有価証券報告書-第111期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、米中貿易摩擦などを背景に不透明な状況で推移してきましたが、更に今年に入ってからは世界的に感染が広がる新型コロナウイルスの影響により、経済活動が急減速しており、景気の落ち込みが確実に実感される状況となりました。国内経済は、中国経済の低迷による輸出の減少に加え、コロナウイルス影響によるインバウンド需要やサービス消費の低下があり、それに伴う企業収益の悪化懸念から、年度末に向けた設備投資も縮小基調で推移する結果となりました。
このような経済情勢の下、当社連結グループは、動員力の更なる強化に向け、人財の確保と育成、ならびに協力会社との良好な関係の構築を図るとともに「働き方改革」の着実な実行のため、生産性の向上や、スキルアップに向けた時間の創出、ワークライフバランスの確保などの視点に立った施策を積極的に進めて来ました。
その結果、当連結会計年度における売上高は5,694億61百万円と前連結会計年度に比べ0.5%の減収となりました。また、利益面においては、営業利益が403億74百万円と2.9%、経常利益は401億19百万円と2.4%のそれぞれ増益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失の計上により256億19百万円と6.7%の減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①物流事業
港湾事業では主要船社、特に中国航路のコンテナ取扱量や船内・沿岸荷役量の減少とコンテナ輸送、機械梱包作業等の減少により減収となりましたが、港頭倉庫での保管・荷役作業の増加に、作業効率化や単価改善が伴い、増益となりました。国際物流事業では、前期大型プロジェクト輸送案件の剥落に加え、中国での国際貨物の取扱量等が減少となりました。3PL事業でも中国の内需減退に伴う部品・材料輸送等は減少しましたが、国内や東南アジアでの化成品取扱いや消費財輸送の増加に輸送効率と単価の改善が伴ったことにより、増収増益となりました。構内作業では、一部客先の生産・出荷量減や移管影響はあるものの、通信インフラ関連資機材の生産量増加に加え、構内作業単価の改善も進み、物流事業全体では減収増益となりました。
売上高は2,839億32百万円と前連結会計年度と比べ1.8%の減収、セグメント利益(営業利益)は108億49百万円と7.2%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は49.8%であります。
②機工事業
保全作業では、石油・石化構内の秋期から冬期にかけてのSDMが追加付帯工事も含めて増加したことに加え、国内外での年間を通じた常例保全作業の増加等はありましたが、今年度は国内外におけるSDMがマイナー年であり、前年度メジャー年との工事量差をカバーするに至らず、減収減益となりました。一方、設備工事では、前期の鉄鋼関連大型解体工事、電力関連定検工事、構内設備増強工事等の減少はあったものの、国内での大型環境関連工事や公共施設の土建工事獲得、子会社合併に伴う前年期間差等に加え、海外の設備解体・生産基盤増強工事の獲得や製造ライン追加付帯工事等の増加があり、機工事業全体では増収増益となりました。
売上高は2,583億84百万円と前連結会計年度と比べ0.2%の増収、セグメント利益(営業利益)は273億69百万円と0.6%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は45.4%であります。
③その他
道路ならびにその付帯設備等の交通インフラ整備・補修工事や機材賃貸事業が増加したことに加え、物流関連システムの開発案件増加等により増収増益となりました。
売上高は271億44百万円と前連結会計年度と比べ6.7%の増収、セグメント利益(営業利益)は19億43百万円と14.2%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は4.8%であります。
(2) 財政状態の状況
①資産
当連結会計年度末における総資産は4,340億52百万円であり、前連結会計年度末に比べ245億38百万円増加しました。この増加の主な要因は、債権流動化の実行を抑えたことによる受取手形及び売掛金の増加と、国際財務報告基準を適用する在外連結子会社のIFRS16号「リース」の適用による使用権資産の増加等によるものです。
②負債
当連結会計年度末における負債の部は2,198億47百万円であり、前連結会計年度末に比べ86億90百万円増加しました。この増加の主な要因は、長期借入金の増加およびIFRS16号「リース」の適用によるその他負債の増加等によるものです。
③純資産
当連結会計年度末における純資産の部は、2,142億4百万円であり、前連結会計年度末に比べ158億48百万円増加しました。この増加の主な要因は、利益剰余金の増加とその他有価証券評価差額金および退職給付に係る調整累計額の減少との差等によるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を0.8ポイント上回る48.7%、D/Eレシオについては前連結会計年度末と同様、0.20倍となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億97百万円減少し、当連結会計年度末残高は345億56百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、223億17百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、売上債権が増加したことに加え、法人税等の支払額および未払消費税の支出額が増加したこと等により、資金の収入は272億70百万円減少しました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、127億72百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、有価証券および固定資産の売却による収入が減少したこと等により、資金の支出は29億59百万円増加しました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少額は、107億21百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、国内無担保普通社債の償還がなかったこと、長期借入金の調達を行ったこと等により、資金の支出は210億36百万円減少しました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社連結グループが営んでおります事業では生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
(1) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 当社連結グループの事業では、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、各事業の売上実績を記載しております。
2. 主な相手先別の売上実績および当該売上実績の総売上実績に対する割合
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①売上高
当連結会計年度の売上高は5,694億61百万円と前連結会計年度に比べ0.5%の減収となりました。
物流事業の売上高は、2,839億32百万円と前連結会計年度に比べ1.8%の減収となりました。
港湾事業では主要船社、特に中国航路のコンテナ取扱量や船内・沿岸荷役量の減少とコンテナ輸送、機械梱包作業等の減少により減収となりましたが、港頭倉庫での保管・荷役作業の増加に、作業効率化や単価改善が伴い、増益となりました。国際物流事業では、前期大型プロジェクト輸送案件の剥落に加え、中国での国際貨物の取扱量等が減少となりました。3PL事業でも中国の内需減退に伴う部品・材料輸送等は減少しましたが、国内や東南アジアでの化成品取扱いや消費財輸送の増加に輸送効率と単価の改善が伴ったことにより、増収増益となりました。構内作業では、一部客先の生産・出荷量減や移管影響はあるものの、通信インフラ関連資機材の生産量増加に加え、構内作業単価の改善も進み、グループ全体では減収増益となりました。
機工事業の売上高は、2,583億84百万円と前連結会計年度に比べ0.2%の増収となりました。
保全作業では、石油・石化構内の秋期から冬期にかけてのSDMが追加付帯工事も含めて増加したことに加え、国内外での年間を通じた常例保全作業の増加等はありましたが、今年度は国内外におけるSDMがマイナー年であり、前年度メジャー年との工事量差をカバーするに至らず、減収減益となりました。一方、設備工事では、前期の鉄鋼関連大型解体工事、電力関連定検工事、構内設備増強工事等の減少はあったものの、国内での大型環境関連工事や公共施設の土建工事獲得、子会社合併に伴う前年期間差等に加え、海外の設備解体・生産基盤増強工事の獲得や製造ライン追加付帯工事等の増加があり、グループ全体では増収増益となりました。
その他の売上高は、271億44百万円と前連結会計年度に比べ6.7%の増収となりました。
道路ならびにその付帯設備等の交通インフラ整備・補修工事や機材賃貸事業が増加したことに加え、物流関連システムの開発案件増加等により増収増益となりました。
②売上原価・販売費及び一般管理費
売上原価は、5,081億72百万円と前連結会計年度に比べ42億7百万円減少し、売上高に対する売上原価の比率は0.3ポイント低下し、89.2%となっております。
物流事業では既存作業の収益力向上、機工事業では工程効率化等により、グループ全体の原価率を改善いたしました。
販売費及び一般管理費は、209億14百万円と前連結会計年度に比べ25百万円増加しております。これは、主として新規連結子会社の追加による費用負担の増加とのれん償却額の減少等が影響しております。
③営業利益
営業利益は、売上高の増収効果ならびに原価率低減施策等により、403億74百万円と前連結会計年度に比べ11億27百万円の増益、増益率は2.9%となりました。
営業利益率は7.1%と前連結会計年度の6.9%から0.2ポイント上昇しております。
④営業外収益・営業外費用
営業外収益は、受取利息3億37百万円、受取配当金6億1百万円、持分法による投資利益1億22百万円等、総額で21億円を計上しております。
営業外費用は、支払利息7億34百万円、為替差損3億39百万円等、総額で23億55百万円を計上しております。
⑤経常利益
経常利益は、営業利益の増加等により401億19百万円と前連結会計年度に比べ9億34百万円の増益、増益率は2.4%となりました。
経常利益率は7.0%と前連結会計年度の6.8%から0.2ポイント上昇しております。
⑥特別利益・特別損失
特別利益は、当連結会計年度においては該当はありません。
特別損失は、当連結会計年度においては投資有価証券評価損17億1百万円計上しております。
⑦法人税等
当連結会計年度の法人税等の計上額は、124億67百万円で法人税等の負担率は32.5%となっております。当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ、法人税等の負担率が1.4ポイント増加しております。
⑧非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主として海外子会社の非支配株主に帰属する損益からなり、当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は3億30百万円を計上しております。
⑨親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、256億19百万円と前連結会計年度に比べ18億51百万円の減益、減益率は6.7%となりました。
その結果、1株当たりの当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ30.58円減少し、423.44円となっております。
当期の連結業績につきましては、売上高が前連結会計年度に比べ減少したものの、営業利益、経常利益で過去最高を更新いたしました。これは、お客様のグローバルニーズに柔軟に対応し、「中期経営計画2020」で掲げた4つの中心戦略である「収益力向上」・「人財強化」・「事業拡大」・「基盤強化」についての諸施策が一定の効果を上げたものと評価しております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社連結グループの主な資金需要は、事業運営に必要な労務費、外注費、材料費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、さらには当社連結グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
また上記以外にも、当社連結グループの企業価値向上の観点において、効果的なM&Aや、AI・IoT等の最新技術を用いた作業の効率化、新しいビジネスモデルの構築のための成長投資の検討も行っております。
これらの必要資金は、まずは営業活動によるキャッシュ・フローと自己資金にて賄い、必要に応じて、適正な範囲内での金融機関からの借入および社債発行等による資金調達にて対応することとしております。
現金及び現金同等物を含む手許の資金流動性につきましては、可能な限り圧縮し資金効率の向上に努めております。一方、急激な金融環境の変化や突発的な資金需要への備えとして、迅速かつ機動的に資金調達ができる融資枠400億円のコミットメントライン契約(契約期間3年)を金融機関と締結しております。
当連結会計年度につきましては、好調な業績を背景とした売上債権の増加に加え、前連結会計年度と比較して法人税等の税金支払額および投資支出が増加したこと等により、フリーキャッシュフローは95億44百万円と、前連結会計年度から302億30百万円減少しました。このフリーキャッシュフローの減少を、長期借入金の調達等で賄った結果、当連結会計年度末における有利子負債残高(リース債務除く)は419億2百万円と、前連結会計年度末から19億10百万円増加しておりますが、D/Eレシオは0.20倍と、前連結会計年度末の水準を維持しております。
なお、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
(3) 財政状態
当社連結グループは、中長期的な重要経営戦略の1つとして「収益力向上」を掲げており、その一環として「資産の圧縮と効率化」に取り組んでおります。事業の選択と集中を実施し、フリーキャッシュフローの有効活用を進める過程で、不稼動・低稼働資産の集約・売却等による資産圧縮を行い、3PLや3PM(一括メンテナンス)の高度化、新興国関連注力事業への投資の集中を図っております。
また、負債の部に関しては、資金調達手段の多様化を図るとともに、引き続き有利子負債の圧縮を課題として認識し、その実現に向けた施策を継続的に進めております。
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産は2,230億82百万円であり、前連結会計年度末に比べ182億88百万円、8.9%増加しました。主な要因は、債権流動化の実行を抑えたことによる受取手形及び売掛金の増加等によるものです。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産は2,109億69百万円であり、前連結会計年度末に比べ62億50百万円、3.1%増加しました。主な要因は、国際財務報告基準を適用する在外連結子会社のIFRS16号「リース」の適用による使用権資産の増加等によるものです。
③流動負債
当連結会計年度末における流動負債は1,446億68百万円であり、前連結会計年度末に比べ60億34百万円、4.4%増加しました。主な要因は、1年内に償還期日が到来する社債の増加と、借入金の返済や法人税の納付額の増加に伴う減少との差等によるものです。
④固定負債
当連結会計年度末における固定負債は751億79百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億56百万円、3.7%増加しました。主な要因は、長期借入金の増加およびIFRS16号「リース」の適用による負債の増加と、1年内に償還期日が到来する社債の流動負債への振替による減少との差等によるものです。
⑤純資産
当連結会計年度末における純資産は2,142億4百万円であり、前連結会計年度末に比べ158億48百万円、8.0%増加しました。主な要因は、利益剰余金の増加と、その他有価証券評価差額金および退職給付に係る調整累計額の減少との差等によるものです。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を0.8ポイント上回る48.7%となっております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社連結グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
①繰延税金資産
当社連結グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
②退職給付債務および退職給付費用
退職給付債務および退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績および将来の経済・市場環境の見通し等を基礎として設定しております。割引率および長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③工事損失引当金
受注工事の将来の損失に備えるため、未成工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、工事損失引当金を計上することとしております。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社連結グループの業績を悪化させる可能性があります。
④完成工事高および完成工事原価の計上
成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しております。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高および完成工事原価が影響を受け、当社連結グループの業績を変動させる可能性があります。
(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、米中貿易摩擦などを背景に不透明な状況で推移してきましたが、更に今年に入ってからは世界的に感染が広がる新型コロナウイルスの影響により、経済活動が急減速しており、景気の落ち込みが確実に実感される状況となりました。国内経済は、中国経済の低迷による輸出の減少に加え、コロナウイルス影響によるインバウンド需要やサービス消費の低下があり、それに伴う企業収益の悪化懸念から、年度末に向けた設備投資も縮小基調で推移する結果となりました。
このような経済情勢の下、当社連結グループは、動員力の更なる強化に向け、人財の確保と育成、ならびに協力会社との良好な関係の構築を図るとともに「働き方改革」の着実な実行のため、生産性の向上や、スキルアップに向けた時間の創出、ワークライフバランスの確保などの視点に立った施策を積極的に進めて来ました。
その結果、当連結会計年度における売上高は5,694億61百万円と前連結会計年度に比べ0.5%の減収となりました。また、利益面においては、営業利益が403億74百万円と2.9%、経常利益は401億19百万円と2.4%のそれぞれ増益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失の計上により256億19百万円と6.7%の減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①物流事業
港湾事業では主要船社、特に中国航路のコンテナ取扱量や船内・沿岸荷役量の減少とコンテナ輸送、機械梱包作業等の減少により減収となりましたが、港頭倉庫での保管・荷役作業の増加に、作業効率化や単価改善が伴い、増益となりました。国際物流事業では、前期大型プロジェクト輸送案件の剥落に加え、中国での国際貨物の取扱量等が減少となりました。3PL事業でも中国の内需減退に伴う部品・材料輸送等は減少しましたが、国内や東南アジアでの化成品取扱いや消費財輸送の増加に輸送効率と単価の改善が伴ったことにより、増収増益となりました。構内作業では、一部客先の生産・出荷量減や移管影響はあるものの、通信インフラ関連資機材の生産量増加に加え、構内作業単価の改善も進み、物流事業全体では減収増益となりました。
売上高は2,839億32百万円と前連結会計年度と比べ1.8%の減収、セグメント利益(営業利益)は108億49百万円と7.2%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は49.8%であります。
②機工事業
保全作業では、石油・石化構内の秋期から冬期にかけてのSDMが追加付帯工事も含めて増加したことに加え、国内外での年間を通じた常例保全作業の増加等はありましたが、今年度は国内外におけるSDMがマイナー年であり、前年度メジャー年との工事量差をカバーするに至らず、減収減益となりました。一方、設備工事では、前期の鉄鋼関連大型解体工事、電力関連定検工事、構内設備増強工事等の減少はあったものの、国内での大型環境関連工事や公共施設の土建工事獲得、子会社合併に伴う前年期間差等に加え、海外の設備解体・生産基盤増強工事の獲得や製造ライン追加付帯工事等の増加があり、機工事業全体では増収増益となりました。
売上高は2,583億84百万円と前連結会計年度と比べ0.2%の増収、セグメント利益(営業利益)は273億69百万円と0.6%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は45.4%であります。
③その他
道路ならびにその付帯設備等の交通インフラ整備・補修工事や機材賃貸事業が増加したことに加え、物流関連システムの開発案件増加等により増収増益となりました。
売上高は271億44百万円と前連結会計年度と比べ6.7%の増収、セグメント利益(営業利益)は19億43百万円と14.2%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は4.8%であります。
(2) 財政状態の状況
①資産
当連結会計年度末における総資産は4,340億52百万円であり、前連結会計年度末に比べ245億38百万円増加しました。この増加の主な要因は、債権流動化の実行を抑えたことによる受取手形及び売掛金の増加と、国際財務報告基準を適用する在外連結子会社のIFRS16号「リース」の適用による使用権資産の増加等によるものです。
②負債
当連結会計年度末における負債の部は2,198億47百万円であり、前連結会計年度末に比べ86億90百万円増加しました。この増加の主な要因は、長期借入金の増加およびIFRS16号「リース」の適用によるその他負債の増加等によるものです。
③純資産
当連結会計年度末における純資産の部は、2,142億4百万円であり、前連結会計年度末に比べ158億48百万円増加しました。この増加の主な要因は、利益剰余金の増加とその他有価証券評価差額金および退職給付に係る調整累計額の減少との差等によるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を0.8ポイント上回る48.7%、D/Eレシオについては前連結会計年度末と同様、0.20倍となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億97百万円減少し、当連結会計年度末残高は345億56百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、223億17百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、売上債権が増加したことに加え、法人税等の支払額および未払消費税の支出額が増加したこと等により、資金の収入は272億70百万円減少しました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、127億72百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、有価証券および固定資産の売却による収入が減少したこと等により、資金の支出は29億59百万円増加しました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少額は、107億21百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、国内無担保普通社債の償還がなかったこと、長期借入金の調達を行ったこと等により、資金の支出は210億36百万円減少しました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社連結グループが営んでおります事業では生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
(1) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) |
| 物流事業 | 283,610 | △2.0 | 677 | △32.2 |
| 機工事業 | 248,812 | △6.2 | 70,432 | △12.0 |
| その他 | 27,255 | 4.1 | 1,409 | 8.5 |
| 合計 | 559,677 | △3.7 | 72,520 | △11.9 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント名称 | 売上高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 物流事業 | 283,932 | △1.8 |
| 機工事業 | 258,384 | 0.2 |
| その他 | 27,144 | 6.7 |
| 合計 | 569,461 | △0.5 |
(注)1. 当社連結グループの事業では、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、各事業の売上実績を記載しております。
2. 主な相手先別の売上実績および当該売上実績の総売上実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 売上高(百万円) | 割合(%) | 売上高(百万円) | 割合(%) | |
| 日本製鉄㈱ | 78,005 | 13.6 | 76,260 | 13.4 |
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①売上高
当連結会計年度の売上高は5,694億61百万円と前連結会計年度に比べ0.5%の減収となりました。
物流事業の売上高は、2,839億32百万円と前連結会計年度に比べ1.8%の減収となりました。
港湾事業では主要船社、特に中国航路のコンテナ取扱量や船内・沿岸荷役量の減少とコンテナ輸送、機械梱包作業等の減少により減収となりましたが、港頭倉庫での保管・荷役作業の増加に、作業効率化や単価改善が伴い、増益となりました。国際物流事業では、前期大型プロジェクト輸送案件の剥落に加え、中国での国際貨物の取扱量等が減少となりました。3PL事業でも中国の内需減退に伴う部品・材料輸送等は減少しましたが、国内や東南アジアでの化成品取扱いや消費財輸送の増加に輸送効率と単価の改善が伴ったことにより、増収増益となりました。構内作業では、一部客先の生産・出荷量減や移管影響はあるものの、通信インフラ関連資機材の生産量増加に加え、構内作業単価の改善も進み、グループ全体では減収増益となりました。
機工事業の売上高は、2,583億84百万円と前連結会計年度に比べ0.2%の増収となりました。
保全作業では、石油・石化構内の秋期から冬期にかけてのSDMが追加付帯工事も含めて増加したことに加え、国内外での年間を通じた常例保全作業の増加等はありましたが、今年度は国内外におけるSDMがマイナー年であり、前年度メジャー年との工事量差をカバーするに至らず、減収減益となりました。一方、設備工事では、前期の鉄鋼関連大型解体工事、電力関連定検工事、構内設備増強工事等の減少はあったものの、国内での大型環境関連工事や公共施設の土建工事獲得、子会社合併に伴う前年期間差等に加え、海外の設備解体・生産基盤増強工事の獲得や製造ライン追加付帯工事等の増加があり、グループ全体では増収増益となりました。
その他の売上高は、271億44百万円と前連結会計年度に比べ6.7%の増収となりました。
道路ならびにその付帯設備等の交通インフラ整備・補修工事や機材賃貸事業が増加したことに加え、物流関連システムの開発案件増加等により増収増益となりました。
②売上原価・販売費及び一般管理費
売上原価は、5,081億72百万円と前連結会計年度に比べ42億7百万円減少し、売上高に対する売上原価の比率は0.3ポイント低下し、89.2%となっております。
物流事業では既存作業の収益力向上、機工事業では工程効率化等により、グループ全体の原価率を改善いたしました。
販売費及び一般管理費は、209億14百万円と前連結会計年度に比べ25百万円増加しております。これは、主として新規連結子会社の追加による費用負担の増加とのれん償却額の減少等が影響しております。
③営業利益
営業利益は、売上高の増収効果ならびに原価率低減施策等により、403億74百万円と前連結会計年度に比べ11億27百万円の増益、増益率は2.9%となりました。
営業利益率は7.1%と前連結会計年度の6.9%から0.2ポイント上昇しております。
④営業外収益・営業外費用
営業外収益は、受取利息3億37百万円、受取配当金6億1百万円、持分法による投資利益1億22百万円等、総額で21億円を計上しております。
営業外費用は、支払利息7億34百万円、為替差損3億39百万円等、総額で23億55百万円を計上しております。
⑤経常利益
経常利益は、営業利益の増加等により401億19百万円と前連結会計年度に比べ9億34百万円の増益、増益率は2.4%となりました。
経常利益率は7.0%と前連結会計年度の6.8%から0.2ポイント上昇しております。
⑥特別利益・特別損失
特別利益は、当連結会計年度においては該当はありません。
特別損失は、当連結会計年度においては投資有価証券評価損17億1百万円計上しております。
⑦法人税等
当連結会計年度の法人税等の計上額は、124億67百万円で法人税等の負担率は32.5%となっております。当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ、法人税等の負担率が1.4ポイント増加しております。
⑧非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主として海外子会社の非支配株主に帰属する損益からなり、当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は3億30百万円を計上しております。
⑨親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、256億19百万円と前連結会計年度に比べ18億51百万円の減益、減益率は6.7%となりました。
その結果、1株当たりの当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ30.58円減少し、423.44円となっております。
当期の連結業績につきましては、売上高が前連結会計年度に比べ減少したものの、営業利益、経常利益で過去最高を更新いたしました。これは、お客様のグローバルニーズに柔軟に対応し、「中期経営計画2020」で掲げた4つの中心戦略である「収益力向上」・「人財強化」・「事業拡大」・「基盤強化」についての諸施策が一定の効果を上げたものと評価しております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社連結グループの主な資金需要は、事業運営に必要な労務費、外注費、材料費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、さらには当社連結グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
また上記以外にも、当社連結グループの企業価値向上の観点において、効果的なM&Aや、AI・IoT等の最新技術を用いた作業の効率化、新しいビジネスモデルの構築のための成長投資の検討も行っております。
これらの必要資金は、まずは営業活動によるキャッシュ・フローと自己資金にて賄い、必要に応じて、適正な範囲内での金融機関からの借入および社債発行等による資金調達にて対応することとしております。
現金及び現金同等物を含む手許の資金流動性につきましては、可能な限り圧縮し資金効率の向上に努めております。一方、急激な金融環境の変化や突発的な資金需要への備えとして、迅速かつ機動的に資金調達ができる融資枠400億円のコミットメントライン契約(契約期間3年)を金融機関と締結しております。
当連結会計年度につきましては、好調な業績を背景とした売上債権の増加に加え、前連結会計年度と比較して法人税等の税金支払額および投資支出が増加したこと等により、フリーキャッシュフローは95億44百万円と、前連結会計年度から302億30百万円減少しました。このフリーキャッシュフローの減少を、長期借入金の調達等で賄った結果、当連結会計年度末における有利子負債残高(リース債務除く)は419億2百万円と、前連結会計年度末から19億10百万円増加しておりますが、D/Eレシオは0.20倍と、前連結会計年度末の水準を維持しております。
なお、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
(3) 財政状態
当社連結グループは、中長期的な重要経営戦略の1つとして「収益力向上」を掲げており、その一環として「資産の圧縮と効率化」に取り組んでおります。事業の選択と集中を実施し、フリーキャッシュフローの有効活用を進める過程で、不稼動・低稼働資産の集約・売却等による資産圧縮を行い、3PLや3PM(一括メンテナンス)の高度化、新興国関連注力事業への投資の集中を図っております。
また、負債の部に関しては、資金調達手段の多様化を図るとともに、引き続き有利子負債の圧縮を課題として認識し、その実現に向けた施策を継続的に進めております。
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産は2,230億82百万円であり、前連結会計年度末に比べ182億88百万円、8.9%増加しました。主な要因は、債権流動化の実行を抑えたことによる受取手形及び売掛金の増加等によるものです。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産は2,109億69百万円であり、前連結会計年度末に比べ62億50百万円、3.1%増加しました。主な要因は、国際財務報告基準を適用する在外連結子会社のIFRS16号「リース」の適用による使用権資産の増加等によるものです。
③流動負債
当連結会計年度末における流動負債は1,446億68百万円であり、前連結会計年度末に比べ60億34百万円、4.4%増加しました。主な要因は、1年内に償還期日が到来する社債の増加と、借入金の返済や法人税の納付額の増加に伴う減少との差等によるものです。
④固定負債
当連結会計年度末における固定負債は751億79百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億56百万円、3.7%増加しました。主な要因は、長期借入金の増加およびIFRS16号「リース」の適用による負債の増加と、1年内に償還期日が到来する社債の流動負債への振替による減少との差等によるものです。
⑤純資産
当連結会計年度末における純資産は2,142億4百万円であり、前連結会計年度末に比べ158億48百万円、8.0%増加しました。主な要因は、利益剰余金の増加と、その他有価証券評価差額金および退職給付に係る調整累計額の減少との差等によるものです。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を0.8ポイント上回る48.7%となっております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社連結グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
①繰延税金資産
当社連結グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
②退職給付債務および退職給付費用
退職給付債務および退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績および将来の経済・市場環境の見通し等を基礎として設定しております。割引率および長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③工事損失引当金
受注工事の将来の損失に備えるため、未成工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、工事損失引当金を計上することとしております。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社連結グループの業績を悪化させる可能性があります。
④完成工事高および完成工事原価の計上
成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しております。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高および完成工事原価が影響を受け、当社連結グループの業績を変動させる可能性があります。