有価証券報告書-第14期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 9:15
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【項目】
147項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、景気は緩やかに回復しました。関西経済についても、輸出や生産(鉱工業生産)が増加基調にあり、個人消費も緩やかに増加するなど、景気は緩やかに拡大しました。
このような経営環境の中、阪神高速グループでは「先進の道路サービスへ」というグループ理念のもと、「阪神高速グループビジョン2030」及び「中期経営計画(2017~2019)」を掲げ、「お客さま満足アッププラン2018」の策定・実施、業務の生産性や品質の向上を目指した「働き方改革」の推進等、安全・安心・快適の追求を通じてお客さまの満足を実現し、関西のくらしや経済の発展に引き続き貢献すべく事業の着実な展開に努めてまいりました。
また、平成31年1月には、大規模災害発生時の円滑な対応等を目的として、本社オフィスを移転し、災害対策本部室の常設等により、迅速・確実に初動活動ができる環境を構築するとともに、ICT機器の拡充等により、働き方改革を一段と推進する環境を整えました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの営業収益は230,647百万円(前年同期比7.6%増)、営業損失は430百万円(前年同期は営業利益1,722百万円)、経常利益は668百万円(前年同期比66.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,535百万円(前年同期比38.6%減)となりました。
なお、当連結会計年度は、台風21号等の相次ぐ自然災害の影響等により営業損失430百万円を計上しましたが、関連会社であった4社の連結子会社化に伴う負ののれん発生益の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は3,535百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(高速道路事業)
高速道路事業につきましては、ネットワーク整備を推進するとともに、営業延長260.5㎞にわたる阪神高速道路の適正かつ効率的な管理に努めてまいりました。
高速道路の管理に関しましては、お客さまに最高の安全と安心を提供するため、15号堺線・17号西大阪線において全線終日通行止めによるリニューアル工事を実施するなど、構造物の長寿命化に向けた大規模更新・修繕事業を進めてまいりました。
また、「お客さま満足アッププラン2018」の取組みでは、2箇所の本線料金所の跡地にパーキングエリア(尼崎PA、南芦屋浜PA)を新設し、11号池田線豊中南出入口付近での路外パーキングサービスを開始いたしました。このほか、企画割引「阪神高速ETC乗り放題パス」の販売、Twitterによる情報提供の開始等、お客さまサービスの向上に努めてまいりました。
高速道路通行台数は、一日当たり約76.0万台(前年同期比0.4%増)となりました。また、料金収入は、187,725百万円(同0.9%増)となりました。
高速道路の新設・改築に関しましては、ミッシングリンクの解消に向け、大和川線(鉄砲~三宅西)、淀川左岸線(海老江JCT~豊崎)、淀川左岸線延伸部、大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)及び西船場JCT(信濃橋渡り線(仮称))の整備推進に努め、平成30年5月には、西船場JCT改築事業において、阿波座合流区間の車線増設部を開放しました。
また、高速道路事業の利益剰余金を活用した、安全対策やサービス高度化に資する事業を開始しました。
この結果、高速道路事業の営業収益は223,259百万円(同7.7%増)となりました。一方、営業費用については、224,503百万円(同8.8%増)となり、営業損失は1,243百万円(前年同期は営業利益856百万円)となりました。
なお、阪神高速8号京都線については、近畿圏における高速道路の料金体系の整理・統一とネットワーク整備の観点から国土交通省が発表した「近畿圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」(平成28年12月16日)等を受け、高速道路を利用されるお客さまのさらなる利便性向上のため、平成31年4月1日をもって京都市及び西日本高速道路株式会社に移管いたしました。
(受託事業)
受託事業につきましては、大阪府道高速大和川線及び大阪市道高速道路淀川左岸線の工事受託等により、営業収益は1,924百万円(前年同期比9.7%増)、営業費用は1,954百万円(同14.7%増)となり、営業損失は30百万円(前年同期は営業利益49百万円)となりました。
(その他)
その他の事業につきましては、休憩所事業、駐車場事業、道路マネジメント事業等を展開しました。
この結果、その他の事業の営業収益は5,678百万円(前年同期比5.1%増)となりました。一方、営業費用は4,835百万円(同5.5%増)となり、営業利益は843百万円(同3.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,663百万円に加えて減価償却費6,777百万円などを計上したものの、負ののれん発生益3,144百万円、仕掛道路資産等のたな卸資産の増加額19,482百万円、売上債権の増加額9,171百万円などがあったことにより、24,517百万円の資金流出(前年同期は6,376百万円の資金流入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として料金収受機械及びETC装置への設備投資等に伴う固定資産の取得による支出5,298百万円などがあったことにより、2,047百万円の資金流出(前年同期比6,369百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入8,078百万円及び道路建設関係社債発行による収入70,000百万円があったものの、長期借入金の返済による支出8,009百万円及び道路建設関係社債償還による支出18,496百万円などがあったことにより、50,949百万円の資金流入(前年同期比37,972百万円の増加)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、58,304百万円(前年同期比24,384百万円の増加)となりました。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりであります。
(注) 本明細表は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成しております。
高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
当事業年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
区分金額(百万円)
Ⅰ 営業収益
1.料金収入187,725
2.道路資産完成高34,748
3.受託業務収入0
4.その他の売上高25222,500
Ⅱ 営業外収益
1.受取利息0
2.有価証券利息1
3.受取配当金187
4.土地物件貸付料39
5.原因者負担収入12
6.工事負担金等受入額764
7.雑収入621,068
Ⅲ 特別利益
1.固定資産売却益00
高速道路事業営業収益等合計223,569

③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「① 財政状態及び経営成績の状況」において各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の一部について、見積りを実施する必要があり、当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる方法によって実施しておりますが、見積りと実績が異なる可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えております。
(ア)仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社グループの連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されます。当該資産の取得原価には、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費、人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額、除却工事費用等資産の取得に要した費用の額及び仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息のうち、当該資産の工事完了の日までに発生したものを計上しております。
なお、高速道路建設が完了したのち、かかる道路資産は上記取得原価をもって機構に帰属すると同時に、協定に基づいて当社が当該道路資産を機構から借り受けることとなります。かかる借受けについてはオペレーティング・リース取引として処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
(イ)ETCマイレージサービス引当金
当社グループは、ETCマイレージサービス制度による高速道路通行料金割引に備えるため、マイレージポイント発生見込額を計上しております。
(ウ)退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
② 経営成績の分析
(ア)当連結会計年度の経営成績等
a営業収益
当連結会計年度における営業収益は、合計で前年同期比7.6%増の230,647百万円となりました。これをセグメント別にみると、高速道路事業については、料金収入は187,725百万円、道路資産の完成、引渡しによる道路資産完成高34,748百万円等を合わせて高速道路事業営業収益は223,259百万円となり、受託事業については、大阪府道高速大和川線に係る工事受託等により1,924百万円、その他の事業については、5,678百万円となりました。
b営業費用及び営業利益
当連結会計年度における営業費用は、合計で前年同期比8.7%増の231,078百万円となりました。
セグメント別にみると、高速道路事業については、協定に基づく機構への賃借料(注)の支払い145,259百万円、道路資産完成原価35,063百万円、維持修繕費や管理業務費等の管理費用44,180百万円による高速道路事業営業費用224,503百万円、受託事業における受託事業営業費用1,954百万円、その他の事業の営業費用4,835百万円であります。
これらの営業費用を差し引いた結果、当連結会計年度における営業損失は、430百万円となりました。セグメント別では、高速道路事業の営業損失は1,243百万円、受託事業の営業損失は30百万円、その他事業の営業利益は843百万円となりました。
(注)「協定に基づく機構への貸付料」は、機構との協定に基づく変動貸付料制により、実績収入が協定に定める計画収入の1%に相当する金額を加えた金額を上回ったことに伴い262百万円増額されました。
c営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、工事負担金等受入額764百万円等により1,107百万円となりました。
また、当連結会計年度の営業外費用は、寄付金4百万円等により8百万円となりました。
これらの営業外損益を計上した結果、当連結会計年度における経常利益は、前年同期比66.6%減の668百万円となりました。
d特別損益及び税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、負ののれん発生益3,144百万円等の計上により3,147百万円、特別損失は減損損失72百万円等の計上により152百万円となりました。
これらの特別損益を計上した結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前年同期比57.4
%減の3,663百万円となりました。
e親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等128百万円を計上した結果、前年同期比38.6%減の3,535百万円となりました。
(イ)経営成績に重要な影響を与える要因
a高速道路事業の特性について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により、機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上で道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入から機構への賃借料及びその他の道路事業にかかる管理費用の支払いに充てております。
このような協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社が収受する料金には当社の利潤を含めないことを前提としております。なお、事業年度によっては、料金収入、管理費用等の当初計画と実績との乖離により、利益又は損失が計上される場合があります。
また、高速道路事業においては、交通量の季節的な変動により上半期が下半期よりも収入が大きく、他方、補修工事等の完成が下半期に多いことから、管理費用については下半期が上半期よりも大きくなる傾向にあります。
b機構による債務引受け等について
当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。(注)
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定することや、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等について確認しております。
なお、高速道路にかかる道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなり、債務返済の履行については機構が主に行うこととなりますが、当該債務については、当社と機構が連帯して債務の弁済の責を負うものとされております。
また、阪神公団の民営化に伴い当社及び機構が承継した阪神公団の債務の一部について、当社と機構との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(注)高速道路事業の利益剰余金を活用した、安全対策やサービス高度化に資する事業に要する費用については、機構による債務引受けの対象外としております。なお、当該事業により形成された道路資産は、機構に帰属するものとして取り扱われます。
(ウ)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、道路料金の徴収等の営業活動のほか、道路建設関係社債(普通社債)の発行及び機構からの無利子借入れ並びに金融機関からの長期借入れを通じて実施いたしました。
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しております。

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