有価証券報告書-第17期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 13:16
【資料】
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【項目】
117項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 当社の経営の基本方針
当社は、2004年4月1日、新東京国際空港公団の一切の権利及び義務を承継し、早期の株式上場・完全民営化を目指す全額政府出資の特殊会社として設立されました。
会社設立にあたって、以下の経営理念と経営ビジョンを策定し、世界トップレベルの空港を目指すとともに、企業価値の最大化を図り、当社のステークホルダーに利益還元することを基本方針としております。
(経営理念)
NAAは、国際拠点空港としての役割を果たし、グローバルな航空ネットワークの発展に貢献する、世界トップレベルの空港を目指します。
(経営ビジョン)
1.安全を徹底して追求し、信頼される空港を目指します
2.お客様の満足を追求し、期待を超えるサービスの提供を目指します
3.環境に配慮し、地域と共生する空港を目指します
4.効率的で透明性のある企業活動を通じ、健全経営と更なる成長を目指します
5.鋭敏な感性を持ち、柔軟かつ迅速な行動で、社会の期待に応えます
(2) 目標とする経営指標
当社グループは持続的な健全経営を図るため、一貫してキャッシュ・フロー重視の経営を追求しております。中期経営計画(2019~2021年度)においては、2021年度末時点における財務目標を定めており、その具体的な内容は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況」に記載しております。
(3) 経営環境ならびに対処すべき課題
世界の航空旅客需要は、新型コロナウイルス感染症の影響により極めて低調に推移している中、足元の状況として、従来よりも感染力が強い変異ウイルスが世界各地で確認されている状況等を受け、各国で水際対策の強化が図られており、また、我が国においても、2021年3月に緊急事態宣言が解除されたものの、感染再拡大を受け、まん延防止等重点措置の適用や緊急事態宣言の再発令がなされる等、当面は非常に厳しい状況が続くと考えております。
中期的な見通しとしては、各国における国内移動制限の緩和に伴い国内線が先行して回復し、その後、国ごとに国際線が再開され、徐々に本格再開へと向かっていくものと考えておりますが、新型コロナウイルスワクチンの普及等による需要の本格的な回復には、今しばらく時間を要すると予想しております。
このような経営環境の下、当社グループは、公的企業としての役割を着実に果たしながら民間企業として存続するため、空港管理者として安心・安全に係るリスク対策に十全の配慮をした上で、最大限のコスト削減・設備投資抑制を継続・強化します。併せて、民間からの資金調達を柔軟かつ機動的に行うことで安定的な資金確保に取り組みます。
他方、大きく毀損した世界の航空ネットワークは、回復・再成長期を迎えても元の姿には戻らず、ポストコロナのあるべき姿への最適化・再構築が進んでいくものと予想しております。今後、一部のビジネス需要はオンライン会議等で代替されるものの、観光やVFR(Visiting Friends and Relatives)等の航空旅客需要は、人間の本源的欲求に根差しており、バーチャルな体験だけではその全てを代替することはできないものと考えております。また、旅客便が大幅に減少した状況であっても、医薬品、防護服等の医療物資や、世界の社会経済活動に必要な各種部品、完成品等の航空貨物は活発に輸送されております。今後、中長期的に見れば、アジアをはじめとする世界の経済成長を背景に、人とモノを運ぶ航空需要は、世界全体で回復・再成長していくものと予想しております。
当社グループが、この世界的な環境変化を好機と捉え、回復・再成長を果たすためには、サステナビリティへの配慮を深めながら、世界市場において需要を獲得しシェアを拡大するための努力が不可欠であり、新型コロナウイルス感染症の影響下にあっても中長期的な視点に立った空港間競争力の向上のための成長施策については、効果・緊急性等を評価した上でクオリティ・キャパシティの両面から着実に実施していく必要があると考えております。
このことから、厳しい経営環境下においても、以下1~5の主要テーマについては、需要回復期、需要拡大期を見据えた中長期的な視点に立ち、優先して推進してまいります。
1.感染拡大防止の徹底と国際線旅客の本格的な往来再開
我が国及び各国の渡航制限や国際機関(ICAO、IATA、ACI等)の指針等を踏まえ、関係省庁等と積極的に連携して感染症防止策に取り組むことにより、グローバルな航空ネットワークの正常化に取り組んでまいります。
併せて、本格的な往来再開の推進にあたっては、お客様及び航空会社が成田国際空港に求めるニーズの把握を深度化し、提供価値を最大化するためのマーケティング戦略を策定し、推進してまいります。
また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催国の表玄関として、新型コロナウイルス感染症の感染状況や開催の形態に応じた輸送体制を整え、大会の成功に貢献してまいります。
2.ポストコロナへの体制整備
顔認証技術を活用した新たな搭乗手続き「Face Express」やキャッシュレス環境の整備、ロボットやAI技術の活用等を通じ、空港運営の効率化に加え、非対面・非接触といった新たな付加価値の提供を実現するスマートエアポート化を進めます。
また、業務の選択と集中、業務システムの抜本的見直しを行うとともに、書面・押印手続きの電子化、テレワーク、会議のオンライン化等を促進し、業務の効率化、生産性向上を図ります。
3.新規収益源の創出
航空需要の回復・再成長を見据え、空港におけるリテール事業のあり方を再点検するとともに、商業エリアの再構築を進めます。
また、当社グループの経営資源・ノウハウを徹底活用し、外販の拡大、新規事業の展開、海外・空港外への事業展開を推進してまいります。
4.首都圏航空需要を取り込むための空港機能強化
C滑走路の増設及びB滑走路の延伸については、アジアを始めとする世界の経済成長を取り込み、日本が持続的な発展を遂げていくためにも、2028年度末までの完成に向け、着実に推進してまいります。併せて、防音・移転対策や環境負荷の低減等の共生策に加え、地域産品や観光資源を活かした地域振興の推進等、地域に根差した共栄策も着実に推進してまいります。
また、旅客施設、貨物施設等の老朽化対策を行いながら、空港アクセスを含む今後の中長期的な環境変化に柔軟かつ機敏に対応可能な施設計画を検討してまいります。
5.持続可能な社会の実現
環境にも社会にも優しく、将来にわたり持続可能な成長を遂げていく「サステナブル・エアポート」を目指し、SDGs/ESGの視点での経営戦略の再構築を図ります。
「サステナブルNRT2050」に掲げた、脱炭素社会の実現を軸とした新たな中長期目標の達成に向けた取り組みを推進してまいります。また、成田国際空港の就労環境や雇用環境の改善を通じ、働き甲斐のある職場づくりを推進します。
株式上場につきましては、引き続き、国における検討を見守りつつ、上場に向けた準備を着実に進めてまいります。

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