有価証券報告書-第112期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、非常に厳しい状況が継続しました。全体の基調は回復傾向にあるものの、感染が再拡大する地域もあって回復のバラつきが鮮明化し、依然先行きが不透明な状況にあります。中国では、自動車販売の堅調な推移に加え、情報通信機器の外需拡大等を背景に輸出が前年を大きく上回る水準となりました。米国では、ウイルスの感染拡大が続く中でも個人消費や住宅投資等、民間需要の増勢が持続しています。欧州や新興国では、変異株の感染再拡大により、回復に足踏みが見られました。一方、国内経済でも回復基調にはあるものの、業種によってバラつきを伴いながらの回復となりました。製造業では内外需の回復を背景に輸出・生産が持ち直しを見せる一方で、外出自粛要請の影響を受けたサービス業は、内需の回復の遅れから落ち込みが続いています。
このような経済情勢の下、当社連結グループは、足元の変化に迅速かつ柔軟に対応すること、そして、お客様からの信頼をより強固にすべく、安全・品質・コンプライアンス等の経営基盤の強化を図っております。
その結果、当連結会計年度における売上高は5,338億70百万円と前連結会計年度に比べ6.2%の減収となりました。また、利益面においては、営業利益が339億28百万円と16.0%、経常利益は349億97百万円と12.8%、親会社株主に帰属する当期純利益は235億40百万円と8.1%の減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①物流事業
港湾事業ではコロナ影響もあり、在来船荷役や船舶代理店、梱包作業の大幅減はありましたが、新規航路獲得によるコンテナ取扱量の増加等により増益となりました。国際物流では、コロナ影響による国内外での輸出入取扱いの減少に加え、中東における化成品輸出作業が回復に至りませんでしたが、海外でのプラント輸送の増加や航空貨物の回復等、明るい兆しも見えて来ました。一般輸送・3PL事業では、国内での配送効率向上による収益改善はあったものの、コロナ影響による国内外での原材料や製品輸送作業等が大幅に減少する結果となりました。構内作業では、お客様の生産・操業度は上向き傾向にありますが、通年では回復に至らず、作業量は減少しました。
売上高は2,691億43百万円と前連結会計年度と比べ5.2%の減収、セグメント利益(営業利益)は95億67百万円と11.8%の減益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は50.4%であります。
②機工事業
設備工事では、設備改修・製造基盤整備等の工事案件はあるものの、前期から継続していた大型環境関連工事や国内外でのプラント建設工事が完工したことに加え、東南アジアでの工事案件延期や米国での前期完工工事の剥落等により、年度後半は端境期となりました。保全作業では、今年度は国内の石油・石化構内SDMがメジャーで順調に推移したものの、下期にかけて発生する修理保全関連工事量に例年ほどの伸びがありませんでした。
売上高は2,395億68百万円と前連結会計年度と比べ7.3%の減収、セグメント利益(営業利益)は227億18百万円と17.0%の減益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は44.9%であります。
③その他
道路・付帯設備の補修工事における延期・客先予算の削減や物流システム開発案件の減少等により、減収減益となりました。
売上高は251億58百万円と前連結会計年度と比べ7.3%の減収、セグメント利益(営業利益)は15億83百万円と18.6%の減益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は4.7%であります。
(2) 財政状態の状況
①資産
当連結会計年度末における総資産は4,568億30百万円であり、前連結会計年度末に比べ227億78百万円増加しました。この増加の主な要因は、SDMメジャーの影響等により「受取手形及び売掛金」が増加、加えて時価の上昇に伴い「投資有価証券」が増加したことによるものです。
②負債
当連結会計年度末における負債の部は2,197億94百万円であり、前連結会計年度末に比べ53百万円減少しました。この減少の主な要因は、普通社債の発行と償還により「社債」が増加いたしましたが、「支払手形及び買掛金」等が減少したことによるものです。
③純資産
当連結会計年度末における純資産の部は、2,370億35百万円であり、前連結会計年度末に比べ228億31百万円増加しました。この増加の主な要因は、利益の計上による「利益剰余金」に加え、「その他有価証券評価差額金」が増加したことによるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を2.7ポイント上回る51.4%、D/Eレシオについては前連結会計年度末と同様、0.20倍となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億94百万円増加し、当連結会計年度末残高は362億50百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、250億43百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、法人税等の支払額および未払消費税の支出額が減少したこと等により、資金の収入は27億25百万円増加しました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、152億96百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、固定資産の取得による支出が増加したこと等により、資金の支出は25億24百万円増加しました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少額は、71億13百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、短期借入金による調達が増加したこと等により、資金の支出は36億7百万円減少しました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社連結グループが営んでおります事業では生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
(1) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 当社連結グループの事業では、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、各事業の売上実績を記載しております。
2. 主な相手先別の売上実績および当該売上実績の総売上実績に対する割合
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①事業拡大
物流事業においては、国内外における物流診断や企画・提案営業により、新規お客様の獲得や既存事業領域の深耕拡大を図って参りました。特に中期経営計画の中では、国内外のお客様のサプライ・チェーンと消費財物流に資する3PLを中心とした物流領域の拡大に取り組み、その成果が着実に出ているものと考えております。次期中期ではこれまでの取り組みに加え、医療・医薬品や危険物といった専門的知識が必要な付加価値の高い物流サービスへの基盤強化を図って参ります。
機工事業においては、当社のビジネスモデルを武器にお客様のアウトソーシングニーズを着実に取り込み、ここ数年は国内外において、特にメンテナンス事業が大きく伸長いたしました。これはお客様を取り巻く社会的責任を含めた経営環境が大きく変化する中で、生産の効率化や基盤強化の旺盛なニーズに対して、当社の強みである動員力と現場力が選ばれてきた結果だと考えております。今後は、鉄鋼・化学に次ぐ第三の柱として注力している電力・エネルギーや環境設備への更なる進出を進め、着実な事業拡大を図って参ります。
②収益力
中期経営計画では「筋肉質な収益体制の構築」を経営戦略に掲げ、取り組んで参りました。
物流事業においては、コスト構造の見直しや適正単価収受の交渉を進め、採算性の低い拠点の集約や作業撤退等を実行することで事業体質を改善させ、営業利益率は大幅に向上いたしました。
機工事業においては、グローバルに事業を展開する中で事業本部が主導し、大型プロジェクトの木目細かなコストとリスクの管理を図り、事業全体の収益性が向上いたしました。工事工程の見直しや新技術の応用による省力化を進めるとともに、協力会社も含めた要員・機材をグループ全体で管理し、その効率的な配置にも継続的に取り組んでおります。
当連結会計年度は前年比で減収減益となっていますが、これらの取組結果として、中期経営計画で収益力の財務指標として掲げた「安定的に営業利益率5%以上を維持する」という目標は、コロナ禍による世界経済低迷の影響を受けた中でも上回ることができ、「筋肉質な収益体制の構築」に向け、着実な成果を上げていると考えております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社連結グループの主な資金需要は、事業運営に必要な労務費、外注費、材料費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、さらには当社連結グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
また上記以外にも、当社連結グループの企業価値向上の観点において、効果的なM&Aや、AI・IoT等の最新技術を用いた作業の効率化、新しいビジネスモデルの構築のための成長投資の検討も行っております。
加えて、自己株式の取得については、株価水準や市場環境等を勘案し適宜実施すること、自己株式の保有については、発行済株式総数の5%程度を目安とし、それを超える株式は原則として消却することを基本方針としております。
これらの必要資金は、まずは営業活動によるキャッシュ・フローと自己資金にて賄い、必要に応じて、適正な範囲内での金融機関からの借入および社債発行等による資金調達にて対応することとしております。
現金及び現金同等物を含む手許の資金流動性につきましては、可能な限り圧縮し資金効率の向上に努めております。一方、急激な金融環境の変化や突発的な資金需要への備えとして、迅速かつ機動的に資金調達ができるコミットメントライン契約を金融機関と締結しております。
当連結会計年度につきましては、事業収益に起因した営業収支のマイナス影響はあったものの、法人税・消費税等の税金支払額が大きく減少したこと等により、フリーキャッシュフローは97億46百万円と、前連結会計年度から2億1百万円増加しました。このフリーキャッシュフローと当期発行した普通社債を主な財源として、普通社債の償還等の財務支出を賄った結果、当連結会計年度末における有利子負債残高(リース債務除く)は470億68百万円と、前連結会計年度末から51億66百万円増加しておりますが、D/Eレシオは0.20倍と、前連結会計年度末の水準を維持しております。
なお、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
(3) 財政状態
当社連結グループは、中長期的な重要経営戦略の1つとして「収益力向上」を掲げており、その一環として「資産の圧縮と効率化」に取り組んでおります。事業の選択と集中を実施し、フリーキャッシュフローの有効活用を進める過程で、不稼動・低稼働資産の集約・売却等による資産圧縮を行い、3PLや3PM(一括メンテナンス)の高度化、新興国関連注力事業への投資の集中を図っております。
また、負債の部に関しては、資金調達手段の多様化を図るとともに、引き続き有利子負債の圧縮を課題として認識し、その実現に向けた施策を継続的に進めております。
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産は2,364億3百万円であり、前連結会計年度末に比べ133億20百万円、6.0%増加しました。主な要因は、SDMメジャー影響等による受取手形及び売掛金の増加等によるものです。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産は2,204億27百万円であり、前連結会計年度末に比べ94億57百万円、4.5%増加しました。主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加と、時価回復による投資有価証券、および退職給付に係る資産の増加等によるものです。
③流動負債
当連結会計年度末における流動負債は1,339億86百万円であり、前連結会計年度末に比べ106億82百万円、7.4%減少しました。主な要因は、社債の償還等によるものです。
④固定負債
当連結会計年度末における固定負債は858億8百万円であり、前連結会計年度末に比べ106億28百万円、14.1%増加しました。主な要因は、社債の発行による増加と長期借入金の減少との差等によるものです。
⑤純資産
当連結会計年度末における純資産は2,370億35百万円であり、前連結会計年度末に比べ228億31百万円、10.7%増加しました。主な要因は、利益剰余金、およびその他有価証券評価差額金の増加等によるものです。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を2.7ポイント上回る51.4%となっております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社連結グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
①繰延税金資産
当社連結グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
②退職給付債務および退職給付費用
退職給付債務および退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績および将来の経済・市場環境の見通し等を基礎として設定しております。割引率および長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③工事損失引当金
受注工事の将来の損失に備えるため、未成工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、工事損失引当金を計上することとしております。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社連結グループの業績を悪化させる可能性があります。
④完成工事高および完成工事原価の計上
成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しております。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高および完成工事原価が影響を受け、当社連結グループの業績を変動させる可能性があります。
(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、非常に厳しい状況が継続しました。全体の基調は回復傾向にあるものの、感染が再拡大する地域もあって回復のバラつきが鮮明化し、依然先行きが不透明な状況にあります。中国では、自動車販売の堅調な推移に加え、情報通信機器の外需拡大等を背景に輸出が前年を大きく上回る水準となりました。米国では、ウイルスの感染拡大が続く中でも個人消費や住宅投資等、民間需要の増勢が持続しています。欧州や新興国では、変異株の感染再拡大により、回復に足踏みが見られました。一方、国内経済でも回復基調にはあるものの、業種によってバラつきを伴いながらの回復となりました。製造業では内外需の回復を背景に輸出・生産が持ち直しを見せる一方で、外出自粛要請の影響を受けたサービス業は、内需の回復の遅れから落ち込みが続いています。
このような経済情勢の下、当社連結グループは、足元の変化に迅速かつ柔軟に対応すること、そして、お客様からの信頼をより強固にすべく、安全・品質・コンプライアンス等の経営基盤の強化を図っております。
その結果、当連結会計年度における売上高は5,338億70百万円と前連結会計年度に比べ6.2%の減収となりました。また、利益面においては、営業利益が339億28百万円と16.0%、経常利益は349億97百万円と12.8%、親会社株主に帰属する当期純利益は235億40百万円と8.1%の減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①物流事業
港湾事業ではコロナ影響もあり、在来船荷役や船舶代理店、梱包作業の大幅減はありましたが、新規航路獲得によるコンテナ取扱量の増加等により増益となりました。国際物流では、コロナ影響による国内外での輸出入取扱いの減少に加え、中東における化成品輸出作業が回復に至りませんでしたが、海外でのプラント輸送の増加や航空貨物の回復等、明るい兆しも見えて来ました。一般輸送・3PL事業では、国内での配送効率向上による収益改善はあったものの、コロナ影響による国内外での原材料や製品輸送作業等が大幅に減少する結果となりました。構内作業では、お客様の生産・操業度は上向き傾向にありますが、通年では回復に至らず、作業量は減少しました。
売上高は2,691億43百万円と前連結会計年度と比べ5.2%の減収、セグメント利益(営業利益)は95億67百万円と11.8%の減益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は50.4%であります。
②機工事業
設備工事では、設備改修・製造基盤整備等の工事案件はあるものの、前期から継続していた大型環境関連工事や国内外でのプラント建設工事が完工したことに加え、東南アジアでの工事案件延期や米国での前期完工工事の剥落等により、年度後半は端境期となりました。保全作業では、今年度は国内の石油・石化構内SDMがメジャーで順調に推移したものの、下期にかけて発生する修理保全関連工事量に例年ほどの伸びがありませんでした。
売上高は2,395億68百万円と前連結会計年度と比べ7.3%の減収、セグメント利益(営業利益)は227億18百万円と17.0%の減益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は44.9%であります。
③その他
道路・付帯設備の補修工事における延期・客先予算の削減や物流システム開発案件の減少等により、減収減益となりました。
売上高は251億58百万円と前連結会計年度と比べ7.3%の減収、セグメント利益(営業利益)は15億83百万円と18.6%の減益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は4.7%であります。
(2) 財政状態の状況
①資産
当連結会計年度末における総資産は4,568億30百万円であり、前連結会計年度末に比べ227億78百万円増加しました。この増加の主な要因は、SDMメジャーの影響等により「受取手形及び売掛金」が増加、加えて時価の上昇に伴い「投資有価証券」が増加したことによるものです。
②負債
当連結会計年度末における負債の部は2,197億94百万円であり、前連結会計年度末に比べ53百万円減少しました。この減少の主な要因は、普通社債の発行と償還により「社債」が増加いたしましたが、「支払手形及び買掛金」等が減少したことによるものです。
③純資産
当連結会計年度末における純資産の部は、2,370億35百万円であり、前連結会計年度末に比べ228億31百万円増加しました。この増加の主な要因は、利益の計上による「利益剰余金」に加え、「その他有価証券評価差額金」が増加したことによるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を2.7ポイント上回る51.4%、D/Eレシオについては前連結会計年度末と同様、0.20倍となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億94百万円増加し、当連結会計年度末残高は362億50百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、250億43百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、法人税等の支払額および未払消費税の支出額が減少したこと等により、資金の収入は27億25百万円増加しました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、152億96百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、固定資産の取得による支出が増加したこと等により、資金の支出は25億24百万円増加しました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少額は、71億13百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、短期借入金による調達が増加したこと等により、資金の支出は36億7百万円減少しました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社連結グループが営んでおります事業では生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
(1) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) |
| 物流事業 | 269,421 | △5.0 | 955 | 41.0 |
| 機工事業 | 243,552 | △2.1 | 74,416 | 5.7 |
| その他 | 24,783 | △9.1 | 1,034 | △26.6 |
| 合計 | 537,757 | △3.9 | 76,406 | 5.4 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 売上高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 物流事業 | 269,143 | △5.2 |
| 機工事業 | 239,568 | △7.3 |
| その他 | 25,158 | △7.3 |
| 合計 | 533,870 | △6.2 |
(注)1. 当社連結グループの事業では、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、各事業の売上実績を記載しております。
2. 主な相手先別の売上実績および当該売上実績の総売上実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 売上高(百万円) | 割合(%) | 売上高(百万円) | 割合(%) | |
| 日本製鉄㈱ | 76,260 | 13.4 | 67,878 | 12.7 |
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①事業拡大
物流事業においては、国内外における物流診断や企画・提案営業により、新規お客様の獲得や既存事業領域の深耕拡大を図って参りました。特に中期経営計画の中では、国内外のお客様のサプライ・チェーンと消費財物流に資する3PLを中心とした物流領域の拡大に取り組み、その成果が着実に出ているものと考えております。次期中期ではこれまでの取り組みに加え、医療・医薬品や危険物といった専門的知識が必要な付加価値の高い物流サービスへの基盤強化を図って参ります。
機工事業においては、当社のビジネスモデルを武器にお客様のアウトソーシングニーズを着実に取り込み、ここ数年は国内外において、特にメンテナンス事業が大きく伸長いたしました。これはお客様を取り巻く社会的責任を含めた経営環境が大きく変化する中で、生産の効率化や基盤強化の旺盛なニーズに対して、当社の強みである動員力と現場力が選ばれてきた結果だと考えております。今後は、鉄鋼・化学に次ぐ第三の柱として注力している電力・エネルギーや環境設備への更なる進出を進め、着実な事業拡大を図って参ります。
②収益力
中期経営計画では「筋肉質な収益体制の構築」を経営戦略に掲げ、取り組んで参りました。
物流事業においては、コスト構造の見直しや適正単価収受の交渉を進め、採算性の低い拠点の集約や作業撤退等を実行することで事業体質を改善させ、営業利益率は大幅に向上いたしました。
機工事業においては、グローバルに事業を展開する中で事業本部が主導し、大型プロジェクトの木目細かなコストとリスクの管理を図り、事業全体の収益性が向上いたしました。工事工程の見直しや新技術の応用による省力化を進めるとともに、協力会社も含めた要員・機材をグループ全体で管理し、その効率的な配置にも継続的に取り組んでおります。
当連結会計年度は前年比で減収減益となっていますが、これらの取組結果として、中期経営計画で収益力の財務指標として掲げた「安定的に営業利益率5%以上を維持する」という目標は、コロナ禍による世界経済低迷の影響を受けた中でも上回ることができ、「筋肉質な収益体制の構築」に向け、着実な成果を上げていると考えております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社連結グループの主な資金需要は、事業運営に必要な労務費、外注費、材料費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、さらには当社連結グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
また上記以外にも、当社連結グループの企業価値向上の観点において、効果的なM&Aや、AI・IoT等の最新技術を用いた作業の効率化、新しいビジネスモデルの構築のための成長投資の検討も行っております。
加えて、自己株式の取得については、株価水準や市場環境等を勘案し適宜実施すること、自己株式の保有については、発行済株式総数の5%程度を目安とし、それを超える株式は原則として消却することを基本方針としております。
これらの必要資金は、まずは営業活動によるキャッシュ・フローと自己資金にて賄い、必要に応じて、適正な範囲内での金融機関からの借入および社債発行等による資金調達にて対応することとしております。
現金及び現金同等物を含む手許の資金流動性につきましては、可能な限り圧縮し資金効率の向上に努めております。一方、急激な金融環境の変化や突発的な資金需要への備えとして、迅速かつ機動的に資金調達ができるコミットメントライン契約を金融機関と締結しております。
当連結会計年度につきましては、事業収益に起因した営業収支のマイナス影響はあったものの、法人税・消費税等の税金支払額が大きく減少したこと等により、フリーキャッシュフローは97億46百万円と、前連結会計年度から2億1百万円増加しました。このフリーキャッシュフローと当期発行した普通社債を主な財源として、普通社債の償還等の財務支出を賄った結果、当連結会計年度末における有利子負債残高(リース債務除く)は470億68百万円と、前連結会計年度末から51億66百万円増加しておりますが、D/Eレシオは0.20倍と、前連結会計年度末の水準を維持しております。
なお、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
(3) 財政状態
当社連結グループは、中長期的な重要経営戦略の1つとして「収益力向上」を掲げており、その一環として「資産の圧縮と効率化」に取り組んでおります。事業の選択と集中を実施し、フリーキャッシュフローの有効活用を進める過程で、不稼動・低稼働資産の集約・売却等による資産圧縮を行い、3PLや3PM(一括メンテナンス)の高度化、新興国関連注力事業への投資の集中を図っております。
また、負債の部に関しては、資金調達手段の多様化を図るとともに、引き続き有利子負債の圧縮を課題として認識し、その実現に向けた施策を継続的に進めております。
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産は2,364億3百万円であり、前連結会計年度末に比べ133億20百万円、6.0%増加しました。主な要因は、SDMメジャー影響等による受取手形及び売掛金の増加等によるものです。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産は2,204億27百万円であり、前連結会計年度末に比べ94億57百万円、4.5%増加しました。主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加と、時価回復による投資有価証券、および退職給付に係る資産の増加等によるものです。
③流動負債
当連結会計年度末における流動負債は1,339億86百万円であり、前連結会計年度末に比べ106億82百万円、7.4%減少しました。主な要因は、社債の償還等によるものです。
④固定負債
当連結会計年度末における固定負債は858億8百万円であり、前連結会計年度末に比べ106億28百万円、14.1%増加しました。主な要因は、社債の発行による増加と長期借入金の減少との差等によるものです。
⑤純資産
当連結会計年度末における純資産は2,370億35百万円であり、前連結会計年度末に比べ228億31百万円、10.7%増加しました。主な要因は、利益剰余金、およびその他有価証券評価差額金の増加等によるものです。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を2.7ポイント上回る51.4%となっております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社連結グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
①繰延税金資産
当社連結グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
②退職給付債務および退職給付費用
退職給付債務および退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績および将来の経済・市場環境の見通し等を基礎として設定しております。割引率および長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③工事損失引当金
受注工事の将来の損失に備えるため、未成工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、工事損失引当金を計上することとしております。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社連結グループの業績を悪化させる可能性があります。
④完成工事高および完成工事原価の計上
成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しております。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高および完成工事原価が影響を受け、当社連結グループの業績を変動させる可能性があります。