有価証券報告書-第62期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 13:15
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、日本では個人消費に停滞感がみられるなど景気は足踏みし年明けより為替が円高に推移、米国は雇用や所得環境は底堅いものの輸出の減速等を背景に景気拡大の勢いは鈍化しました。欧州では個人消費が緩やかな景気回復を後押しするも、中国をはじめアジアで顕在化する経済成長の鈍化が世界各地へ波及し、全体としては減速基調で推移しました。
国際物流市場は、海上貨物においては底堅く推移しましたが、航空貨物は、新興国をはじめとする景気減速の影響に加え、前年の港湾混雑による特需の反動もあり、荷動きは力強さを欠く状況となりました。
このような環境の下、当社グループの貨物取扱量は、海上事業において、販売拡大を推進した結果、東アジアを中心に全地域で取扱いが増加しました。一方、航空事業は、欧州では取扱いが拡大したものの、前年の港湾混雑による反動や仕入れ高止まり等の影響もあり、前期を下回る取扱いとなりました。ロジスティクス事業では、コスト管理に加え、食品やヘルスケア等の重点強化産業においてサービスの拡充と品質の向上に努めましたが、景気減速の影響が南アジアを中心にみられるなど全体として力強さに欠けるものとなりました。
これらの結果、営業収益は前期比1.9%増の469,816百万円、営業利益は前期比2.6%減の9,057百万円となりました。また、業務改革に伴う業務効率の向上を目指したシステム統合により、当第4四半期連結会計期間において特別損失として減損損失1,003百万円を計上しました。
各セグメントの業績は以下のとおりであります。
①日本
海上事業は、輸出で自動車関連部品や工作機械等に加えスポット貨物の取扱いがあり、取扱実績(TEU)は前期比5.3%増となりました。輸入は、アジア発を中心とした自動車関連部品や衣料品等の取扱いを伸ばし、取扱件数は前期比9.0%増となりました。
航空事業は、輸出で航空機関連品等の荷動きに加え、自動車関連部品のスポット貨物を取扱いましたが、前年の港湾混雑による反動があり、前期比6.0%減の取扱重量となりました。輸入は、自動車関連部品や食品関連等の取扱いが個人消費低迷の影響を受けたこともあり、前期比5.5%減の取扱件数となりました。
これらの結果、国内連結子会社を含めた営業収益は83,300百万円(前期比9.6%減)、航空事業において仕入れ高止まりの状況下で、取扱物量が伸び悩む厳しい事業環境が継続するなど、セグメント損失(営業損失)は60百万円(前期はセグメント利益2,111百万円)となりました。
②米州
海上事業は、自動車関連部品や消費財関連等の堅調な取扱いにより、輸出取扱実績(TEU)は前期比11.3%増、輸入取扱件数は前期比7.9%増となりました。
航空事業は、輸出では自動車関連部品や食品関連等を取扱いましたが、取扱重量は前期比5.3%減、輸入は自動車関連部品や航空機関連品等の荷動きがあったものの、取扱件数は前期比4.5%減と、前年の港湾混雑による反動がみられました。
ロジスティクス事業は、消費財関連や自動車関連部品等の取扱いに加え、システムの改善等による業務効率化を図りましたが、米国の景気拡大の鈍化や鉄道・トラック会社の寡占化といった環境にあって、販売価格の下落や荷動きの低迷がみられる厳しい事業環境が継続しました。
これらの結果、営業収益は117,666百万円(前期比8.8%増)、セグメント利益(営業利益)は62百万円(同88.7%減)となりました。
なお、1ドルあたりの円換算レートは、当期が120.78円、前期が109.19円であります。
③欧州
海上事業は、輸出で消費財関連等の取扱いがあり、取扱実績(TEU)は前期比5.4%増となりました。輸入は自動車関連部品等の荷動きがあり、取扱件数は前期比2.6%増となりました。
航空事業は、輸出で医療機器関連品等の取扱いに加え、アジア向けを中心とした自動車関連部品のスポット出荷もあり、取扱重量は前期比26.1%増となりました。輸入は電子・電気機器関連品等が低調な荷動きとなり、取扱件数は前期比3.4%減となりました。
ロジスティクス事業は、医薬品等の専門分野に特化した倉庫開設やネットワーク構築の他、これまでの業務改革効果もあり総じて順調に推移しました。
これらの結果、営業収益は106,503百万円(前期比2.9%増)、セグメント利益(営業利益)は518百万円(前期はセグメント損失1,155百万円)となりました。
なお、1ユーロあたりの円換算レートは、当期が132.75円、前期が139.38円であります。
④東アジア
海上事業は、輸出で販売拡大の取り組みの効果が着実にあらわれ、消費財関連や電子・電気機器関連品等の出荷が牽引し、取扱実績(TEU)は前期比21.3%増となりました。輸入は自動車関連部品等の取扱いにより、取扱件数は前期比1.5%増となりました。
航空事業は、中国の景気減速の影響もあり輸出入ともに力強さに欠ける荷動きとなりました。輸出は電子・電気機器関連品や自動車関連部品等のスポット出荷が貢献し、取扱重量は前期比5.2%増となりましたが、輸入は電子・電気機器関連品や自動車関連部品等の低調な荷動きにより、取扱件数は前期比6.1%減となりました。
ロジスティクス事業は、これまで取扱いのあった日用品、衣料品等に加え、食品関連の取扱いが増加しました。また、コスト削減と業務効率化を目指した業務改革に取り組みました。
これらの結果、営業収益は85,414百万円(前期比10.8%増)、セグメント利益(営業利益)は、海上事業を中心に競争力が向上したことが寄与し、2,395百万円(同66.0%増)となりました。
⑤南アジア・オセアニア
海上事業は、輸出で自動車関連部品や電子・電気機器関連品等、輸入は自動車関連部品や消費財関連等の取扱いが堅調に推移し、輸出取扱実績(TEU)は前期比17.7%増、輸入取扱件数は前期比16.3%増となりました。
航空事業は、自動車関連部品や電子・電気機器関連品等を取扱ったものの、前年の米国及びフィリピンにおける港湾混雑の反動があり、輸出取扱重量は前期比14.2%減、輸入取扱件数は前期比3.8%減となりました。
ロジスティクス事業は、運送・倉庫業務におけるハラル認証の取得や、オーストラリアの物流会社への投資等、重点強化産業における取り組みに注力したことから総じて安定した取扱いとなりましたが、域内経済の成長鈍化による減速感がみられました。
これらの結果、営業収益は93,537百万円(前期比1.1%減)、セグメント利益(営業利益)は6,248百万円(同3.3%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、13,751百万円の営業活動による収入、6,166百万円の投資活動による支出及び4,304百万円の財務活動による支出に為替相場変動の影響等を加味した結果、前連結会計年度末に比べ804百万円増加し、32,911百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれぞれの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、13,751百万円(前連結会計年度比4,406百万円増)となりました。
これは主に営業債務の減少額4,904百万円(前連結会計年度は営業債務の増加額4,806百万円)を計上した一方で、税金等調整前当期純利益9,174百万円(前連結会計年度比1,487百万円増)及び営業債権の減少額11,160百万円(前連結会計年度は営業債権の増加額11,833百万円)を計上したこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は、6,166百万円(前連結会計年度比2,338百万円減)となりました。
これは主に定期預金の払戻による収入7,377百万円(前連結会計年度比1,927百万円増)を計上した一方で、定期預金の預入による支出9,022百万円(同2,006百万円増)及び固定資産の取得による支出5,434百万円(同1,200百万円減)を計上したこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は、4,304百万円(前連結会計年度は672百万円の収入)となりました。
これは主に長期借入れによる収入3,365百万円(前連結会計年度比3,669百万円減)を計上した一方で、短期借入金の純減少額1,347百万円(前連結会計年度は短期借入金の純増加額112百万円)、長期借入金の返済による支出4,666百万円(前連結会計年度比744百万円減)及び配当金の支払額844百万円(同85百万円増)を計上したこと等によります。