訂正有価証券報告書-第129期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2020/02/13 10:14
【資料】
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【項目】
139項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
(単位:億円)

前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売上高24,01822,723△ 1,295△ 5.4%
売上原価21,27220,095△ 1,176△ 5.5%
販売費及び一般管理費2,0842,138532.6%
営業利益661489△ 172△ 26.0%
経常利益840600△ 239△ 28.5%
親会社株主に帰属する当期純利益475182△ 293△ 61.7%

平均為替レート109.19円/US$120.78円/US$11.59円 円安
平均消費燃料油価格US$557.28/MTUS$298.66/MTUS$258.62 安

(概況)
当連結会計年度においては、米国では雇用や住宅投資の回復が見られるなど景気は底堅く推移し、ユーロ圏でも引き続き緩やかな景気拡大の兆しが見られました。一方、中国では景気の減速が顕在化し、需要の低迷により各経済指標が悪化するなど不安定な経済環境でした。また、原油をはじめとした資源価格の下落や過剰設備問題を背景にした素材製品価格の下落は、その他新興国の経済成長にも悪影響を及ぼしました。日本では上期は円安の恩恵を受けましたが、下期以降の円高の進行等により、本格的な景気回復には至りませんでした。
海運業においては、コンテナ船部門での新造大型船の相次ぐ竣工・投入が供給過剰の状態に拍車をかけ、加えて欧州航路を主とした貨物需要の落ち込みにより需給ギャップが拡大し、運賃市況は極度に落ち込みました。リキッド部門は好調に推移した一方、ドライバルク部門においては原材料価格の下落や鋼材需要の縮小等、中国経済の減速を背景にスポット傭船料が史上最低水準まで悪化するなど、非常に厳しい事業環境となりました。当社グループはコンテナ船の航路再編やドライバルカーを中心とした不採算船の処分・返船等一層の収支改善の努力を継続し、運賃安定型事業からの利益の積上げに努めました。非海運事業では、航空運送事業及び物流事業が堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は前連結会計年度比1,295億円の減少(5.4%減)となりました。売上原価は同1,176億円減少(5.5%減)し、営業利益は同172億円の減少(26.0%減)となりました。経常利益も前連結会計年度比239億円減少(28.5%減)しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、北米のクリスタル・クルーズ社の譲渡に伴う特別利益もありましたが、ドライバルカーの減損処理等による特別損失を計上し、前連結会計年度比293億円の減少(61.7%減)となり、各段階損益において前連結会計年度比減益となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としています。
なお、為替レートと消費燃料油価格の変動は以下のとおりです。
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<セグメント別概況>当連結会計年度のセグメント別概況は以下のとおりです。
(単位:億円)

売上高経常利益
前連結
会計年度
当連結
会計年度
増減額増減率前連結
会計年度
当連結
会計年度
増減額
一般貨物
輸送事業
定期船事業6,9637,0631001.4%98△3△101
航空運送事業991911△80△8.1%6158
物流事業4,8694,965952.0%10711810
不定期専用船事業9,9589,022△935△9.4%600465△134
その他事業不動産業959722.9%32331
その他の事業2,1951,470△725△33.0%15△0△15

(注)当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況」についても同じ。)報告セグメントの変更に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
<定期船事業>コンテナ船部門では、北米航路は比較的堅調に推移しましたが、欧州航路においては新造大型船の竣工・投入による供給圧力が強く、域内景気の低迷等を背景とした欧州向け貨物需要の落ち込みにより需給ギャップが拡大し、歴史的低水準の非常に厳しい市況が続きました。その他の航路においても主に欧州航路からの玉突きにより生じた投入船型の大型化が、需給バランスを崩しました。
サービス面では、当社の属するG6アライアンスでは大きな航路改編はなく、需要に見合ったサービスの合理化を進めるなど、競争力の維持に努めました。またアジア航路・南米東岸航路で効率を高めるために航路改編を行い、一部不採算航路ではサービスを休止しました。
コスト面では、前年度に引き続き不経済船を返船するほか、船舶の改造による燃費向上や燃費効率の良い船舶の投入により、船費や運航費の削減に注力しました。また、投入船の大型化による輸送効率の改善やサービスの特性に合わせた配船、無駄なコストを発生させない効率的な配船計画を立案し実行する等の最適経済運航を引き続き徹底し、市況変動リスクへの耐性向上に努めました。営業面では、国毎に目標を定めて積高の増加を目指す管理手法を一層強化することで消席率の向上を図るなど、採算性の改善に努めました。国内・海外コンテナターミナルの総取扱量は前年度比で増加し、定期船事業全体では前連結会計年度比では増収でしたが、赤字を計上しました。
<航空運送事業>航空運送事業は、輸送品質の向上や顧客ニーズへの迅速な対応により貨物専用機固有の貨物の集荷に継続して取り組みました。また、コードシェア便の運航により貨物便ネットワークの拡充にも努めました。燃料油価格の下落に伴う燃油サーチャージの減少により減収となったものの、昨年度からの北米西岸の港湾混雑に伴う航空貨物機への振替輸送の活況とコスト削減の継続により、増益となりました。
<物流事業>航空貨物事業は北米西岸の港湾混雑による緊急需要の終息に伴う反動もあり、取扱量は前期に及びませんでしたが、海上貨物事業は、販売の拡大により競争力が向上するとともに、アジアを中心に取扱量を伸ばしました。ロジスティクス事業は、業務改革によるコスト削減に取り組むとともにアジアを中心にサービスの拡充を図りました。内航輸送事業では主要航路で新造船へのリプレースが完了し荷動きも好調でした。
これらの結果、物流事業全体としては前連結会計年度比増収増益となりました。
<不定期専用船事業>自動車輸送部門では、北米やアジア地域等への堅調な輸送需要に着実かつ効率的な配船で対応した結果、当社グループ全体の完成車海上輸送台数は前年度と比較して微増となりました。また、前期より順次就航している高い燃費効率の大型船が、業績の向上に寄与しました。自動車物流では、サウジアラビアやコロンビアでの完成車物流サービスの事業会社の共同設立を現地企業と合意したことに加えて、中国とインドにおいて拡大する需要に対応すべく新たな完成車物流施設の稼働を開始し、多様な付加価値サービスを提供することで顧客のニーズに沿った一層の事業拡大を着実に進めました。
ドライバルク部門では、世界の鉄鉱石・穀物の荷動きは増加しましたが、石炭の荷動きは減少しました。ドライバルカーの解撤はケープサイズを中心に進んだものの新造船の竣工も続いた結果、船腹過剰の解消に至らず2月にはBDIが史上最低水準まで下落するなど全船型・全水域で市況は著しく低迷しました。このような状況下、当社グループは市況の変動に左右されにくい契約の獲得に努めた一方で、余剰船の返船や売船、効率運航の徹底等のコスト削減に引き続き取り組むとともに、貨物の組合せや配船の工夫によりバラスト航海を減らすなど、収支の向上に努めました。
リキッド部門では、新造船の竣工が続き解撤は進みませんでしたが、荷動きの多様化による輸送距離の伸長により、総じて市況は前年度を上回りました。VLCCでは中国の備蓄需要が上乗せされ、石油製品タンカーは東西荷動きの増加により前年度を上回りました。LPG船は米国出し東アジア向け輸送距離増により、LNG船は安定的な収益を生む長期契約に支えられそれぞれ順調に推移しました。海洋事業では新たに2隻目のFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)がブラジル沖で稼働を開始し、ドリルシップ、シャトルタンカーも順調に稼動しました。
以上の結果、不定期専用船事業全体では前連結会計年度比減収減益となりました。
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<不動産業、その他の事業>不動産業は、所有物件の若返りを図る目的から建替え、売却及び新規物件の購入等を進め、売上高、経常利益ともにほぼ前連結会計年度並みとなりました。
その他の事業は、原油安の影響で商事部門の船舶用燃料油の販売価格が大きく低下し、また飛鳥クルーズでは台風の影響により一部のクルーズでキャンセルが発生したこと等から前連結会計年度比減収減益となりました。
なお、第1四半期連結会計期間にクリスタル・クルーズ社を譲渡したことに伴い、「客船事業」を「その他の事業」に含めて表示する方法に変更しています。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、期首残高比736億円減の2,536億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益637億円、現金支出を伴わない減価償却費1,033億円、利息の支払額△172億円等により1,428億円(前年同期1,364億円)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産等の取得と同時に売却やオフバランス化も進めたことで△468億円(前年同期267億円)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済等により△1,602億円(前年同期△1,990億円)となりました。