有価証券報告書-第62期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 13:15
【資料】
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【項目】
115項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの重要な会計方針
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に準拠して作成されております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要(1)業績」をご参照ください。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
経営成績に重要な影響を与える要因としては、世界経済は、日本では個人消費に停滞感がみられるなど景気は足踏みし、年明けより為替が円高に推移、米国では雇用や所得環境は底堅いものの、輸出の減速等を背景に景気拡大の勢いは鈍化しております。欧州では個人消費が緩やかな景気回復を後押しするも、中国をはじめアジアで顕在化する経済成長の鈍化が世界各地へ波及し、全体としては減速基調で推移しております。このような世界経済の状況は、グローバルに事業展開している当社の経営成績に少なからず影響するものと考えております。
経営戦略は、平成26年3月28日に公表しました中期経営計画「GO FORWARD, Yusen Logistics -Next Challenges-」の基本戦略である成長戦略・業務改革・戦略的投資に沿って、持続的成長を目指してまいります。当連結会計年度には、パキスタンでの法人設立、インドネシアでの倉庫開設、オーストラリアにおける物流会社への投資等、南アジアを中心に積極的に事業拡大に取り組みました。また、重点強化産業において医薬品専用倉庫の開設やハラル認証の取得等、サービスの拡充や品質向上に努めました。
今後の見通しについては、日本や米国では景気が踊り場に入り、原油安や金融不安等による減速懸念があります。欧州においては難民問題やテロ事件等を背景とする景気の不透明感が残り、アジアでは中国をはじめとした成長鈍化が継続することが見込まれます。加えて急激な為替変動等、不安定な経済環境が予想されます。
このような状況を踏まえ、中期経営計画の最終年度(平成29年3月期)における経営指標については、平成28年4月28日に見直しを行いましたが、引き続き販売拡大を推進すると共に、業務改革の充実に取り組んでまいります。
(4)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は200,409百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,327百万円、10.0%の減少となりました。これは現金及び預金が2,373百万円増加した一方で、受取手形及び営業未収入金が15,129百万円、有形固定資産が5,443百万円、無形固定資産が1,470百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。
負債は90,767百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,065百万円、16.6%の減少となりました。これは支払手形及び営業未払金が5,797百万円、流動負債のその他が7,051百万円、長期借入金が2,191百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。
純資産は利益剰余金の増加や為替換算調整勘定の減少等により109,642百万円となり、自己資本比率は36.4%となりました。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループの貨物輸送のための航空会社及び船会社等への支払運賃やトラック輸送に係わる輸送運賃等の直接原価のほか、輸送オペレーションや通関に係わる人件費、ターミナル賃借料等の間接原価、並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。
現在、当社グループでは運転資金及び設備投資資金を内部資金又は金融機関からの借入れにより調達することとしております。
運転資金については、それぞれの連結法人において使用する主たる通貨にて借入金で調達しております。平成28年3月31日現在の運転資金を目的とする借入金の残高は13,911百万円となっております。設備投資資金については、将来のキャッシュ・フローにあわせた安定的で低コストでの資金の調達を行っております。
また、グループ内での資金を有効に活用するため、キャッシュマネジメントシステムを導入し、資金効率化を推進しております。
当社グループは、健全な財政状態を保つこと、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すこと、及び複数の金融機関に十分な借入枠を有していることにより、当社グループの成長を支える十分な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針や戦略を立案し実行するように努めておりますが、昨今における世界的な社会・経済環境の著しい変化の影響を受け、国際物流を取り巻く事業環境も厳しい情勢が続くものと予想されます。
このような状況の中、当社グループは、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおり、中期経営計画の目標達成、コンプライアンス体制の強化・充実、並びにコーポレートガバナンスコードへの対応について全グループを挙げて取り組んでおります。
今後の方針としましては、中期経営計画の基本戦略に沿って、経営基盤を強化した上で、「成長戦略」「業務改革」「戦略的投資」を図り、持続的成長を目指してまいります。コンプライアンス体制の強化・充実については、中期経営計画の基盤戦略における取り組むべき課題とし、国内外のグループ会社に周知する等、グローバル・コンプライアンス体制の充実と浸透を推進してまいります。また、コーポレートガバナンスコードへの対応については、ステークホルダーの利害を踏まえた上で、経営の透明性を確保し、経営監督機能を強化するのみならず、迅速かつ果断な意思決定を促す企業統治システムの整備・構築が重要であるとの認識の下、多様なステークホルダーの信頼に応え、持続的成長と企業価値の向上を目指してまいります。