有価証券報告書-第84期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 9:17
【資料】
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【項目】
108項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済が先行き不透明な中、政府による金融緩和策の実施や景気回復
策への期待感から円安と株高が進行し、緩やかな回復基調で推移しました。
当連結会計年度における海運市況は、大型原油船(VLCC)につきましては4月から9月にかけてWS30台前半
からWS40(中東/極東航路)の低水準で推移していましたが、10月以降は石油の需要期に入り、中国を中心とした
極東向けの輸送需要の増加などにより、徐々に上昇し2月にはWS70台まで上昇したものの、期末には石油の需要期
の終了とともにWS40台まで反落しました。石油製品船につきましては、船腹過剰状況のまま1年を通して低水準で
推移いたしました。また、ばら積船につきましては船型により運賃の動きに違いがありましたものの、概して秋口
から中国が鉄鉱石の輸入を増やしたことや、米国出しの穀物などの荷動きが好調となり市況は上昇しましたが、第
4四半期に入ると輸送需要が減少したことなどにより再び低調となりました。
こうした経営環境の中、当社グループは長期貸船契約による安定した経営を目指し取り組んでおり、平成26年2
月にVLCC“KYO-EI”が竣工、また3月にばら積船“ARCADIA SALUTE”を取得し、営業基盤の強化と船隊の拡充を推
進してまいりました。本格回復が見られない海運市況が続く中、各船の運航効率の向上と諸経費の節減など収支改
善に努め、また円安効果も影響し当期の経営成績は以下のとおりとなりました。
海運業収益は、VLCC“KOU-EI”が長期間の定期用船契約満了にともない、貸船料収入は減少したものの、5月よ
り当社の自社運航に移行したことにより、22億2千3百万円の運賃収入を計上したほか、前期に竣工したばら積船
2隻のフル稼働及び当期における上記新造 VLCCとばら積船の増加により、126億9千7百万円(前期比18億3
千9百万円増)となりました。海運業費用は、VLCC“KOU-EI”の自社運航による運航費計上のほか、当期は入渠船
が4隻となり船費の上昇要因となったことから、105億円(前期比 12億4千5百万円増)を計上いたしました。
これにより営業利益は15億3千9百万円(前期比 6億1千万円増)となり、経常利益は6億8千6百万円(前期比
7千4百万円減)となりました。また、特別利益として、当社グループの長期貸船契約先で、平成23年1月に経営
破綻した韓国の海運会社Korea Line Corporationから受取りました損害賠償額3億8千8百万円を計上しました。
一方、特別損失として当社保有の投資有価証券の売却による投資有価証券売却損4千6百万円を計上したことか
ら、当期純利益は4億4千7百万円(前期比4億2千5百万円増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、税金等調整前当期純利益を計上したことなどにより43億4千2百万円の収入とな
りました。(前期は35億5千9百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、主として船舶の建造代金の支払いにより137億7千8百万円の支出となりました。
(前期は60億1千1百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、主として船舶の建造に伴う借入金と長期借入金の返済により91億2千4百万円の
収入となりました。(前期は19億5千1百万円の収入)
この結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、期首に比べて2億4千9百万円減少し、14億8千4百万円(前連結会計年度比14.4%減)となりました。