有価証券報告書-第117期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 15:34
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【項目】
180項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、生産・投資・消費で持ち直しの動きをみせていますが、中国での過剰供給の調整や中東情勢の悪化が世界景気の重しとなっています。こうした中、国内経済は、堅調な設備増強・更新・環境関連投資が続く一方、関税問題・中国景気の減速影響の継続に加え、人手不足・賃上げ、足元では中東情勢の悪化等が消費・物流関連に影響しております。中国では、輸出増加の動きもありましたが、内需である住宅販売・個人消費・設備投資の減速が続き、日系企業の生産・販売においても引き続き厳しい状況となりました。東南アジアでは、中国景気の減速影響やインフレ影響を受けるも、半導体・電子部品の需要増加や内需の持ち直しが下支えとなっております。
なお、当連結会計年度における中東情勢悪化による影響は軽微であります。
このような経済情勢の下、当連結会計年度における売上高は6,315億73百万円と前連結会計年度に比べ4.1%の増収、利益面においては営業利益が432億40百万円と1.6%の減益、経常利益が433億85百万円と2.9%の減益、一方で政策保有株式の縮減を進めた結果、親会社株主に帰属する当期純利益が315億5百万円と2.5%の増益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① 物流事業
港湾国際では、国内での新規作業開始、国内外において単価引き上げを実施しておりますが、国内でのプロジェクト輸送案件・海上コンテナ取扱量・倉庫作業が減少しております。
3PL一般では、主要客先での単価引き上げを進めております。特に一般物流では、主に中国域内での自動車部品・消費財等が内需不振の影響を受けて輸送・保管作業等が低調ですが、コスト削減施策により現法の採算改善を進めております。また、国内では単価引き上げに加え、スポット作業等の取扱いが増加となりました。
構内では、国内外客先での新規作業開始、海外での赤字作業撤退等の影響で収支改善を進めております。
以上の結果、物流事業全体の売上高は2,952億56百万円と前期比0.1%の減収、セグメント利益(営業利益)は98億26百万円と前期比1.5%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は46.7%であります。
② 機工事業
設備工事では、国内産業の設備更新・脱炭素需要等を背景に、国内での鉄鋼・化学関連等設備建設・解体工事、環境関連工事が増加しました。一方、海外において一部の工事代金で貸倒引当金を計上しております。
メンテナンスでは、2024年12月に新たに連結対象の子会社が1社加わった影響等で前年比売上が増加しておりますが、利益面では、国内での日常メンテナンス作業の減少や海外での定修工事量減等で減少しております。
以上の結果、機工事業全体の売上高は3,074億58百万円と前期比8.5%の増収、セグメント利益(営業利益)は309億60百万円と前期比3.3%の減益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は48.7%であります。
③ その他
道路・付帯設備における補修工事量の増加に加え、機材・資材の新規購入コスト等が減少しております。
以上の結果、その他全体の売上高は288億58百万円と前期比3.3%の増収、セグメント利益(営業利益)は24億72百万円と前期比11.4%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は4.6%であります。
(2) 財政状態の状況
① 資産
当連結会計年度末における総資産は5,597億46百万円であり、前連結会計年度末に比べ145億57百万円増加しました。この増加の主な要因は、時価の上昇に伴う投資有価証券の増加、退職給付に係る資産の増加等によるものです。
② 負債
当連結会計年度末における負債の部は2,527億58百万円であり、前連結会計年度末に比べ46億31百万円増加しました。この増加の主な要因は、季節資金等の支払を目的としたコマーシャル・ペーパーの発行等によるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産の部は、3,069億88百万円であり、前連結会計年度末に比べ99億25百万円増加しました。この増加の主な要因は、配当金の支払いおよび自己株式の取得による減少と当期純利益の差等によるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を0.4ポイント上回る54.2%、D/Eレシオについては前連結会計年度末より0.02ポイント増加し、0.30倍となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億44百万円増加し、当連結会計年度末残高は425億29百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、519億93百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、売上債権及び契約資産が減少したこと等により、資金の収入は84億61百万円増加しました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、191億88百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等により、資金の支出は72億84百万円減少しました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少額は、323億83百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、長期借入れによる収入がなかったこと等により、資金の支出は70億69百万円増加しました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社連結グループが営んでおります事業では生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
(1) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメント名称受注高
(百万円)
前年同期比(%)受注残高
(百万円)
前年同期比(%)
物流事業295,028△0.1359△38.8
機工事業295,035△0.481,520△13.2
その他29,3955.31,36964.6
合計619,4590.083,249△12.7

(2) 売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメント名称売上高(百万円)前年同期比(%)
物流事業295,256△0.1
機工事業307,4588.5
その他28,8583.3
合計631,5734.1

(注)1.当社連結グループの事業では、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、各事業の売上実績を
記載しております。
2.主な相手先別の売上実績および当該売上実績の総売上実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)
日本製鉄㈱86,85614.396,45215.3


(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
① 既存事業の維持・領域拡大
物流事業においては、海外経済低迷の影響を始めとした外部環境変化による国際貨物取扱量低下、構造改革の一部で遅れ等はありますが、国内における不採算事業の改善、適正な単価収受への交渉により、収益性の改善成果は着実に出ているものと考えております。中期目標実現に向け、化成品を基軸とした優位性のある貨種をターゲットに既存収益基盤の強化、DX活用による業務の効率化や人材の最適配置および組織構造改革によるコストの適正化をより一層加速し、国内外における競争力を強化してまいります。
機工事業においては、社会インフラ事業の体制構築で一部の遅れ等はありますが、当社のビジネスモデルを武器にお客様のアウトソーシングニーズを着実に取り込み、特にメンテナンス事業が大きく伸長いたしました。これはお客様を取り巻く経営環境が大きく変化する中で、当社の強みである動員力と技術力が選ばれてきた結果だと考えております。中期目標実現に向けて、主要業界である鉄鋼や石油化学の需要を確実に取り込むとともに、カーボンニュートラル関連、社会インフラ関連や海外事業などの成長領域への取り組みを強化していきます。また、機工人材の確保の面では、海外教育センターとの連携により人材育成と流動化の加速・外国人材の活用を図り、併せて積極的なM&Aを進めてまいります。
② 現在から未来への持続的な収益力の確保(成長市場への挑戦)
長期経営戦略の1st Stage「変革期」として、「経営基盤強化」、「リスクマネジメント強化」を経営戦略に掲げ、持続的な収益力の確保を取り組んでまいりました。
物流事業においては、コスト構造の見直しや適正単価収受の交渉を進め、採算性の低い拠点の集約や作業撤退等を実行することで事業体質の改善を進めております。また、化成品物流の拡大、アセットライトな事業運営・事業構造改革の推進で生産性向上を進めてまいります。
機工事業においては、事業本部が主導し、大型プロジェクトの進捗管理を徹底することで、事業全体の収益性が向上いたしました。工事工程の見直しや新技術の活用による省力化を進めるとともに、協力会社も含めた要員・機材をグループ全体で管理し、その効率的な配置にも継続的に取り組んでおります。また、グローバルな要員の流動化、社会インフラ・環境ビジネスの体制構築、新技術獲得などを通じて事業基盤・成長基盤の強化を図ってまいります。
これらの取組結果として、中東情勢をはじめ世界経済の不確実性が増す中において収益性を損なうことなく、安定した利益を生み出す収益体質を構築することができました。中期目標実現に向けて、更なる収益性の向上に取り組んでまいります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社連結グループの主な資金需要は、事業運営に必要な労務費、外注費、材料費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、さらには当社連結グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
2027年3月期を最終年度とする中期経営計画2026では「資本効率性を重視しながら、持続的成長と企業価値の最大化を実現」と掲げており、2027年3月期までに創出が見込まれる営業キャッシュ・フロー1,070億円に、政策保有株式の売却や負債活用等による380億円を加えた1,450億円を財源にして、システム投資、人材投資、M&Aなどの成長投資に800億円、株主還元に650億円を配分する計画としております。
株主還元については、中期経営計画2026の資本政策である「連結配当性向40%水準」に加え、同期間計画における下限配当額を「前年度1株当たり年間配当額」を設定することで、より安定的な利益還元を目指すとともに、自己株式の取得計画も、同期間の累計400億円から、累計700億円に増額し、株主還元を強化しております。また、自己株式の保有については、発行済株式総数の5%程度を目安とし、それを超える株式は原則として消却すること、保有した自己株式は、役員報酬制度に使用する等、企業価値向上に向けて有効に活用することを方針としております。
これらの必要資金は、まずは営業活動によるキャッシュ・フローと自己資金にて賄い、必要に応じて金融機関からの借入または社債発行等にて対応することとしております。
手許資金の流動性につきましては、グループ内資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を活用し、資金効率の向上に努めるとともに、資金調達手段の多様化により、事業運営に必要な流動性を確保しております。また、急激な金融環境の変化や突発的な資金需要への備えとして、迅速かつ機動的に資金調達ができるコミットメントライン契約を金融機関と締結しております。
なお、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
(3) 財政状態
当社連結グループでは、事業の選択と集中を実施し、政策保有株式の見直し、不稼動・低稼働資産の集約・売却等による資産圧縮を行います。その上で、フリーキャッシュフローの有効活用を進める過程で、機工事業における案件管理の高度化、中東・インドを中心とした海外事業拡大、事業領域の拡大・新規領域への進出への投資の集中を図っております。
また、資金調達に関しては、営業キャッシュ・フローと負債の活用、設備投資の支出の状況、現預金残高の水準等を総合的に勘案し、適正な範囲内でかつ機動的に実施することを基本方針としており、その方針のもと、資金調達手段の多様化やグループ内余剰資金の有効活用等の各種施策を継続的に推進しています。
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産は2,692億55百万円であり、前連結会計年度末に比べ110億円、3.9%減少しました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少等によるものです。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産は2,904億90百万円であり、前連結会計年度末に比べ255億57百万円、9.6%増加しました。主な要因は、時価の上昇に伴う投資有価証券の増加、退職給付に係る資産の増加等によるものです。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債は1,507億64百万円であり、前連結会計年度末に比べ116億94百万円、8.4%増加しました。主な要因は、季節資金等の支払を目的としたコマーシャル・ペーパーの発行と1年内償還予定の社債の減少の差等によるものです。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債は1,019億93百万円であり、前連結会計年度末に比べ70億62百万円、6.5%減少しました。主な要因は、長期借入金の流動負債への振替による減少等によるものです。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産は3,069億88百万円であり、前連結会計年度末に比べ99億25百万円、3.3%増加しました。主な要因は、配当金の支払いおよび自己株式の取得による減少と当期純利益の差等によるものです。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を0.4ポイント上回る54.2%となっております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社連結グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
① 繰延税金資産
当社連結グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
② 退職給付債務および退職給付費用
退職給付債務および退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績および将来の経済・市場環境の見通し等を基礎として設定しております。割引率および長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③ 工事損失引当金
受注工事・作業の将来の損失に備えるため、未成工事・作業のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事・作業について、工事損失引当金を計上することとしております。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事・作業において、工事・作業の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合等は、当社連結グループの業績を悪化させる可能性があります。
④ 完成工事高および完成工事原価の計上
成果の確実性が認められる工事契約については、履行義務の充足に係る進捗度(工事の進捗度の見積りはインプット法)に基づき完成工事高を計上しております。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高および完成工事原価が影響を受け、当社連結グループの業績を変動させる可能性があります。

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