益は2021年12月期から連結対象となりますが、当社グループはこれによってサービスラインナップのさらなる拡充と海外ネットワークの強化を図り、物流サプライチェーンをさらに強固にサポートする体制を整えました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度の業績については、物流事業の収益はほぼ横ばいの一方で、不動産事業の収益増加が寄与し、売上高は前連結会計年度より16億44百万円増(+0.6%)の2,571億92百万円、営業利益は同7億84百万円増(+7.7%)の109億60百万円となり、連結売上高・営業利益ともに3期連続で過去最高値を更新しました。また、経常利益は同7億11百万円増(+7.0%)の108億83百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同7億47百万円増(+12.3%)の68億26百万円となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
(物流事業)
物流事業では、既存顧客との取引拡大に加え、高い物流機能を求める新規顧客の獲得に注力しました。事務用機器、百貨店、外食などの企業間物流や、海外事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けましたが、即日配送事業において市場拡大を続ける電子商取引(EC)需要の取り込みや、生活物流・ネットスーパーなどの分野における需要拡大は業績の下支えとなりました。
その結果、物流事業の売上高は前連結会計年度より45百万円増(+0.0%)の2,408億18百万円、営業利益は同2億87百万円減(△4.6%)の59億90百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、開発事業と賃貸事業で構成されております。開発事業では、グループの3PL事業を推進するために、顧客の物流ニーズに合った大型倉庫を土地の取得から建設まで一貫して行います。賃貸事業では、グループで保有する倉庫、オフィスビル、レジデンス等から賃貸収益を得ています。当社は、将来の投資に向け物流不動産を流動化し資金を回収しており、流動化に伴い計上する収益は不動産事業に含めております。
当期の物流不動産流動化の実績として、長津田物流センター(神奈川県横浜市)の信託受益権の40%を譲渡し、前期に同物流センターの信託受益権の30%を譲渡したのと比較して収益が拡大しました。その結果、不動産事業の売上高は前連結会計年度より15億46百万円増(+19.8%)の93億49百万円、営業利益は同7億71百万円増(+20.4%)の45億58百万円となりました。
(その他事業)
その他事業の主なものは、人材派遣事業、マーケティング事業、太陽光発電事業及び環境事業です。人材派遣事業は厳しい状況にある一方で、太陽光発電事業や環境事業が利益を伸ばした結果、その他事業の売上高は前連結会計年度より52百万円増(+0.7%)の70億24百万円、営業利益は同68百万円増(+36.7%)の2億54百万円となりました。
b.財政状態
資産、負債及び純資産の主な増減要因は以下のとおりです。
(資産)
当連結会計年度における総資産は、2,545億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ745億2百万円増加しました。これは主に、東芝ロジスティクス㈱の新規連結に伴う、売掛金等の営業債権や固定資産の増加によるものです。
(負債)
当連結会計年度における負債は、1,864億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ604億33百万円増加しました。これは主に、東芝ロジスティクス㈱の新規連結に伴う、支払手形及び買掛金の増加、並びに短期借入金等の増加によるものです。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は681億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ140億69百万円増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加、並びに非支配株主持分の増加によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、90億41百万円増加し、275億37百万円となりました。各キャッシュ・フローの主な増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、売上高の成長に伴う売上債権の増加24億84百万円があったものの、税金等調整前当期純利益112億66百万円、減価償却費70億17百万円に加え長津田物流センターの持ち分売却によりたな卸資産が20億87百万円減少したことなどで、172億62百万円となりました。収益力の底上げを主因として前連結会計年度に比べ3億89百万円増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、東芝ロジスティクス㈱の株式66.6%の新規取得による支出等があり、前連結会計年度に比べ179億円増加し304億80百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、上記の株式取得に伴う資金を銀行借入で調達したこと等により、227億26百万円の資金が増加しました。前連結会計年度に比べて248億10百万円の大幅増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績及び受注実績
当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
物流事業240,818100.0
不動産事業9,349119.8
その他事業7,024100.7
合計257,192100.6

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱リコー及びそのグループ会社42,16716.535,86513.9

3 当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」に記載のとおりであります。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報にもとづき、会計上の見積りを行っていますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果とは異なる場合があります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(のれん及び顧客関連資産)
当社グループは、東芝ロジスティクス㈱を新規連結した際に計上したのれん及び顧客関連資産について、その効果の発現する期間を見積り、その期間に基づく定額法により償却します。また、当該のれん及び顧客関連資産の計上に際しては将来キャッシュ・フローや割引率など、多くの見積り及び仮定を用いており、将来の不確実な経済条件の変動等によりそれらの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの主たる運転資金は、傭車費、外注費、人件費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要といたしましては、車両の経常的な更新、子会社・関連会社株式の取得等によるもの及び物流施設の自社開発に伴う用地取得、建設工事代金、設備投資等があります。
資金の財源につきましては、当面の資金需要と設備投資計画に則り自己資金と金融機関からの借入金により調達しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、275億37百万円となり、有利子負債残高は976億3百万円となっております。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払い代行業務を行う他、連結子会社の報告にもとづき、グループにおける重要な資金繰りの状況について把握しております。また、取引銀行において、借入金の与信枠の設定を受けており、必要な資金を速やかに確保する基盤を整えております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループは、中長期的な視点から事業の持続的成長、収益力及び資本効率の向上を図る方針であります。また、重要な事業戦略、投資戦略の一環として、物流施設の自社開発と流動化サイクルを計画的に循環させることで、3PL事業の安定的成長を図る独自のビジネスモデルを推進しております。このことから、積極的な投資活動と財務健全性の維持という両側面の均衡を保つことを重視しており、目標とする自己資本比率を30%と設定し、これを判断指標と位置づけております。当連結会計年度の自己資本比率は、19.9%(前連結会計年度比△5.2%)となっており、引き続き財務の健全性を意識した事業運営を行い、投資と回収の最適なバランスを実現してまいります。

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