有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 9:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
145項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなど緩やかに回復していたものの、年末にかけて輸出が引き続き弱含む中で、製造業を中心に弱さが一段と増し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、年度末に景気が下押しされました。関西経済についても同様に、緩やかな回復基調から年度末には厳しい状況となりました。
このような経営環境の中、阪神高速グループでは「先進の道路サービスへ」というグループ理念のもと、「阪神高速グループビジョン2030」の実現に向けて策定した「中期経営計画(2017~2019)」の最終年度として、「お客さま満足アッププラン2019」を策定・実施し、業務の生産性・品質の向上を目指した「働き方改革」を推進しました。また、高速道路ネットワークの安全性、信頼性や使いやすさを向上させる観点から「高速道路における安全・安心実施計画」を策定するなど、安全・安心・快適の追求を通じてお客さまの満足を実現し、関西のくらしや経済の発展に引き続き貢献すべく事業の着実な展開に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの営業収益は370,242百万円(前年同期比60.5%増)、営業利益は1,574百万円(前年同期は営業損失430百万円)、経常利益は2,119百万円(前年同期比216.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,336百万円(同62.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(高速道路事業)
高速道路事業につきましては、営業延長258.1㎞にわたる阪神高速道路の適正かつ効率的な管理に努めるとともに、新たな路線の建設等、ネットワーク整備を推進してまいりました。
高速道路の管理に関しましては、お客さまに最高の安全と安心を提供するため、3号神戸線(湊川~京橋)及び4号湾岸線(南港北~大浜)において全線終日通行止めによるリニューアル工事を実施するなど、構造物の長寿命化に向けた大規模更新・修繕事業を進めてまいりました。
また、「お客さま満足アッププラン2019」の取組みでは、3号神戸線(尼崎付近)での路外パーキングサービスの開始、高機能舗装の更新等による走行快適性・安全性の向上、路面と標識のカラー表示による分かりやすい道路案内の拡充等を実施いたしました。このほか、企画割引「阪神高速ETC乗り放題パス」の販売、お客さまセンターの24時間対応化等、更なるお客さまサービスの向上に努めてまいりました。
高速道路通行台数は、平成31年4月1日をもって8号京都線を京都市及び西日本高速道路株式会社に移管したことや、上記の経営環境等を受けて、一日当たり約71.0万台(前年同期比6.6%減)となり、料金収入は178,145百万円(同5.1%減)となりました。
高速道路の新設・改築に関しましては、令和2年1月29日に西船場JCT信濃橋渡り線が開通しました。また、令和2年3月29日に6号大和川線の鉄砲~三宅西間7.7kmが開通し、大阪都心部における新たな環状道路「大阪都市再生環状道路」の一翼を担う6号大和川線全線が開通しました。このほか、淀川左岸線(海老江JCT~豊崎)、淀川左岸線延伸部及び大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)の整備推進に努めてまいりました。
この結果、高速道路事業の営業収益は359,702百万円(前年同期比61.1%増)となりました。一方、営業費用については、359,232百万円(同60.0%増)となり、営業利益は470百万円(前年同期は営業損失1,243百万円)となりました。
(受託事業)
受託事業につきましては、大阪府道高速大和川線及び大阪市道高速道路淀川左岸線の工事受託等により、営業収益は5,782百万円(前年同期比200.5%増)、営業費用は5,625百万円(同187.8%増)となり、営業利益は157百万円(前年同期は営業損失30百万円)となりました。
(その他)
その他の事業につきましては、休憩所事業、駐車場事業、道路マネジメント事業等を展開しました。
この結果、その他の事業の営業収益は5,025百万円(前年同期比11.5%減)となりました。一方、営業費用は4,079百万円(同15.6%減)となり、営業利益は946百万円(同12.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加額15,349百万円などを計上したものの、6号大和川線(鉄砲~三宅西)開通等に伴う仕掛道路資産等のたな卸資産の減少額109,726百万円及び仕入債務の増加額20,435百万円などがあったことにより、137,801百万円の資金流入(前年同期は24,517百万円の資金流出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として料金収受機械及びETC装置への設備投資等に伴う固定資産の取得による支出12,040百万円などがあったことにより、11,666百万円の資金流出(前年同期比9,619百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、道路建設関係社債発行による収入80,000百万円及び長期借入れによる収入5,000百万円があったものの、6号大和川線(鉄砲~三宅西)開通等に伴う債務引渡により道路建設関係社債償還による支出115,000百万円及び長期借入金の返済による支出65,872百万円などがあったことにより、96,538百万円の資金流出(前年同期は50,949百万円の資金流入)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、87,901百万円(前年同期比29,596百万円の増加)となりました。
(参考情報)
提出会社の当事業年度(自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりであります。
(注) 本明細表は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)第6条の規定により作成しております。
高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
当事業年度
(自 平成31年4月1日
至 令和2年3月31日)
区分金額(百万円)
Ⅰ 営業収益
1.料金収入178,145
2.道路資産完成高180,896
3.受託業務収入1
4.その他の売上高17359,059
Ⅱ 営業外収益
1.受取利息0
2.有価証券利息3
3.受取配当金461
4.土地物件貸付料32
5.原因者負担収入14
6.工事負担金等受入額311
7.雑収入77900
Ⅲ 特別利益
1.固定資産売却益00
高速道路事業営業収益等合計359,960

③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「① 財政状態及び経営成績の状況」において各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)当連結会計年度の財政状態及び経営成績
a営業収益
当連結会計年度における営業収益は、合計で前年同期比60.5%増の370,242百万円となりました。これは主に6号大和川線(鉄砲~三宅西)開通の影響等により道路資産完成高が増加したことによるものであります。
セグメント別にみると、高速道路事業については、料金収入は178,145百万円、道路資産の完成、引渡しによる道路資産完成高180,896百万円等を合わせて高速道路事業営業収益は359,702百万円となり、受託事業については、大阪府道高速大和川線に係る工事受託等により5,782百万円、その他の事業については、5,025百万円となりました。
b営業費用及び営業利益
当連結会計年度における営業費用は、合計で前年同期比59.5%増の368,667百万円となりました。これは主に6号大和川線(鉄砲~三宅西)開通に伴う道路資産の引渡による道路資産完成原価の計上等によるものであります。
セグメント別にみると、高速道路事業については、協定に基づく機構への賃借料(注)の支払い137,566百万円、道路資産完成原価180,896百万円、維持修繕費や管理業務費等の管理費用40,769百万円による高速道路事業営業費用359,232百万円、受託事業における受託事業営業費用5,625百万円、その他の事業の営業費用4,079百万円であります。
これらの営業費用を差し引いた結果、当連結会計年度における営業利益は、1,574百万円となりました。セグメント別では、高速道路事業の営業利益は470百万円、受託事業の営業利益は157百万円、その他事業の営業利益は946百万円となりました。
(注)「協定に基づく機構への貸付料」は、機構との協定に基づく変動貸付料制により、実績収入が協定に定める計画収入の1%に相当する金額を減じた金額を下回ったことに伴い2,711百万円減額されました。
c営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、工事負担金等受入額311百万円等により559百万円となりました。
また、当連結会計年度の営業外費用は、持分法による投資損失6百万円等により14百万円となりました。
これらの営業外損益を計上した結果、当連結会計年度における経常利益は、前年同期比216.9%増の2,119百万円となりました。
d特別損益及び税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益の計上により1百万円、特別損失は減損損失121百万円等の計上により160百万円となりました。
これらの特別損益を計上した結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前年同期比46.5
%減の1,960百万円となりました。
e親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等623百万円を計上した結果、前年同期比62.2%減の1,336百万円となりました。
f財政状態
当連結会計年度末における資産は、合計で前年同期比22.7%減の227,925百万円となりました。
当連結会計年度末における負債は、合計で前年同期比28.0%減の174,310百万円となりました。
これは主に6号大和川線(鉄砲~三宅西)開通に伴う道路資産の引渡により、資産は仕掛道路資産が減少し、負債は道路建設関係社債及び道路建設関係長期借入金が減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は、合計で前年同期比1.8%増の53,614百万円となりました。これは主に親会社に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
(イ)経営成績に重要な影響を与える要因
a高速道路事業の特性について
高速道路事業においては、高速道路会社法及び機構法の規定により、機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上で道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入を機構への賃借料及びその他の道路事業にかかる管理費用の支払いに充てております。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社が収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、事業年度によっては、料金収入、管理費用等の当初計画と実績との乖離により、利益又は損失が計上される場合があり、かかる利益は、高速道路事業における将来の経済情勢の変動や自然災害等のリスクに備え、積み立てることとしております。
また、高速道路事業においては、交通量の季節的な変動により上半期が下半期よりも収入が大きく、他方、補修工事等の完成が下半期に多いことから、管理費については下半期が上半期よりも大きくなる傾向にあります。
b機構による債務引受け等について
当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。(注)
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定することや、債務引受けは併存的債務引受けの方法によること等について確認しております。
なお、高速道路にかかる道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなり、債務返済の履行については機構が主に行うこととなりますが、当該債務については、当社と機構とが連帯してその弁済の責を負うものとされております。
また、阪神公団の民営化に伴い当社及び機構が承継した阪神公団の債務の一部について、当社と機構との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(注)高速道路事業の利益剰余金を活用した、安全対策やサービス高度化に資する事業に要する費用については、機構による債務引受けの対象外としております。なお、当該事業により形成された道路資産は、機構に帰属するものとして取り扱われます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ア)キャッシュ・フローの状況及び資金需要の主な内容
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、道路料金の徴収等の営業活動のほか、道路建設関係社債(普通社債)の発行及び機構からの無利子借入れ並びに金融機関からの長期借入れを通じて実施いたしました。
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しております。
(イ)資金調達について
特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産に係る投資については、道路建設関係社債(普通社債)の発行及び機構からの無利子借入れ並びに金融機関からの長期借入れを通じて実施しております。社債の発行及び長期借入れに係る資金調達については、安定的な調達かつ調達コストの縮減を目指し、調達バランスの最適化を図っております。
なお、機構への賃借料の支払いには高速道路料金収入を充当しており、事業用設備に係る投資については自己資金及びその他の長期借入金にて実施しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の一部について、見積りを実施する必要があり、当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる方法によって実施しておりますが、見積りと実績が異なる可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針に係る見積りが、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えております。
退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の「追加情報」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表」の「追加情報」に記載しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。