有価証券報告書-第93期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 14:22
【資料】
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【項目】
156項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念にしております。このため、放送事業を中心とする公共性の高い企業グループとして、長期にわたり安定した経営基盤を確保していくことが重要な経営目標となります。
放送局を取り巻く環境は、メディア、情報デバイスの多様化によって大きく変容してきていますが、大規模な自然災害が相次いだここ数年、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値が改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、今後ますます高まっていくものと考えています。こうしたメディア環境を踏まえ、当社グループは、これからも地域を代表する放送局、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしい放送サービスを提供してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っています。しかし、広告市況に関わらず、当社グループは放送事業者としての使命を全うするため、様々な事業環境の変化に柔軟に対応しつつ、安定した経営基盤を確保していくことが重要であると考えています。このため、当社グループは、中長期的な視点でグループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、総合力による競争優位性を確保するとともに、企業価値を増大させていくことを目標としてまいります。
(3)対処すべき課題
平成は、情報通信のテクノロジーが大きく進展する一方、「災害の時代」とも言われ、阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめ、さまざまな天災が各地に大きな被害をもたらしました。昨年の北海道胆振東部地震の際には北海道全域で大規模停電(ブラックアウト)が発生し、地元の放送局では、予備電源により放送を送出し続けるとともに、インターネットで同時配信も行い、多くの道民がラジオやワンセグ、スマートフォンなどで情報を得ました。その一方で問題となったのは、インターネット上における不確かな情報やデマの拡散です。災害はその被害の大きさとともに、信頼ある地域情報の重要性を改めて浮き彫りにしました。
令和という新たな時代を迎え、グループを取り巻く環境変化はさらに加速していくことが予想されます。その中で、これまで通り、放送という公共性の高い事業を中核に、地域で最も信頼されるメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与するという社会的使命を確実に果たしていくためには、6年目を迎えた認定放送持株会社を中心とする「Webフォーメーション」体制を更に進化させ、グループ全体の基盤をより強化し、将来にわたって成長エンジンを回し続けていく必要があると考えます。
「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2018-2020」
当社および当社グループは、昨年、当事業年度を初年度とする「中期経営計画2018-2020」を策定しました。策定にあたり、当計画期間を、「100年企業」となる2050年においても成長し続けるグループとなるために、主力であるテレビ・ラジオの放送を中心に既存の事業を更に強化しつつ、グループ全体で将来の種を播き、成長の可能性を見出す3年間と位置付けました。計画最終年度の2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、その後も2025年の大阪万博、2026年のアジア大会、2027年のリニア開通など、2020年代は国際イベントや大型事業が目白押しとなるため、将来に向けて足元をしっかりと固めつつ、備えを進めていく重要な期間となります。
当計画における重点目標としては、成長戦略の3本柱「映像」「情報」「ICT」を軸に、「現行ビジネスの強化」「新規事業の創出、拡張」「成長を支える基盤の強化」の3点を掲げ、グループの成長を促進させていきます。
現行ビジネスの強化
「現行ビジネスの強化」とは、すなわち放送を中心とした現行ビジネスの売上、利益を最大化することです。当事業年度は放送関連セグメントが2期連続の減収となりました。その要因として、テレビ、ラジオの広告収入と景気動向との連動性が弱まっているという見方もありますが、少子高齢化と人口の減少、メディア・デバイスの多様化などの環境変化が複合的に影響を及ぼしている可能性もあります。しかし、逆の見方をすれば、そのメディアの多様化により、テレビやラジオの生み出すコンテンツも、現行の視聴率や聴取率で示されている以上の到達度や影響度を持っていると考えられます。また、テレビやラジオの広告は、インターネット広告と比較して、データをもとにした媒体価値がわかりにくいという指摘もあるため、新たなデータ指標に基づく価値を提供し、データ利活用の仕組みを構築することにより、媒体価値をより確固たるものとしていきたいと考えています。 テレビ視聴率に関してはタイムシフト視聴を加えた総合視聴率の計測が始まりました。CBCテレビでは、2019年4月より、平日午後帯で新番組『チャント!』を開始し、スポンサーのニーズに応えた、より幅広い視聴者層の獲得を目指していきます。CBCラジオでは、シニア世代を中心とした終活イベントや、若年層リスナーをターゲットに男性声優がパーソナリティを務める番組編成など、ターゲットをより明確にした番組やイベントの開発を進めており、スポンサーとリスナーを直接つなぐマネタイズモデルとして育ちつつあります。また、インターネットラジオのradikoを活用したターゲティング広告配信も始めており、リスナーと広告ターゲットを結び付けた取り組みを今後さらに加速させていきます。 さらに、リスナーの拡大に向けては、全国のラジオ局と連携し、radiko(インターネット)とFM放送(FM波)の両方でラジオを聴ける「ハイブリッドラジオ」を搭載したスマートフォン「ラジスマ」の普及に努めています。そして、独自の取り組みとして、昨年11月より、FMラジオチューナーを搭載した格安スマートフォン「CBCスマホ」のサービス事業も開始し、CBCラジオの媒体価値向上、リスナーの獲得につなげていこうと考えています。 不動産事業では、名古屋駅前エリアの不動産をはじめ、アピタ長久手店や千代田会館など、保有する不動産資産の価値の最大化を図るとともに、安定収益の確保に努めていきます。
新規事業の創出、拡張
「新規事業の創出、拡張」とは、将来成長が見込まれる分野にリソースを投入し、新しい収益の柱を創出していくことです。 その1つは「放送事業を強化する総合的メディアデザインの構築」です。メディアの多様化や高度化が進む中、有料動画配信プラットフォームへ参画するなど、次世代のプラットフォーム並びにコンテンツ流通における新たなビジネスモデルについて検討し、ラジオ、テレビの価値の最大化につなげていこうと考えています。
もう1つは「次世代に向けた戦略的投資、新規事業の開拓」です。放送関連分野だけではなく、「ICT」分野を中心に検討を行い、高度な技術や知見を有するさまざまな企業とのオープンイノベーションによる連携や協業も進めながら、事業拡大に取り組んでいます。当事業年度においては、駐車場シェアリングエコノミーサービスを運営する「akippa」や、有人宇宙機開発を進めている地元企業の「PDエアロスペース」に出資を行いました。また、前述した格安スマートフォン「CBCスマホ」事業のほか、海外向けにアニメ、漫画、ゲームといった日本のサブカルチャーコンテンツを提供する「Tokyo Otaku Mode」にも参画するなど、新たな事業分野での取り組みも推進しています。 いずれの取り組みも、グループとして、コンテンツの活用やビジネス領域の拡大、地域活性化への貢献などに結び付けていくことを目指しており、人口減少や産業構造の変化が進む中、将来的には新たな事業ポートフォリオの構築も進めながら、事業の多角化、グループの持続的成長の促進を図っていきます。
成長を支える基盤の強化 「成長を支える基盤の強化」とは、グループ各社が日々、今日を超えるパフォーマンスを発揮するため、「インフラ整備」と「次世代人材の開発・育成」を行っていくことです。当社グループは報道機関として、いかなる状況においても放送を継続するために、その関連施設に対しては最大限の対策を継続して施す必要があり、また、大規模な災害時などにおいては、主要な収入である広告を一定期間放送することなく、情報を提供し続けるという使命も負っています。こうした使命を果たすためにも、体制と基盤は常に強化し続けていかなければなりません。 「インフラ整備」として、当事業年度においては、まず、CBC会館のリニューアル工事に向けた検討に着手しました。当社グループの表玄関としての機能を生かしつつ、放送スタジオについては4Kに対応した更新を進めるなど、新たな放送施設としての整備を進めていきます。放送事業を基軸としたグループの将来成長のためには、テクノロジーの進展に合わせた機動的な設備投資が不可欠であり、そのためには、安定的な資金の確保とともに強固な財務基盤を維持していくことが重要と考えます。 「次世代人材の開発・育成」としては、職員のICTリテラシー向上を図り、オープンイノベーションにより新たな価値を創造できる人材育成に取り組む一方、職員の「新しい働き方」についても整備を進めています。
「100年企業」へ向かって
当社は来年、創立70周年を迎えます。新たな時代を迎え、取り巻く環境はますます変化することが予想されますが、上記目標及び課題に対処していくことこそが、報道機関、情報インフラとしての使命を果たしつつ、企業としての成長につながっていくものと確信しています。 民間放送のパイオニアとして歴史を先導してきた当社グループは、「100年企業」を目指し、大きな変革を飛躍のチャンスとして事業領域を広げ、未来に向かって持続的に成長することで、あらゆるステークホルダーの皆さまに最大の満足を提供できる存在であり続けたいと考えています。

なお、会社の支配に関する基本方針は、次のとおりです。
当社および当社グループは、テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を制作し、地域社会や文化に貢献することを経営の基本理念にしています。テレビやラジオは、公共性の高いメディアであり、通信技術の進展に伴ってメディアが多様化しても、基幹メディアの地位を維持していくものと考えています。このため、中長期的な視点に立って、安定的に経営を継続していくことが重要であり、それが、ひいては企業価値、株主価値の向上につながるものと確信しています。
当社は、こうした経営の基本理念を支持する者が、「会社の財務および事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えています。
なお、当社では、株式に対する大規模な買収行為がなされた場合に備えた具体的な枠組み(いわゆる「買収防衛策」)は定めていません。

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